小学生はいつから塾に通うと良い?塾通いのメリットや必要性・塾選びのコツまで解説!

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小学生はいつから塾に通えば良いの?

塾通いのメリットは?そもそも塾に通う必要はある?

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

小学生のうちから塾に通う場合は、4年生から通い始めることが多いようです。ただし、中学受験を目指す場合は、もう少し早くから入塾することもあります。

一方で公立小学校の生徒のうち、60%以上は塾に通っていないというデータもあり、塾に通わないという選択も一般的です。

今回は小学生はいつから塾に通うべきかについて、塾通いのメリットや必要性、塾選びのメリットなどを解説します!

小学生はいつから塾に通うべきかについてざっくり説明すると

  • 無理して塾に通わせる必要はない
  • 中学受験をする場合は3年生の2月から
  • 通信教育など塾以外の選択肢もある

小学生はいつから塾に通うべき?

旅行に出かける少女 子供の学校の成績を良くしたい、勉強の習慣をつけさせたいなどと考える方は、小学生のうちから塾に通わせることを検討することもあるでしょう。

文部科学省が平成30年度にまとめた「子供の学習費調査」では、公立小学校に通う子供の約4割は学習塾に通っているというデータが出ています。

また私立小学校の場合はその割合がさらに多く、全体の約75%は学習塾を利用しているようです。

塾に通い始める時期としては、小学4年生からの場合が多いというデータがあります。

塾には何種類かある

塾には主に以下の3種類が存在します。

種類 内容
進学塾 中学受験に向けた入試対策用の指導を行う。学校の進度にはあまり関係しない
補習塾 授業の補習や定期テスト対策を行う。中学受験しない子供向け
総合学習塾 学校のフォローアップと中学受験対策を同時に行う

上記を見ると、中学受験をするか否かによって選ぶべき塾が異なることが分かります。

以下では塾で学校のフォローアップを受けたいという方向けに、補習塾及び総合学習塾の話を中心に進めていきます。

ちなみに、それらの塾はさらに個別指導と集団指導という2つに分類することが可能です。

専門塾は少し別

専門塾ではプログラミングや英会話などを学びます。確かにこれらも小学校で習う科目を扱いますが、専門塾では学校の授業内容とは一線を画した指導が行われることが多いです。

そのため、学校のフォローアップをする塾というよりは、むしろ習い事に近いイメージになります。専門的に取り組ませたいことがある場合は、塾とは別に通わせると良いでしょう。

いつから塾に入ればいいの?

塾に通い始める時期ですが、学校の勉強が難しくなる小学校高学年からというのが一般的です。

高学年になると、例えば算数では割合や比率などを扱うようになります。これらは特に分からなくなってしまう子供が多い単元です。

そのため、そうした重要な単元が始まる前に塾に通い始めるのは合理的な選択と言えます。

一方で小学校低学年から塾に通う子供もいますが、これはかなりの少数派です。体力もついていない低学年の子達にとっては、学校で疲弊した体で塾へ行き、夜遅くまで勉強するのはかなりの負担になるでしょう。

学習効率を考えても、あまりおすすめできる選択ではありません。

中学受験を目指す場合は?

中学受験を目指す場合は、もう少し早く塾に通い始める方が良いでしょう。具体的には小学4年生になる直前、3年生の2月頃に入塾するのが一般的です。

昨今は中学受験における競争が激化しているため、早いうちから塾に入れて特訓させるというケースが目立ちます。

幼いうちから英語教育を始めるのはメリットがある

グローバル化の進行とともに英語の必要性・重要性は増しています。そのため、英語塾や英会話教室で子供に英語を学ばせたいという方も多いでしょう。

2020年度から始まった新学習指導要領においても、英語は重要視されています。

今後は小学3年生から「外国語活動」という名の英語授業が始まり、小学5年生になれば英語は正式な教科として成績が付けられるようになるのです。

そのため、学校での英語授業に備えて、子供に英語教育を行うのは合理的な選択と言えるでしょう。

一般的に、外国語学習は始める時期が早ければ早いほど言語がスムーズに習得できると言われています。よって幼児期や小学校低学年から英語を始めるのも良いでしょう。

幼いうちから英語に慣れておくことで、英語への抵抗感がなくなり、英語が得意になることが期待できます。

小学生が塾に通うメリット

喜ぶ子供 小学生から塾に通わせることには、以下のようなメリットがあります。

勉強量が増える

塾に通えば、塾で授業を受ける分だけ必然的に勉強量が増加します。

また集団塾では宿題が出されることもあるため、その場合は学校の宿題と塾の宿題の両方に取り組まなければいけません。よって自宅学習の量も増やすことができます。

勉強量が増えれば学習習慣も自然と身に付くことが期待されるため、成績アップにもつながるでしょう。

ただし、学校の予習となる範囲が中心の塾の宿題と、授業の復習を目的とした学校の宿題では扱う内容も違うため、自宅での勉強時間が必要以上に長くなってしまう懸念があります。

長時間勉強は逆効果?

ベネッセ教育総合研究所の「第5回学習基本調査」データブック [2015]によると、小学生の平均勉強時間は1時間30分程度です。

一方で、小学生は学年×15分間勉強するのが理想的と言われることもあります。この言説からすると、小学生はやや勉強し過ぎということになるでしょう。

特に低学年のうちから無理やり長時間勉強させると、勉強にネガティブな印象を持ってしまうリスクがあります。

勉強は長時間行うよりも、むしろ短時間で集中して行わせるのが良いでしょう。そのため、塾に通わせる場合でも、勉強時間があまりにも長くなってしまうのは避けたいところです。

学校の先取りで成績が上がりやすい

塾の授業では学校よりも少し先の内容を扱うので、学校の予習を行うことが可能です。特に集団塾の講師は教え方が上手い人が多い傾向にあるため、難しい単元も分かりやすく解説してもらえます。

塾で予習を行えば、予め内容を理解した上で授業に臨めるため、余裕を持って授業を受けることができるでしょう。

学校の授業が理解できることは勉強への自信にもつながるため、結果的にテストでの好成績も期待できます。

わからないところを解決できる

塾では学校の授業で分からないところを教えてもらうことも可能です。その場合は、少人数やマンツーマンの個別指導を選ぶと良いでしょう

分からないところを解消すれば、テストでの成績アップにもつながるため、勉強への苦手意識を払拭できる可能性もあります。

そのため、個別指導は勉強が得意ではないという場合におすすめです。

家庭教師でも

学校で分からないところを中心に学ぶなら、家庭教師を利用するのも良いでしょう。家庭教師ならそれぞれに合わせた内容の勉強ができるので、個別指導の塾と似ています。

家庭教師を利用するメリットは、自宅に呼ぶため通塾の手間がかからないことやプライベートな環境でリラックスして学習できることなどです。また費用面に関しては個別指導の塾と大差はありません。

一方で家庭教師は当たり外れが激しく、簡単に変更できないという点がデメリットとして挙げられるでしょう。

仲間と競争しあえる

集団塾には、周りの友達と競い合いながら学習できるというメリットがあります。子供によってはライバルがいた方が熱心に勉強できるということもあるでしょう。

しかし、切磋琢磨しながら勉強するというのは、主に中学生以降のことになります。小学生のうちは模試や定期テストなどはないため、競争するような機会は大してありません。

小学生のうちから競争しながら学ばせたいという場合は、進学塾に入れて中学受験を目指すのが良いでしょう。

小学生の塾選びのコツは?

レポートする男性 塾を選ぶ際は以下のポイントに注目しましょう。

  • 通いさすさ

  • 費用

  • カリキュラム

  • 規模

  • 受験対策をしているかどうか

前提として自宅から通える範囲内に塾がなければいけません。遠方の塾に通うことも可能ですが、長時間かけて通塾するのは肉体的にも精神的にもかなりの負担になります。

また費用がどのくらいかという点も重要です。科目数や授業日数、集団か個人かなどによって料金は様々なので、予算の範囲内でニーズに合った塾を選びましょう。

ただし、通常の受講料は安くても、夏季講習などの値段は高いという塾も多いため、予め確認しておくべきです。

さらにカリキュラムにも気を配る必要があります。集団塾では先取り学習が中心となるため、学校の授業と比較した場合にどのくらいの差があるのかなどに注目し、自分の子供に適した塾を選ぶべきです。

加えて塾の規模によって、学習内容や雰囲気は異なります。先述した通り、個別指導など規模の小さい塾では、学校のフォローアップが中心になる場合が多いです。

集団塾の中でも多くのクラスを抱える大手の塾と1クラスしかない小さな塾では、性質が大きく違います。

なお、中学受験を考える場合は、進学塾またはハイレベル通信教育を利用する方が望ましいでしょう。中学受験の試験内容はやや特殊なので、通常の塾などでは十分な対策をとることは難しくなっています。

必ずしも塾に通う必要はない

空を見つめる女性 どの塾に入れるかよりも、そもそも塾に入れるべきがどうかを迷っている方も多いでしょう。

結論から言えば、小学生のうちから無理に塾に通わせる必要はありません。以下では小学生の子供を塾に通わせなくても良い理由を解説します。

小学生の勉強は学校教材で十分

基本的に学校の教材をきちんとこなしておけば、小学生時代の勉強としては十分です。大事なのは今後の学習の土台を作ることであり、応用問題や難問を解く必要はありません。

自信喪失につながる可能性もあるため、無理やり難しい問題に挑戦させるのはむしろ避けた方が良い場合もあるでしょう。

勉強のモチベーションを将来まで維持させるためにも、基礎的な勉強をしっかり行い、学校のテストで良い点が取るなど成功体験を積み重ねることが重要です。

ただ学校での勉強ではまかなえていない、基礎的な学力を伸ばすという観点で塾を利用したほうがいいケースもあります。

本当に習慣づくりになる?

塾が学習習慣をつけるのに最適だというのは、決まった時間に塾へ行けば半ば強制的に勉強ができるからでしょう。

しかし、それで真の意味で勉強の習慣がついているかどうかは定かではありません。なぜなら、どこかの時点で塾をやめた場合、それ以後も子供が自主的に勉強するとは限らないからです。

以上を踏まえると、勉強の習慣をつけるには自主性が重要であることになります。塾に通えば、その分宿題の量も増えるため、子供が勉強嫌いにもなるかもしれません。

それならば、学校の宿題だけでも自主的に毎日コツコツ取り組ませる方が、子供の将来には良い可能性もあります。

勉強時間が長ければいい訳ではない

勉強ができるようになるには、長時間勉強しなければならないと考える人は意外にも多いです。

しかし、勉強時間は長ければ長いほど良いというわけではありません。むしろ勉強時間が長過ぎるせいで勉強ができなくなっていく子供もいるほどです。

途中で勉強に飽きてしまっているにも関わらず、その後もダラダラと勉強を続ける習慣をつけると、子供の学力向上に悪影響を与えます。

もちろん集中して長時間勉強を続けられるなら理想的と言えますが、好奇心旺盛な小学生の子供たちには、なかなかハードルが高いでしょう。

また小学生の学習範囲は狭く、難易度も高くないため、学校と塾で同じような単元の問題を解き続けると、勉強に飽きてしまう可能性もあります。

それならば、学校の教材だけに絞って、メリハリのある勉強をするという選択肢もあります。

中学からで十分間に合う

小学生のうちから塾に通わせなくても、学校の教材できちんと勉強してさえいれば、中学の授業にも十分ついていくことが可能です。

ただし、中学になると範囲が広くなり、内容も高度になるため、中学の授業が心配な場合は入学の直前に入塾すれば良いでしょう。

実際現役の東大生に聞いてみても、中学受験をしなかった人は、小学生時代は塾に通っていないという場合が多いです。

子供がどうしても行きたいと主張する場合は別ですが、無理やり通わせる必要はありません。

小学校と中学校の違い

小学校から中学校に上がると学習面では以下のような変化があります。

  • 授業時間が長くなる

  • 算数が数学になる

  • 英語が本格的に始まる

  • 定期テストが始まる

小学校の授業時間は40〜45分程度ですが、中学校の授業時間は50〜60分です。また算数が数学になるため、扱う内容が高度になります。

さらに英語が本格的に始まるので、4教科に加えて英語の勉強もきちんと行わなければ行けません。

そしてなんといっても定期テストが始まることが大きいでしょう。5段階評価がなされる中学校からは露骨に学力の差が開くようになるため、中学に入学後塾に通うのもおすすめです。

費用が高い

受験塾に通うとなるとかなりの費用が必要です。普段の授業料が高い上に、季節ごとには講習もあるため、年間で50〜100万円ほどかかる場合もあります

一方で一般の塾に通うなら、ひと月の授業料は平均1万円ほどです。ただしこれは1科目のみを受講する場合であり、複数の科目を勉強するとなるとより多くの費用がかかります。

年間10万円〜20万円が相場

以下は「子供の学習費調査」(平成30年度)における学習塾費の金額分布です。

区分 公立小学校の生徒 私立小学校の生徒
0円 60.9% 24.9%
〜1万円未満 3.1% 2.0%
〜5万円未満 9.9% 8.1%
〜10万円未満 9.3% 9.4%
〜20万円未満 10.6% 16.3%
〜30万円未満 2.7% 10.5%
〜40万円未満 1.4% 7.8%
40万円以上 2.0% 20.9%

上記より公立の小学校に通う生徒の場合、年間10万円〜20万円を塾に支払っている家庭が多いことが分かります。

ちなみに学習費に年間1円以上支出した者の平均額は、公立で約13万6千円、私立で約33万7千円です。

よって小学生を塾に通わせるにはある程度出費が必要であることは覚悟しておきましょう。

一方で公立小学校の場合、60%以上は塾を利用していないことが分かります。そのため、塾に通わせないという選択肢はむしろ一般的であると言えるでしょう。

通信教育で塾のデメリットをカバー

学校の予習・復習を通じた学力の向上・基礎の定着を狙うために、通信教育を利用するのもおすすめです。通信教育でも十分な先取り学習ができる場合が多いです

通信教育の魅力は塾よりも費用が安い場合が多いことです。また、好きな時間に自宅学習ができるので、伸び伸びと勉強させることができます。

記述対策もできる通信教育も

小学生向けの通信教育は色々なものがあり、添削指導を行っているものもあります。添削指導を活用すれば、通塾しなくても記述対策も行うことができ、学習の効率化、成績アップにつながりやすいでしょう

おすすめの通信教育は以下の記事で紹介しています。

小学生はいつから塾に通うべきかまとめ

小学生はいつから塾に通うべきかまとめ

  • 塾通いのメリットは勉強量が増えること
  • 小学校の教材でも十分学習できる
  • 小学生時代は塾に通っていなかった東大生も多い

小学生はいつから塾に通うべきかについて解説しました。

塾通いのメリットは勉強量を増やせることです。また先取り学習によって成績が大きく向上することもあるでしょう。

しかし、小学生のうちから無理して塾に通わせる必要はありません。学校の教材だけでも十分な学習は可能であり、基礎的な内容を万全にしておけば中学の授業にもついていくことができます。

また学校の教材プラスアルファが欲しいという場合は、費用を抑えつつフレキシブルに学べる通信教育を利用するのも良いでしょう。