ターゲット1900のレベルは?使い方や覚え方から早慶受験者におすすめの英単語帳まで全て解説!
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「ターゲット1900のレベルってどのくらい?」
「より良い使い方・覚え方は?早慶受験におすすめの英単語帳はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
ターゲット1900は大学受験には定番の単語帳です。公式は「共通テストから国公立2次試験・難関私大レベル」と公表していますが、早慶の受験者にも十分おすすめできます。
今回はターゲット1900のレベルについて、使い方や覚え方、早慶受験者におすすめの英単語帳を含めて解説します。
これを読めば、ターゲット1900の魅力と活用方法がよくわかるはずです。
ターゲット1900のレベルについてざっくり説明すると
- MARCH・日東駒専〜早慶レベル
- 共通テストで6割は取れるようになってから使うのが望ましい
- 発音しながら見て書いて覚えるのがおすすめ
ターゲット1900のレベルや対象はどれくらい?
進学校なら学校指定の単語帳であることも多い受験生の定番「ターゲット1900」ですが、そのレベルはどのくらいなのでしょうか。
ターゲット1900の基本情報
まずはターゲット1900の基本情報をお伝えします。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 英単語ターゲット1900 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,210円 |
ページ数 | 528ページ |
ターゲットでは独自の大学入試データベースに基づき、大学受験に必須の単語がその頻度に応じた三部構成で掲載されています。詳細は以下の通りです。
トピック | セクション | 単語数 | |
---|---|---|---|
Part1 | 常に試験に出る基本単語800語 | Section1~8 | 800語 |
Part2 | 常に試験に出る重要単語700語 | Section9~Section15 | 700語 |
Part 3 | ここで差がつく難単語400語 | Section16~Section19 | 400語 |
またこれらはさらに100語ずつのまとまりに分割されているので、学習者はリズムよく暗記作業を進めることできます。
ターゲット1900は早慶レベル
ターゲットのシリーズには他にも「ターゲット1200」や「ターゲット1400」などの種類がありますが、最もレベル・難易度が高いのはターゲット1900です。
旺文社公式によると、難易度は「センター〜国公立2次・難関私立」とされていますが、実際は早稲田や慶應を志望する受験生向けと言えるでしょう。
なお、旧帝大の受験者の中にもターゲット1900を使っている者もいますが、しっかりカバーできる範囲としてはあくまで日東駒専・MARCH〜早慶です。
ターゲットのおすすめは共通テスト6割以上
上記の通り、ターゲット1900は早慶の受験者向けなので、ある程度レベルの高い単語帳であると言えます。
そのため、使いこなすには少なくとも共通テスト(旧センター試験)で6割前後は安定して取れるくらいの実力が必要です。
無論、日東駒専やMARCH狙いなど早慶までは目指さないという人にも十分有用ですが、それならターゲット1200(中学〜センターレベル)やターゲット1400(センター〜中堅私大レベル)もおすすめです。
ターゲット1900のメリット・デメリット
ここからはターゲット1900を使うことのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
ターゲット1900のメリット
ターゲット1900には以下のようなメリットがあります。
1冊で多くの志望校をカバーできる
先述した通り、ターゲット1900にはPart1〜3のレベルごとに頻出の単語が収録されています。そのため、志望大学のレベルに応じて学習の仕方や覚える単語の量を調整することが可能です。
早慶を目指すなら1冊覚えてしまうのがマストですが、それ以外の私立を目指すならPart1とPart2をより重点的に覚えるというのも良いでしょう。
100単語で覚えやすい
ターゲット1900では100語ごとのまとまりで単語が掲載されているので、メリハリのある学習をしやすいというメリットがあります。
例えば行き帰りの通学時間で毎日100語覚えたり、自習1時間分を使って300語を暗記するなどの使い方が想定できるでしょう。
なお、赤シートも付属しているため、ミニテスト感覚で習熟度のセルフチェックをすることも可能です。
例文が豊富で自由英作に役立つ
ターゲットでは1900単語全てに例文がついているため、用法を含めてより実践的に単語を学習できます。
単語を例文ごと記憶できれば、その中で用いられている英文法や構文なども自然と覚えることができるでしょう。
よって自由英作における記述力・表現力や長文問題における読解力なども合わせて高めることができます。
派生語や類義語に強い
ターゲット1900では単語だけでなく、必要に応じてその派生語や類義語も掲載されています。
語群やイメージにおいて共通しているそれらの単語も一緒に覚えることができるので、効率的かつ効果的に語彙力を高めることができるでしょう。
アプリや音声データが活用しやすい
付属の音声ファイルをダウンロードすれば、単語の発音の仕方も学習することができます。耳からも覚えることでより知識が定着しやすくなる他、リスニングや発音・アクセントのスキルも習得可能です。
また「ターゲットの友」という公式アプリでは、書籍の単語・例文の音声や全国の順位が出る単語テストなどで、さらに学習効果を高められます。
ターゲット1900のデメリット
一方でターゲット1900には以下のようなデメリットも存在します。
単調すぎて覚えにくい
ターゲット1900は単語が1〜1900まで順番に羅列されているというオーソドックスな単語帳なので、特別覚えやすいとは言えないでしょう。
先述した通り、単語の順番は頻度によって決まっているため、前後の単語との関連性があるわけではありません。
一方で後述する「鉄壁」なら、「重要な・ささいな」「特徴・明確さ・点」「構造・構成」などのトピックごとに関連語がまとめて掲載されています。
ただし、関連語をまとめて暗記することが必ずしも知識の定着に効果的であるとは限らないので注意しましょう。
筆者が京都大学在学中に英語学習の研究者に聞いたところによると、意味の関連性がない単語をまとめて覚える方が知識の定着には効果的であるという研究もあるそうです。
辞書として使えない
単語帳をわからない言葉が出てきた時の辞書代わりに使う人もいますが、ターゲットには厳選された1900語しか収録されていないので、辞書としては十分な機能を果たさないでしょう。
またターゲットには入試で問われやすい重要な意義しか掲載されていないので、あまり使われないような意味を調べたりすることは基本的にはできません。
早稲田や慶應の合格には少し足りない
先ほどターゲットは早慶の受験者向けだと述べましたが、1900単語だけではやや物足りないという意見もあります。
もちろんターゲット1冊で早慶に合格することも不可能ではありませんが、特に熟語などのカバー力は弱いため、「Z会の解体英熟語」などを併用するのがおすすめです。
ターゲット1900の使い方のコツ
続いてはターゲット1900の使い方のコツについて解説します。
始めるタイミングはいつでもOK
ターゲットなどの単語帳で行うのは単純な暗記作業なので、基本的には学年や英語力を問わずいつでも始められます。
先述した通り、共通テストで6割程度取れる英語力があった方が良いですが、覚えるだけなので英語が全くできなくてもなんとかなるでしょう。
単語は英語力を作る重要な基礎となるので、始める時期は早ければ早いほど良いです。
まずは見て書いて覚える
1周目は通学時間などに目を通してどんな単語があるのかを1セクションごと確認し、帰宅後に30分〜1時間で見た単語を書きながら覚えていくのがおすすめです。
なお、単語を覚える際は発音をしながら見たり書いたりすると効果的に記憶できます。
また同じ単語に高頻度で何度も触れることが記憶の定着には欠かせないため、1日目に1〜30まで覚えたら、2日目は10〜40、3日目は20〜50というように重複させながら覚えるのが良いでしょう。
さらに単語は一度覚えてもすぐに忘れてしまうことが自然なので、1回で完璧にしようとするのではなく、何度も繰り返して徐々に完成度を上げていくのが定石です。
赤シートを活用してチェックテストをする
見て書いてある程度単語を覚えてきたら、赤シートを活用して「意味(日本語)から単語(英語)」や「単語(英語)から意味(日本語)」の変換が自在にできるかどうかを確認してみましょう。
暗記学習においては、覚える作業だけでなく「覚えているかどうかを確認する」という作業も非常に重要です。
覚えられていない単語があれば、それを重点的に復習することによって語彙力の精度が段々と上がっていきます。
音声ファイルやアプリを活用しよう
覚えているかどうかのチェックや復習には、先ほど紹介した音声ファイルやアプリも活用してみましょう。
聴覚から覚えたり、ゲーム形式でテンポよく学んでみるなど異なる刺激を加えることで、さらに充実した暗記学習にすることができます。
また覚えられていない単語をまとめて自作の単語帳を作るというのもおすすめです。一からノートに書き込んで作っても良いですが、単語帳に印をつけるなどしてカスタマイズするのも効率的で良いでしょう。
最低でも3周はしよう
英単語は覚えたとしてもすぐに忘れてしまうので、1900単語を完璧に覚えるには少なくとも3周はする必要があるでしょう。暗記に自信がないなら10周程度するのもおすすめです。
ちなみに筆者は高校3年生の夏休み明けから毎日ターゲット1900を1周してセンター試験で満点を取りました。
毎日1周と聞くと大変なように思われるでしょうが、何度も見返していると一瞬ページを見るだけでも大体のことが頭に入るようになるため、30分もあればざっと1周することができるようになります。
共通テストの英語の勉強法や、リーディング・リスニングの対策について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
余力があれば例文や派生語・類義語も
3周し終えて余力があるなら、例文や類義語、派生語などの暗記に取り組むのも良いでしょう。特に自由英作が出題される大学を受験するなら、例文の暗記が役に立ちます。
ただし、3周もすれば飽きてしまう人が大半でしょうから、新しい単語帳に挑戦するのもおすすめです。その際はターゲットよりもレベルの高い単語帳を選びましょう。
ターゲット1900の前後で取り組みたい単語帳
ここからはターゲット1900の前後で取り組むと良い他の単語帳をいくつか紹介します。
なお、各見出しの最後にはそれぞれの基本情報を明記しています。
システム英単語
システム英単語(通称シス単)には、大学入試問題に頻出の2,021単語が頻度順で収録されており、難易度や構成の点ではターゲット1900によく似た単語帳と言えるでしょう。
しかし、一つ一つの単語が同程度の熱量で扱われているターゲット1900とは異なり、システム英単語では多義語に多くのページ使うなど、重要度によって強弱をつけたレイアウトになっています。
また例文と共に暗記するターゲット1900に対し、システム英単語では出る意味と出る形をコンパクトにまとめたミニマル・フレーズで覚えるという違いもあります。
項目 | 内容 |
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題名 | システム英単語 |
著者 | 霜康司・刀祢雅彦 |
出版社 | 駿台文庫 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 375ページ |
特徴 | 最新の入試8,000回分の分析を元に現代英語の重要単語2,021語を収録 |
使用感 | 非常に分かりやすいし持ち運びにも便利 |
データベース4500
いくつかあるデータベースシリーズの中で、関関同立やGMARCHの受験者を対象にしているのがデータベース4500です。
高校英語に必須の英単語約1,730語と熟語約350語が収録されており、レベルとしてはこちらもターゲット1900やシステム英単語と同程度と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | データベース 4500 完成英単語・熟語 |
著者 | 荻野 治雄 |
出版社 | 桐原書店 |
価格(税込) | 1,089円 |
ページ数 | 448ページ |
特徴 | 最新入試頻出語2,080語(単語1,730+熟語350)を自然な例文と共に掲載 |
使用感 | 基礎から徐々に単語の難易度が上がっていくという感じ |
データベース5500なら早慶も余裕
データベースシリーズの最上位であるデータベース5500なら、早慶の入試問題にも余裕で対応できるでしょう。
最新の入試問題の分析を元に、社会問題や環境問題、文化に関する重要語を含めた1,800程度の単熟語が意味ごと・テーマごとに収録されています。
ビジネスやTOEIC・TOEFL対策にも欠かせない重要語が収録されているので、大学生・社会人になっても引き続き使えるハイレベルな単語帳です。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | データベース5500合格英単語・熟語 |
著者 | 小森清久 他 |
出版社 | 桐原書店 |
価格(税込) | 1,045円 |
ページ数 | 367ページ |
特徴 | 難関大学入試に頻出の約1,760語(英単語1440+熟語320)をテーマごとに掲載 |
使用感 | 長文問題を解く上でのキーワードが厳選されているため難関大学受験には良い |
速読英単語(必修編)
速読英単語(通称:速単)は、長文を読みながら文脈の中で単語を覚えるという一風変わった単語帳です。
長文のテーマには近年の入試傾向が色濃く反映されているため、長文読解問題の対策にもなるでしょう。
ただし、より実践的に英単語が学べるというメリットがある反面、基礎的な文法知識や読解力がないと使いこなすのは難しいと言えます。
なお、速単には入試突破に必須の1,900語が収録されているので、レベルとしてはターゲット1900と変わりません。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 速読英単語 必修編 |
著者 | 風早寛 |
出版社 | Z会 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 464ページ |
特徴 | 英文の読解を通してストーリーと共に入試出現語の95%にあたる1,900語を学習 |
使用感 | 英単語の暗記だけでなく英文解釈の練習にも使える |
リンガメタリカ
「話題別英単語リンガメタリカ」は、最新の入試テーマに即した200〜300語ほどの短文を読み、各テーマの背景知識を理解しながら単語の意味と用法を実践的に覚えられる単語帳です。
医療や心理学、経済、環境など、国公立二次や私大入試に頻出の専門的なテーマの英文を読解しながら暗記をするので、ターゲットよりもレベルが高いと言えるでしょう。
なお、収録されている英文には医療系のテーマのものも多いため、医学部志望者にも愛読されています。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 話題別英単語リンガメタリカ |
著者 | 中澤幸夫 |
出版社 | Z会 |
価格(税込) | 1,320円 |
ページ数 | 392ページ |
特徴 | 入試に頻出の専門性が高い英文の読解を通じてより実践的に英単語が学べる一冊・収録語は約1,900語 |
使用感 | 文脈で覚えられるから難しい単語を習得するのに良い |
鉄壁
鉄壁は東大入試で圧倒的な合格実績を誇る鉄緑会の単熟語帳です。先述したようにテーマごとに単語を関連づけて覚えることができます。
またレベルが高い単語帳でありながら、650点以上のイラストが掲載されているため、それぞれの単語を具体的なイメージと共に記憶することが可能です。
語源などの有益で興味深い情報も数多く掲載されているので、読むだけでもかなりの勉強になるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 改訂版 鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁 |
著者 | 鉄緑会英語科 |
出版社 | KADOKAWA |
価格(税込) | 2,310円 |
ページ数 | 704ページ |
特徴 | 例年400人以上の東大合格者を輩出する名門塾の最強メソッドが凝縮された1冊・改訂版には近年の入試頻出語を追加 |
使用感 | 印象に残りやすいような工夫が様々施されている・文字は小さめ |
ターゲット1900のレベルまとめ
ターゲット1900のレベルまとめ
- 1冊で多くの大学をカバーできる
- 少なくとも3周はするべき
- 早慶志望ならデータベース5500などもおすすめ
ターゲット1900のレベルについて解説しました。
公式によるとターゲットは共通テストから難関私大レベルだと言われていますが、実際は早慶の受験者向けです。
よって少なくとも共通テストで6割程度を取れるようになってから使うのが望ましいと言えます。
使い方ですが、1周目は発音をしながら見て書いて覚え、ある程度覚えたら赤シートでセルフチェックをして復習をするという流れがおすすめです。
なお、単語を一度では覚えきれないので、適宜音声ファイルやアプリも活用しながら、3周以上するのが良いでしょう。
暗記学習の開始時期は早ければ早いほど良いので、早速ターゲット1900を入手してみてください。