高校受験の面接対策は?志望動機や推薦生向けの自己PRのコツまで回答例付きで解説!
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「高校受験の面接対策はどうすれば良い?」
「理想的な志望動機は?推薦生向けのより良い自己PRって?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
推薦入試の場合、面接の結果は合否に大きな影響を与えるので、入念に対策をしなけらばなりません。
また公立高校の一般入試を受験する場合も、当日緊張しないためにも軽く準備はしておいた方が良いでしょう。
そこで今回は高校受験の面接対策について、より良い志望動機や推薦生向けの自己PRのコツなども含めて解説します。
対策しておくべき質問と具体的な回答例も紹介するので参考にしてください。
高校受験の面接対策についてざっくり説明すると
- エピソード交えて具体的に回答するべき
- 1分程度で簡潔に答えるのが良い
- 嘘をつかず、ネガティブな内容は前向きに答える
高校受験の面接の種類
高校受験における面接は、推薦入試で行われる本格的な面接試験と、公立高校をはじめとする一般入試で行われる簡易的な面接の2種類があります。
どちらも基本的には個人面接であり、事前に提出した自己PRカードなどの書類を元に質疑応答がなされるという形式が多いです。
推薦入試で行われる面接
推薦入試なら大抵の場合、30分程度の本格的な面接試験が行われます。内容としては、その高校にどのくらい興味を持っているかということを試すような質問がなされることが多いです。
なお、推薦入試は一般入試よりも倍率が高い難関試験であり、面接の結果は合否に大きく影響します。
よって推薦入試を受ける場合は、きちんと面接の対策をしなければなりません。
公立高などの 一般入試で行われる面接
公立高校などの一般入試で実施される面接は、10分程度の簡易的なものが多いです。
基本的には質問に対してきちんと受け答えができているかということを見られるくらいで、余程のことをやらかさない限りは、面接の結果が合否に大きな影響を与えることはありません。
そのため、一般入試の面接に関してはそれほど気合を入れて対策をする必要はないでしょう。
ただし、何の対策もせずに臨むと、緊張でうまく話せないということもあるため、典型的な質問内容をチェックしたり、何を話そうか少し考えたりする程度はしておくのがおすすめです。
面接の回答の作り方
ここからは面接で回答する際に意識すべきことをいくつか紹介します。
エピソードを交えながら具体的にする
回答は具体的でわかりやすく作成するのが基本です。
例えば、「〜をがんばりました」というような答えでは、漠然とし過ぎていて面接官が内容をうまくイメージすることができません。
よって回答する際は、伝えたい情景を思い浮かべながら、細かい要素も拾いつつ、自分の言葉で詳しく伝えることを心がけましょう。
具体例を挙げるなら、「野球部に所属し、2年半の間、放課後は毎日日が沈むまでボールを追いかけました。」と言えば、野球を頑張ったことがよく伝わります。
全ての質問に筋が通っていること
回答は自分の意志や考え、信念などが反映されるものです。面接官は回答の内容だけでなく、そうした人間性も評価しています。
そのため、筋が通っておらず、結局何が言いたのかわからないという回答をしてはいけません。
そのような回答を繰り返せば、意志の強さやしっかりした考え、確固たる信念などを持っていないと評価されてしまいます。
学校との相性の良さをアピールする
各高校にはそれぞれ異なる強みや校風があるため、それらに自分が合っていることをアピールするということも大切です。
例えば、科学の教育に力を入れている高校であれば、志望動機や将来の夢を聞かれた時に「科学に強い興味がある」「将来は物理学者になりたい」などと答えると、面接官に良い印象を与えられます。
一方で自由な校風の学校で自分の長所を聞かれた時に「ルールや規則をきちんと守れること」と答えても、強いアピールにはならない可能性があります。
それよりも「何事にも興味を持ち、積極的に挑戦できること」と答えた方が、自由な校風にはマッチしているのでベターです。
もちろん嘘をつく必要はありませんが、自分がその学校に向いているポイントを探し、それを優先的に回答に盛り込むのが良いでしょう。
やってはいけないこと
以下では面接の回答におけるタブーをいくつか紹介します。
マイナスなことを隠さない
嘘をついたり、ネガティブな内容を故意に隠したりはしてはいけません。
そうした偽りがバレた時には取り返しのつかないことになり、合格の可能性を自ら摘んでしまうからです。
話したくないマイナスなことを抱えている方もいるでしょうが、大事なのはそれをどう捉えているかなので、正直に、そして前向きに回答するのが良いでしょう。
1つの質問に長々と答えない
質問者に突っ込んで聞かれない限りは、簡潔に答えることを心がけましょう。
目安としては志望動機や自己PRなら1分半程度、その他の質問なら1分程度でコンパクトな回答を用意できるのが理想的です。
上記の時間を超えて長々と話し続けるのは、面接の場においてはあまり良い印象にはつながらないので注意しましょう。
内容を丸暗記して答える
回答を一言一句丸暗記して面接に臨むのはやめましょう。棒読みになるなど不自然な感じを与えますし、感情が伝わりにくくなります。
また回答を忘れてしまったり、思わぬ質問をされた時にパニックになってしまう可能性もあるので、ある程度は考えておいても構いませんが、基本は当日の流れにまかせて受け答えをすべきです。
なお、うまく喋れるか不安になる方もいるでしょうが、用意しておいた答えを理路整然と話すよりも、詰まりながらでも一生懸命に話す方が好印象を与えます。
高校受験の面接でよく聞かれる質問と回答例5選
続いては高校受験の面接において定番の5つの質問とその回答例を紹介します。
志望動機はなんですか?
志望動機は高校が最も気になる部分でもあるので、必ず押さえておくべきです。
より良い回答は積極的な姿勢をアピールするもので、例えば「英語教育に力を入れているから(自分も英語を熱心に勉強したい)」などが良いでしょう。
一方で「偏差値的に自分でも受かりそうだから」などのような消極的な回答は避けるべきです。
また「この高校に受かりたい!」という積極的な気持ちをアピールできるように、その学校の教育方針などきちんと理解していることが伝わるような回答を心がけましょう。
回答例
「私は元々科学に強い関心があったため、SSHにも指定されており、科学の教育に力を入れている貴校を志望しました。」
上記のような回答なら、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)に選ばれているという学校の特徴をきちんと理解しており、そこで科学を学びたいという積極的な気持ちが伝わります。
中学生のとき一番頑張ったことはなんですか?(自己PR)
この質問では何を頑張ったのかということだけでなく、どのような努力をしたのかやその経験によって精神的にはどう成長したのかなども見られています。
よって目立った受賞歴や所有資格がなくとも、努力や成長がしっかりと伝われば問題ありません。
なお、事前に自己PRカードを書かされる場合は、その内容と矛盾がないように答えるようにしましょう。
回答例
「科学に興味を持ち、科学部に所属してましたが、そこで部長を務め、文化祭では〜の実験についての発表をしました。」
上記の回答では努力や成長に関しては直接言及されていませんが、科学部で部長を務めるほどのリーダーシップや、文化祭での発表を成功させられるだけの行動力があることが伝わります。
高校に入ってからしたいことは?
この質問に対しては、単に高校生になってからしたいことを答えるのではなく、その学校でしかできないことを答えるのが望ましいです。
またその学校のことを十分に理解していることが伝わるように、できるだけ具体的に話すのが良いでしょう。
なお、「特にありません」などの消極的な回答は避けるべきです。
回答例
「私はサッカーが大好きなので、貴校の有名なサッカー部に入部し、大いに活躍したいと考えています。」
上記のように、部活に関する内容は答えやすくて良いでしょう。
また先ほどのように「SSHでもある貴校で思う存分科学を学びたい」というような内容でも構いません。
長所と短所は?
長所はそれを証明するような出来事、短所は改善策とともに述べるのがポイントです。また今後どうしていきたいという展望も付け加えると良いでしょう。
回答例
「私の長所はリーダーシップがあるところです。中学のサッカー部では部長も務めました。都大会優勝のために部員をまとめ、みんなで一生懸命練習に励みました。」
「私の短所は優柔不断なところです。そのため、何事にも必ず決断の期限を決めて取り組むようにしています。」
上記の短所に関する回答では、優柔不断な自分の性格をよく理解し、それで失敗しないための予防策をきちんと講じていることが伝わるので理想的です。
将来の夢は?
この質問に対しては、将来の夢に加えて、それに向けて今頑張っていることと高校入学後に頑張っていきたいことを答えるのが良いでしょう。
回答例
「将来の夢は医師になることです。そのため、中学では特に理科の勉強に力を入れていました。高校では生物の勉強を特に頑張りたいと考えています。」
この回答では、上で解説した3点がきちんと盛り込まれているので、理想的な答え方だと言えます。
高校受験の面接で聞かれるとドキっとする質問と回答例6選
ここからは高校受験の面接で聞かれたら思わずドキッとしてしまうような質問とその回答例を紹介します。
他にどのような高校を受けていますか?
質問をされた高校が第一志望なら答えやすいですが、そうでないなら何となく答えにくい質問です。
しかし、第一志望でなくても後ろめたい気持ちを持つ必要はないありません。正直に他に受験する高校を答えると良いでしょう。
なお、受験している高校、もしくはその他の高校を馬鹿にするような発言は禁物です。
回答例
「〜高校、‥高校を受験していますが、本校が第一志望です。」
「〜高校、‥高校を受験しています。」
二番目の回答は第一志望でない場合ですが、この場合は第一志望の高校名は聞かれない限り、答える必要はありません。
また第一志望がバレたくない場合は、受験する高校よりも偏差値の低い学校だけを答えるのも良いでしょう。
最近の気になるニュースはなんですか?
高校受験の面接では、このように時事に関する質問がなされる場合もあるので、日常的に新聞やネットニュースなどを見ないという人は、面接の前に主要なニュースをチェックしておくのが良いでしょう。
なお、この質問に対する回答は芸能ネタ以外なら、どんな分野のニュースでも構いません。
回答例
「私が気になっているのは新型コロナウイルスに関するニュースです。日常生活や経済に大きな影響を与えたので、非常に関心があります。」
今はこのような回答が定番になるでしょうが、ありきたりに感じる場合はもう少し話題を絞ったり(ワクチンや都道府県の感染者数など)、他のニュースに言及するのも良いでしょう。
評定が低いですがなぜですか?
中学校の成績次第ではこのような質問もあり得ます。耳が痛い質問ではありますが、なるべく正直に、そして前向きに答えるのが良いでしょう。
回答例
「かつては目標がなかったため、勉強に対するモチベーションが上がらず、真摯に勉強に取り組めない時期がありました。しかし、この学校の入学したいという目標が目標ができてからは、心を入れ替え必死に勉強して参りました。」
このように、現在は前向きな気持ちで勉強に取り組んでいるということが伝わるような回答が望ましいです。
欠席日数が多いですがなぜですか?
一般的に3年間で31日以上欠席すると多いとみなされるので、この質問をされることがありますが、答え方は欠席の度合いによって2パターンに分類できます。
なお、いずれの場合も過去のことを冷静に受け止め、前向きに先へ進もうとしている姿勢を見せるのが良いでしょう。
回答例1 少し超えている場合
「私は身体が強い方ではなく、頻繁に風邪を引いてその度に欠席してしまいました。高校に入学したら運動部に入って、身体を強くしたいと考えています。」
実際は軽い気持ちで病欠していたというケースも多いはずですが、このように答えておくのが無難です。
回答例2 大幅に超えてしまった場合
「精神的(もしくは身体的)な不調が原因で自宅にて長期間療養していました。幸い、現在は完治したので、高校に入学したら前向きな気持ちでしっかり通学したいです。」
不登校などの場合も正直に伝えるのが良いでしょう。学校に行けなくなってしまった原因が改善されている場合は、それもきちんと伝えるべきです。
心に残った本はなんですか?
読んだ本の感想とそこからどのようなことを学んだのか、読んだ後にどんな変化があったのかなどを話せると良いでしょう。
難しい本を挙げれば必ず好印象が得られるというわけでないので、無理に背伸びはせず、素直に自分が良いと思った本を選ぶべきです。
なお、普段全く本を読まないという人は、本屋大賞を受賞した本やドラマ化もしくは映画化された本など、読みやすいもので構わないので何か一冊読んでおきましょう。
回答例
「私の心に残った本は、『アルジャーノンに花束を』です。これは知的障害者の主人公が天才的な知能を得るという小説なのですが、幸福とは一体何なのかということを考えさせられました。」
このように本の概要も合わせて答えるとわかりやすさが増すので良いです。
面接のマナーをおさらい
以下では受け答え以外に面接時に注意すべきマナーについてお伝えします。
面接時の服装・髪型は男子も女子も注意
一般的な公立中学など、制服がある中学に通っている場合、面接には制服で臨むのが基本です。もし制服がないという場合は、できるだけフォーマルな装いで臨むのが良いでしょう。
例えば、女子なら「ジャケット+ブラウス+スカート」、男子なら「ジャケット+シャツ+ズボン+革靴」などがベターです。
女子の身だしなみのポイント
女子は第一にスカートが短くなりすぎないように注意しましょう。
髪型に関しては、パーマをあてたり、明るくカラーリングして臨むのも避けるべきです。
ロング・セミロングの場合は結ぶべきですが、シュシュなどを用いるのではなく、黒ゴムだけで結ぶのが良いでしょう。
またその他のアクセサリーなども、面接時には付けるべきではありません。
男子の身だしなみのポイント
男子はズボンのシワが目立たないように注意するべきです。シワシワだとだらしない印象を与えるので、きちんとアイロンをかけておきましょう。
また女子同様、パーマやカラーリングは厳禁です。前髪が顔にかかりすぎるのも、好印象にはつながらないので、短めのヘアースタイルで臨むのが無難だと言えます。
さらに清潔感を出すためにも髭は忘れず剃っていきましょう。
面接前に抑えておくべきポイント
面接前には上記のポイントを参考に、身だしなみをきちんと整えるようにしましょう。
その際は服装・髪型だけでなく、足元にも気を配るべきです。靴の汚れなどは案外チェックされているので、足元も整えて臨むのが良いでしょう。
また先ほど紹介したような定番の質問に関しては、ハキハキと答えられるように練習しておくのがおすすめです。
なお、控室では友達と必要以上に話し込んだり、無闇に歩き回ったりはせず、係員の指示があるまでは静かに待っておきましょう。
さて、係員の指示があれば、控室から出ていよいよ面接室に向かうわけですが、以下では面接室で気をつけるべきポイントについて解説します。
面接中に抑えるべきポイント
面接中は背筋を伸ばして、綺麗な姿勢を保てるように心がけましょう。
また質問に対して詰まってしまったり、答えが思い浮かばなかったりすることもありますが、無言の状態を長く続けることはできるだけ避けるべきです。
しかし、どうしても答えが浮かばないということもあるでしょうから、その場合は「すみません、思いつきません。」などと正直に答えても構いません。
なお、緊張していても挨拶や礼儀、常識的な振る舞いには十分に気を配るのが良いでしょう。
面接後に注意するポイント
面接の終わりに「面接の最後に聞いておきたいことはありますか?」というように逆質問の機会が与えられることがありますが、これに対しては「特にありません。」と答えても問題ありません。
また何か質問したいという場合は、「高校に入学する前にやっておくべきことはありますか?」などの質問をするのも良いでしょう。
なお、面接室から退出する際は「ありがとうございました。失礼しました。」と大きな声で挨拶をすることが大切です。
高校受験対策なら通信教育などの利用もおすすめ
ここまで、高校受験における面接対策の方法について解説してきましたが、そもそも推薦入試とは何かについてもっと詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみることをおすすめします。
また、推薦入試を目指している方だけでなく中学生における勉強はこれから高校・大学で学ぶ内容全ての基礎となるかなり重要な時期になりますので、しっかりと勉強をするようにしましょう。
特に通信教育なら、普段部活などで忙しいという方も隙間時間を利用して学習することが可能です。
高校受験対策に使える通信教育についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
高校受験の面接対策まとめ
高校受験の面接対策まとめ
- 志望動機は1分半程度で端的に答える
- 回答の丸暗記はNG
- マイナスなことも隠さず答える
高校受験の面接対策について解説しました。
高校受験の面接では様々な質問がなされますが、総じてエピソードを交えながら具体的に答えるということを意識すべきです。
また簡潔に答えることが望ましいので、志望動機なら1分半、その他の質問には1分程度で答えましょう。
さらに耳が痛いような質問がなされる場合もありますが、マイナスなことも隠さず、前向きに答えるのがおすすめです。
なお、推薦入試の場合は小論文、公立高校などの一般入試の場合は各教科の試験の対策も必要ですが、それには通信教育などを活用するのが良いでしょう。
以上を参考に、より良い面接対策でぜひ第一志望合格を勝ち取ってください。