小学生の子供への勉強の教え方は?イライラの対策や勉強嫌いな子に接するコツを解説
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「小学生の子供にはどうやって勉強を教えれば良い?」
「イライラをなくすには?勉強嫌いの子供への教え方のコツは?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
小学生の子供に勉強を教える際はいくつかのポイントがあります。また勉強嫌いの子供でも、親が上手にサポートすることで勉強させることは可能です。
今回は小学生の子供への勉強の教え方について、イライラの対策や勉強嫌いの子供への接し方のコツなどをお伝えします。
これを読めば、自分の子供にどうやって勉強を教えれば良いかが分かるはずです。
小学生の子供への勉強の教え方をざっくり説明すると
- 一緒に学ぶという意識を持つ
- イライラした時は一度時間を置く
- 勉強嫌いの子供が目標を達成した時はたくさん褒めてあげる
小学生の子供に勉強を教える方法は?
小学生の子供にどうやって勉強を教えたら良いか分からないという方は多いはずです。
勉強しない子供に対してついカッとなってしまったり、声かけに悩むこともあるでしょう。そのような場合は以下の内容を参考にしてください。
全て説明しない
子供が考えている時に解き方や答えを説明してしまうと、子供は自分で考えるのをやめてしまいます。
自分で考えて答えを導き出す力をつけることができなくなるので、丁寧に説明し過ぎるのは逆効果です。
まずは自分で問題に取り組ませ、助けを求められるまでは黙って見守るのがおすすめです。子供が質問してきたら少しずつヒントを出しましょう。
一緒に学ぶ!
親子で楽しく勉強すれば、子供が勉強に対して良いイメージを抱きやすいので、勉強を教える際は一緒に学ぶという意識を持ちましょう。
解き方を教えるのではなく、提案するような形で問いかければ、子供が自分で考えることを妨げることもありません。子供の考えや分からないポイントを上手く引き出しながら、答えに辿り着けるように誘導してやるのが良いでしょう。
また、親自身の勉強に関しても子供の目の届く場所でやるのがおすすめです。子供も釣られて勉強するようになるでしょう。
間違いを否定しない
間違えることは決して悪いことではありません。間違えは成長できるきっかけでもあるからです。
子供が間違えた答えを言った時は、どうしてそう考えたのかを聞き、プロセスの誤りを正してあげましょう。
単に間違えた答えを否定し、正解を教えるだけでは、子供が自分自身で正解を導き出せるようにはなりません。
また自分の答えを否定されると子供はモチベーションを落としてしまいます。間違えを非難するような口調は御法度です。
否定から入るのではなく、一緒に話し合って正しい答えが出せるように成長していくというイメージを持ちましょう。
人と比べない
「〇〇君はこんなにできるのに」などの発言はタブーです。そうした発言は子供に劣等感を与え、勉強へのやる気や自信を失わせてしまいます。
大事なのは人と比べるのではなく、その子自身がどれだけ成長できるかです。そのため、過去と比べて現在がどうかという観点で話すようにしましょう。
また子供の勉強へのモチベーションを維持するには、基本的は褒めて伸ばすのがおすすめです。前よりもできるようになったことを、積極的に褒めてあげましょう。
たくさん会話するのが良い
一般的に、保護者とよく会話する子供の方が学力が高い傾向にあると言われています。
実際、親子のコミュニケーションが学力に与える影響については、様々な論文で指摘されています。
そのため、勉強に限らず普段からたくさん会話することを心がけましょう。学校の出来事などについて普段からよく話すようにしておけば、勉強の際も子供が質問しやすくなります。
「勉強しなさい」というのは逆効果
子供に口癖のように「勉強しなさい」と言っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これには効果がないと言われています。
実際の統計でも、学力下位の子供ほどよく「勉強しなさい」と言われていることが分かっています。
無理やり勉強させると子供が勉強嫌いになってしまう恐れもあるので、自主的に勉強させるような工夫をしましょう。
イライラせず教えるコツ
勉強を教える際に、ついイライラしてしまうという方もいるでしょう。そのような場合は以下の内容を参考にしてください。
イライラしたときの対処法は?
何度説明しても理解してくれない、分かったと言ってもまた間違うなどの理由でイライラしてしまうこともあるはずです。
しかし「どうしてできないの?」などと非難するようなことはあってはなりません。怒られると子供はやる気を無くしてしまいます。
また先述した通り、勉強する際は一緒に学ぶという意識が大切です。イライラして子供との関係が悪くなってしまえば、勉強を上手く教えることはできません。
子供が何を言っているか分からない場合は、一度考えを説明してもらうのも良いでしょう。それで子供が間違いに気付くこともあるでしょうし、親が気付けていないポイントが見つかることもあります。
一旦放置する
勉強が捗らない子供に対してイライラが抑えられない場合は、「一旦自分でよく考えて見て」などと声かけし、5分ほどその場を離れるのも良いでしょう。
じっくり考える時間を与えることで子供の理解が進むこともありますし、親にとっても気持ちを落ち着ける良い機会になります。
しばらく時間が経ってイライラが落ち着いたら、再び一緒に勉強しましょう。
他のことまで言わない
勉強を教える際にイライラして子供と喧嘩になってしまうこともあるでしょう。しかし、その際に「あの時も、」などと過去のことまで引き合いに出して怒るのはいけません。
これは勉強中に限りませんが、何かをきっかけに怒りを爆発させてしまうというのは問題でしょう。
一方的にキレてしまうと、子供は親と一緒に勉強するのが嫌になってしまいます。そうなれば教えることもできなくなるので、良い関係性を保つためにも、感情をコントロールする工夫をするべきです。
勉強を教える時は報酬制に
イライラを完全になくすには難しいので、親自身にも勉強を教えることのご褒美を用意するのがおすすめです
家庭教師になったつもりで1時間教えればいくらと決めたり、スイーツなどを報酬にするのも良いでしょう。
こうした工夫をすることで、一歩引いて冷静になれるという効果があります。家庭教師で他人の子供に教える際に逆上する可能性は低いと思うので、報酬制の教師になりきるのも良いでしょう。
どれくらい勉強させるのが普通なの?
一般的に、小学生には学年×15分の勉強をさせるべきだと言われています。しかし中学受験をするのでなければ、勉強時間にはそれほどこだわらなくても良いでしょう。
また長時間勉強させる必要もありません。むしろ短時間で集中して効率よく学ばせることを重視するべきです。
たとえ長い時間勉強していたとしても、そのほとんどが居眠りやスマホいじりに費やされているのでは、能率のある勉強とは言えません。
子供に限らず、人間の集中力には限界があるので、メリハリのある勉強を意識しましょう。そのためにはノルマを設定するのがおすすめです。
ノルマは時間ではなく「問題集を10ページまで進める」など学習量をベースに定めるのが良いでしょう。ゴールが見えることで、子供がモチベーションを維持しやすくなります。
勉強嫌いな子にはどうすれば良い?
子供が勉強嫌いで、どうしたら良いか分からないという方もいるでしょう。
ここでは勉強嫌いな子供への接し方についてお伝えします。
嫌いなこと自体は問題ではない
全員が子供のうちから勉強を楽しめるわけではありません。実際、大人でも勉強嫌いの方は多いでしょう。
実際東大生に聞いてみても、小学生時代は勉強が嫌いだったと答える人も少なくありません。
しかし勉強そのものは楽しめなくても、テストで一番になることや良い成績を取って褒められることを楽しむことは可能です。
そうした達成感をモチベーションに勉強ができれば、勉強嫌いの子供でも学習を継続することができます。
子供の目標達成を評価する
子供が達成したいと思っている目標を親子で共有し、それが達成された時にはしっかりと褒めてあげることが大切です。
目標は「テストで80点以上を取る」や「英単語を100個覚える」など何でも構いません。
親が目標を与えるのも良いですが、できれば子供自身に決めさせるのが良いでしょう。
お小遣い等はやりすぎない
行為の内発的動機が外発的動機に切り替わるとモチベーションが低下してしまうことがあります。いわゆるアンダーマイニング効果と言われる現象です。
そのため、内発的動機(自身のやる気)に基づく行為に対しては、外発的動機(報酬)を与えてはいけません。
つまり、子供が自主的に勉強し始めたことに対し、お小遣いやお菓子をあげたりするのは逆効果だということです。
お小遣いなどを餌に勉強させるのではなく、勉強すること自体に目的を見出せるようなサポートをしてあげましょう。
外部に委託する
子供に勉強を教えるのはお手上げという方や、そもそも多忙で時間が取れないという方は、塾や通信教育を利用するのも良いでしょう。
塾に頼る
小学生の子供をいつから塾に入れようかと考える方もいるようですが、基本的には小学生のうちは塾に通う必要はありません。学校の教材を使って、自宅学習で基本的な内容をおさらいしておけば、中学校に上がっても十分授業についていけるからです。
しかし、自宅で子供に勉強を教えるのがどうしても難しいという場合は、塾を利用するのも良いでしょう。
特に勉強が苦手な子供の場合は、集団塾ではなく個別指導の利用をおすすめします。
個別指導では予め決められたカリキュラムに沿って授業を受けるのではなく、それぞれの分からないところを中心に教わることが可能です。
一方で塾に通うことにもいくつかのデメリットがあります。第一に通塾の手間がかかるということです。歩いて通ってくれるならまだ良いですが、車での送り迎えが必要なら親にとっては負担になります。
第二に週に1、2回しか指導が受けられないこともデメリットです。宿題が出されることもありますが、週に数回の勉強で学習習慣を身につけることは困難であると言えるでしょう。
学習習慣をつけるには、やはり親子で毎日自宅学習するのが良いでしょう。
もちろん出費も少なくないので、上記に加えて金銭的な負担もかかる可能性があります。
学習塾費は年間平均13万6千円
文科省が実施した「平成30年度子供の学習費調査」によると、公立小学校に通う子供の学習塾費は年間平均で約13万6千円だそうです。
そのため、小学生の子供を塾に通わせるにはそれなりのお金がかかることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
ちなみに私立小学校に通う子供の学習塾費の平均額は、年間で約33万7千円です。
6割以上の小学生は塾に通っていない
上記の調査では、公立小学校に通う子供の学習費が0円であると答えた家庭は60.9%にのぼります。
つまり、公立小学校の場合は6割以上の生徒が塾に通っていないということです。
そのため、塾に通わないという選択肢の方が、実は一般的であると言えるでしょう。
以下の記事では、小学生が塾に通うメリットとデメリットについて、より詳しく紹介しています。中学受験をする際に塾は必要か等についても解説しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
家庭教師という選択肢も
塾の送り迎えができないという場合は家庭教師という選択もあります。
自宅でリラックスして勉強できるため、集団で勉強することが苦手な子供にもおすすめです。
また家庭教師であれば、個別指導と同様にそれぞれの分からないところを中心に勉強できるため、勉強が苦手な子供向けの選択肢と言えます。
ただし、家庭教師は当たり外れが大きいと言われており、サービスの水準が安定していないことがデメリットです。
通信教育を使う
塾に通わせるほどではないけれど、学校の教材のプラスアルファが欲しいという場合は、通信教育の利用をおすすめします。
通信教育には塾ほどのサポートはないものの、分かりやすい映像授業や丁寧な解説付きのテキストで学べるため、学校の予習・復習には十分役に立ちます。
また通信教育は塾に比べると費用が格安です。そのため、費用を抑えたいと思っている方にもおすすめできます。
さらに通信教育は、時間や場所を選ばずそれぞれに合った学習ができるため、柔軟性の高い教育サービスと言えるでしょう。
ちなみに通信教育の教材は子供一人でも学習が進められるように設計されている場合が多いので、教え方に悩む心配はありません。もちろん親のサポートは多少は必要になりますが、子供が迷っている時に助けてあげる程度で十分です。
小学生におすすめの通信教育については以下の記事でいくつか紹介しておりますので興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
小学生の子供への勉強の教え方まとめ
小学生の子供への勉強の教え方まとめ
- 説明し過ぎるのを避け、子供と一緒に学ぶ姿勢を見せる
- 間違いを否定したり、過剰に怒るのはNG
- 子供が勉強嫌いでも悲観的になりすぎなくて大丈夫
小学生の子供への勉強の教え方について解説しました。
小学生の子供に勉強を教える際は、一緒に学ぶという意識を持つと良いでしょう。全てを一方的に教えるのではなく、子供が自分で考えらるようにサポートすることが大切です。
時にはイライラすることもあるでしょうが、間違いを否定したり、他のことまで引き合いに出して叱るのは避けましょう。
小学生時代は、その後の学習の基礎を作る大切な時期です。忙しい中で勉強を教えるのはとても大変なことですが、自分にもご褒美をあげながら、上手に子供をサポートしてあげましょう。