小学生の受験の実態は?中学受験に向けた勉強時間や勉強量・塾の必要性まで徹底解説!
「どのくらいの小学生が受験するの?」
「中学受験対策に必要な勉強時間・勉強量は?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
小学生の10人に1人程度は、中学受験をして私立・国立中学や公立中高一貫校に進学します。
子供に中学受験をさせたいという場合、勉強方法や勉強時間などに関する疑問は尽きないでしょう。
そこでここでは小学生の受験の実態について、中学入試に向けた勉強時間や勉強量、塾の必要性などを解説します!
小学生の受験の実態についてざっくり説明すると
- 私立中学に進学する割合は7.3%
- 6年生の夏以降は一日3〜5時間勉強する
- 進学塾にはかなりの費用がかかる
受験する小学生の実態は?
「受験するなら塾に通った方が良いの?」
「どのくらいの勉強時間は必要?」
など、小学生の中学受験に関しては様々な疑問があるでしょう。
以下では中学受験の実態をチェックしていきましょう。
中学受験する小学生の割合
2018年度に文部科学省が発表した「学校基本調査」によると、私立中学校に通う割合は以下の通りです。
地域 | 私立に通う割合(%) |
---|---|
全国 | 7.3 |
東京 | 24.8 |
高知 | 18.0 |
京都 | 13.2 |
奈良 | 12.4 |
神奈川 | 11.0 |
広島 | 9.8 |
大阪 | 9.5 |
和歌山 | 9.3 |
兵庫 | 8.5 |
千葉 | 6.2 |
上記を見ると、私立中学に通う割合には都道府県によってかなりのばらつきがあります。全国1位の東京では、10人に2人以上は私立に通っており、比較的中学受験に熱心であると言えるでしょう。
受験する小学生の勉強時間・勉強量
平均的な小学生の勉強時間
ベネッセ教育総合研究所がまとめた「第5回学習基本調査」データブック[2015]によると、小学生の平均勉強時間は1時間30分ほどとなっています。
ただし、これはあくまで平均値なので、実際にはほとんど勉強していない子供もいれば、3時間以上勉強している子供もいます。
そのため、受験する小学生の勉強時間の長さが、平均値を押し上げているとも考えられます。
また小学生の勉強時間の目安は学年×15分と言われることもあるので、いかに受験生の勉強時間が長いかが分かるでしょう。
夏休み・夏以降の学習時間目安
中学受験にとっては、小学6年生の夏が最も重要なシーズンになります。
そこから入試に向けてラストスパートという雰囲気になるため、夏以降は毎日平均して3〜5時間勉強するのが一般的です。
また中学受験には、私立・国立中学受験と公立中高一貫校受験がありますが、私立・国立受験の方が勉強時間が長くなる傾向にあります。
私立・国立中学入試では学校ごとに出題範囲が特殊なので、それぞれに合った対策を行わないといけないからです。
さらに私立有名中学になると試験の難易度も上がるため、それだけ多くの勉強が必要になります。
親のサポートで勉強時間は減らせる
親がサポートをしてあげることで、子供もより集中して効率よく勉強できるようになります。
時間と内容を限って勉強する
勉強を始める時に「算数の宿題をやろう」「国語の勉強をしよう」などと声かけをする家庭もあるでしょう。
しかし、これでは目的が漠然としており、終わりも見えないため集中しにくいです。
よって「算数の問題集の大問1を20分で解こう」など、時間と内容を細かく限定するのがおすすめです。
このように明確にゴールを設定してあげると、子供は終わりが見えるので意欲的に勉強できるようになります。
必要な学習に限定しているため、より内容を短い時間で理解することができる点も大きいです。
また、目標が明確であるにもかかわらず、全く勉強が捗らないという場合もあるでしょう。
その場合は子供が該当する範囲を理解できていない可能性があるので、テキストやノートなどで基礎的な内容をおさらいするのがおすすめです。
子供の苦手な点を把握しておく
苦手な点を把握しておくことで、「苦手な部分を重点的に学習する」ということができるようになります。
すでに学習した内容を繰り返すことももちろん重要ですが、苦手をつぶす学習は得点アップにつながりやすいため学習効率が高いです。
苦手をしっかりと把握し、毎日の学習に反映することは小学生の段階では難しいこともあるでしょう。そのため、親が「これってできるの?」と遠回しに取り組ませるようにすることが大事です。
スムーズに学習するためのアイデアを出す
思いつかない場合は仕方ありませんが、「こうした方がスムーズなんじゃないかな」というアイデアがあったら積極的に共有してあげましょう。
計算がある程度間違えずにできるのであれば、毎日の計算練習の量を減らしてみたりするなど、「不要なインプットや基礎学習の量を減らせないか」という観点を持っていると、無駄を省きやすいです。
ただし、あまり口出ししすぎるのはよくないです。「これを勉強の初めにやった方が、集中して取り組みやすい」など、子供なりにルーティンがある場合もあるからです。
完璧主義にならない
科目ごとの基礎的な内容であれば完璧にすることは必須ですが、応用・発展の問題演習をしている際には一回目で完璧を求めるのはあまり効率的ではありません。
「こうやって解くんだな」というコツをつかんだ上で、すぐに他の類題にチャレンジしたり忘れた頃に解き直したりなどして、問題数を回すことに注力しましょう。
丁寧に考えて解く練習は必要ですが、全ての問題においてそれをやる必要はなく、定型問題については解き方をある程度暗記する方向で勉強した方が効率は良いでしょう。
子供の息抜きの時間に口を出さない
「集中→息抜き」を繰り返して物事に取り組む点は子供でも大人でも一緒です。しっかりと息抜きができないと、その後また集中するのが難しくなります。
そのため、あまりにもずっと勉強しない場合は別ですが、子供の息抜きにはあまり口を出さないようにしましょう。強制的に勉強をやらせても、結局集中できなくなってしまいます。
また、できる限り早い段階から、自分一人で勉強のペースを作れるようにならないと、中学・高校で苦労しかねません。
小学生の受験を成功させる勉強法は?
中学入試の合格を果たすためには、効率的な勉強法を身に付けることが非常に重要です。
ここでは多くの小学生が活用できる受験勉強のエッセンスをご紹介します。
復習を忘れない
塾で宿題が出る場合はそれをやることで自然と復習ができますが、宿題がない場合でも自宅で復習は行うべきです。
一度理解しただけではすぐに忘れてしまうので、再度復習をすることによって知識を定着させる作業が必要になります。
塾の授業を受けたら、そこから1日以内にテキストやノートの見直しをさせるのが良いでしょう。
忘却曲線とは?
心理学者のエビングハウスで有名な忘却曲線によると、人間の記憶は時間と共に以下のような変化を見せるようです。
時間経過 | 記憶 |
---|---|
1時間後 | 56%忘れる |
9時間後 | 64%忘れる |
1日後 | 67%忘れる |
2日後 | 72%忘れる |
6日後 | 75%忘れる |
上記より、人間は何かを学んでも6日後にはその大半を忘れてしまうということが分かります。
ただし、学習後24時間以内に10分間の復習を行えば、定着率100%を維持できるという研究結果が出ています。また1週間以内に5分間の復習をもう一度行えば、記憶はより良く定着するとのことです。
勉強時間は短い方がいいの?
勉強時間は長ければ長いほど良いというわけではありません。
いくら長時間勉強したとしても、そのほとんどが居眠りやスマホいじりに費やされているようなら能率の良い勉強とは言えないからです。
重要なのは長時間勉強することではなく、効率よく勉強することになります。また毎日決まった時間に宿題をするなど、学習習慣をつけることも大切です。
なお、睡眠時間を削ってまで勉強する必要はありません。睡眠不足は記憶力の低下を招きます。また免疫力の低下や疲労感など、身体的にも悪影響があるため、いくら勉強量に不安があっても睡眠は十分に取らせるべきでしょう。
やる気を高めるようにサポートしてあげる
子供の学習継続には、モチベーションを維持することが必要不可欠です。子供がやる気を持って取り組めるよう、しっかりとサポートをしてあげましょう。
塾に通うのを楽しいと思ってもらう
中学受験を目指している子供の多くが塾に通って勉強をすると思います。家よりも塾に通った方が集中して勉強しやすい、という子も多いでしょう。
そのため、塾に通うことを楽しいと思い頻繁に塾に通うようになれば、それだけ勉強に費やすことのできる時間も増えます。
一緒に勉強する仲間を見つけたり、親御さんがサポートをしてあげたりすることで、楽しく塾に通えるようにしてあげましょう。
親が褒めてあげることが大事
親の褒め言葉は、子供のやる気アップに非常に大きな効果があります。
日々のちょっとした努力や進歩も見逃さず「頑張ってるね」「すごいね」と、言葉に出して言ってあげましょう。
自分の頑張りが評価されることで、喜びや安心感を感じることができ、続けていくためのモチベーションが高まるのです。
学習スケジュールをしっかり組もう
効率よく学習を進めるためには、学習スケジュールをしっかりと組むことがおすすめです。
また、学習スケジュールをしっかり作ることは、日々やることが明確になるので、学習継続の面でも効果があります。
学習効率の良いスケジュールを作るためには、1日や1週間だけでなく、1ヶ月・1年での達成すべき目標もしっかりと決めておきましょう。
模試の時期なども考慮できるとなお良いです。お子様だけで学習計画を組むのは難しい場合もあるので、親子で一緒に作成しましょう。
小学生の学習では「習慣化」が特に大事
小学生の段階では、長時間学習することよりも毎日学習する習慣をつけることの方が大事です。
難関中学を合格するためには、小6の段階では数時間の勉強を毎日継続的に行うことが必要です。小4ぐらいの頃から、短い時間で良いので毎日勉強を行うようにしましょう。
当然早ければ早いほど良いので、低学年の間にこのような習慣を身につけることもおすすめです。低学年の方が勉強内容が簡単で、達成感や楽しさを味わいやすいことから、むしろこういった習慣を身につけやすいとも考えられます。
習慣化のためには、親がしっかりとサポートをしてあげることも重要です。上記の内容だけでなく、子供に合う教材を用意してあげるなど、学習しやすい環境を整えてあげましょう。
ただし、親が過度にサポートをすることは、子供の達成感が薄れてしまうのでよくありません。
「自分の力でできた」という達成感を十分に感じ取ってもらうためにも、勉強を始めたらあまり口を出しすぎないようにしましょう。
中学受験のメリット
中学受験をすることで、受験をしなかった場合と比べて様々な経験を積むことができます。
ここでは中学受験を通じて入学をするメリットをお伝えしていきます。
中高一貫のカリキュラム
中高一貫校に進学すれば、高校卒業まで6年間のカリキュラムに沿って学習することが可能です。
一般の公立中学の場合は高校受験をしなければなりませんが、中高一貫校ならその労力が要らないので、余裕を持って勉強することができます。
そのため、部活動や学校行事などに力を入れたり、早めに大学受験の対策を始めることができるでしょう。
周りの環境
中学受験を行えば、同じような学力の生徒と知り合うことができます。
家庭環境なども含め似た境遇の人間が多くなるため、友達が作りやすく、共感できない勉強の話題に無理して合わせる必要もありません。
一方で地元の公立中学に進学する場合に比べると、一から友達作りを行わなければならないという大変さがあります。
学校のサポートの充実
私立・国立中学や中高一貫校は、学習サポートが充実していることが多いです。補習や土曜授業など、一般の公立中学にはないサポートを受けられることがあります。
また公立中学に比べ、教師の面倒見が良いという傾向もあるようです。特に私立の場合は教師の異動が少ないため、ずっと同じ先生に面倒を見てもらうことができます。
レベルの高い生徒を多く抱えているので、進路指導や進学指導も充実している学校が多いです。
中学受験のデメリット
多くのメリットがある中学受験ですが、一方であまり嬉しくない側面も少なからず存在します。
ここでは中学受験のデメリットをお伝えします。
費用が高い
公立の中学では基本的に学費は必要ありません。一方で私立の中学に通うには、年間でかなりの費用がかかります。
文科省の調査によると、年間で100万円程度は必要とのことです。なお、これは授業料以外に教材費や通学費、制服代、学校給食費なども含めた総額になります。
加えて中学受験までには進学塾に通うのが一般的なので、学習塾費も必要です。6年生を進学塾に通わせると、年間で100万円程度かかると言われています。
以下の記事では、中学受験で人気の塾をランキング形式で紹介しています。塾ごとの費用もわかりやすく説明しているので、塾にかかる費用についてより詳しく知り合い方は、以下の記事をぜひご覧ください。
受験が負担に
中学受験の経験は、困難なことに挑む精神力や目標を達成するための行動力など、様々な力の習得につながりやすいでしょう。
一方でハードな受験勉強は小学生にとって大きな負担になることも事実です。塾から課題の多さに戸惑ったり、自分だけ友達と遊べないことに不満を持つこともあるでしょう。
そのため、中学受験をさせたいと考える場合は、子供ときちんと話し合うべきです。無理やり勉強させてもあまり上手くいかない可能性もあるので、子供が納得した上で受験させるのが良いでしょう。
通学時間がかかる
地元の公立中学なら通学には大した時間はかからないでしょう。しかし、中学受験を行えば、通学に40分ほどかかるのが一般的です。
さらに東京周辺の県から都内へ通学する場合などは、1時間以上の通学時間を要することもあるでしょう。この場合はラッシュ時に都内の交通機関を利用する必要があるので、相当体力を使います。
交通機関を使って毎朝通学するのは、特に中学1年生にとっては負担が大きいと言えるでしょう。
中学受験に塾は必要なの?
中学受験を目指す場合は、進学塾に通うか、通信教育を活用するかの2択に絞られます。
中学入試では通常の授業では対策できないような問題が出題されるので、塾や通信教育を利用していないと、そもそもまともな対策ができないのです。
こうした事情を踏まえて、以下では中学受験における塾および通信教育の役割を見ていきましょう。
受験では塾に通う人が大半
中学受験をする場合は、進学塾に通うのが一般的です。それぞれの中学で傾向があったり、学校では習わない内容も出題されるので、自宅学習では対策は困難と言えるでしょう。
やはり受験対策のプロから解き方のテクニックなどを学んだ方が、効率よく対策が進められる傾向にあります。
また塾に通うことで、同じく中学受験を目指す周りのレベルを知ることができるというメリットもあります。
さらに有名私立を志望する場合は、志望校に合わせた特別講習を受けることもできるので、基本的には塾に通わせるのが良いでしょう。
受験塾のデメリットも存在
小学生を進学塾に入れる際にネックになるのはやはり費用面でしょう。
月謝の相場としては、4・5年生の場合は3、4万円、6年生の場合は4、5万円と言われています。
月謝だけならまだ良いのですが、季節ごとには講習もあるため、追加で講習費も必要です。よって、年間では4・5年生なら50〜60万円、6年生なら100万円程度がかかります。
そのため、よく「進学塾に入れると100万円かかる」と言われるのは事実です。
通信教育でもバッチリ対応できる
通信教育は受験対策に弱いというイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、通信教育でも十分な受験対策が行えるサービスも存在します。
塾は費用が高いだけでなく、時間や場所の制約を受けるというデメリットもあります。一方で通信教育なら、費用は比較的塾より安いことが多く、好きな時間に自宅学習が可能です。
中学受験におすすめの通信教育については以下の記事で紹介しています。
中学受験しないなら塾は必要ない
中学受験を考える場合は進学塾に入れるのが普通ですが、中学受験しないなら無理して塾に入れる必要はありません。
平成30年度に文科省が実施した「子供の学習調査」では、公立小学校の通う生徒の6割以上は塾に通っていないというデータもあります。
そのため、小学生に関しては塾に通わない方がむしろ一般的な選択です。
小学校のうちは学習内容も簡単で、特別テクニックなどは必要ないことが多いので、自宅学習での基本的な内容を復習で対応は可能でしょう。
学校の勉強プラスアルファが欲しいという場合は、通信教育を利用するのがおすすめです。通信教育ならスキマ時間で無理なく勉強が続けられるので、遊ぶ時間などを削る必要はありません。
最近の通信教育はタブレットを使って楽しく学ぶのが主流なので、勉強嫌いのお子さんにもおすすめです。
2020年度からは新学習指導要領が始まり、本格的な英語やプログラミングの学習も小学校教育に導入されるため、それらに備えて通信教育で予習を行うのも良いでしょう。
小学生におすすめの通信教育は以下の記事で紹介しています。
小学生の受験の実態についてまとめ
小学生の受験の実態についてまとめ
- 私立・国立や中高一貫の方がサポートが充実している
- 受験が子供にとってかなり負担になるのも事実
- 通信教育で中学受験対策を行うのもおすすめ
小学生の受験の実態について解説しました。
中学受験をする際は塾や通信教育がほぼ必須となります。
お子さんにあった塾や通信教育を選んで、ぜひ志望校の合格を勝ち取ってください!