大学受験に失敗して就職は可能?高卒の就活事情や全落ちした人のその後まで全て解説!
「大学受験に失敗すると就職で不利?」
「大学に全落ちしてしまっても社会人として問題ないの?」
このような疑問や不安をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
大学受験は自分の将来を決める重要なイベントですが、もしすべての大学に落ちたらどうなるのか、気になりますよね。
大学受験に失敗しても就職できるのか、プレッシャーを感じながら勉強する方も多いと思います。
こちらの記事では、大学受験に失敗したときの就職への影響や、高卒の就活事情などについて詳しく解説していきます!
大学受験に失敗した人の就活についてざっくり説明すると
- 大学受験失敗後の就職はおすすめしない
- 気持ちを切り替えて自分の進路を冷静に考えよう
- 浪人するという選択肢も考えておこう
- 大卒の方が長い目で見るとメリットが大きい
大学受験に失敗して就職するってアリ?
大学受験に失敗して全落ちしてしまった時に、浪人するのではなく就職を考える人は少なくありません。
このとき「大学受験に失敗したから」という消極的な理由で就職を目指すべきなのか、悩んでしまう方は多くいます。
今回の記事では、大学受験に失敗した時の就職という選択肢について考えていきます。
大学受験に落ちたから就職は難しい
大学受験に失敗してしまい進路が塞がってしまったため「高卒で就職する」という選択肢を選ぶ学生も少なくありませんが、この選択はあまりおすすめできません。
大学受験のすべての結果が出てから就職活動をするのは日程的にも気持ち的にも現在の日本ではかなり難しく、選択肢もかなり限られているのが現実です。
また、大学を出てから就職活動をする場合と比べると、選択肢に限りがあったり給与の面で大卒者と大きく劣ってしまうことがあります。
このように、不利な面がかなり目立つので、「大学受験に全落ちしてしまい仕方ないから就職を目指す」のはおすすめできません。
高卒での就活にはルールがある
3月から始める高卒での就職が難しい理由として、高卒の就活には様々な制約がある点が挙げられます。
具体的には「1人1社制を引いている」「採用のタイミングではない」「給与や勤務条件に融通が効かない」という制約があります。
1人1社制を引いている
「1人1社制」とは、多くの都道府県で高卒生が就職活動の際に利用している制度でのことです。
学校と企業とハローワークが連携して、多くの学生に対して平等な就職機会を確保するためにこのような制約が設けられています。
就労経験や就活知識の乏しい学生でも内定がもらえるように、学校を通じて求人を申し込む場合には1人1社しか受けることができないというルールがあるのです。
このように、最初から大学進学を考えておらず学校を通じた就職活動をする場合は適切な就職機会が確保されているものの、受験に失敗して学校を通さずに就職する場合は倍率も激しくなり、かなり茨の道と言えるでしょう。
採用のタイミングではない
最終的に結果がすべて出そろい、受験が終わるのは4月になります。
日本の年度は4月から3月までなので、4月に入るとほとんどの企業で採用選考が終わっているため、選択肢がほとんど残されていません。
具体的には、4月以降の入社での採用となるような人気のない企業や臨時募集をかけているような企業しか残っていないため、妥協案しか残っていないケースがほとんどです。
このように、受験終了後に就活をする場合は条件や待遇の良い企業が残っていないため、モチベーションも上がりづらいのです。
給与や勤務条件に融通が効かない
残念ながら、日本ではまだまだ学歴が重視される傾向にあり、高卒というだけで勤務条件や給与が大卒者とに比べてかなり劣悪になってしまいます。
また、転職先も限られてしまため、最初に就職した会社が劣悪な環境だった場合は、そのブラックな環境で働き続けなければならないことになってしまうのです。
このような企業では労働者は下に見られがちなので、給与や勤務条件に融通が効かない点がデメリットと言えるでしょう。
大学受験に全落ちしたらその後はどうなるの?
大学受験に失敗して就職活動をしていくのはかなり難しいですが、大学受験に全落ちしてしまった場合、就職以外にどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。
まずはしっかり落ち込みを出し切ろう
当然のことながら、受験に失敗してしまって合格がどこからももらえなかった場合、ひどく落ち込みますよね。
このように、大学受験に落ちてしまった時は大きな絶望感に苛まれてしまうため、すぐに立ち直るのが難しければしっかりと休んで気持ちを切り替えることが重要です。
無理に次のステップを模索してしまうと、冷静な判断ができずに自分の可能性を狭めてしまいます。
そのため、無理に気持ちを押し殺すのではなくしっかりと悲しみを出し切り、次の新たなステップを冷静に考えられるようになるまで休むことが大切です。
やがて、大学受験の失敗も「むしろ受験に失敗して性格が丸くなったのでよかった」「辛い経験ではあったけど、無駄な経験ではなかった」など肯定的に評価できるようになります。
つまり、時間が解決してくれるため過度に心配する必要はありません。
しっかりと気持ちの整理をつけて、気持ちが落ち着いてきたら徐々に進路について考えていくと良いでしょう。
【選択肢1】浪人して志望大学を目指す
大学受験に失敗した場合の選択肢として最もメジャーなのが、浪人して志望大学の合格を目指すことです。
実際、慌てて就職をするよりも、長い目で見ると浪人した方がメリットが大きいため、この選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。
特に、行きたい大学がある場合や経済的に余裕がある場合は、浪人して学力を上げて大学受験にチャレンジする人も多くいます。
浪人するメリットとしては、以下のようなポイントがあります。
- 行きたい大学に行く夢を諦めずに済む
- 大卒になることで就活が有利になる
逆に、浪人するデメリットとしては以下のようなポイントがあります。
- 予備校や通信講座などの費用が30~100万円単位でかかってしまう
- 次回は絶対に合格しなければならないプレッシャーがのしかかる
このように、浪人するメリットとデメリットがあるため、しっかりと冷静に判断するようにしましょう。
経済的に厳しい中で浪人できる?
浪人するという決断をした場合、最も懸念するのが経済面ですよね。
「浪人するための費用が捻出できない中で浪人できるのか」という問題を抱えている人もいるため、しっかりと家族で話し合う必要があります。
志望校のレベルや今の学力によって事情は異なるので一概には言えませんが、浪人生の中にはアルバイトとかけ持ちしながら浪人を続けている人もいます。
また、予備校の奨学金制度などもあるので、条件がクリアできていそうであればこのような制度の利用も検討すると良いでしょう。
【選択肢2】専門学校に入学する
大学ではなく、専門学校に進学する選択肢もあります。
専門学校では大学よりも学歴は下に見られがちですが、理容美容や製菓など就職に役立つ実践的なスキルを身に着けることができるメリットがあります。
逆に、デメリットとしては身に着けたいスキルが定まっていないと専門学校での生活はつまらない点です。
なお、日本に大学は800前後ありますが、その中でも7割程度の大学が編入を受け入れています。
そのため、編入試験を受けて2年生や3年生から大学に入学して大卒の肩書きを得ることも可能です。
実際に、当初は大学への進学を目指していたものの、経済的な事情から浪人を継続できなくなった事情を抱えた人が専門学校に入学して大学に編入する進路はよくあります。
編入ルートで大学へ入学した人のエピソードはインターネット上でも見ることができるため、ぜひ参考にすると良いでしょう。
【選択肢3】1年間フリーターをして就職する
前述したように、大学受験の合否発表直後から就職活動を行うのは企業の採用シーズンが終わってしまっているため、かなり難しいです。
魅力的な求人が無い中で就活をするのもモチベーションが湧かないため、目標を見失いがちです。
そのため、いきなり就職するのではなくフリーターとして社会経験を積むことも選択肢として考えておくと良いでしょう。
1年間アルバイトやインターンを行い、契約社員として働き経験を積んでから正社員になることも可能です。
もちろん第二新卒では就活は不利になってしまいますが「大学受験に落ちて方向転換した」「インターンで実戦経験を積んだ」などと説明すれば、面接で好印象を与えることができます。
実際に、フリーター生活を通して学んだことや挫折から這い上がったエピソードをうまくアピールすることができれば、マイナスイメージを払拭することができるでしょう。
【選択肢4】海外の大学を目指す
日本の大学にこだわりがないのであれば、心機一転海外の大学に入るという選択肢もあります。
当然のことながら、語学力が必要になったり高額な費用が掛かってしまう注意点もあるため、しっかりと調べておきましょう。
日本社会では留学経験は肯定的に捉えられる上に、海外の大学は比較的入りやすい傾向にあります。
また、日本の年度と違って海外の大学は9月入学なので、1年を無駄にせずに済むというメリットもあります。
大学に全落ちした場合の選択肢や、回復方法について解説した記事は以下を参考にしてください。
大学入試に失敗しても大学を出て就活するべき
長い社会人生活を考えると、大学受験に失敗したとしても大卒で就職した方がメリットが大きいです。
こちらのトピックで、大卒で就職するメリットや受験に失敗した際の大卒就職への影響について解説していきます。
大卒の方が給料が100万円以上高い
平成30年度の厚生労働省の「賃金構造統計」によると、学歴ごとの月収のデータは以下の表のようになっています。
学歴 | 月収 |
---|---|
大卒男性 | 40.05万円 |
大卒女性 | 29.01万円 |
高卒男性 | 29.16万円 |
高卒女性 | 21.29万円 |
このように、高卒と大卒では月10万円以上の差があるため、年収に換算すると120万円以上もの差がついてしまうことになります。
そのため、生涯賃金を考えると大卒で就職した方が圧倒的に高い金額を稼ぐことができます。
浪人してしまうと1年間無収入期間になってしまい、さらに学費や生活費の負担が発生してしまいますが、長い目で見ると1年間我慢すれば将来的に大きなメリットとして返ってきます。
つまり、大学を出ていた方が充実した社会人生活を送ることができ、ボーナスや退職金の面でも恩恵を受けることができるのです。
大卒の方がつける職種が多い
高卒や専門卒よりも、大卒の方が就くことができる職種が多いメリットがあります。
企業側の求人も以前と比べると「学歴不問」とする企業も増えてはいますが、いまだに「大卒」「大学院卒」を応募の条件にしている企業も多くあります。
在学中になりたい職業が決まっておらず様々な業界に興味を持っている場合は、可能性を広げる意味でも大学に進学しておいた方が良いでしょう。
特に、理系の職種など専門性が要求される職種は大卒の学歴が求められることが多いので、このような職種に興味がある場合は大学へ進学しておくことをおすすめします。
企業は学歴で判断していない
採用する企業側が学歴を重視しているのかというと、必ずしもそうではありません。
「学歴フィルター」という言葉も話題になりましたが、実際に企業の採用担当者が重視するのは学歴ではなく「第一印象」や「人柄」です。
採用担当の面接官も人間なので、「この人と一緒に働きたいか」ということを最優先しています。
学歴が高いからと言って仕事ができるとは限らず、また「学歴が高いが人柄が良くない人間」よりも「学歴は低いけど真面目そうで人柄が良い人間」の方が評価されやすいのです。
一部の企業を除いて、大学受験に失敗した経験の有無や学歴の高低に関わらず、スタートラインは同じです。
大学で学んだことが仕事に生きる場面は少ないため、スタートラインが同じである以上、学歴よりもその人の「伸びしろ」や「熱意」の方が重要なのです。
大学時代に頑張ったことを作ろう
日本の企業の採用選考の場では、学歴よりも「どんな目標をもちどのようなことに打ち込んだか」「そこから何を学んだか」「社会人としてどう生かしていきたいか」を重視する風潮があります。
そのため、大学生活の中で様々な経験をしておくことは非常に重要です。
アンテナを広げて様々なことに積極的に参加し、人脈を広げることで採用担当者も目を丸くするような貴重な経験を積むことができるでしょう。
前述したように、第一希望の大学に行けなかったとしても、大学時代に打ち込んだ活動やそれを通して学んだことがあれば、就活で逆転できる可能性も大いにあります。
大学生活は社会人と違って自由度が高いので、自分のアイデアや工夫次第で非常に充実したものにすることができるのです。
そのため、浪人してしまったことも含めて貴重な人生の経験として捉えて、自分自身を魅力的にアピールしていきましょう。
浪人中のアルバイトについて
もし志望校に落ちてしまったり全落ちしてしまった場合は、その後に浪人する人が多いです。
浪人中は学費がかかったり生活費もかかるため、アルバイトをしながら勉強を並行して行う浪人生も多いです。
しかし、どうしても行きたい大学がある場合は、アルバイトをすることはおすすめしません。
貴重な時間(勉強時間)が時給1000円程度のアルバイトに消えてしまう
アルバイトで働く場合、地域差がありますが概ね1000円程度の仕事が多いでしょう。
貴重な1時間の勉強時間を、1000円得るために犠牲にするのは割に合っているでしょうか?
もちろん、アルバイトを通して社会生活を経験することも大切ですが、もし次の受験で失敗してしまうと貴重な1年を無駄にしてしまうだけでなくさらに諸費用が掛かってしまいます。
そうなってしまうと、アルバイトで稼いだ金額よりも高い出費を余儀なくされるため、結果的に無駄な時間を過ごしたことになってしまいます。
そのため、本気で大学入学を目指している場合は、アルバイトはせずに勉強に集中したほうが良いでしょう。
アルバイトが必要になった時は
経済的な事情などもあるため、アルバイトをする必要性がある方もいるでしょう。
そのような場合は、自分の受験勉強のプラスになるようなアルバイトをするのがおすすめです。
例えば、家庭教師や塾の講師など、自分の勉強にもつながるような仕事を探すと良いでしょう。
高校生を相手にした授業などを行うのがベストですが、中学生を相手にした授業でも自分の勉強に生かすことが可能です。
また、「人に分かりやすく教える」作業は自分自身の知識をより深めることになるため、非常におすすめなのです。
このような家庭教師や塾講師のアルバイトは単価も高く1週間に1コマ程度から勤務できる場所もあります。
アルバイトの必要性に駆られている方は、ぜひこのような教育系の仕事を探してみると良いでしょう。
大学受験に失敗した人の就活まとめ
大学受験に失敗した人の就活まとめ
- 大学受験の結果が出る頃には、魅力的な求人が少ない
- もし全落ちしたら、しっかり気分を変えるまで休むのが大事
- 専門学校や浪人など、様々な選択肢を考えておこう
- 浪人して大卒として就活をした方が良い
大学受験に失敗してしまうのはとてもつらい経験ですが、もし現実になってしまったらまずは冷静に自分の将来を考えることが重要です。
就職するのは現実的ではないため、状況さえ許せば浪人して勉強することをおすすめします。
大学受験に全落ちしないことはとても重要なので、気を抜かずに勉強に励むようにしましょう。