小学生に塾は必要ない?受験時のメリットや学力向上の効果・いつから通うべきかも考察
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「小学生に塾は必要ないの?」
「塾に通うメリットはある?いつから通うべき?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
小学生のお子さんがいる場合、いつから塾に通わせるべきか、そもそも塾は必要なのか、というのは定番の悩みです。結論から言うと、小学生のうちは無理して塾に通わせる必要はありません。
ただし、中学受験を考える場合や特段勉強が苦手な場合など、塾に通わせた方が良いケースもあります。
ここでは小学生における塾の必要性について、通塾のメリットや学習効果、入塾のタイミングまで分かりやすくお伝えします!
小学生の塾の必要性についてざっくり説明すると
- 基本的には塾に入れる必要はない
- 中学受験を目指す場合は3年生の2月から
- 塾以外の選択肢も考慮しよう
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小学生に塾は必要?
文部科学省のデータによると、公立では37.8%、私立では69.1%の小学生が塾に通っているようです。
しかしながら、小学生を塾に通わせる必要は本当にあるのでしょうか。
受験しない場合に塾は必要ない?
基本的に中学受験をする予定がないのなら、小学生を塾に通わせないでよい場合が多いでしょう。
よく学習習慣を付けさせたいという理由で子供を塾に入れる方がいますが、塾に通ったからといって必ずしも学習習慣がつくわけではありません。
また小学校の教材を使って復習をしっかりしていれば、中学校に入っても授業に遅れることは少ないでしょう。
さらに低学年のうちに無理して塾に通わせると、宿題の量が増えることなどによって、勉強に対して嫌なイメージを与えてしまう可能性もあります。
実際、東大・京大・早慶にいくような学生でも、小学校時代は塾に通っていなかったという人はたくさんいるので、塾に通う前にまずは学校の勉強をきちんとやることを心がけましょう。
成績によっては通った方がいいことも
基本的には塾に通う必要はありませんが、明らかに小学校の授業についていけてないという場合は塾に通うことをおすすめします。
目安としては学校の授業が分からない、テストで70点以上が取れないという場合は、塾に通うことを検討してみましょう。
ただし、通った塾が子供と合っていない場合、通塾しても座っているだけの状態になりかねません。不安な場合は一度体験授業に行くのも良いでしょう。
またどうしても子供が塾に通いたがらないという場合は、家庭教師や通信教育など他の選択肢もあります。無理やり通わせるよりも、その子に合った学習方法を考えてあげるのが良いでしょう。
子供自身のやる気が大事
塾に通うことに対して意欲がない場合、毎週決まった時間に長時間座っていなければならないのは、子供にとって苦痛になるでしょう。
塾に通うことで勉強が嫌いになってしまう可能性もあります。学力向上のために通った塾で、勉強にネガティブなイメージを持つようになってしまえば本末転倒です。
また勉強嫌いにはならなくとも、塾へのやる気がなければ宿題をきちんとやらないなどの問題が起こることもあるでしょう。それではあまり塾へ通う意味はありません。
サボりがちな子供は厳しい塾に入れることで勉強するようになる場合もありますが、それが子供にとって良いとは一概には言えないでしょう。
目的によっても必要性は変わる
一口に塾と言っても、実は様々なタイプがあります。そのため、目的に応じて適切な塾を選ぶ必要があります。代表的なのは以下の3つです。
種類 | 特徴 |
---|---|
進学塾 | 中学入試に向けて受験対策用の指導を行う・学校の進度にはあまり関係しない |
補習塾 | 小学校の補習や定期テスト対策などを行う・中学受験をしない子供向け |
総合学習塾 | 学校のフォローアップと受験対策の両方を行う |
中学受験を目指す場合は、進学塾に通うのが望ましいでしょう。一方で勉強が苦手な子供は、補習塾に入れるのが良いでしょう。
塾通いのメリットと必要性
小学生のうちに塾に通うことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは塾で勉強するメリットから、小学生に塾は必要なのかを考えていきましょう。
先取りすることで余裕が生まれる
集団塾に通う場合は、学校の予習的内容を学習することが多いので、学校の授業内容を先取りして勉強できる傾向にあります。
あらかじめ理解した状態で臨めるため、学校の授業やテストにも前向きに取り組みやすいでしょう。
集団塾では難しい内容も噛み砕いて解説してもらえるので、予習的な内容でも理解は難しくないでしょう。
勉強の苦手意識を減らせる
個別指導の塾であればそれぞれの分からないところを指導してもらえます。
そのため勉強が苦手な子供は、少人数やマンツーマンの個別指導に入れると良いでしょう。それぞれの苦手な部分を中心に学べるため、効率的な成績アップに期待ができます。
また人見知りなど集団で学ぶのが苦手な子供にも個別指導はおすすめです。自分のペースで学習ができるので、大人しい子供でも伸び伸び勉強することができるでしょう。
小学生に塾がおすすめできない理由
正直、小学生には塾をあまりおすすめできない場合があります。
たしかに塾には上で確認したようなメリットがありますが、一方で子供にとってデメリットとなる側面もあるからです。
ここでは塾が小学生の生徒におすすめできない理由をお伝えします。
遊べる時間が減ってしまう
小学生にとっては、勉強と同じくらい遊ぶことも重要です。好きなことができる自由な時間を与えてあげるのも、子供の成長にとっては極めて大切なことなのです。
しかし、塾に通うと授業や宿題で遊ぶ時間が大幅に減ってしまいます。友達と遊びの予定が合わなくなることもあるでしょう。
友達と遊べなくなってしまうというのは、子供にとっては死活問題です。
「塾のせいで遊べなくなった」と、子供が勉強に対して悪いイメージをもつきっかけにもなりかねないので、むやみに長時間塾に通わせるのはおすすめできません。
金銭的な負担が大きい
進学塾に通わせるには相当の費用がかかります。補習塾なら進学塾よりは安い月謝ですが、それでも決して安くはありません。
季節ごとの講習も含めると、年間で10〜20万円はかかることを覚悟しておいた方が良いでしょう。
また科目数や日数が増えるとさらに費用は上がります。集団塾と個別指導でも相場は違います。よって塾に入れる前には、年間の費用をきちんと調べておくべきです。
通信教育の方が効果的?
中学受験をしない場合、小学校のうちは教科書内容さえ押さえておけば十分なので、塾に通う必要はないことも多いです。
教科書の内容をしっかりと定着させたいのであれば、通信教育が非常におすすめとなります。
特に通信教育では楽しく・効率よく学べるタブレット教材を提供しているものもあるので、勉強に苦手意識のある子でも楽しみながら学習を進めることが期待できるでしょう。
さらに、塾とは違って自由に勉強する時間を選べるので、必要以上に遊ぶ時間を奪ってしまうこともありません。他の習い事との両立もしやすいので、小学生にはぴったりの学習方法と言えるでしょう。
おすすめの通信教育については以下の記事で紹介しています。
中学受験をするなら塾は必須?
塾は子供や親にとって負担となる側面もあることを確認してきました。
一方で、勉強が得意な子供で、中学受験も検討されている場合は話が変わってきます。
ここからは中学受験を目指して進学塾に通わせることについて解説します。
受験組は塾に通うべきか
中学受験を目指す場合は進学塾に通わせた方が良いでしょう。中学入試ではそれぞれの学校で入試問題に傾向があったり、中学受験特有の単元もあるため、家庭で対策するのは難しくなっています。
また有名私立中学などを志望している場合は、進学塾に通って周りの受験者のレベルを知ることも重要です。塾なら志望校別の特別講習などもあるため、環境としてはこの上ないと言えるでしょう。
受験したい場合のメリットは?
子供の性格にもよりますが、同じように中学受験を目指す仲間と切磋琢磨したり、自分よりも高いレベルの受験生を見ることは良い刺激になりやすいです。
さらに出題傾向や重点的に学習すべき単元を知れることは、自宅学習にはない魅力です。独学で暗中模索するよりも、志望校別の対策をプロ講師に任せた方が合格できる確率は上がりやすいでしょう。
受験対策塾は特に高額なので注意
進学塾の月謝の相場は、4・5年生で3、4万円、6年生で4、5万円と言われています。
進学塾は年間100万円かかると言われることもあるので、案外安いという印象を覚える方もいるでしょう。
しかし、進学塾では上記に加えて季節ごとの講習費もかかるため、4・5年生の場合、年間トータルで50〜60万円程度は必要になります。
そのため、6年生では噂通り100万円近くかかることもあるでしょう。
季節講習の料金相場は?
進学塾の講習にかかる料金は季節によって異なります。学年別の相場は以下の通りです。
講習 | 4・5年生 | 6年生 |
---|---|---|
春季講習 | 3〜5万円程度 | 5万円程度 |
夏季講習 | 5〜10万円程度 | 15〜20万円程度 |
冬季講習 | 3〜5万円程度 | 5・6万円程度 |
夏季講習は受験では重要なシーズンと考えられており、期間が長く設けられます。そのため、それに応じて費用も高くなる場合が多いです。
通塾目的によって値段は異なる
進学塾と補習塾はかかる費用が大きく異なります。進学塾の場合は、夏季講習や冬季講習、志望校別の講義などがあるため、基本の月謝プラスアルファがかなり必要です。
一方で補習塾の場合なら、それぞれのフォローアップを年間通して行うため、季節講習や特別対策などは存在しません。
よってどの学年でも10〜20万円程度で通わせることができます。科目数や日数を増やせばそれだけ料金も上がりますが、進学塾ほどは高くなりません。
私立公立で塾の平均費用が異なる
平成28年度に行われた文部科学省の調査によると、小学生の学習塾費用の平均額は以下の通りです。
学年 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
1年 | 25,392円 | 110,390円 |
2年 | 27,448円 | 101,022円 |
3年 | 32,626円 | 136,661円 |
4年 | 62,453円 | 229,963円 |
5年 | 98,413円 | 323,654円 |
6年 | 94,813円 | 431,565円 |
なお、上記の平均額は塾に通わない小学生を0円として計算しています。
さらに、公立では35%程度、私立では65%程度の生徒しか塾に通っていないため、実際の金額は上記よりも高いと予想されるので注意しましょう。
私立は公立の倍程度の人数が塾に通うだけあり、費用もかなり高額になっています。ちなみに公立・私立共に4年生から値段が跳ね上がるのは、進学塾に通う人数が増加するからです。
中学受験と塾についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
塾に通うならいつから?
いつから塾に入れるべきかを迷う方もいるでしょう。以下では補習塾と進学塾に分けて、入塾のタイミングを解説します。
補習塾の場合いつから塾に入る?
先述した通り、中学受験をしないのであれば、無理して塾に入れる必要はありません。学校の授業についていくのが厳しい場合は、補習塾に入れましょう。
勉強が難しくなる時期としては小学校高学年が一つの目安になります。英語などの科目が増えるほか、算数の難易度も高くなってくるからです。
一方で低学年のうちは学習内容も簡単なので、塾に入れる必要は少ないです。
まだ体力のない低学年の子供に、学校で疲れた身体で夜遅くまで勉強させるのは望ましいとは言えないでしょう。学習の能率という観点からもおすすめはできません。
受験する場合は3年生から
中学受験を考える場合は、小学4年生になる直前から本格的に受験対策を始めるのが一般的です。そのため、3年生の2月頃から進学塾に入れるのが良いでしょう。
費用が別になっていたことからも分かる通り、4、5年生と6年生では意味づけが異なります。6年生は入試本番に向けたラストスパート、4、5年生はその前の準備期間です。
6年生では季節講習や志望校別の講習など、実践的な練習が多くなるため、4、5年生の塾の授業で単元の学習を終えておく必要があるのです。
塾を選ぶ際のポイント
やはり塾は必要だと感じた場合は、塾選びをする必要があります。
ここでは小学生の子供が通う塾を探す際のポイントを確認していきましょう。
受験対策をしているか
まずは塾に通う目的を考えましょう。
まず、中学受験を考えるなら進学塾を選ぶべきです。
一方で学校の授業に遅れないようにしたいというのであれば、個別指導などの補習塾を選ぶと良いでしょう。
また中学受験するかどうか迷っているという場合は、総合学習塾に入れるのも一つの選択肢です。ただし、有名私立に入れたい場合は早めに進学塾に切り替えるのが良いでしょう。
学習方針や進度を把握する
通う塾によって学習進度はかなり異なってくるので、それぞれの目的に合った塾を選ぶべきです。
例えば集団塾であれば、学校の先取り学習が中心になります。一方で個別指導の場合は学校のフォローアップを目的としているため、カリキュラムがない場合も多いでしょう。
どういったペースで学習が進むかは費用面にも影響してくるため、入塾前には年間の予定を確認しておくべきです。
料金
上記で解説した通り、進学塾に通わせるにはかなりの費用が必要です。
また補習塾の場合でも、科目数や日数、集団か個人かなどによって費用は異なります。特に費用を抑えたいという場合は、事前によく調査しておくべきです。
基本の月謝は安くても、夏季講習などを含めると年間トータルではかなり高くなってしまう場合も多いので注意しましょう。
高い費用を払うのは厳しいという場合は、通信教育など他の選択肢を考えるのもおすすめです。
通いやすさ
子供が一人でも通える圏内で塾を探すのがおすすめです。その場合は、駅やバス停からの近さも考慮すべきでしょう。
一方で遠方の塾は極力避けるべきです。毎回遠いところまで通うのは時間的にも精神的にも負担になるでしょう。
また送り迎えの必要も出てくるため、親にとっても日々の負担となってしまいます。
規模
塾の規模によっても特性は異なります。同じ集団塾であっても、たくさんのクラスを抱える大手の塾もあれば、クラス数の少ない小さな塾もあります。
規模によって雰囲気や教育方針がずいぶん違うため、それぞれに合った塾を選ぶようにしましょう。
また集団塾ではなく、個別指導を選ぶという選択肢もあります。周りと切磋琢磨することが好きな子供なら集団塾を選ぶと良いでしょう。
反対に、大人しく、周りと張り合うような性格ではないなら、個別指導を選ぶと良いでしょう。
小学生に塾は必要かまとめ
小学生の塾の必要性についてまとめ
- 通塾にはメリットもあるが、小学生の学習内容を考えると塾に入る必要はほとんどない
- 無理に塾に入れると子供の勉強嫌いを助長してしまう
- 中学受験をする場合は塾に入らないと十分な対策が取れない
- 塾選びの際は通いやすさや子供との相性をチェック
小学生における塾の必要性について解説しました。
基本的には小学生のうちは塾に入れる必要はないでしょう。塾に通って友達と遊ぶ時間が減ってしまえば、子供にとっては大切な時間が奪われることになってしまいます。
中学受験を考えている場合はその限りではありませんが、基本的には無理して塾に通わせるよりは、学校の教材を自宅でしっかりこなす方が良いでしょう。
また、小学生の場合は遊び要素も含んだ通信教育のタブレット教材の方が向いていることもあるので、塾と併せて通信教育もチェックするとよいでしょう。
通信教育については以下の記事で詳しく紹介しています。