高校受験に必要な出席日数は?不登校で出席日数が足りない場合の対策法まで解説!
「高校受験では中学の出席日数がどのような影響を与えるの?」
「不登校は欠席日数が多いから高校受験では不利になるの?」
高校受験を考えている人はこのような疑問を持っているのではないでしょうか。
この記事では出席日数と欠席日数が高校受験に与える影響や内申点、また出席日数が足りない場合の対策などを紹介していきます。
この記事を読んでいただければ、自分に合った高校進学はどのような方法があるのかわかります。
高校受験に必要な出席日数についてざっくり説明すると
- 高校受験では出席日数が足りないと不利になる場合がある
- 欠席日数が気になる人は学校行事やテストには必ず出席する
- 不登校の人でもおすすめの高校が存在する
高校受験に必要な出席日数は?
高校受験には出席日数が影響してきます。
そこでここでは出席日数がどのようにして高校への進学に影響を与えるのか、具体的に説明していきます。
高校受験に必要な調査書とは?
高校入試、特に公立高校への入試では調査書というものを提出しなければなりません。
調査書とは教科に特化した内申と出席日数や素行などが書かれている欄の2つに分かれたものです。記入は基本的に中学の先生が行っています。
多くの公立高校入試ではこの調査書と当日の試験結果の2つで合否を決めています。つまりテストと同じくらいかなり大切な書類です。
なお、私立高校に関しては絶対提出が求められているものではありません。高校によって違うので、入学を目指す学校に確認してください。
不登校だと調査書に影響するの?
高校入試で欠席日数が多いとスムーズにいかない可能性があります。つまり、不登校だと調査書に影響を与えるのです。
具体的には、調査書には先生が記入する内申以外にも欄があると説明しましたが、そこに欠席日数が書かれます。
もし欠席日数が多すぎる生徒の場合、高校入試のときに審議対象となって審査されるのです。
以下でさらに詳しく解説していきます。
公立高校の場合の出席日数
公立高校では一般的に一年間30日の欠席をボーダーとして、それ以上だと審議対象としているところが多くあります。
ただし注意点は「欠席日数が30日以上あるから不合格になる」というものではないことです。あくまで「審議される」ということです。
それでも入試に不利に作用することは十分に考えられます。
なお、冒頭で一年間で30日の欠席がボーダーと書きましたが、自治体ごとにバラツキがあります。
一部の高校を例にとると以下の通りです。
公立高校名 | 審議対象になる欠席日数 |
---|---|
船橋東高校 | 3年間の欠席の合計が30日以上 |
船橋北高校 | 各学年10日以上、又は3年間で20日以上 |
鎌ヶ谷高校 | 中3次の欠席が10日以上 |
津田沼高校 | 各学年の欠席が30日以上 |
基準となるボーダーが一般的なものよりも厳しい学校があれば、緩いところもあります。
この基準は多くの学校が受験案内の資料などに記載しているので、それぞれ確認するようにしましょう。
なお欠席日数以外にも、成績に「1」がついている場合も審議対象となっている高校も存在します。心配な人は欠席日数と合わせて確認することをおすすめします。
私立高校の場合の出席日数
私立高校では出席日数の条件にバラツキがあるのが特徴です。 例えば、3年間で30日の欠席が基準になっているところがあれば、まったく考慮しないところもあります。
また1・2学年よりも3年ときの成績を重視する学校が多いこともいえます。つまり、3年生の1学期まで不登校であった人でも、十分に挽回できるチャンスが私立にはあると考えてください。
なお、私立の出席日数のボーダーに関しても以下の通り一部を紹介します。
私立高校名 | 出願資格をクリアできる欠席日数 |
---|---|
早稲田大学高等学院 | 3年間の欠席合計が30日以内 |
早稲田実業学校高等部 | 各学年における欠席日数が原則として7日以内の者で、欠席理由の明確な者 |
開成高等学校 | 原則、第3学年の欠席日数の合計が30日未満 ただし、30日以上の場合は、「欠席状況説明書(A)」(学校作成用)、「欠席状況説明書(B)」(保護者・本人作成用)の提出が必要 |
慶応義塾高等学校 | 欠席基準はなし |
以上のように、学校によって基準はまったく違います。系列の学校でも同じとは限らないので、私立高校を受験する場合は出願資格をしっかりと調べるようにしましょう。
なお、私立高校は公立高校との併願よりも単願を推薦で狙った方が合格しやすい傾向にあります。
欠席日数は進学に影響するの?
欠席日数が多いと進学に悪影響を与える場合が多々あります。しかし欠席日数ですべてが決まってしまうわけではありません。
ここでは欠席日数が多くて出席日数の規定に達していなくても問題なく進学ができるケースを紹介していきます。
中学3年生で登校すれば大丈夫?
欠席日数が多くても中学3年生とき改善の傾向があれば、高校でも問題なく進学できると判断されることがあります。
例えば、以下のようなケースが当てはまります。
- 1・2年は欠席がちだったが3年生になって毎日学校に行っている
- 年生の序盤欠席気味だったが夏休み明けから毎日登校している
このような人は中学の先生に改善点が見られる旨を、調査書で書いてもらうように相談してみてください。
テストの成績がとても良い
私立高校では進学実績を伸ばすことを目標にしているので、欠席が多い生徒は進学実績につながらないと判断されやすいです。
しかし当日のテストで合格点を大きく上回っていると入学できる可能性があります。例えば偏差値にして5~10くらい高いと入学のチャンスは大きくなります。
公立よりも私立の方がこのような傾向にあるので、私立高校を目指す人は欠席が多くても諦めないようにしましょう。
志望校を下げるときの注意点
志望校を下げるときは、偏差値40~50くらいの学校が視野に入ってくるでしょう。
しかし、このあたりの学校は校風が乱れがちでいじめや喧嘩が多くみられる傾向にあります。 そのため進学や不登校に対する処置があまりとられません。
私立高校でも付属校や進路指導に熱心な学校を探すことをおすすめします。気になる人は探してみてください。
欠席に正当な理由がある
基本的に欠席日数が多いと入学に悪影響があります。 ただし欠席にちゃんとした理由があれば出願資格を得られる可能性もあります。
では、どのようなケースがあるかというと、病気や大けがによる入院などです。高校に申請をすることで出席日数が足りないことを防げます。
例えば「私立高校の場合の出席日数」で紹介した「早稲田実業学校高等部」「開成高等学校」などが挙げられます。
申請するには高校によってやり方が違いますので、それぞれ調べて適した方法で行うようにしてください。
内申点の重要性
高校受験では当日のテストだけでなく内申点も重要です。 なぜなら、ほとんどの公立高校は当日のテストと内申点の合計で合否が決まるためです。
志望校のテストさえ合格点を取れれば問題ないと甘く考えないようにしましょう。
また出席日数が足りていても不登校がちな場合、学力が高くても内申点がなかったり「1」があったりすることも注意です。特に「1」がつくと、学校によっては審議対象になってしまうケースもあります。
内申点の比率を大きくしている学校の場合、それはかなり不利になります。成績の「1」を防ぐため、定期テストは別室でもしっかりと受けるようにしましょう。
成績はポイントさえ外さなければ「1」がついてしまうことを回避できます。内申点で大きな後れをとってしまわないように、最低限の対策はしておくようにしてください。
不登校であったり欠席日数が不安な人が行うべきこと
高校受験と出席日数との関係を解説してきましたが、不登校などで欠席日数が気になる人も中にはいるでしょう。
そこでここでは欠席日数が不安な人が行うべきことをいくつか紹介していきます。
受験したい高校の欠席基準や自己申告書の有無などを確認しよう
最初に行うべきことは、受験したい高校の入出願資格や自己申告書の有無などを確認することです。
すでに解説してきた通り、公立高校や私立高校の欠席日数のボーダーは自治体や学校によってまちまちです。
場合によっては不登校で出席日数が足りないと思っていても、問題がないことも考えられます。
受験候補の高校をたくさん調べて、その中から志望校を選ぶようにしましょう。
中学校の先生・担任の先生に相談しよう
受験候補の学校を調べるのと並行して、中学の先生にも入試について相談してみてください。 その理由は以下の通り2つあります。
-
調査書を書くのは中学の先生
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高校受験について詳しい
相談すれば、今からどうすれば調査書を良く書けるか教えてもらえるはずです。また自分では見つけられなかった学校や受験候補の違う探し方なども紹介してもらえるでしょう。
高校受験の可能性が広がることが十分に考えられるので、先生に相談してみてください。
保健室やフリースクールの利用
もし何らかの理由により普段通り学校に行けない場合は、保健室やフリースクールを利用するのがおすすめです。
フリースクールとは、学校への復帰や子供の居場所を作ることを目的とした、民間企業やNPO法人が運営している施設です。
義務教育の間はフリースクールに通うことで小中校への出席扱いになるケースも多いので、出席日数を稼げます。不登校の人は積極的に考えてみましょう。
なお、似たような施設にサポート校がありますが別物です。サポート校は通信制高校に在籍する生徒の学習支援が目的の施設ですので、注意してください。
定期テストは必ず受ける
普段登校が十分にできていない人でも、定期テストは必ず出席して受けることが大切です。
成績に「1」がつくと審議対象になったりして入試に悪影響を与えます。別室でもいいので受けて、20点や30点でも低くても点数を取っておきましょう。
テストを受けるだけでも「1」がつかないこともあります。成績が「1」なのか「2」なのかは高校受験では大きな差となりますので、しっかりと受けておくことをおすすめします。
登校した際の生活態度を見直そう
学校に行ったときは素行にも気を配るようにしましょう。 なぜなら、調査書には出席日数だけでなく生活や学習態度などの素行についても書かれるからです。
出席日数が少ない上に素行も悪いとなると大きなダメージとなるので注意が必要です。
そのため出席したときは明るく挨拶をしたり授業では積極的に発言したり、また掃除をしっかりとするなど振舞には気をつけましょう。
周り以上に頑張っている印象を与えられれば、先生も協力的になってくれやすくなります。
提出物は出そう
学習態度を良く見せるためには、提出物もしっかりと出さなければなりません。 提出物は内申点にもつながるので、テストと同様に重要なものです。
出席する前に学校の先生などに連絡を取って、提出物を確認するようにしてください。
学校行事などに積極的参加をしよう
運動会やマラソン大会、芸術祭などの学校の行事には積極的に参加することも大切です。
調査書にはさまざまなことが書かれるので、授業以外のことで頑張ればしっかりと評価されて良い影響を与えられます。
毎回参加する必要はありません。登校日に参加するだけでもいいので、登校したときは輪に加わるようにしましょう。
他にも武器を作ろう
調査書に書かれることの中には、英検や漢検などの資格取得や作文のコンクール受賞歴などもあります。
出席日数などで不利な情報が書かれても、周りが持っていない武器を持つことができれば一発逆転も可能です。
資格などの武器を作ろうとしない受験生は多いので、積極的に資格取得やコンクールの受賞を狙いに行きましょう。
英検や漢検の情報は簡単に調べられるので、今から目指してみてはいかがでしょうか。
勉強に一生懸命取り組みましょう
学校に行っていない人にとって最も力を入れないといけないことが勉強です。 学校に行けていない分、テストでいい点数を取らなければなりません。これは必須です。
テストでいい点を取れれば、欠席が多いことが入試に不利になっても十分挽回が可能です。
しかし学校に行けていないと学力で後れを取っている可能性は高いでしょう。塾にも通えない可能性があるので、その場合は通信教育がおすすめです。
通信教育なら家で自分のレベルに合った学習がいつでも始められます。質問対応してくれるものもあるので、それなら家にいながら疑問を解決できます。
自分に合った通信教育を探して学校のレベルに追いついて、さらに追い越せるように一所懸命取り組んでください。
基礎からの勉強には進研ゼミがおすすめ
普段学校にあまり行けてない人の場合、基礎学力をまず身に付ける必要があります。
そのような方におすすめなのが、通信教育です。
通信教育であれば、基礎から応用まで幅広く勉強を行うことができます。また、定期テスト対策も行うことができますので学校の授業に遅れをとっても挽回するチャンスが十分にあります。
以下のページでは中学生向けのおすすめ通信教育を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
出席日数が足りない場合のおすすめの高校
出席日数が足りないと高校入試は不利になります。しかし高校は私立や公立だけでなくさまざまな種類があり、不登校の人にもおすすめできる学校もあります。
ここでは不登校の人におすすめの高校を紹介していきます。
通信制高校
通信制高校とは、文字通り通信教育で学習していく高校のことです。 週に何回通うかを自分で決められたり学習面でも多様性を持っていたりします。
単位の取得はレポートの提出やテストにより、二学期制が採用されていて入学は4月と10月が多いです。またすでに働いている人や高校中退者も多く在籍しています。
通信制高校なら不登校で人との付き合いが苦手な人でも安心して高卒の資格取得を目指せます。
ただし、自己管理がしっかりとできていないと単位が取れず卒業が難しいです。また、進学や就職のサポートも少ないところが多いでしょう。
もちろん学校によって特色が異なるので、気になる人はいくつか探してみてはいかがでしょうか。
定時制高校
定時制高校の特徴は、学校に行く時間を都合に合わせて選べることです。 例えば学習時間を「夜間」や「午前」など好きな時間が選べます。
全日制は朝から夕方頃までと決まっていますが、定時制は人によって違うのです。そのため、不登校経験者や高校中退者、会社に勤めている人まで多くの人が通学できます。
ただし定時制高校はさまざまな人に教育の場を設ける目的で作られているので、難易度が簡単な傾向にあります。
もし大学入試を考えている場合、学校だけでは不十分になってしまう可能性があるでしょう。その場合は独自に参考書を買うなどして勉強を進めるようにしてください。
全日制高校
全日制高校とは、原則として平日朝から昼にかけて学校で学習をするところです。 学校の数が多いので自分に合ったところを探しやすいです。
また多くの学生が決まった時間に通学するので、友達を作りやすいのもメリットといえます。
ただし中学で不登校になっていた人の場合、高校でも不登校になってしまう可能性があります。どのような原因で不登校になったのかを吟味して選択するようにしましょう。
サポートが充実している通信制高校の紹介
通信制高校はサポートが少ないと説明しました。しかし中にはサポートが充実しているところもあるので、いくつか紹介します。
- 興学社高等学院
興学社高等学院の特徴は、充実したケアによって高校卒業資格取得率が100%(平成30年度現在)という驚異の実績を残しているところです。
また卒業生は早稲田大学や明治大学などにも通っています。
- 駿台甲府高等学校
駿台甲府高等学校は駿台予備校グループの通信制高校です。駿台予備校グループなので、授業はもちろん個別指導の質も高いです。大学進学向けの高校と考えられます。
- 一ッ葉高等学校
一ッ葉高等学校は生徒と先生の距離が近いのが特徴の学校です。また学校でのイベントも多いので通いやすいです。
進学実績は京都大学や早稲田大学などがあります。
他にもさまざまな通信制高校があるので、自分に合いそうが学校を探してみてください。いろいろあるので必ず見つかるはずです。
高校に行かない場合の選択肢
「高校に行かない」という選択肢もあります。何もネガティブな選択というわけではありません。
なぜなら高卒認定試験(国家試験)に合格すれば、高校を卒業しなくても大学進学が可能だからです。
ただし簡単に合格できる試験ではありません。そこでおすすめなのが、通信教育を使って自宅で勉強をする方法です。
通信教育には充実したものがたくさんありますので、高校に通うか迷っている人は選択肢の1つに検討してみてください。
高卒認定試験講座について興味のある方は、以下の記事も参考にしてみてください。
高校受験に必要な出席日数についてのまとめ
高校受験に必要な出席日数についてのまとめ
- 高校受験では出席日数によっては不利になる場合がある
- 学校によっては欠席日数が問われないところもある
- 不登校でも定期テストを受けたり行事に参加したりすることは有効
高校受験では調査書の提出が必要で、出席日数や学校での素行などが書かれています。 それによって内申点が決まります。
公立高校では内申点と当日の試験で合否が決まるので、出席日数が少ないと不利になるケースがあるのです。
私立高校では欠席日数が考慮されないところもあるので、欠席日数が気になる人は出席日数を見られないところを探しましょう。
ただし、出席日数だけで合否が決まるわけではありません。定期テストの成績や学校行事に参加しているかどうか、さらに生活態度なども内申に関わってきます。
欠席日数が気になる人は、これらには特に気をつけるようにしましょう。
なお「大学進学のために、高校に通いたい」という人は、何も高校に通わなくても「高卒認定試験」に合格することで大学進学の資格が得られます。
決して簡単ではないので、その場合は通信教育などを用いることをおすすめします。通信教育はいろいろあるので、1つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。