効率の良い勉強法は?弁護士・会計士の両方の資格を持つ勉強法のプロに取材しました!
「勉強してもなかなか成績が上がらない…」
「効率の良い勉強法が知りたい!」
学生・社会人問わず、このようにお悩みの方は多いかと思います。
そこで今回は現役東大生であるまなび通信運営陣が、日本最難関資格である弁護士・公認会計士を両方お持ちの平木太生様に、勉強法のコツについてお話を伺ってきました!
受験や資格試験で効率よく学力を高めたい方、正しい方法を知って迷わず勉強を進めたい方は是非ご覧ください!
効率の良い勉強法に出会ったきっかけ
本日はお忙しい中お時間をいただき誠にありがとうございます。学びTimesを運営しております、株式会社ベンド代表の近藤と申します。
本日の取材を通じて、勉強方法にお悩みの方々がより効率よく学ぶ手助けができればと考えております。よろしくお願い致します。
弁護士・公認会計士の平木と申します。資格試験の勉強を通じて様々な勉強法を模索・実践して参りましたので、現在はその経験を生かし、弁護士業の傍ら「効率の良い勉強方法」の発信を行っております。
平木様は大学時代に公認会計士試験に一発合格を果たし、社会人になってから目指された司法試験も短期間で合格されていますよね。
平木様は効率的な勉強方法を実行した結果、短期間で試験合格を果たされたと伺っておりますが、
そもそも平木様が勉強方法について意識し始めたのはいつ頃からですか。
大学1年生の5月に入った会計士試験の予備校がきっかけです。
会計士の予備校では周りに東大や早稲田・慶應の学生がいたのですが、彼らは僕と同じ授業を受けて同じ時間自習室にいるのにも関わらず、テストの成績が私と全然違いました。
こういう時、「彼は東大だから」「彼は慶應だから」というように諦めてしまいがちなのですが、僕は「なぜこんなにテストの成績が違うんだろう」ということを、すごくよく考えたのですね。
ついには自分で考えてもわからなかったので初対面の学生にも声をかけて勉強法を聞いてみたりしました。すると、彼らと私では勉強法や考え方が全然違うことに気がつきました。
そこでどんどん彼らの勉強法を取り入れるようになり、そのおかげで会計士試験に一発で合格できたと思っています。
実際に勉強ができている人に勉強法をたくさん聞いて、良さそうなものは積極的に取り入れたのですね!
これは資格試験の勉強以外にも応用できそうですね。
はい、間違いなく資格試験以外でも当てはまりますね。
「勉強方法」はなかなか中学校や高校で教わりません。そのため、「記憶の仕方」「物事の整理の方法」といったような勉強法を知っておくことは大きな武器となると感じています。
平木様は「勉強方法を変えれば人生が変わる!」という言葉を掲げておられますよね。
実際正しい勉強方法を身につけることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
おっしゃる通り、「勉強方法を変えれば人生が変わる!」は僕のモットーです。
公認会計士や弁護士がそうであるように、日本では資格を取らないと就けない職業がいくつかあります。
その職業に就きたいけど試験に合格できないという人が、もし勉強法を変えて試験に合格できたら、きっと人生を大きく変えることができるだろうと考えています。
勉強法を変えることで人生の視野が広がることもあるんですね。
効果的な暗記・記憶法【実践編】
学びTimesでは小学生の方から高校生の受験生の方まで幅広く、勉強法についての情報提供を行っています。
読者のみなさまにも今すぐに実践できる勉強法のコツはありますか?
今すぐ実践できるのは「記憶しやすい時間を意識すること」です。
寝る前の5分が記憶のゴールデンタイムといわれています。人は寝ることで短期記憶を長期記憶にしていると言われているので、寝る前の5分で何かを記憶してみるのが良いです。
これを1日1個ずつやれば、1年で365個、何かを記憶することができます。
寝る前の5分の取り組み方で差がつくんですね!
はい、あとは僕の好きな勉強法として「メモリーツリー」というものがあります。
メモリーツリーとはノートの取り方の一つで、真ん中にテーマを大きく書いて、そこからどんどん蜘蛛の巣のように周辺事項を派生させて覚えていくというものです。
テーマが絞られていて、事柄間の因果関係が整理されていることがすごく良いですね!
メモリーツリーを作成するためには物事を論理的に考えて整理する必要があるので、とても良い思考の訓練になりそうですね。
おっしゃる通り、メモリーツリーはテーマごとの情報を階層的に整理できることが最大の利点ですね。
また、メモリーツリーの形は様々です。
メモリーツリーは少しずつ形を変えて作ることでより記憶に残りやすくなります。
メモリーツリーを作れば自然と記憶が定着しそうです!見た目が綺麗ですし、子どもでも楽しく勉強することができそうですね。
是非メモリーツリーの具体的な作り方もお伺いしたいです!
メモリーツリーは1枚につきテキスト30~40ページ分程度の情報がまとまるイメージです。
テキストの内容や文量の強弱を頭の中で意識しながらテキストを読み、メモリーツリーに書き起こしていく、というのが基本的な流れとなります。
メモリーツリーを作る前提でテキストを読むことで、テキストの読み方が変わりそうですね。
流し読みをしたものの結局頭の中に何も残っていない、というようなケースも避けられますね!
メモリーツリーは僕の会計士試験のときに出会い、人生を変えてくれた勉強法の一つです。メモリーツリーを作ったことで一番苦手だった租税法という科目が一気に得意になったほどです。その後、他の科目でも同じようにメモリーツリーを作ったことで合格できました。
司法試験を受験した時も、メモリーツリーをおよそ250枚ほど作って司法試験の全範囲をカバーして、それをベースにして勉強していました。
250枚は物凄い数ですね…笑
メモリーツリーはほとんどの科目で活用できそうですね。僕も使ってみようと思います!
塾やタブレット教材の活用法
平木先生が考える、塾・予備校の効果や価値を教えてください。
予備校は勉強を効率化するツールだと思っています。試験をやる上で一番大切なのが出題傾向の分析などですが、予備校は模試など提供しながら出題傾向の整理の効率化をしてくれる点は良いですね。
ただし、もし予備校に通ってさえいれば合格させてくれると思っているなら、それは勘違いです。
予備校は自分の勉強の中で勉強を効率化できる部分で活用するものであり、あくまで補助的な役割だと考えています。
なるほど。予備校の強みを生かしつつも、あくまでもツールの一つとして活用するのが正しい使い方なんですね。
はい。また、予備校に通う人は意識が高い人が多いので、いい仲間と関わることができるのも良いですね。
現在では、子ども向け通信教育において、タブレット教材が爆発的な人気となっています。
タブレット教材が子どもの学習に与えるメリットとデメリットについて、どのようにお考えかお伺いしたいです。
タブレット教材のメリットは、情報が集約されていて簡単に検索できることだと思います。
これまでの勉強は紙がベースだったので、例えば司法試験では非常に量が分厚くなってしまいます。それがタブレットに全て集約できて、いつでも情報にアクセスできることが良いですね。
また場所を問わずに勉強できることも非常に大きなメリットだと思います。
一方で、デメリットは紙の良さが損なわれていることだと思っています。紙に自分の手で線を引いて、文字を書いて、ときには文字を消したり、破いたり、貼ったりします。
こういった過程で自分だけのノートが作りあげられると思っているので、タブレットはこういった面で劣るのではないかと思います。
確かに高度な内容を学ぼうと思うと、タブレット学習だけでは対応できないことも出てきそうですね。
僕も紙の上で自分の手を動かして学習することで、記憶がしっかりと定着するという側面は無視できないと思います。
タブレット教材はゲーム性が高いという性質もありますから、特に幼児〜小学生レベルの内容であればタブレット教材は有用だと思いますが、中学生以上からは紙での学習も大切にしていく必要がありそうですね。
今後の展望
平木様は「趣味は勉強」だと公言されていますが、現在はどのような勉強にご関心がございますか。
私は「資格マニア」と言われることもあるのですが、、
実際には「資格」というより「実務に直結する勉強」に常に興味あり、取り組んでいます。ただ、実務に直結する内容で、その分野での資格があれば資格を取りに行くこともあります。
資格は合格・不合格というように結果が出るので、合格を目指して勉強するのがわかりやすくて良いと思います。例えば昨年ですと、実務に関連してIPO検定の標準・上級をいずれも取得しました。
なるほど、確かに資格試験の合格はわかりやすい目標になりますね!
そうです。
また、私の「勉強法」を自分自身のためだけに活用するのではなく、世に広めたいと思っています。
僕が大学入学後に会計士予備校に通ってガラッと人生を変えたように、僕の勉強法を聞いて人生を変えてくれるような人がいてくれたら嬉しいです。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
平木太生様の著書『司法試験・予備試験 この勉強法がすごい!』では、今回の取材で取り上げた「メモリーツリー」をはじめとする、驚きの勉強法が満載です。
どの勉強法も司法試験・予備試験だけでなく普段の学習にも役立つ勉強法なので、自分の勉強法に悩みを抱えている方はぜひ確認してみてください。