中学生のスマホ平均利用時間はどれくらい?利用時間の制限方法や学力との関係まで解説!
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「中学生のスマホの平均利用時間はどのくらい?」
「利用時間を制限する方法は?スマホ利用と学力の関係は?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
昨今は多くの中学生が自分のスマホを所有しています。そのため、自分の子供はスマホを使い過ぎなのではと懸念する親御さんも多いと思います。
そこで今回は中学生のスマホの平均利用時間について、利用時間を制限する方法やスマホ利用と学力の関係などを含めて解説します。
これを参考に、お子さんのスマホ利用について今一度考えてみてください。
中学生のスマホの平均利用時間についてざっくり説明すると
- 中学生の平均利用時間は2時間以上
- 利用制限にはアプリを活用するべき
- スマホの利用時間と成績は反比例
スマホの平均利用時間はどれくらい?
中学生は一体どのくらいスマホを使っているのでしょうか。以下では中学生のスマホの平均利用時間やスマホ所持率などを解説します。
中学生のスマホの平均利用時間
内閣府の発表によると、中学生のスマホの平均利用時間は以下の通りです。
年度 | スマホ平均利用時間 |
---|---|
2014年 | 123.4分 |
2015年 | 118.3分 |
2016年 | 124.2分 |
2017年 | 127.5分 |
上記より、2014〜2017年の4年間において、中学生のスマホ利用時間は平均して2時間を超えていることがわかります。また2015年を除いては、年々利用時間が増加しています。
なお、最近はコロナウイルスの影響で在宅時間が増えていることから、中学生のスマホ利用時間も大幅に増加しているはずです。
中学生のスマホ所持率
また内閣府の「小中学生ICT利用調査2019」によると、中学生のスマホ所持率は以下の通りです。
学年 | スマホ所持率 |
---|---|
1年 | 60% |
2年 | 60% |
3年 | 73% |
上記を見ると、中学生はどの学年も6割以上の生徒がスマホを所持していることがわかります。
なお、同調査によると小学6年生のスマホ所持率は27%なので、小学校から中学校に上がるタイミングでスマホを持つようになる生徒が多いようです。
小学生・高校生と比べて中学生の利用時間は長い?
内閣府の「平成29年度インターネット利用環境実態調査」によると、2017年における青少年のスマホの平均利用時間は以下の通りです。
- 小学生:68.3分
- 中学生:127.5分
- 高校生:177分
上記より、年齢が上がるにつれてスマホの利用時間は長くなっていることがわかります。
特に小学生から中学生に上がる際の伸び率は顕著で、中学生のスマホ利用時間は小学生のそれの2倍程度です。
子どものスマホ利用の内訳
平成30年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、中学生のスマホの利用内容は以下の通りとなっています。
内約 | パーセンテージ |
---|---|
コミュニケーション | 76.2% |
ニュース | 26.1% |
情報検索 | 53.5% |
地図・ナビゲーション | 24.9% |
音楽視聴 | 63.2% |
動画視聴 | 74.9% |
電子書籍 | 11.0% |
ゲーム | 66.7% |
オンラインショッピング | 6.8% |
勉強・学習・知育アプリやサービス | 26.6% |
その他 | 2.0% |
上記より、中学生におけるスマホの利用内容の定番は「コミュニケーション」「音楽視聴」「ゲーム」であることがわかります。
なお、コミュニケーションに関してはLINEを使っている生徒がダントツで多いです。
スマホの長時間利用が子どもに与える影響
スマホを長時間利用すれば、中学生にはどのような影響があるのでしょうか。
成績の低下
スマホの使い過ぎは成績の悪化に繋がる可能性があります。スマホを利用する時間が長くなればなるほど、その分勉強する時間が減ってしまうからです。
また東北大学と仙台市教育委員会のアンケート調査では以下のような結果も出ています。
- 2時間以上自宅学習をし、尚且つスマホを4時間以上使う生徒のテストの平均点は58点
- 2時間以上自宅学習をし、尚且つスマホ利用時間が1時間未満なら平均点は75点
- 自宅で30分も勉強しないが、スマホは利用していないという人の平均点は63点
上記より、スマホの利用時間と成績とは反比例するということがわかります。またいくら長時間勉強しても、スマホの利用時間も長ければ十分な学習効果は得られないようです。
視力の低下
スマホの画面を長時間見続けることは目の負担となるため、急激な視力低下を引き起こすリスクがあります。特に近くのスマホ画面にピントを合わせることに慣れてしまい、遠くが見えづらくなるというケースが多いです。
またスマホから発せられるブルーライトは、睡眠障害の原因としてよく語られるますが、こちらも視力低下の一因になる可能性があります。
睡眠の質の低下
就寝前にスマホからのブルーライトを浴びると睡眠の質が低下してしまい、疲れが十分に取れなかったり、学習での記憶の定着が悪くなってしまう恐れがあります。
人間は日中にブルーライトを含む太陽光を浴びることによって概日リズムを整えていますが、夜にスマホを見ると脳が「今は昼だ」と認識してしまい、眠れなくなってしまうのです。
これは科学的にも明らかで、ブルーライトを浴びると眠気を起こさせる物質であるメラトニンが脳内から減少してしまいます。
よってスマホを長時間を利用して夜更かしをしてしまうと、睡眠時間が減るだけでなく、睡眠の質も低下するので、健康面にも学習面にも悪影響があるでしょう。
コミュニケーションの機会が減る
スマホいじりに没頭していると、人は無口になってしまいがちです。そのため、スマホの利用時間が長くなれば、必然的にコミュニケーションの機会は減ってしまうでしょう。
特に思春期真っ只中の中学生は、様々なストレスを抱えながら暮らしていることが多いので、家族とのコミュニケーションによってそれを緩和するということは非常に大切です。
よってスマホの使い過ぎによって親や兄弟などとの会話が減ってしまえば、中学生はストレスをうまく解消できなくなってしまう可能性があります。
スマホ依存症
日常生活の中で過度にスマホを意識したり、実際にスマホ利用に多くの時間を費やしてしまうならスマホ依存症の恐れがあります。
旅行サイトのエアトリが実施したアンケート調査では、回答者である18歳未満の子供を持つ親104名のうち、約48%が自身の子供がスマホ依存だと感じると答えているため、深刻な問題だと言えるでしょう。
なお、以下のような症状がある場合はスマホ依存症が疑われます。
- スマホがないと落ち着いていられない
- スマホの使い過ぎによる学力低下
- スマホに関することがいつも頭から離れない
- スマホゲームなどに必要以上に課金してしまう
子どものスマホ利用にはルール決めをしよう
上記の通り、スマホの使い過ぎには様々なデメリットがあるため、予めスマホ利用に関するルールを決めておくのが良いでしょう。
ルール決めの際は家族で相談
中学生のスマホルールを、親が独断で決めてしまうのはよくありません。LINEが部活の連絡網となっているなど、スマホの機能の中には中学生の日常生活に必要なものもあるからです。
よって、親が勝手にルールを決めてしまうと、子供のストレスになるばかりか、大切な連絡が滞るなど周囲の友達などに迷惑をかけてしまう可能性もあります。
そのため、スマホのルールを決める際は、家族内で話し合いの機会を設け、子供からの意見もしっかり聞くのが良いでしょう。その際は子供の自立のためにも、その意見をある程度は尊重してあげるべきです。
時間制限
子供へのスマホルールとして良いとされているのが、スマホの利用時間を制限するということです。
なお、「スマホは1日1時間」などと決めても、親が見ていないところでこっそり使ってしまう可能性もあるので、制限にはアプリを利用するのが良いでしょう。
ちなみに制限時間ですが、平日は30分、休日は1時間程度に納めておくのが望ましいと言えます。
勉強中や寝る前は親がスマホを管理する
以下のような理由から、スマホを夜遅くまで使ってしまう中学生は多いです。
- SNSなどで友達からの連絡が来るのを待っている
- スマホ依存症で、意味もなくいじってしまう
- ハマったゲームを夜通しプレイしてしまう
このようにスマホが原因で夜更かしが当たり前になれば、日中眠くなったり、朝起きられないなどの諸弊害が出てくる可能性もあります。
そのため、就寝時にはスマホを預かったり、電源を切ってリビングに置かせるなど、夜に関しては親がスマホを管理するのがおすすめです。
またスマホいじりが原因で勉強に集中できないようなら、勉強中に関しても同様の対策を取るのが良いでしょう。
スマホを夜10時を目安に制限するのが良い
先述した通り、スマホのブルーライトを浴びると眠りを促す物質であるメラトニンが減少するので、就寝前にスマホを見ると睡眠が浅くなってしまいます。
そのため、少なくとも就寝1時間前からはスマホを見ないというのが理想的です。よって、中学生なら夜11時前後に寝ることが多いはずなので、10時を目安に利用を制限するのが良いでしょう。
なお、テレビやパソコンからもブルーライトは出るので、就寝1時間前は電子機器一切に触れないのが無難です。
また脳には睡眠時に記憶を整理して定着させようとする機能があるため、就寝1時間前に英単語の暗記学習などができれば素晴らしいと言えるでしょう。
娯楽なら漫画や小説など「ブルーライトフリー」のものがおすすめです。
ブルーライトカットの工夫をするのも有意義
とはいえ、部活や塾で忙しい中学生なら、就寝1時間前にしかスマホゲームやネット検索を楽しむ時間がないという場合もあるはずです。
その場合はブルーライトカットの工夫をして、目の負担をできるだけ軽減するのが良いでしょう。
例えば、ブルーライトカットのメガネをかけさせたり、子供のスマホにブルーライトカットの保護フィルムを貼るなどがおすすめです。
またiPhoneなどのiOS端末であれば、目に優しい暖色の色調に変化する「Night Shiftモード」を設定するのも有意義だと言えます。
なお、これらの工夫は日中のスマホ使用の際にもおすすめなので、お子さんの視力低下が気になるという方は積極的に取り入れてみましょう。
アプリのインストールは親に相談
スマホアプリには青少年には不適切なコンテンツを含むものがあったり、アプリ経由でスマホにウイルスが入ってしまうこともあるので危険です。
よってアプリをインストールする際は、親が確認をするようなルールを作っておくのが良いでしょう。
なお、アプリをインストールする際にパスワード入力を義務付けるように設定することもできるため、その設定をして親がパスワードを管理すれば、子供が勝手にアプリを取り込めないようにすることもできます。
知らない人との連絡はさせない
スマホに関するトラブルの件数は増加傾向にありますが、中でもSNSやゲームを通じた見知らぬ人との交流がいさかいや事件に発展するというケースが多いです。
よって中学生のうちは知らない人とはスマホで交流を持たないというルールを決めておくのが良いでしょう。
中にはオンラインゲームで知り合った人に呼び出されて誘拐されるというような恐ろしい事件も起きているので、十分注意しなくてはいけません。
Twitterでのトラブルが最多
知らない人との交流を防ぐためには、Twitterの利用についてよく考えなければいけません。Twitterなら非常に簡単に見知らぬ人と面識を持つことができてしまうからです。
警察庁が発表した「平成30年におけるSNSに起因する被害児童の現状」によると、被害児童数が多いSNSのランキングではTwitterがダントツの1位で、その数は718人にも上ります。
また平成30年にSNSを通じて被害にあった児童1,811人(中学生は624人)のうち、8割以上はフィルタリングを利用していなかったという結果も出ており、スマホの利用制限の重要性が証明されたと言えます。
よって中学生のうちは、TwitterをはじめとするSNS(LINEを除く)に関しては、利用を禁止する方が無難とも言えるでしょう。
スマホルールの作り方のコツや、依存症にさせない方法をまとめた記事は、以下を参照してください。
子どものスマホ制限のおすすめアプリ
ここから中学生のスマホ利用を制限するためのおすすめアプリをいくつか紹介します。
Google ファミリーリンク
Googleが提供する保護者向けのスマホ管理アプリです。子供のスマホ利用時間をアプリごとに見ることができ、利用状況に応じて特定のアプリを非表示にすることもできます。
また子供がアプリをダウンロードしようとすると保護者に通知が来て、それを許可もしくはブロックする機能もあるため、これがあればアプリのインストールに関するルールを決める必要はありません。
さらにデバイス自体の利用時間を制限したり、利用をブロックすることもできるので、使い過ぎを様々な方法で防止することが可能です。
なお、これはGoogleが開発したアプリなので、信頼性に関しては申し分ありません。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 保護者向け Google ファミリー リンク |
提供元 | Google LLC |
価格 | 無料 |
ストア | Google Play |
スマモリ管理ツール
操作が簡単な管理ツールが欲しいという方にはこのアプリがおすすめです。子供のスマホ利用時間を制限したり、有害なサイトやアプリ、アプリ内課金などをフィルタリングでブロックすることができます。
またスマホの履歴やフィルタリングのブロック履歴から、子供の使用状況を把握することも可能です。
さらにGSPによる位置検索やLINEのようなメッセンジャー機能も使えます。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | スマモリ管理ツール-親子で始めるスマホモニタリングアプリ |
提供元 | JSecurity, INC |
価格 | アプリ内アイテム:200〜400円 |
ストア | Google Play |
こどもネットタイマー
こどもネットタイマーは、専用のWi-Fiルーター(エレコム製)と連動させて1日あたりのWi-Fi接続時間を制限できるアプリです。
このアプリなら制限されるのはWi-Fi通信に関するネット検索などの機能だけなので、勉強時にも使える電卓やタイマー、メモなどの基本機能は制限下でも利用できます。
よってお子さんにとってはストレスが少ないと言えるでしょう。
またスマホだけでなく、Wii UやPlayStation VitaなどのゲームのWi-Fi接続の制限することができるので便利です。
ただし、このアプリを使うにはアプリに対応したエレコム製のWi-Fiルーターを準備する必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | こどもネットタイマー |
提供元 | ELECOM CO,LTD. |
価格 | 無料 |
ストア | Google Play |
Kidslox
KidsloxはiOS端末向けの管理アプリです。アカウント一つでiPhoneやiPadなどを全て管理できるため、アップル製品のユーザーにとっては非常に役立ちます。
肝心の機能ですが、毎日のスマホ利用時間を制限できるだけでなく、アプリを個別的にブロックすることもできるので非常に便利です。
またTwitterやInstagramなどのSNSをブロックしたり、有害サイトへのアクセスを禁止することも可能なので、スマホでのトラブル防止策として十分に機能するでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 保護者管理アプリケーション Kidslox |
提供元 | Kidslox Trading Limited |
価格 | 無料 |
ストア | App Store |
中学生のスマホの平均利用時間まとめ
中学生のスマホの平均利用時間まとめ
- 平均利用時間は127.5分(2017年)
- スマホの長時間使用は学力や視力の低下に繋がる
- 平日は30分、休日は1時間程度に制限するのが良い
中学生のスマホの平均利用時間について解説しました。
中学生のスマホの平均利用時間は127.5分(2017年)です。毎日2時間以上はスマホいじりに費やしているということはなので、かなり多いと言えるでしょう。
スマホの長時間利用は学力の低下や視力の低下を招き、ひいてはスマホ依存症という深刻な問題を引き起こす可能性があるので、中学生のうちは親が時間管理をするのがおすすめです。
スマホアプリを用いて、平日なら30分、休日なら1時間程度を目安に利用時間を制限するのが良いでしょう。
以上を参考に、お子さんのスマホ利用を見直してみてください。