高校受験ではどんな入試科目があるの?私立・公立高校での違いや特徴・勉強法まで解説!

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高校受験の入試科目って5科目?

私立高校と公立高校では違いがあるの?

中学受験を経験されていない方は高校受験が初めての入試となります。

志望校によっては受験科目の数が違ったり、面接がないなど事前に知っておかないと受験対策の貴重な時間を無駄にしてしまうかもしれません。

ここでは各学校の高校受験の仕組みをじっくり丁寧に解説していきます。

高校入試についてざっくり説明すると

  • 学校やコースによって受験科目数が変わり、面接や作文が必要なところもある
  • 調査書や内申点が受験を有利にする
  • 高校進学先の進路も見据えて志望校を選ぶ

公立高校と私立高校の高校受験に必要な科目は?

入試科目

ここでは公立高校と私立高校の高校受験に必要な科目に違いがあるのか、じっくり確認していきます。

公立高校は5科目受験が一般的

公立高校の一般受験ですが、ほとんどの高校で5科目(国語・数学・英語・理科・社会)と内申点の合計点で決まります。

このことからも分かるように、高校受験は当日の点数と中学3年間で取り組んだ成績の双方を評価する総合力勝負ということになります。

試験内容ですが、中学3年間で使用してきた教科書の範囲の全てとなります。

一般的に出題される問題は県内で統一されていますが、学校のコースの違いなどから学校独自の問題を出す高校もあります。

その際には3科目(国語・数学・英語)を主として行われることもありますが、3科目でいいなと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、科目が少なくなる分、範囲が狭くなる代わりに奥深く受験対策を行わなければなりませんし、5科目と比較しても平均点が上がるために高得点を取らないと合格できない可能性が出てきます。

幅広く理科・社会で高得点を狙うか、3科目に絞って集中して取り組んでいくなど、志望校の科目数を把握して取り組んでいく必要があります。

私立高校は3科目受験が一般的

私立高校の入試科目は3科目3科目(国語・数学・英語)+面接が一般的ですが、志望校によって5科目の場合もありますし、面接がない場合もあります。

3科目受験は、公立高校の受験のところでもご紹介しましたが、理科・社会が苦手な人には助かる形式ではありますが、科目数が少なくなることで平均点が上がりますし、3科目得意な人が集中する可能性もあります。

また、公立高校受験のように問題が統一されていることはなく、学校独自で作成されているために対策するにしても各学校の傾向がバラバラです。

高校のレベルによっては教科書の範囲外から出題されることも多々あるために、過去問対策に苦戦してしまいます。

さらに国語・数学・英語は短期間で実力アップを図る科目ではありませんので、3科目だからといって良かったと思えることはありません。

科目が5科目から3科目に絞られることで気持ちが楽になるかもしれませんが、3科目だからといって決して楽ではないと思っておくといいでしょう。

国立・公立・私立高校の入試科目や制度の違いは?

入試制度

ここでは国立・公立・私立高校それぞれの種類に応じた入試科目や制度の違いについて確認していきます。

公立高校の入試のしくみ

公立高校の入試の仕組みですが、まず当日の学力試験以外にも学力推薦入試、スポーツ推薦入試を実施しているところがあります。

都道府県ごとに入試の回数や面接があるかないか、内申点の配点から作文・自己推薦カードまで、試験の制度がさまざまです。

また、同じ高校であったとしても、入試の仕方によって内申点の計算の仕方が変わる場合もありますので、通常の入試と推薦入試での概要を確認しておきましょう。

都道府県によっては推薦入試を受けた後に一般入試を受けられるなど、同じ高校を2回チャレンジできる場合もあります。

記述試験はほとんどの都道府県において試験問題が統一されていますが、高校独自の問題を出されている高校もあります。

東京を例にすると、日比谷高校や西高校は高校独自の問題を出されています。

内申点は重要

内申点とは、中学校の成績表として記載されている数値を点数化にして、入試の評価点として加算されるものです。

調査書の中に記載されていて、その中で9教科に特化しているものです。

高校入試の際には試験当日の点数と内申点の合計が評価され、合否が決まります。

都道府県によって、試験5科目(国語・数学・英語・理科・社会)以外の4科目(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の内申点比率を2倍に上げているところがあったり、三年生の比率を上げているところなどさまざまですので、事前に確認しておく必要があります。

下の表は各都道府県の公立高校における一般選抜の内申点の内訳(2019時点)ですが、コースなどによって計算の仕方が変わることもありますのでこちらも事前に確認をしておく必要があります。

都道府県 中学1年 中学2年 中学3年 備考(内訳)
北海道 90点 90点 135点 9科×5段階を基準に中1×2、中2×2、中3×3
青森 45点 45点 45点 9科×5段階
岩手 110点 220点 330点 (5科×5段階×2)+(4科×5段階×3)×学年数
宮城 65点 65点 65点 (5科×5段階)+(4科×5段階×2)を基準
秋田 65点 (5科×5段階)+(4科×5段階×2)
山形 45点 9科×5段階
福島 65点 65点 65点 (9科×5段階)+(実技4科×5段階)
茨城 45点 45点 45点 9科×5段階
栃木 45点 45点 45点 9科×5段階
群馬 45点 45点 45点 9科×5段階
埼玉 45点 45点 45点 9科×5段階 ただし、高校によって学年成績の比重が変わる
千葉 45点 45点 45点 9科×5段階
東京 65点 5科×5段階 実技4科×5段階×2
神奈川 45点 90点 中2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
新潟 45点 45点 45点 9科×5段階
富山 45点 90点 中2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
石川 45点 45点 45点 9科×5段階
福井 45点 9科×5段階
山梨 110点 110点 110点 (5科×5段階×2)+(実技4科×5×3)
長野 45点 9科×5段階
岐阜 45点 45点 90点 中1・2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
静岡 45点 9科×5段階
愛知 90点 9科×5段階×2
三重 45点 9科×5段階
滋賀 45点 45点 45点 9科×5段階
京都 65点 65点 65点 (5科×5段階)+(実技4科×5段階×2)
大阪 90点 90点 270点 中1・2(9科×5段階×2)、中3(9科×5段階×6)
兵庫 250点 (5科×5段階×4)+(実技4科×5段階×7.5)
奈良 45点 90点 中2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
和歌山 45点 45点 90点 中1・2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
鳥取 (5科×5段階×高校ごとの倍率)+(実技4科×5段階×高校ごとの倍率)
島根 45点 45点 90点 中1・2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
岡山 45点 45点 110点 中1・2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2+実技4科×5段階)
広島 65点 65点 65点 (5科×5段階)+(実技4科×5段階×2)
山口 45点 45点 45点 9科×5段階
徳島 65点 65点 65点 (5科×5段階)+(実技4科×5段階)
香川 45点 45点 130点 中1・2(9科×5段階)、中3(5科×5段階×2+実技4科×5段階×4)
愛媛 45点 45点 45点 9科×5段階
高知 65点 65点 130点 中1・2(5科×5段階+実技4科×5段階×2)、中3(5科×10段階+実技4科×10段階×2)
福岡 45点 9科×5段階
佐賀 45点 45点 45点 9科×5段階
長崎 45点 45点 45点 9科×5段階
熊本 45点 45点 90点 中1・2(9科×5段階)、中3(9科×5段階×2)
大分 65点 65点 130点 中1・2(5科×5段階+実技4科×5段階×2)、中3(5科×5段階×2+実技4科×5段階×4)
宮崎 45点 45点 45点 9科×5段階
鹿児島 450点 (5科×5段階×2)+(実技4科×5段階×20)
沖縄 55点 55点 55点 (5科×5段階)+(実技4科×5段階×1.5)

中1・中2の内申点が反映されない県もありますが、中1・中2の成績も入試に影響しますので、中3だけ頑張ればよいというわけではありません。

中1の時から高校入試に向けて良い成績が取れるように取り組みましょう。

私立高校の入試のしくみ

私立高校の入試の仕組みは公立高校の流れとともに見ていきましょう。

公立高校に向けて一般入試がありますが、私立高校を受験して公立高校が不合格だった時の回し合格を狙うための併願、そして私立高校が第一志望とする単願があります。

また、内申点や中3の成績が基準を上回っているときなどで作文と面接が試験となる推薦入試と、筆記試験を行う一般入試があります。

私立高校には公立高校にはない魅力あふれるコースがあったり、3科目受験などメリットが多く感じられる点もありますが、3科目受験が必ずしも有利になるわけではなく、むしろ3科目が得意な人が集まるために要注意であったり、高校の中では高校浪人が認められないこともあります。

事前に受験校の情報を確認しておきましょう。

内申点は加味される?

私立高校では推薦入試の基準値として中3の成績が重要となりますが、一般入試において内申点が加味されるかは定かではありません。

学校においても対応の仕方が違っていたり、公表されていない場合が多いです。

当日の試験で結果が出るように取り組んでおきましょう。

国立高校・高等専門学校のしくみ

国立高校とは国立大学附属高等学校のことであり、一般的に公立高校と同じく5科目(国語・数学・英語・理科・社会)が試験科目となり、学校オリジナルの問題で出題されます。

高専とは高等専門学校のことであり、国立と公立、私立それぞれあります。

工業系の高専が多く、試験内容も数学や理科が重要視されることがあります。

都立高校一般入試の科目・制度の実例

都立高校も私立高校と同じく推薦入試と一般入試があり、推薦入試では都立高校の場合は内申点・面接・論文・集団討論で選抜されます。

一方、都立高校の一般入試では学力検査と調査書の点数を合計して総合されたものを順番に選抜されます。

学力検査は5教科(国語・数学・英語・社会・理科)で、各教科100点満点を700点満点に拡大した数値として計算されます。

調査書は3年の時の成績から5科目×5段階と実技4科目×5段階×2倍の65点満点を300点満点に拡大した数値として計算されます。

学力検査700点満点と調査書300点満点の計1000点満点として、点数順に定員数内の方が合格となります。

面接や実技を行う高校においては、その得点も追加された形となります。

都立高校の特徴もしっかりおさえておきましょう。

一般入試と推薦入試は何が違うの?

入試の違い

一般入試と推薦入試では受験の仕方や取り組み方も変わってきます。

それぞれの特徴をしっかりと把握して、志望校合格に向けて勉強していきましょう。

一般入試のメリットとデメリット

一般入試のメリットは学力が全てであり、それで合否が決まる点です。

中1中2で苦手範囲があった人も、中3の1年間猛勉強をして取り組めば逆転することは可能ですので、一気に集中して取り組める人はオススメです。

逆にデメリットはチャンスが一度しかないために、一気に猛勉強しても結果が結び付かない時に苦悩してしまう点であり、簡単に中1中2の苦手克服ができずに志望校に対して諦めてしまう恐れもあります。

推薦入試のメリットとデメリット

推薦入試では調査書と小論文、面接がメインとなるところや、調査書と実技と面接、学校オリジナル問題を出すところもあります。

中学3年間、勉強やスポーツに頑張って取り組んで、内申点を十分に獲得してきた方にはオススメです。

一般入試の学力では厳しい方にもチャンスが出てきますが、入学してからの取り組みに追いついていけるかが不安になる点と、推薦入試で不合格だった際に一般入試に向けた勉強に遅れを取ってしまう点がデメリットです。

推薦入試で必ずしも合格できる訳ではありませんので、一般入試も見据えて取り組む必要があります。

推薦入試についてさらに詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてみてください。

高校受験における科目別の具体的な勉強方法

勉強方法

ここでは、受験対策をしていくための具体的な勉強方法について、科目別にご紹介していきます。

受験教科数で勉強方法は変わるの?

例えば受験する高校が3科目受験(国語・数学・英語)だからといって、理科と社会を全く勉強しなくてよいというわけではありません

高校受験時に学習する理科と社会は範囲が狭いために、短期間であっても伸びやすいために勉強しておくべきであり、その上で重点的に国語・数学・英語を勉強していきましょう。

基本的には受験校の過去問をたくさん解いていき、私立校などで教科書範囲外で出題されている場合には、どのような問題であるかを確認しながらマスターしていくようにしましょう。

受験科目にない家庭科などの勉強はすべき?

受験では使われない科目があります。

そして、保健体育・技術家庭・美術・音楽などの実技科目は勉強をしなくてよいのではと考える方がいます。

しかし、どの科目も内申点として加算されますし、都立高校や都道府県の各都道府県の公立高校においても受験科目以外の科目に関しては2倍で換算されます。

また、中1から内申点が加算されるところでは実技4教科で大きく差が開いてしまいます。

逆に、実技4教科を中1のころから内申点のために頑張っておけば、受験時には志望校の選択肢が広がる大きな力になってくれます。

実技4教科の筆記試験は短期間で点数アップを図れますから、テスト週間の時に放置せず、しっかりと点数を取れるようにしておきましょう。

早期からの対策がおすすめ

当然受験対策を行うのは、早い段階から行うのがおすすめです。

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また、主要5科目のみならず、定期テスト対策も行うことができますので内申点対策にも有用であると言えます。

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志望校選びの際に知っておきたいこと

志望校選び

志望校を選ぶ際には、入試科目以外のことにおいても知っておいた方が良いものをここでご紹介していきます。

高校は基本的に転校はできない?

高校は義務教育ではありませんので、小学校や中学校のように簡単に転校はできません

保護者の転勤等で正当な理由があったとして転校が認められたとしても、自分で高校を指定することができません。

また、編入試験を受けて合格しないといけないなど、思っている以上にハードルが高い可能性があります。

このことからも志望校選びは慎重になって考えていきましょう。

高校によって授業の内容やカリキュラムの差が大きい

中高一貫校の中等部などでは早ければ中3のころに高校数学を学習していたり、テキストも難易度が高かったりしますが、公立の中学はそこまでの差が出ません。

しかし、高校では同じ地域の公立高校でさえも授業内容やカリキュラム、参考書でさえ違うために、学習スピードも難易度も学年が上がるにつれてどんどん差が広がります

先ほどもご紹介しましたが、高校に入学したらよほどのことがない限り転校で決ませんので、あらかじめ志望校についてしっかりと調べておくことが大切です。

将来的に理系の大学に進学したい人へ

最初からコースが決まっていない普通科の高校では、1年生の秋になると文系か理系の選択をすることになります。

そこから科目選択を行っていくのですが、日本では私立文系、いわゆる私文の学校が一番多いです。

ですからカリキュラムを文系寄りに設定されている学校が多くなっていることから、いざ理数系の大学受験を考えたときに、実は理数系の授業が弱い学校であり、理数系の受験対策で不利になる可能性が出てきます。

志望校を考えるときには、大学進学を見据えて科目や偏差値、倍率だけで判断するのではなく、どのようなカリキュラムとなっているのかも調べておくことが大切です。

理数科や国際科など普通科以外の選択

普通科以外にも理数科、英語科、国際グローバル科など、魅力あふれるコースが高校から学べることは、中学生の目線から見ても意欲を持ちながら取り組めるものではないかと思います。

その道を進んでいく人には大変嬉しい話ではありますが、一方で大学進学をする場合に目標としていた将来の夢であったりやりたいことが変わってしまうと大変不利な状況に追い込まれます。

はっきりとした夢や目標が無い場合は普通科に進むことが無難であり、大学進学せずに高卒で働くとなれば普通科と変わりない扱いとなりますので、特に差がつくということにはなりません。

専門高校について

専門高校に通っていても大学受験は可能です。

ただ、大学進学となる際にその高校で進学実績があるか、進学するために必要な受験科目のためのカリキュラムとなっているかで、普通科に通うより大学進学は不利になってしまいます。

より高度な研究をしていきたい、学者になりたいと考えている方は普通科に通って大学進学することをオススメします。

普通科の高卒の就職状況は?

高卒採用の場合は、学校の偏差値よりも選択された学科を見られることが多いです。

企業として欲しいと思っている人材は頑張ってくれること、そして即戦力となることを考えると、高校3年間で培われたものは何かを企業が聞いてくるのは当然ですよね。

ですから高校を卒業してすぐに働きたい方、または働かないといけない理由がある方の場合は専門高校をオススメします。

高校入試についてまとめ

高校入試についてまとめ

  • 学校やコースによって必要な科目数や面接・作文の有無があるために、事前に確認をしておく
  • 中1から中3の成績が調査書や内申点で受験の時に有利になるため、普段から勉強して成績アップに努めておく
  • 志望校選びは大学進学まで見据えて選択する

高校受験は実は人生の分岐点と言っても良いくらいに大事なものです。

そして中3から受験生として頑張るように言われますが、調査書や内申点を考慮すると中1から受験勉強は始まっています。

早い段階から大学進学まで見据えた進路を想定して、高校受験で志望校に合格できるように取り組んでいきましょう。