仮面浪人のデメリットは?合格体験記を交えながら勉強のコツや浪人との違いを解説!

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「仮面浪人にはどんなデメリットがあるの?」

「合格した人の体験記を読みたい!」

このように考えている方は多いのではないでしょうか?

大学生の身分を維持したままチャレンジできる「仮面浪人」は、色々なメリットのある受験方法です。しかし仮面浪人にはデメリットもあることをご存知でしょうか

そこでこの記事では仮面浪人のデメリットをはじめ、仮面浪人を経て合格した人の体験記や、普通の浪人との違いについても詳しく解説します。

既に仮面浪人として勉強している方だけでなく、これから受験を控えている方にも参考になる内容になっています。ぜひ最後まで読んで役立ててください。

仮面浪人のデメリットについてざっくり説明すると

  • 仮面浪人中は普通の大学生として青春を謳歌するのは難しい
  • 大学の単位を落とさずに受験勉強もしなければならないため、非常に忙しい
  • 精神的にも大きな負担になるので、メンタル面のケアも必要
  • 仮に落ちても大学生生活を続けられるなど、メリットもある

仮面浪人ってそもそも何?

笑顔の学生

この記事では、仮面浪人を経て国立医学部に合格した筆者が仮面浪人のメリット、デメリットなどについて解説していきます。

まずは、仮面浪人とは一体どういうことを指すのかを説明しますね。

定義

「weblio国語辞典」によると、仮面浪人は以下のように定義されています。

大学に進学しながら、本来の志望校への入学のため受験勉強を行っている、実質的な浪人生。大学生の仮面を被っている受験浪人。 weblio国語辞典

つまり、一見大学生に見えるけれど、水面下で受験勉強をしている人を「仮面浪人」と呼ぶということですね

ちなみに仮面浪人は「隠れ浪人」とも言われることがありますが、どちらも意味は同じです。隠れ浪人という言葉は一般的にはあまり使われませんので、今回は「仮面浪人」の表現で統一して進めていきます。

仮面浪人の成功率は?

仮面浪人を経て志望校に合格できる人の割合は、一般的に少ないといわれています。

仮面浪人をしている人自体も少ないですが、その中でもごく一握りしか成功できないことを考えると、かなり低い成功率であると言えるでしょう

仮面浪人の種類

先ほども触れたように、仮面浪人は学校に通いながら受験勉強をしていくのが一般的です。

しかし仮面浪人の中には、大学に入学したものの早いうちに休学し、予備校や自宅で勉強しながら再チャレンジを目指すタイプもいます

後者の場合は普通の浪人生(純浪生)に近いですので、こちらの生活実態を知りたい方は、通常の浪人生活についての記事を参照してください

本記事では前者の「学校に通いながら受験勉強をする」という、一般的な仮面浪人を前提に解説をしていきます

仮面浪人中の生活

本と眼鏡

仮面浪人として成功することを目指すのであれば、ぜひ規則正しい生活をしていくことをおすすめします

仮面浪人中は、進級できる程度に大学の勉強をこなしていれば、自分の好きなように受験勉強ができます。

そのため大学生ならではの「夜遊び」が習慣になってしまう人もいるのですが、仮面浪人は受験を控えているわけですから、遊ぶのはほどほどにしましょう

仮面浪人を選択するなら、「日々の生活の中心は勉強」とするべきです

追い込みの時期などは特に、大学の講義に関わる勉強と受験用の勉強で、1日の活動時間の全てが埋まってしまうこともあります。毎日が勉強漬けの生活になる可能性が高いことを頭に入れておいてください

人間関係について

仮面浪人の中には周囲との人間関係を完全に断ち切ってしまう人もいますが、あまりおすすめできません。

ぜひ、周りの学生とは積極的に交流しましょう

友達を作れば、コミュニケーションを取ることで息抜きになるでしょう。テスト前にはノートを共有し合って協力しながら勉強できるなど、メリットもたくさんあります。

大学の友達の存在は、仮面浪人として生活を送る上でもプラスになることは間違いありません。仮面浪人をしているからと言って自分の殻に閉じこもることのないようにしてください

友達に疑われたら?

仮面浪人を隠したまま勉強している場合、「なぜそんなに忙しいのか」と周りから変に思われることがあるかもしれません

特に受験勉強の進みが悪い時は、友達との付き合いを断ったり、授業のノート取りをお願いしたいこともあるでしょう。忙しい理由を尋ねられて、返答に困る場面もあると思います。

その際は「塾講師(家庭教師)のバイトの予習」などの理由をつけることで、友達に疑われることなく勉強時間が確保できます。人間関係を平穏に保つためにも、フェイクで良いので適切な理由を考えておくと良いです

授業について

仮面浪人している間でも、大学の授業にはしっかり出席することをおすすめします

仮面浪人したからといって最終的に受験が成功する保証はありません。今いる大学でも確実に単位を取り、進級することを優先しましょう。(ちなみに、筆者は仮面浪人中でも大学の授業出席率は8割以上でした。)

大学の授業の評価項目

大学で単位を取るためには、授業ごとの試験で一定以上の点数を取ることが重要です。

しかし授業によっては出席率が評価に強く影響する科目もあります。基本的に、単位取得のためには授業への出席は必須と考えておくのが良いでしょう。

仮に出席率が評価にかかわらなかったとしても、授業に出ておくことで授業内容がしっかり理解できるようになります。そうすれば科目試験も楽に乗り越えられますし、スムーズな単位取得につながります。。

生活リズムの維持にもつながる

仮面浪人をしていると、他の学生よりも忙しいためどうしても生活リズムが乱れがちになります。

そんな中でも大学にしっかり行くことで、生活リズムが整います。結果的に受験勉強をするための時間も取りやすくなりますから、メリットは大きいでしょう。

また大学の勉強にかける時間は、友達などと協力の上、できるだけ短めにおさえていってください。大学の勉強は高校までと内容が異なります。長時間勉強すれば良いというものでもありませんので、効率良く進めていきましょう。

サークルについて

大学のサークルは、必要ないと思えば特に入らなくても大丈夫です。

もし入る場合は、あまり時間を取られないサークルを選ぶことをおすすめします。(ちなみに筆者は、月に数回程度の集まりがあるサークルに、秋までの期間限定で入っていました。)

サークルに入らないほうが勉強時間は多く確保できますが、息抜きや友達作り、モチベーションアップのためにサークル活動がプラスになることもあります。

この辺りは個人差がありますので、自分の意志で決めるのがおすすめとなります。

バイトについて

バイトは、一度始めるとある程度の責任も生じますし、仮面浪人にはあまりおすすめしません。親御さんから金銭的な支援がある場合は、やらなくても良いです

もしバイトをしたい場合は、時間の許す範囲でやりましょう。バイトに熱中しすぎないように気を付けてください。

おすすめのバイトは?

仮面浪人におすすめのバイトは、塾講師や家庭教師など教育系のバイトです。(筆者も塾講師をしていました。)

塾講師や家庭教師をしていると、生徒に勉強を教える過程が自分にとっての受験勉強にもつながります。教えながら自分の中での理解も深まりますので、結果として大学受験にも有利になるでしょう

どうしても他のバイトが良い場合は、好きな時間にできる単発バイトをおすすめします。あくまでも息抜き程度にしてください

浪人(純浪)と仮面浪人のメリット・デメリット

勉強する学生

普通の浪人(いわゆる「純浪」)と仮面浪人には、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

それぞれを比較しながら見ていきましょう。

浪人(純浪)のメリット

純浪、つまりごく一般的な浪人生として受験勉強をすると、24時間365日の使い方の全てを自分の裁量で決めることができます

勉強に完全に集中できますから、全力で受験勉強に打ち込むことができるでしょう。

妥協できない状況まで自分を追い込むことになりますが、逆にそれがモチベーションになります。全て自分の責任だという意識が生まれるため、悔いなく勉強に没頭できる点は大きなメリットと言えます

浪人(純浪)のデメリット

純浪をしている期間は、学生でも社会人でもありません。世間的に身分がない状態になりますので、世間体が若干悪くなることがデメリットです。

また、浪人したからと言って現役で受験した時よりも良い大学に合格できるとは限りません。先の見えない状況の中、プレッシャーの中で頑張らなくてはならないのは、精神的にもかなりきついことでしょう

忍耐力が養われると思えばメリットにもなりますが、浪人生活は他のあらゆる状況と比べてもトップクラスにきついシチュエーションだと言われます。

最後まで耐えきる精神力がない方には、純浪はあまりおすすめできないかもしれません。

仮面浪人のメリット

次に「仮面浪人」、つまり大学に通いながら受験勉強をすることのメリットを考えていきます。

仮面浪人の場合は、仮に受験に失敗したとしても今通っている大学にそのまま通い続けることができます。「大学生」という身分は保証されますので、その点ではかなり気が楽になることでしょう。

勉強の最中も、大学の友達と話せば息抜きになります。また現役時代と違って滑り止めを受ける必要もありませんから、第一志望の大学に向けて全力で対策を続けることができるのも大きなメリットです

もし途中で仮面浪人が嫌になったら、諦めて普通の大学生に戻ることもできます。普通の大学生と同じようにサークルや部活、バイトや恋愛など、思う存分青春を謳歌する選択肢もあるということですね。

その上でもし受験に成功すれば、一度大学生になったという経験を活かしながら、新たな大学に入り直すことができます。この場合、「単位互換制度」により、前の大学で取得した単位を次の大学でも利用できる可能性もあります

純浪をしている人よりも選択肢が多いのは、仮面浪人の特権と言えるかもしれません。

仮面浪人のデメリット

仮面浪人をすると、どうしても他の学生より忙しくなります。

もしサークル活動やバイトをしている場合は、1日あたり2~3時間しか勉強する時間が取れなくなるパターンが多いです。サークルやバイトも全力で打ち込めるわけでもありませんから、全体的に中途半端になる可能性もあります

こうした状況から、今いる大学の同級生に対してモヤモヤした感覚を持ってしまうこともあるかもしれません。周りが楽しそうにしている時に自分だけ頑張るのは、かなりの忍耐力を必要とするでしょう

そして仮面浪人は、「いつでもやめられるもの」です。上記のような環境で最後までやる気を維持するのは難しいかもしれません。

どっちつかずの気持ちになってしまうことで、受験も失敗し、在学している大学も留年してしまうなど、良くない連鎖に陥ってしまう学生もいます。

仮面浪人は、時間だけでなくお金もかかります。塾に通えば塾代が、もし大学を休学する場合でも、国公立以外は休学中の学費もある程度かかることが多いです

普通の大学生としての生活を犠牲にしてまで仮面浪人ができるのかどうかは、事前によく考えておくことをおすすめします。

仮面浪人中の勉強スタイルは?

勉強する女性

仮面浪人に最も適している勉強スタイルは、「通信教育」です。隙間時間を使いながら自分の都合で勉強できるため、大学に通いながらでも無理なく勉強することができます。

予備校や塾に通いながらの浪人生活は、大学を休学する必要も出てくるのであまりおすすめできません。

ただし大学が休みになる期間だけ塾や予備校の講習に出るスタイルなら、大学生活を圧迫する可能性は低いです。どうしてもという場合は季節講習のみを利用すると良いでしょう

こうした内容を踏まえながら、仮面浪人中の勉強スタイルについて詳しく解説していきます。

予備校、塾

仮面浪人中は、独学で勉強を進めるのが難しいと思う方も多いでしょう。予備校や塾は受験勉強に特化しているため、浪人中はぜひ頼りたいものです。

ただ、休学してまで通う必要はありません。仮面浪人中の身分はあくまでも「大学生」ですので、大学の単位を取るほうに注力すべきです。

予備校や塾を利用するなら、長期休み中の季節講習を利用しましょう

仮面浪人をしていると周囲の受験生の様子をつかみづらいですが、季節講習に出るだけで受験生ならではの空気を体感することができます。特に直前講習などは緊張感が違いますので、受験生としての勘を取り戻すのにも適しています

また、予備校や塾は講習生になるだけで自習室を使うことができるというメリットもあります。普段の勉強にも利用できますので、早めに申し込みをしておきましょう。

通信教育を利用する人も多い

上述のように大学に通いながら予備校を利用するのはなかなかハードルが高いものです。一方で完全自己流で勉強すると学習の指針を失ってしまうのでお勧めできません

こうした事情から、通信教育を利用して学習を進める仮面浪人生も一定数います。

通信教育であれば講義やサークルの合間などちょっとした時間を使って勉強できますし、キャンパス内やカフェ・ファミレスなど、いつでもどこでもプロ講師の講義を聴くことができるため、おすすめの方法です。

通信教育各社の情報について詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。

仮面浪人中に辛くなった時の対処法は?

不安そうな人

仮面浪人中は、毎日が自分との戦いになります。

一見仮面浪人に成功しているような人でも、辛い状況に陥ることはよくあります。一時的に辛い気持ちになることは誰にとっても普通のことですから、「自分だけがつらいんだ」と思う必要はありません。

とは言え、年間を通して精神的にきつい状況であることは変わりないです。精神状態には常に気を遣い、適切なケアを行う必要があるでしょう

この段落では、仮面浪人中に辛くなった時の対処法を解説します。

実際にどのようなマイナスの感情を抱くのか

仮面浪人は普通の浪人生活と違い、普通の大学生に囲まれた中で自分一人が浪人生という状況になります

周囲は大学の勉強に専念したり、遊びやバイトなど青春を謳歌しています。そのような中で自分だけが受験勉強をしていることに対して、迷いが出るのは当然と言えるでしょう。

また、予備校に通って受験勉強に100%の力で向き合っている「純浪」の人に勝てるのかという不安もあります。実際に筆者も、国立の医学部への合格を目指しているのに、毎日数時間程度の勉強で足りるのか?という焦りをよく抱きました

自分が選んだ道が正しかったのかどうかは、常に自問自答することになると思います

仮面を決断する時の不安について

仮面浪人を決断する時にも、いくつかハードルがあります。

ここまで解説してきた内容からもわかるように、仮面浪人は一般的に見て非常にリスクが高いです。「仮面浪人をする」と周囲に話した時に、賛同してくれる人は少ないかもしれません

筆者も、仮面浪人を決意した時は両親に反対されました。自分としてはよく考えた末の決断でしたので、なかば強引に説得した形になりましたが、その後も不安で仕方なかったのをよく覚えています。

友人からもあまり良いイメージを持たれなかったので、一時的に交友関係がギクシャクしたこともあります。

こうしたことが起きるのは、仮面浪人をする上では避けて通れないと思ったほうが良いでしょう。「仕方ない」と受け入れてしまったほうが気が楽になります

反対していた友人や親も、仮面浪人として頑張っている姿を見ればいつか受け入れてくれる日が来ます。その時には友情や親への感謝の念が今までより強いものになりますから、悪いことばかりではないと言えるでしょう。

試験当日の対処法について

試験当日は、やはり非常に緊張します。(筆者は強い緊張から、センター1日目に嘔吐してしまいました……。)

「緊張しない」ことは不可能ですが、できる限り気持ちを落ち着かせることは必要です

試験当日を迎えるまで、誰もが仮面浪人として頑張ってきたことでしょう。辛いと思うことは一度や二度ではなかったはずですし、非常に辛い1年間だったと思います。

それだけ辛い日々を乗り越えて受験までたどり着いたのですから、まずは自分を褒めてあげてください。「ここまで頑張ったのだから大丈夫だ」と自分に言い聞かせて、あとは自分を信じましょう

受験結果について

喜ぶ人

仮面浪人を経て受験をした後、合否が出る時が来ます。

合格した方は、おめでとうございます!

しかし残念ながら不合格だったとしても、ぜひ必要以上に悲観的にならないでください。

結果以上の学びがある

綺麗事かもしれませんが、例え結果が思わしくなかったとしても、仮面浪人として頑張ったという事実は揺るぎないものとして自分に残ります

仮面浪人を選択した動機は、人によっては学歴コンプレックスやプライドといった、小さなものだったかもしれません。しかし、その後実際に仮面浪人生活を続ける中で、心情にも色々な変化が出てきたはずです。

「勉強をやり切った」という気持ちがあれば、結果がどうであれ後悔は残りません

何かに全力で向かい合うという経験は、人生の中でも数えるほどしかないでしょう。

合否という結果以上に大きなものを手にしていることは間違いないですから、誇りを持って、自分を認めてあげてください。

仮面浪人のデメリットまとめ

仮面浪人のデメリットまとめ

  • 仮面浪人を選択すると普通の大学生としての生活はできない
  • 自分をしっかり律して、計画的に勉強を進めるべし
  • 仮に失敗してしまったとしても、1年間頑張ったという事実は残るので全力でやり切ろう

仮面浪人は心身ともに負担が大きいものですが、辛いのは決してあなただけではありません。ぜひ、途中でデメリットを感じても最後まで全力で頑張ってみてください。

最良の結果になることを祈っています。