勉強と睡眠時間の関係は?睡眠を削るデメリットや平均勉強時間・効率の良い勉強法まで解説

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「大学受験するなら勉強のためにどれくらい睡眠時間を削るのがいいの?」

「受験生の寝る時間の平均ってどれくらい?」

高校生なら受験前やテスト期間中は特に睡眠時間について疑問を持つのではないでしょうか?

できるだけ脳に疲れを感じさせない程度に睡眠時間を減らして勉強がしたいと考える学生は多いです。

そこでこの記事では睡眠と勉強の関係や睡眠を減らす弊害、さらに睡眠時間を維持したまま勉強の効率をアップさせる方法などを紹介していきます。

テスト前日はもちろん、受験に向けて勉強をしている人もこの記事を読めば、最適な睡眠で勉強ができるようになります。

勉強と睡眠時間の関係についてざっくり説明すると

  • 高校生の睡眠時間は平均6時間以上
  • テスト前や大学受験生だからこそ十分な睡眠を
  • 睡眠時間を削ると勉強の効率が下がる

勉強時間と睡眠時間の関係

時計の画像 いうまでもありませんが、睡眠をとらないと脳の機能は次第に低下していきます。

健康的な生活ができないばかりか、脳の疲労を回復させないと思考力が下がって勉強の効率も悪くなってしまいます。

つまり、一般的に勉学で成果を出すためには十分な睡眠時間を確保しなければならないのです。 ここでは具体的に勉強と睡眠にはどのような関係があるのか説明していきます。

受験勉強と睡眠時間の関係は?

受験勉強と聞けば「睡眠」というものを軽視してしまいがちになります。実際睡眠時間を最大限まで削って勉強時間にあてている人も多いのではないでしょうか?

しかし、受験においては睡眠のとり方が重要になってきます。ここからは具体的に睡眠と受験勉強にはどのような関係があり、影響しあっているのか説明していきます。

受験勉強は長期戦

そもそも受験勉強は1年以上の期間をかけて行うのが一般的です。 そのため十分な睡眠時間を確保してコツコツ毎日勉強をするのが有効です。

受験勉強は長期戦なのでオールで勉強をするような行為は不向きであり、対応できない可能性が高いといえます。

身体や脳に無駄な負担をかけないように、適度に睡眠をとるようにしましょう。

朝型になって勉強の効率を上げよう

勉強は朝か夜のどちらがいいのかという疑問もあるかと思いますが、おすすめなのは朝型です。

なぜなら、模試や定期テスト、受験の本試験もだいたいのものは午前中から始まるものがほとんどなので、朝に起きておけば脳を十分に覚醒させられるからです。

夜遅くまで勉強をして朝跳び起きて朝食もとらずに試験会場に向かうよりも、朝からしっかりと準備ができる朝型の方がはるかによい成績を出しやすくなります。

もちろん、授業も頭に入りやすくなるので勉強の効率も上げられます。勉強でよい結果を出すためにも早寝早起きを心がけるようにしましょう。

睡眠学習で寝ている間も暗記できる?

睡眠学習とは読んで字のごとく、寝ている間に勉強をすることです。受験生なら嬉しい勉強法ですが、「そんなことできっこない」と思いがちです。

しかし、ノースウエスタン大学などの研究によると「理論上は不可能ではない」という研究の結果が発表されました。

具体的な方法は、日中に学んだことを睡眠中に聞くというものです。こうすることで英単語や固有名詞などの暗記系のものが記憶に残りやすくなるのです。

もちろん、絶対効果があるといい切れるものではありませんが、復習の勉強に試してみる価値はあるといえるでしょう。

学生に必要な睡眠時間はどのくらい?

クエスチョンマークの画像 睡眠が勉強に与える影響と同じくらい、高校生に必要な睡眠時間も知りたいという人は多いです。

そこでここでは高校生にとってどれくらいの睡眠時間が必要なのか説明していきます。

一般的に6〜7時間くらいの睡眠が必要

高校生にとって一般的に必要といわれている睡眠時間は6~7時間です。 中にはショートスリーパーなどの人もいるかもしれませんが、多くの人はこれくらいの睡眠時間は必要となります。

睡眠中は何もできないので無駄な時間のように感じるかもしれません。しかし脳に溜まった疲れを回復させるのにとても大切なのです。

ただしこの数字はあくまで一般的なものであり、体調や年齢など条件によって変わってきますので注意してください。

次からはより具体的な内容に入っていきます。

高校生の平均睡眠時間はおよそ6時間以上

高校生は平均して6時間以上睡眠をとっていることがわかっています。例えば、総務省の「社会生活基本調査」によると、平日の平均睡眠時間は以下の通りです。

平均起床時刻 平均就寝時刻 平均睡眠時間
平成18年 6時43分 23時50分 6時間53分
平成23年 6時36分 23時42分 6時間54分

高校生の平均は7時間弱とっていますが、実は小学生や中学生、大学生などと比べると睡眠時間は短い傾向にあります。

同調査の平成23年の結果によると以下の通りです。

平均睡眠時間
高校生 6時間54分
小学生 8時間41分
中学生 7時間46分
その他の在学生 7時間18分

高校生の睡眠時間は7時間程度がベストですので、毎日7時間くらいは寝るようにしましょう。 実はそうすることで記憶がしやすくなるのです。

テスト前でも睡眠をとることが大切

高校生の睡眠は他の年代と比べて少ないというデータからもわかる通り、高校生の中にはテスト前に集中的に勉強して6時間の睡眠がやっとという人もいるのではないでしょうか。

実は人間の脳は睡眠中に日中の情報を整理して記憶が定着するようになっています。毎日コツコツと勉強をしていれば睡眠時間を減らすことなく知識を定着させられ効率的です。

つまり、長期的にみても寝る時間をしっかりと確保した方が学習にはおすすめといえるのです。

また、体力や脳の機能を考えてもせいぜい一夜漬けが限界であることを考えれば、毎日しっかりと寝ることが大切だとわかるでしょう。

大学受験生もしっかり寝よう

高校生の中でも大学受験を控えている受験生にも同様のことがいえます。睡眠は記憶力を高めるだけでなくメンタルバランスを整える役割も持っています。

受験生は記憶しなければならないことが多いだけでなく、ストレスが溜まりやすい厳しい環境です。そのため、寝る時間をしっかりととることはかなり大切なのです。

睡眠を削って勉強をしたくなるかもしれませんが、勉強時間ではなく適切な睡眠時間の確保を優先して勉強に励むようにしましょう。

睡眠がもたらす学習効果

ガッツポーズをとる少年の画像 睡眠は無駄な時間ではありません。健康的に脳や身体を機能させるためには必要な時間です。

ここでは睡眠がもたらす学習への効果について解説していきます。

記憶力が高まる

睡眠の効果の1つに「記憶力を高める」というものがあるのです。 睡眠には深い眠りである「ノンレム睡眠」と夢を見るような浅い眠りである「レム睡眠」の2つがあります。

記憶力に関わってくるのがレム睡眠です。実はレム睡眠中の脳は情報を整理して記憶を定着させているのです。

ノンレム睡眠とレム睡眠にはリズムがあり一般的に1周期90分で繰り返されます。つまり、眠りが長ければそれだけ記憶力が高まるのです。

なお、レム睡眠中は脳が覚醒しているのでスッと目覚められます。朝は90分の倍数で起きられるように目覚ましをセットすれば1日をスムーズに始めやすくなるでしょう。

心身共に健康的になる

睡眠のもう1つの役割が脳の回復・発達です。 ノンレム睡眠は脳の機能が停止している状態ですので、脳と身体の両方が休んでいる状態です。

ノンレム睡眠では成長ホルモンが分泌されるのでまだまだ身体が成長している高校生にとっては重要な時間になります。

また、疲労の回復や細胞の修復もなされるので心身の健康のためには睡眠は欠かせないのです。

質のよい睡眠をとる方法

睡眠はとればいいというわけではなく学習の質を良くするためには質のよい睡眠をとる必要があります。

ここでは質のよい睡眠をとる方法をいくつか紹介していきます。

寝る前にブルーライトを浴びない

最近特に言われているのが、就寝前にブルーライトを浴びないことです。 ブルーライトとはスマホやパソコンなどから発せられる青色の光のことです。

ブルーライトはかなり強いエネルギーを持っているので目から入ることで脳を刺激して覚醒を促します。すると布団に入っても脳が冴えているのでなかなか寝つけなくなるのです。

体内リズムが狂う原因となり健康の維持が困難になります。すると勉強にも悪影響が出てきますので、寝る前にスマホやパソコンは使用しないのがおすすめです。

お腹がいっぱいになるくらいの食事をとらない

「満腹になると眠たくなる」という人もいるかもしれません。そのため寝る前にモノを食べる人がいますが、おすすめできません。

その理由はモノを食べることで消化器官が働き続けなければならなくなり、休むどころか体力を使うことになるからです。

つまり、寝ていても身体が休まっていないのです。これでは質のよい睡眠とはいえませんので食事は睡眠の2~3時間前には済ませておくようにしましょう。

お風呂に入る

質のよい睡眠をとるためには入浴にも気を配ってください。最もよい入浴時間は寝る90分前にお風呂に入ることです。

お風呂に入ると身体の深部温度が高められます。その後徐々に体温が低くなっていきますが、この過程で人は眠気を感じるのです。

身体の芯の温度が下がり始めるのには時間がかかりますので、寝る90分前を基準にお風呂に入ればスムーズになります。

なお、リラックスできる温度は38~40度といわれているので、この温度を目安に10分程度入るようにしましょう。

22時〜2時の間は寝よう

睡眠は長さが重要ですが、寝つく時間も大切です。特に睡眠の質を高めるのが22~2時の間に寝ることです。

22~2時の時間帯は「ゴールデンタイム」といわれていて、健康や成長に欠かせない成長ホルモンが分泌されます。つまり最も重要な時間帯なのです。

この時間帯に寝ると学生は健康的で記憶力も高められるようになります。

ちなみに、上記で記した「社会生活基本調査」の図を見ると高校生やその他の在学生は就寝する時間が遅いことがわかります。

これでは十分に睡眠の質を高められませんので、もっと早く寝る習慣を身につけるようにしましょう。

睡眠を削った際のデメリット

少しぐったりとした印象の犬の画像 ここまでは睡眠の重要性を書いてきましたが、ここでは睡眠を削ることのデメリットを詳しく解説していきます。

寝る時間が少ない・削っているという人はしっかりと読んで参考にしてください。

思考力・集中力の低下

受験生にとって睡眠を削ることの弊害は何といっても集中力や論理的思考力が低下する可能性があることです。

勉強をすることは大切ですが、それよりも知識をどれだけ定着させられるか、あるいは試験で知識をアウトプットできるかが重要です。

勉強の質を高めて能力を最大限発揮するためには睡眠をしっかりととって集中力をアップさせなければなりません。

つまり、寝る時間を削って勉強をすることは集中力を奪うのでデメリットの方が大きいのです。

心身に不調をきたす恐れがある

睡眠をとらないと身体だけでなく精神的にもよくない可能性があります。 具体的には意欲の低下やメンタルバランスの乱れなどが引き起こしやすくなります。

意欲が低下すると自己肯定感が下がって「自分はダメな人間だ」と考えてしまうようになるのです。

すると勉強の質までも下がってしまうので、高校生や受験生はメンタルを健全に保つためにも十分な睡眠をとるようにしましょう。

それが夢を叶えることにつながっていきます。

睡眠時間を確保したまま効率良く勉強する方法

女性がパソコンの前で勉強をしている画像 睡眠は勉強を効率良くするために大切です。 しかし、勉強時間を確保することも同じように大切です。

では、睡眠時間を確保しながら効率良く勉強をする方法はないのか気になると思います。実は時間帯によって勉強法や科目を変えることで効率良く勉強ができるのです。

そこでここからはその具体的な方法や理由などを解説していきます。

朝は頭を働かせよう

しっかりと睡眠をとった後の朝は頭の回転が速くなりやすいです。 その理由は眠りによって情報が整理されていて、かつ疲れも回復しています。

そのため朝は頭を使わないと解けないような難しい数学の問題などに挑戦するのがおすすめです。

集中力が高まって勉強がはかどるので今まで理解できなかった問題もひらめきで解けるかもしれません。

昼寝をして脳を回復させよう

昼寝をすると少しの間脳に溜まった情報が整理されるので、記憶力の向上が期待できます。

また、午後の眠気もなくなって勉強に集中しやすくなるので、勉強効率がよくなるメリットもあります。そのため食後や勉強の間に眠気を感じたら昼寝をするのがおすすめです。

ただし、昼寝があまり長くなりすぎると深い眠りに入ってしまうので、スッと起きられなかったり夜の睡眠に支障をきたしたりします。

理想の昼寝は15~20分間です。この長さなら眠気を解消できる上に夜の睡眠に影響を及ぼすこともありません。上手に昼寝をして脳を回復させ勉強効率をアップさせましょう。

夜に暗記作業をして記憶を定着させよう

睡眠時間を減らさずに勉強効率をアップさせるためには夜に社会科や英単語などの暗記系の勉強をするのがおすすめです。

実は睡眠中は脳の情報が整理されるので睡眠直前に覚えたことが記憶として残りやすくなります。朝にサッと復習すればさらに記憶に定着しやすくなります。

一方、夜は脳が疲れているので思考力を必要とする勉強は向きません。インプット中心の単純作業をするようにしましょう。

また、受験勉強では効率を上げるために1科目に特化するのではなく、いくつもの教科をバランスよく勉強すれば幅広く記憶しやすくなります。

睡眠時間が短くなりやすいテスト前日の過ごし方のポイントが知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

勉強と睡眠時間の関係についてのまとめ

勉強と睡眠時間の関係についてのまとめ

  • 高校生の睡眠は7時間程度とるのがベスト
  • 22~2時の間は睡眠のゴールデンタイム
  • 睡眠を削って勉強をするのは非効率
  • 眠気を感じたときは昼寝をする

高校生、特に受験生は睡眠を削って勉強をしている人が多いです。テスト前日やテスト期間中は特にこの傾向が強くなります。

しかし、睡眠は脳の疲れを回復させて能力を発揮しやすくしてくれるだけでなく、情報を整理して記憶を定着させる役割もあります。

つまり、勉強の結果を上げるためにはしっかりと睡眠をとるのが有効です。特に7時間以上の睡眠が必要で、22~2時の間に眠っておくのがベストといえます。

一方、睡眠を削ると疲れが残り記憶が整理されないので勉強をするにはかなり非効率です。さらに、大学受験を控えている人は驚くかもしれませんが、昼寝もおすすめです。

昼寝の時間なんてないと考えるかもしれませんが、昼寝をすると眠気がなくなって午後の勉強がはかどります。

今後はあまり寝る時間を削って勉強しようと考えず、勉強と睡眠時間の関係を理解して睡眠をしっかりとするようにしましょう。

ブルーライトや入浴などに気を付けて質の良い睡眠をとることができれば、睡眠時間を減らさなくても勉強効率を上げて成績をアップさせられるようになります。