記念受験で東大や早稲田に合格できる?受かりやすい大学や学部を徹底解説!
「記念受験で東大や早稲田には合格できる?」
「受かりやすい大学や学部はどこ?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
記念受験で偏差値の高い大学に受かったという話は例年ちらほら聞かれます。
記念受験にはデメリットも多いのであまりおすすめはしませんが、東大や早稲田に挑戦したいという方もいるはずです。
そこで今回は記念受験で東大や早稲田に合格できるのかについて、受かりやすい大学や学部などと共に解説します。
これを読んで、志望大学を決める上での参考にしてください。
東大や早稲田の記念受験についてざっくり説明すると
- 早稲田社会科学部が狙い目
- 東大の記念受験はおすすめできない
- 担任から記念受験を勧められたら断るべき
記念受験でも大学に受かった人はいるの?
塾や学校の先生に「記念受験」を勧められる受験生は多いです。以下では記念受験の意味や合格できる可能性などについて解説します。
記念受験とは
記念受験とは、合格できる見込みが到底ないような大学を受験することです。
合格することではなく、自分の実力よりもはるかに高いレベルの大学を受験すること自体に意味を見出す(すなわち「記念」とする)ことからそう呼ばれます。
特に東大や早稲田などの最難関大学に関しては、昔から思い出作りとして受験する学生が後を絶ちません。
記念受験で合格するのは難しい
記念受験とは言え、受験生の心情には「何かの間違いで受からないかな」「ワンチャン合格できたらラッキー」というような気持ちが少なからずあるということも事実です。
しかし、記念受験は元々無謀な挑戦であり、過去問研究などもろくにしない状態で臨むことが多いため、合格できるのはごく稀なケースであると言えるでしょう。
ただし、数としてはかなり少ないものの、記念受験として受けた大学に運よく合格できたという話も例年ちらほら聞かれます。
記念受験は慎重に考えよう
受験間近の進路相談などでは、受験に慣れさせるという意味合いで記念受験を勧める高校も多いです。
確かに受験特有の緊張感に慣れておくことは大切ですが、そのために本命の入試直前の1、2日を犠牲してしまうことのデメリットは大きいと言えるでしょう。よって記念受験はあまりおすすめできません。
また受験するのがたとえ自分が憧れを持つようなハイレベルな大学であったとしても、受験に落ちるという経験は必ずしも良い「記念」にはならないでしょう。
よって担任の先生に記念受験を勧められても、基本的には断るべきです。
記念受験のメリット・デメリット
記念受験にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
記念受験のメリット
記念受験には以下のようなメリットがあると考えられます。
自分の受験生活に後悔しない
大学受験に後悔を残さないという意味では、自分が本当に憧れた大学に挑戦するということは有意義です。この点においては記念受験にも一定のメリットがあると言えるでしょう。
またそもそも受験しなければ合格できる可能性はないわけであり、ほぼ間違いなく落ちるとわかっていてもわずかな確率に賭けるというのは、諦めるよりはマシだと考えることもできます。
戦わずして負けるよりも、全力でぶつかって華々しく散る方が諦めがつくということもあるでしょう。
勉強のモチベーションが上がる
自分の実力よりもはるかにハイレベルな大学に挑戦することによって、勉強に対するモチベーションが上がるということもあるでしょう。
偏差値が高い大学の受験生は総じて高い意識を持って猛勉強しているため、自分もその水準に合わせて勉強すれば、第2志望、第3志望に向けた勉強には確実にプラスになるはずです。
本番の練習ができる
本命の入試に向けた予行演習としては記念受験も有益です。
受験本番でしか味わえない緊張感や問題が解けない時の焦燥感などもあるので、実際に入試を経験してそれらに慣れておくことで、余裕を持って本命の入試に臨むことができるでしょう。
万が一の確率で受かることもある
先述した通り、記念受験のつもりで受けた大学に合格できてしまう幸運な学生も例年一定数存在します。
奇跡に近い話にはなりますが、毎年成功例がある以上可能性がないわけでないため、一縷の望みに賭けて出願するというのも悪くないでしょう。
記念受験のデメリット
一方で記念受験には以下のようなデメリットもあります。
落ちるとメンタルが沈む
記念受験とは言え「ひょっとしたら受かるかも」という淡い期待を抱いて臨むことも多いため、不合格になれば少なからずショックを受けるでしょう。予想以上にメンタルが沈んでしまう可能性もあります。
そしてそれを本命の入試にも引きずってしまうと、受かるはずだった大学にも落ちてしまうという最悪の事態になることもあるのです。
特に本命の入試前には精神的な平静が非常に大切なので、それを阻害するような状況になりかねない記念受験は良くないと言えるでしょう。
お金や時間がかかる
大学入試を受験するには数万円の受験料がかかる上に、地方の学生なら往復の交通費やホテル代なども馬鹿になりません。また本命の入試直前期の貴重な1、2日を奪われることにもなります。
よって記念受験は経済的にも時間的にもかなりコストがかかる選択だと言えるでしょう。
人によっては勉強に甘えが生じる
中には記念受験など逃げであり、本当に行きたいのなら浪人覚悟で正々堂々勝負すべきだと主張する人もいます。
この主張に対しては賛否両論あるでしょうが、「記念受験」という言葉に「受からなくても良い」という真剣に勉強と向き合う姿勢に水を差すようなニュアンスが含まれていることは事実です。
また「ひょっとしたら記念受験で合格できるかも」という気の緩みから、試験勉強全体に甘えが生じてしまうということもあるでしょう。
記念受験で受かるためのコツを解説
基本的にはおすすめしない記念受験ですが、どうしても記念受験がしたいというのであれば、できるだけ合格できる確率を高めた上で臨むべきです。
以下では記念受験に受かるためのコツについて解説します。
早稲田大学を記念受験しよう
記念受験先として最も人気があるのは早稲田大学です。特に文系学部には例年多くの記念受験者がいると噂されています。
実際、記念受験であわよくば合格したいと考えるなら早稲田大学はおすすめです。例えば社会科学部の偏差値71なのでかなりハイレベルですが、慶應などと違って小論文がないので対策は比較的しやすいと言えます。
また早稲田には数多くの学部がありますが、試験日程はバラバラなので日程調整がしやすいということもメリットです。
社会科学部が記念受験におすすめ
早稲田大学の社会科学部は、早稲田の中では最も遅くに試験が実施されるので、他の私立大学を全て受験し終えた状態で試験に臨むことができます。
よって特に私立大学に本命がある生徒がチャレンジするのには良いでしょう。
また社会科学部は文系学部ですが、地歴の代わりに数学で受験することもできるため、理系の学生が挑戦することも可能です。
さらに出題形式は選択式なので対策がしやすく、勘で答えて正解できる可能性もあります。
実際、社会科学部の問題はかなり難しく、頭の良い人たちの間でも「ロト6」と評されることもあるほどなので、記念受験の生徒が偶然合格できるということも十分にあり得るでしょう。
ちなみに早稲田大学社会科学部の入試科目及び配点、出題範囲は以下の通りです。
科目 | 配点 | 出題範囲 |
---|---|---|
英語 | 50 | コミュニケーション英語Ⅰ・コミュニケーション英語Ⅱ・コミュニケーション英語Ⅲ・英語表現Ⅰ・英語表現Ⅱ |
国語 | 40 | 国語総合・現代文B・古典B |
地歴もしくは数学 | 40 | ①世界史B②日本史B③数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(「確率分布と統計的な推測」以外)のいずれかを選択 |
上記より、英語と数学が得意なら理系でも十分合格できる可能性があると言えるでしょう。なお、上記は一般入学試験(2021年度4月入学)の情報です。
早稲田大学 社会科学部に関する詳しい情報が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
東京大学は記念受験できる?
日本の大学における最高峰である東京大学に記念受験しようとする学生も少なくありません。最近ではオードリーの春日やホリエモン(堀江貴文)が受験したことが話題となりました。
しかし、東京大学は記念受験先としてはあまりおすすめできる大学ではありません。以下ではその理由を解説します。
足切りが設定されている
東京大学をはじめとする国公立大学の入試は、一次試験である共通テスト(旧センター試験)と二次試験という二部構成になっており、共通テストには足切りが設けられています。
よって記念受験とはいえ、共通テストで一定以上の成績が残せる実力がないとそもそも受験することさえもできません。
ちなみに過去4年間における東大のセンター試験の足切り点(900点満点)は以下の通りです。
文科一類 | 文科二類 | 文科三類 | 理科一類 | 理科二類 | 理科三類 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2020年 | 621点(69%) | 612点(68%) | 575点(64%) | 681点(76%) | 626点(70%) | 611点(68%) |
2019年 | 628点(70%) | 728点(81%) | 750点(83%) | 698点(78%) | 720点(80%) | 630点(70%) |
2018年 | 582点(65%) | 703点(78%) | 738点(82%) | 715点(79%) | 717点(80%) | 630点(70%) |
2017年 | 571点(63%) | 623点(69%) | 732点(81%) | 660点(73%) | 701点(78%) | 695点(77%) |
上記より、少なくともセンター試験で70%以上取れる実力がなければ、東大には出願できないということがわかります。
東大を記念受験するなら共通テストに向けた対策をかなり行わなくてはならないため、早稲田よりもハードルが高いと言えるでしょう。
記述式の試験である
東大の二次試験は記述式です。そのため、マークシート方式のように「適当に答えたら偶然正解できた」ということが起きる可能性は極めて低いと言えます。
もちろん記述式でも適当に書いた答えで部分点をもらえる可能性はありますが、東大の入試では根本的な理解が問われるような出題が多いため、わかった上で答えなければ部分点がもらえる確率は低いです。
科目数が多い
東大の二次試験では理系でも国語、文系でも数学が入試科目に含まれており、理科や社会は2科目受験しなればいけません。よって対策すべき科目は私大に比べてかなり多いです。
また共通テスト対策においても数多くの科目を対策しなければならないので、対策にかかる労力を考えると記念受験には向かないと言えるでしょう。
以下では参考までに東大の文科、理科それぞれの試験科目を紹介しておきます。
<東京大学 文科>
- 共通テスト
科目 | 配点 | 備考 |
---|---|---|
国語 | (200点) | - |
地歴・公民 | (200点) | 世界史B・日本史B・地理B・倫理、政治経済から2科目 |
数学 | (200点) | 数学IA+数学IIB or 簿記・会計 or 情報関係基礎 |
理科 | (100点) | 物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎から2科目(物理・化学・生物・地学を選んでも良い→200点満点を100点満点に換算) |
外国語 | (200点) | 英語はリーディング100点・リスニング100点をリーディング140点・リスニング60点に換算 |
合計 | 110点(900点) | 900点満点を110点満点に換算 |
- 二次試験
科目 | 配点 | 備考 |
---|---|---|
国語 | 120点 | 国語総合・国語表現・現代文B・古典B |
地歴 | 120点 | 世界史B・日本史B・地理Bから2科目 |
数学 | 80点 | 数学I・数学II・数学A・数学B(数列・ベクトル) |
外国語 | 120点 | 英語(一部聞き取り試験あり)・ドイツ語・フランス語・中国語から1科目 |
合計 | 440点 | - |
<東京大学 理科>
- 共通テスト
科目 | 配点 | 備考 |
---|---|---|
国語 | (200点) | - |
地歴・公民 | (100点) | 世界史B・日本史B・地理B・倫理、政治経済から1科目 |
数学 | (200点) | 数学IA+数学IIB or 簿記・会計 or 情報関係基礎 |
理科 | (200点) | 物理・化学・生物・地学から2科目 |
外国語 | (200点) | 英語はリーディング100点・リスニング100点をリーディング140点・リスニング60点に換算 |
合計 | 110点(900点) | 900点満点を110点満点に換算 |
- 二次試験
科目 | 配点 | 備考 |
---|---|---|
国語 | 80点 | 国語総合・国語表現 |
数学 | 80点 | 数学I・数学II・数学III・数学A・数学B(数列・ベクトル) |
理科 | 120点 | 「物理基礎・物理」「化学基礎・化学」「生物基礎・生物」「地学基礎・地学」から2科目 |
外国語 | 120点 | 英語(一部聞き取り試験あり)・ドイツ語・フランス語・中国語から1科目 |
面接 | - | 理科三類だけ個人面接あり |
合計 | 440点 | - |
東大は後期試験がない
旧帝大をはじめとする国公立大学の前期試験は試験日程が同じということもあり、複数大学を受験することはできません。
また国公立志望の場合は、前期を第一志望にして後期を滑り止めや記念受験とするのが一般的です。しかし、東大には後期試験がありません。
よって国公立志望の受験生が東大を記念受験することはできないと言えるでしょう。第一志望を後期に受験すれば不可能ではないですが、それをするメリットはあまりないと言えます。
本命が私立にあるなら東大を受けても良い
本命が私立にあるという場合は、東大を記念受験しても問題ありません。しかし、その場合も共通テスト対策に時間を取られるというデメリットがあります。
もし無駄な共通テスト対策をしたくないのであれば、共通テスト利用(旧センター利用)で早稲田などを目指すと良いでしょう。
例えば、共通テスト利用で早稲田政経を狙うなら、第一志望の対策と記念受験の準備が同時にできるので一石二鳥です。
また共通テスト利用の結果は東大入試よりもずいぶん前に出るので、合格すれば純粋に記念受験を楽しめるでしょう。
東大や早稲田の記念受験まとめ
東大や早稲田の記念受験まとめ
- そもそも記念受験で合格できる可能性は天文学的
- 早稲田社会学部は選択式だからチャンスがある
- 東大は共通テストの足切りがあるので厳しい
- 記念受験は経済的にも時間的にもコストがかかる
記念受験で東大や早稲田に合格することはできるのかについて解説しました。
記念受験は経済的にも時間的にもコストがかかるデメリットの大きい選択なので、基本的にはあまりおすすめしません。よって担任の先生から記念受験を勧められたら断って本命に集中するべきです。
しかし、どうしても記念受験がしたいというなら、早稲田大学の社会学部などを狙うと良いでしょう。試験日が遅いのと選択式であることから、記念受験のデメリットは少ないです。
一方で東大は共通テストの足切りもあり、対策すべき科目数も多いことから、記念受験には向きません。
以上を参考に、記念受験をするべきかどうかをよく考えてみてください。