早稲田政経の入試は簡単ってホント?入試改革の内容や英語の勉強法まで解説!
「早稲田政経の入試は簡単なの?」
「入試改革の内容は?英語はどのように対策するべき?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
早稲田大学政治経済学部は私立文系のトップ学部なので、合格は決して簡単ではありません。
しかし、東大や京大などの国立大学の志望者には滑り止めとみなされることも多いため、国立のトップ大学に比べると多少難易度が低いということも事実です。
今回は早稲田政経の入試は簡単なのかついて、入試改革の内容や英語の勉強法などを含めて解説します。
これを読んで、ご自身の志望校を考える上での参考にしてください。
早稲田政経の入試は簡単なのかについてざっくり説明すると
- 偏差値72は私立大学トップ
- 出題内容そのものは比較的易しいが、高得点が求められる
- 新試験では読解力に加えて「書く力」が要求される
早稲田大学政治経済学部の難易度は?
早稲田大学政治経済学部は、「私学の雄」と呼ばれる早稲田大学の中でも随一の伝統を持つ由緒正しきトップ学部ですが、その難易度・レベルはどのくらいなのでしょうか。
早稲田政経の偏差値は72
東進の大学入試偏差値ランキングによると、早稲田大学政治経済学部の偏差値は72です。
偏差値70以上になると、全受験者の中で大体上位5%程度に入ると言われているので、偏差値72はかなりの難しさだと言えるでしょう。
またセンター利用のボーダーも例年91〜93%であり、こちらもかなりのハイレベルです。
なお、政治経済学部は早稲田志望者の中ではチャレンジの学部として認識されており、毎年多くの受験者が挑戦しますが、その大半が厳しい倍率の前に惨敗していきます。
法学部や国際教養学部、商学部と比較
同ランキングによると、早稲田大学の法学部や国際教養学部の偏差値は71なので、政経の方がやや難しいと言えるでしょう。
また商学部の偏差値は72なので、偏差値としては政経と同じですが、試験内容は政経の方が難しいです。
しかし、商学部は倍率が高く、「簡単な試験だからこそ一問も落とせない」というような難しさがあります。
MARCHと比べた難易度は?
再び同ランキングによると、青山学院大学国際政治経済学部の偏差値は69、明治大学政治経済学部の偏差値は67です。
よってMARCHの政治経済学部もある程度レベルは高いものの、早稲田大学政治経済学部の方が数段上だと言えるでしょう。
東大よりは偏差値が低い
東京大学文科一類と文科二類の偏差値は73なので、東大に比べると早稲田政経の偏差値は低いです。
また東京大学文科三類や京都大学経済学部・法学部の偏差値は72なので、早稲田政経と偏差値の上では同等ですが、受験科目の数の違いなどにより合格の難易度に関しては早稲田政経の方が低いと言えるでしょう。
滑り止めで受験する東大など国立大志望生が多い
早稲田の政経は、早稲田志望の受験者からはチャレンジの学部とみなされる一方で、東大や京大、一橋をはじめとする国立大の志望者にとっては滑り止めの学部と認識されています。
実際、早稲田政経の合格者を見ると、早稲田を第一志望として受験した学生はそう多くありません。
むしろ東大や京大を不合格となり、第2志望以下の早稲田を選んだというパターンの方が多いです。
入試問題のレベルはそこまで高くない
早稲田政経の入試問題は、偏差値や受験者層のレベルの割にはそこまで難易度が高くありません。
取れる問題を確実に取っていける堅実な受験者が合格する試験であると言えるでしょう。
ただし、2021年度以降の新試験では、学部独自試験で難しい長文読解や英作文が出題されるようになる可能性が高いです。
そのため、新試験の難易度は比較的高く、英語を攻略できるかどうかが合否の大きく左右すると言えるでしょう。
早稲田政経の試験形式および配点
早稲田政経では、2021年度から一般入試の選抜方法が大幅に変更されます。そのため、受験する場合は新たな試験形式・配点をきちんと把握しておきましょう。
早稲田政経では2021年度から一般入試の選抜方法を大幅変更
2021年度以降における早稲田政経・一般入試の選抜方法の詳細は以下の通りです。
- 大学入学共通テスト(100点)
科目 | 配点 | 備考 |
---|---|---|
外国語 | 25点 | 英語(リスニングを含む)・独語・仏語のいずれか |
国語 | 25点 | - |
数学IA | 25点 | - |
選択科目 | 25点 | 以下のいずれかを選択 ○「世界史B」「日本史B」「地理B」から1科目 ○「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理、政治・経済」から1科目 ○「数学IIB」 ○「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」から2科目 ○「物理」「化学」「生物」「地学」から1科目 |
- 学部独自試験(100点)
日英両言語の長文を読解した上で解答する形式(記述解答を含む)です。英語を「書く」能力を試す問題も設けられる予定になっています。
英語民間試験の活用は取りやめ
早稲田政経の一般入試でも、英語民間試験の導入が検討されていましたが、文部科学省が「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ったため、早稲田政経での活用も取りやめられました。
ちなみに取りやめられる前は、大学入学共通テスト(100点)・英語民間試験(15点)・学部独自試験(85点)という配点だったので、取りやめによって学部独自試験の比重が大きくなっています。
早稲田大学政経合格のための勉強法
ここからは早稲田大学政治経済学部に合格するための勉強法について解説します。
英語の重要性、数学の必修化
2020年3月31日と7月31日に公開された学部独自試験(新形式)のサンプル問題には、日英両言語の長文読解問題と作文問題が含まれています。
ボリュームがかなり多いので、日本語と英語の速読力が必要になるでしょう。特に英語の速読は難易度が高いため、スピード感を持って読解することを意識しながら、たくさんの英語長文に触れるのがおすすめです。
また新形式では共通テストの数学IAが必修なので、数学が苦手な人は重点的に対策をしておきましょう。
以前と同じ勉強法に加えて論述の力をつける
2021年度からは試験内容が大幅に変更されるものの、長文読解のスピードと正確性の両方が求められるという特徴は変わりません。
ちなみに長文読解問題では、文章全体の流れをきちんと捉えた上で解答することを心がけると良いでしょう。
また日本語の論述や英作文などが出題される新試験では「書く力」がより重視されると言えます。そのため、素早く自分の考えを整理し、それを的確に文章で表現できるような力を磨いておかなければなりません。
過去の入試形式でのデータ
以下では2020年までの旧形式の試験データを紹介します。形式は違えど、大学・学部が求めているレベルを把握するのには有用なので、一度目を通しておきましょう。
科目は国語・英語・地歴または数学だった
2020年以前の試験は、英語と国語が必修で、日本史・世界史・数学の中から1つを選択するという形式でした。
以下では2018〜2020年度までの各科目の平均点を紹介します。なお、英語は90点満点、それ以外は70点満点です。
科目 | 英語 | 国語 | 日本史 | 世界史 | 数学 |
---|---|---|---|---|---|
2018年 | 57.812点 | 43.836点 | 41.205点 | 44.373点 | 38.496点 |
2019年 | 53.391点 | 44.924点 | 46.642点 | 41.357点 | 38.020点 |
2020年 | 61.513点 | 42.107点 | 36.148点 | 32.939点 | 25.057点 |
合格ラインは70%
続いては2015〜2020年度までの合格ラインを紹介します。
年度 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
---|---|---|---|
2015年 | 230点 | 160.0点 | 69.6% |
2016年 | 230点 | 148.5点 | 64.6% |
2017年 | 230点 | 150.0点 | 65.2% |
2018年 | 230点 | 167.0点 | 72.6% |
2019年 | 230点 | 162.5点 | 70.7% |
2020年 | 230点 | 170.5点 | 74.1% |
上記より、合格ラインは概ね70%前後であることがわかります。
受験者数は5500人以上
2018〜2020年度における早稲田政経の一般入試の受験者数及び倍率は以下の通りです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2018年 | 6,252人 | 723人 | 8.6 |
2019年 | 5,872人 | 743人 | 7.9 |
2020年 | 5,584人 | 640人 | 8.7 |
上記より、過去3年間は毎年5,500人以上が受験しており、倍率も非常に高いということがわかります。
過去の入試形式での出題傾向と対策
2021年度からは試験内容が大幅に変更されるものの、旧試験との関連性が全くないわけではないので、過去の出題傾向や対策法を知ることにはメリットがあります。
なお、日本史や世界史、数学に関しては学部独自試験がありませんが、国語や英語の文章に歴史的もしくは数学的内容が含まれる可能性はあるでしょう。
また共通テストでは満点近くを狙いたいところなので、勉強法を知っておくのは有意義です。
国語の勉強法
現代文では古風な随筆や近年の論説文などが題材にされることが多いため、受験生によっては馴染みが薄く、難しいと言えるでしょう。
よって文章を読解して、それに関する設問を解くにはかなりの時間が必要になります。そのため、普段から難解な文章を素早く読解する練習を積んでおかなくてはなりません。
また古文漢文では、複数の問題の内容が連関することが多いため、文章全体の流れを正確に捉えることを心がけましょう。
なお、漢字や慣用句、類義語・対義語、文学史などの知識問題も出題されるため、それらの暗記学習もしておかなくてはなりません。
英語の勉強法
政経の英語は、出題される英文がとにかく長いので、語彙力を高めたり、パラグラフの要旨を効率よく把握するためのテクニックを磨くなどして速読力を身に付けなければいけません。
また整序問題も数多く出題されるため、文法や構文の基礎知識を盤石にしておくことも必要です。
さらに模擬試験形式の問題演習を行い、限られた時間の中で膨大な問題数をこなすという緊張感のある練習をすることもおすすめできます。
なお、英作文に関しては独学では対策が難しいので、学校の先生などに添削を頼むのが良いでしょう。
日本史の勉強
政経の日本史では、近現代史を中心に出題がなされるため、教科書の近現代史のページは入念に読み込んでおくようにしましょう。
また史料や早稲田ゆかりの人物などに関する出題もあるため、それらの知識もしっかり頭に入れておくべきです。
さらに経済学的な資料を読み取る論述問題も出題されるので、資料から素早く的確にデータを読み解く練習も必要になります。
なお、時事や各テーマ(税制・テロリズム・金融・物流など)を勉強するのも有意義です。
世界史の勉強
政経の世界史は問題のレベルが高く、同時に高度な処理スピードも要求されるので、知識を深めつつ、解答スピードを意識して問題演習を行うことも必要です。
論述問題も多いため、短時間で記述内容を正確にまとめ上げる練習もしておくのが良いでしょう。
また難問が多いからこそ、基礎レベルの問題を確実に取ることが非常に重要になります。よって簡単な問題の取りこぼしをしないように、基礎を盤石にしておくのがおすすめです。
数学の勉強
数学に関しては典型的な問題が多いため、そこまで苦戦するような試験ではありません。難易度は「標準〜やや難」といったところでしょう。
ただし、時間設定は比較的タイトなので、過去問演習を重ねて時間配分の感覚を身に付けておくのがおすすめです。
さらに公式の暗記や証明問題の解き方の理解など、こちらも基礎をしっかり固めておきましょう。
ハイレベルな早慶英語の勉強法を現役慶應生が解説した記事は、以下を参照ください。
勉強の全体的な方針
早稲田政経を目指すなら、夏休み明けまでに各科目の基礎を盤石にしておくのが良いでしょう。例えば英語なら、語彙や文法に関してはある程度のレベルまで仕上げておくべきです。
また国語に関してはまずは共通テストの対策から始め、それを通して素早く文章を読解する力を培いましょう。
なお、新試験で合格するには、共通テストでいかにアドバンテージを作れるかが重要なので、数学を含めた共通テスト対策をより重視するのがおすすめです。
さらに英作文や国語の記述問題に関しては、学校や塾の先生に採点をしてもらいましょう。
早稲田大学政経を目指すなら通信教育や予備校も併用
2021年度以降の新試験に対応するためには、学校や地方塾での対策だけでは不十分になってしまう可能性が高いです。
そこで、通信教育を受講して新試験に向けた対策を進めることがおすすめになります。
早慶コースが設けられている通信教育では、特に新試験に対応できるようカリキュラムが練られており、新試験向けの実力を着実に育むことができます。
新試験の場合、一人で対策を打つのは非常に難しいので、ぜひ通信教育を活用して万全の対策の元試験に臨むようにしましょう。
以下の記事では、通信教育・予備校各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
早稲田大学政経の評判・就職先
早稲田大学政治経済学部は、入試の難易度が高いので、入学してからも大変なのではないかと考える人も多いはずですが、実際のところはどうなのでしょうか。
以下では早稲田政経のキャンパスの雰囲気や授業の様子などを、現役早稲田政経生である筆者が解説します。
早稲田大学のキャンパスの雰囲気
早稲田大学にはたくさんのキャンパスがありますが、政経のキャンパスはメインの早稲田キャンパスになります。
政経の校舎は非常に綺麗で、学内では明るい雰囲気の学部であると認識されているので、楽しいキャンパスライフであると言えるでしょう。
学部内の関わりですが、新入生のほとんどが加入する政経特有のサークル(政治サークルなど)があるため、そこで学部内の友達を作ることができるはずです。
またその他のサークルに加入すれば、他学部の学生とも交流することができます。
さらに早稲田大学は外国人留学生の数が日本トップレベルなので、キャンパス内は非常にグローバルな雰囲気です。
なお、学生のファッションですが、体育学部の学生が多い所沢キャンパスではラフな服装が目立つ一方、メインの早稲田キャンパスにはお洒落な学生がたくさんいます。
総じて早稲田政経は学生・キャンパスともに明るく、よく言われる「バンカラ」な雰囲気ではありません。
早稲田政経の授業・学生生活
早稲田政経の合格者には、コツコツ勉強して現役合格を果たす優等生タイプが多く、浪人生は少ないです。
文系学部の中では授業が難しくて大変というイメージを持たれることが多いですが、特に国際政経学科はその通りだと言えます。必修科目が多いため、履修及び単位取得は一苦労です。
しかし、授業の難易度も高いものの、大教室で行われる出席自由の形式が多いため、そもそも授業に行かないという人も大勢います。よってテストさえ乗り切れば、あとは自由度が高いと言えるでしょう。
また学科間の隔たりもあまりなく、他の学科の講義を受けることもできるので、学習意欲があれば様々なことを学べます。
ただし、学科ごとに雰囲気はかなり異なるので注意しましょう。政治学科と経済学科は男子が多く真面目な雰囲気です。
国際政治経済学科は女子や帰国子女が中心なので、華やかでグローバルな雰囲気だと言えます。
ゼミや卒論は強制ではない
ゼミは2回生の秋、もしくは3回生の春から始まりますが、強制ではないのでゼミに参加しない学生も多いです。
ゼミの雰囲気はそれぞれで異なるため、自分に合った気風のところを選ぶと良いでしょう。
また卒論の任意であることが多いので、ゼミと卒論のどちらも経験せず卒業する可能性もあります。
早稲田政経の学生の主な就職先
早稲田政経では、多くの卒業生が就職を選択します。大学院へ進学する者は全体の5%未満です。
主な就職先ですが、政治学科は官僚を含めた国家公務員、経済学科は商社や銀行などのエリート企業が目立ちます。国際政経学科では、外資系企業や海外企業を選ぶ学生も多いです。
その他にも、メーカーや情報通信、専門サービス、マスコミなど幅広い業界に進出しています。
早稲田の政経はキャリア支援が充実しているため、将来良い企業に就職したいという方にもおすすめです。
早稲田政経のキャリア支援
早稲田政経のキャリアセンターでは、様々なキャリア講座やOB・OGカジュアルトーク、就活ミニセミナーなど、キャリア支援に関する多彩なイベントが開催されています。
またインターシップ・プログラムも充実しているため、在学中に企業や官公庁などで就業し、自らのキャリアについて具体的に考えることができるので魅力的です。
プログラムによっては学部1・2年生から参加できるものもあるので、入学して間もない頃から就職の準備を始めることができます。
さらにキャリアセンターのスタッフによる個別面談を受けられる専用ブースもあるため、不安や疑問がある場合はそこで相談することが可能です。
加えてOB・OG関連資料を含めて豊富な情報提供も行われているため、キャリアを考える上ではこの上ない環境であると言えるでしょう。
大学院の進学先も多様
早稲田政経から大学院へと進学する学生も一定数存在します。ちなみに早稲田政経の系統大学院は、政治学研究科と経済学研究科の2種類です。
それらに進学する学生が多いですが、オックスフォード大学や東京大学などの大学院を選ぶ者もいます。
早稲田政経の入試は簡単なのかまとめ
早稲田政経の入試は簡単なのかまとめ
- 2020年度までは高得点が求められる試験だった
- 2021年度以降から実施の新試験では英語の重要性が増した
- 数学IA(共通テスト)が必修になったので注意
早稲田政経の入試は簡単なのかについて解説しました。
確かに東大や京大などの国立大受験者からは滑り止めの学部とみなされますが、早稲田政経は決して簡単ではありません。
また2021年度から導入される新試験では、英語の重要性が増し、共通テストでの数学が必修になったので、より入念な対策が必要です。
以上を参考に、早稲田大学政治経済学部の受験対策を進めていきましょう!