高校受験の推薦入試とは?推薦と一般入試の違いや特徴・推薦に向いている人まで徹底解説
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「高校受験の推薦入試ってどのようなものなの?」
「高校受験の推薦入試って私立と公立で違いはあるの?」
このような疑問をお持ちの方、いらっしゃいませんか?
高校受験が近づいてきている中学生にとって、高校の推薦入試はどのようなものなのか気になりますよね。
推薦入試を利用するためには内申点が非常に重要になるので、日頃からこの点は意識すると良いでしょう。
こちらの記事では、高校受験の推薦入試の仕組みや、推薦入試で課される科目などについて詳しく解説しました!
高校受験の推薦入試についてざっくり説明すると
- 推薦入試では学力試験ではなく人物評価が中心
- 推薦入試の中にも様々な種類がある
- 私立と公立でも課される科目は違うため、志望校の情報をしっかり集めよう
高校受験における推薦入試の基礎知識
高校受験に臨む際には一般入試を受験する人が多く、推薦入試についての理解が浅い人も多いです。
こちらのトピックでは、まずは推薦入試について知っておくべき基礎的な情報を解説していきます。
推薦入試・一般入試の時期や内容の違い
一般入試とは最も一般的な選考方法であり、学力試験を受けてその点数と内申点との総合点で合否を決める入試です。
一般入試は、私立高校であれば例年1月下旬〜2月下旬、公立高校であれば例年2月上旬〜3月上旬に実施されます。
推薦入試は内申点が50%ほどを占めており、面接や集団討論、作文・小論文の点数を加算して合否を決めます。
推薦入試は1月上旬〜2月上旬と、一般入試よりも早い時期に実施されることがほとんどです。
基本的に、推薦入試を受けるためには高校の推薦入試の基準を満たしていることと、中学校の校長の推薦が必要となります。
近年では校長の推薦が不要な自己推薦型入試を行う高校も増えつつあるため、志望校の情報については細かくチェックしておくと良いでしょう。
一般入試に対する推薦入試の利点
推薦入試は一般入試より早い時期に実施するため、合格後は高校の勉強を先取りできるメリットがあります。
また、もし不合格になってしまったとしても、一般入試でもう一度受験のチャンスがあります。
なお、推薦入試では試験当日に学力検査が行われない場合が多く、部活動などで実績があれば内申点が加算され有利になることがあります。
つまり、日頃の学生生活を真面目に送り、様々な結果を残すことが推薦入試では有利に作用するのです。
推薦入試の種類
推薦入試には、一般推薦と特別推薦の二種類があります。
一般推薦
一般推薦の入試では、集団討論や面接、作文・小論文などの科目が行われ、多くの場合学力検査は実施されません。
合否は内申点と入試内容の点数を合計したもので決まるため、集団討論や小論文の対策はしっかりと立てておく必要があります。
調査書(内申点)の割合は5割までと決められている場合が多く、内申点と入試試験の出来が両方とも良いことが求められることになります。
特別推薦
特別推薦は高校の特色によって選考の種目が様々なので、一概にどのような入試かは述べることができません。
スポーツや吹奏楽などの推薦など、ある分野において実績がある学生を対象にした一芸推薦などが行われています。
コンクールでの入賞歴や全国大会入賞などの実績を基準にしている高校もあるため、実績がないと受験資格が与えられない点には注意が必要です。
試験内容は一般推薦とほぼ同じで学力試験は行わない学校が多いですが、実技試験を課す高校もあるためしっかりとチェックしておきましょう。
特別推薦の受験者は同じ高校の一般推薦にも応募できる場合があるので、どうしてもその学校へ行きたい場合はぜひ活用しましょう。
スポーツ推薦の種類や注意点
スポーツ推薦にはいくつか種類があります。
中2~中3の時に実績を挙げた生徒に高校側が直接声をかけるスカウト型、中3秋頃に練習会やセレクションで結果を残して推薦を勝ち取る選抜型、中学校側の推薦と高校側のスポーツ枠の両方を満たして受験する自己推薦型が挙げられます。
スポーツ推薦においては高校でスポーツにおいて成績を残すことが求められており、高校に入ってからは勉強にあまり時間を割くことができず、スポーツ以外にやりたいことがあっても道が狭まってしまうデメリットがあります。
自分の将来やりたいことなどを総合的に踏まえた上で、スポーツ推薦を受けるかどうか決めると良いでしょう。
内申点などの条件は?
推薦入試を受けるためには条件をクリアする必要があり、誰でも申し込めるわけではありません。
推薦基準は各高校が定めていますが、基本的には内申点や出席日数などの日頃の生活態度が非常に重要となります。
中学校側も誰でも推薦してくれるわけではなく、推薦先の高校の一般入試で合格できるくらいの内申点をクリアしている者や、高校が定める出席日数を満たしている者でなければ推薦してくれません。
そのため、推薦入試を視野に入れている場合は内申点が非常に重要な要素であることを肝に銘じておきましょう。
私立と公立の違い
私立高校では、併願の方が単願よりも推薦基準の内申点が高くなりやすい特徴があります。
ほとんどの地域では公立高校を第一志望にする生徒が圧倒的に多く、公立高校の推薦入試は非常に高い倍率になりがちです。
そのため、公立高校の推薦入試に合格することは期待せず、並行して一般入試の学力試験に向けて全力で勉強しておくべきです。
推薦入試の合格基準や合格率
配点や合格基準・合格率は高校によって異なるので、志望校の合格データや試験概要などを事前に細かく調べた上での対策を考えましょう。
なお、推薦入試では内申点が50%、面接やディベートが25%、作文・小論文が25%程度の配点で合否を決定するのが一般的です。
推薦入試の倍率が1.0以下の場合はほぼ合格できる計算になるため、よほどのことが無い限りは合格できます。
しかし、難関私立高校では必ずしもそうではないため、しっかりと試験の対策をして高い得点をマークできるように準備するべきです。
そのほか推薦入試で要チェックなポイント
入試に臨む上で頻繁に出てくる用語があるため、しっかりとその意味を理解しておくことも重要です。
- 単願(専願)
合格したら他校を受験することなく、必ずその高校に入学することを前提に出願することです。
単願する学生は少ないため、倍率は低くなりがちです。
- 併願
合格しても他校を受験することを前提に出願することです。
ただし、「第一志望が不合格だった場合に必ずその高校に入学する」という制約がある方式もあるため、しっかりとチェックしておきましょう。
- まわし合格
コースが複数ある高校において、第1志望のコースに合格できなかったとき、第1志望ではないコースに合格となることです。
願書に第2志望の記入欄がある場合はまわし合格の可能性があるのでしっかりと確認しておきましょう。
- 学区
その高校を受ける条件となる、住所の範囲の指定のことです。
公立高校の場合は「県内に住んでいること」という指定があるケースが多く、私立高校でも「保護者の元から通学可能」などの条件が設けられていることもあるので確認しておきましょう。
推薦入試に向いている生徒・向いていない生徒
こちらのトピックで、推薦入試に向いている生徒・向いていない生徒の特徴について解説していきます。
推薦入試に向いていない生徒の特徴
まずは、推薦入試に向いていない生徒の特徴から紹介していきます。
気持ちの切り替えが苦手な生徒
推薦入試は、当然のことながら不合格になる可能性もあります。
もし推薦入試で落ちてしまった場合は、一般入試に向けて気持ちを素早く切り替えて勉強をしていく必要があります。
そのため、ショックを受けやすかったり、気持ちの切り替えがなかなかスムーズにできない生徒にはあまりおすすめできません。
落ち込んだ気持ちを引きずってしまうと一般入試でも失敗してしまう恐れがあるので、注意が必要です。
その高校以外に志望校がある生徒
推薦入試で合格するには、その高校の一般入試でも合格できるくらいの内申点が要求されます。
そのような生徒は一般入試でも合格できる可能性が高いですが、専願を前提としている場合は、もし合格したらその高校に入学しなければなりません。
つまり、推薦入試で合格したら他に選択肢はなく他の高校を受験することもできなくなります。
学力的に問題がなければ一般入試でさらに高いレベルの高校に合格できる可能性が高いため、その高校にどうしても行きたいという生徒でなければ、推薦入試はあまりおすすめできません。
推薦入試に向いている生徒の特徴
次に、推薦入試をおすすめできる生徒の特徴について解説していきます。
内申点が高い生徒
前述したとおり、推薦入試の配点の50%近くを内申点が占めたり、内申点の点数によって推薦入試の受験資格が与えられることになります。
内申点の高さは合格の重要な要素であるため、内申点の高い生徒は自然と有利になります。
日頃からしっかりと授業や部活に取り組んで内申点に自信がある生徒であれば、積極的に推薦入試の受験を検討すると良いでしょう。
明るくコミュニケーションが取れる生徒
推薦入試では、学力試験ではなく面接やディベートが行われるため、コミュニケーション能力も非常に重要です。
明るくハキハキとした受け答えは面接で試験官に好印象を与えることができるため、コミュニケーション能力に自信がある生徒は推薦入試に向いています。
外向的であったりコミュニケーション能力が高ければ、ディベートで良い発言に繋がり面接でも自分の魅力をきっちりとアピールすることができるでしょう。
思考力の高い生徒
推薦入試でよく課される作文や小論文は答えが一つに定まっておらず、しっかりと自分の考えを分かりやすく伝える必要があります。
つまり、自分の頭で考えて回答する力が求められるため、思考力の高い生徒は推薦入試向きと言えます。
作文や小論文の対策は思考する体力がいるため、日頃から物事に真剣に取り組んだり自発的に考えることができるスキルを磨いておくと良いでしょう。
課題修正が速い生徒
面接や作文は短期で実力を伸ばすことができず、失敗しながら何度も実践練習する必要があります。
フィードバックをもらった上で、良くなかった点を反省して素早く改善できる能力がある生徒は推薦入試に向いています。
また、失敗を恐れずチャレンジできる行動力も必要となります。
このように、課題修正力が高く何事も積極的にチャレンジできる学生は推薦入試を視野に入れると良いでしょう。
推薦入試合格のための対策法
こちらのトピックでは、推薦入試に受かるための対策の心得について紹介していきます。
学校の勉強で絶対に手を抜かない
推薦入試では内申点が非常に重要であるため、学校の勉強に全力で真剣に取り組む必要があります。
内申点で他の受験生に差をつけることができれば非常に有利になるため、推薦入試を視野に入れている学生は日頃の授業を大切にする意識を持ちましょう。
作文・小論文や面接が苦手でも内申点の高さに救われることがあるため、合格の確率を高めることができます。
そのため、学校の授業を疎かにすることなく内申点を意識しておくと、推薦入試を有利に進めることができます。
面接対策は早い時期から
面接が得意だという学生はそこまで多くなく、苦手意識を持っている学生の方が多いでしょう。
面接対策をするにあたって、まずは志望理由書を作ってみると自分の志望理由がはっきりします。
その高校を志望した理由は面接でほぼ確実に聞かれるため、分かりやすく説得力のある志望理由は必ず準備しておきましょう。
志望した理由を、自分の経験や目標などのエピソードを交えながら伝えることで説得力が増し、魅力的な自己アピールとなります。
具体的には、夏休みなどを利用してボランティアなどを行うと面接でのアピールポイントになるため、このような慈善活動は積極的に参加することをおすすめします。
また、実践的な練習を積むためにも夏休み明け頃からは先生に頼み、本番を想定した面接練習をしてもらうと効果的です。
高校受験の面接対策や自己PRのコツに関して知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
作文・小論文の対策法
作文や小論文の対策としては、自分の書き方の型を確立できるように、同じ型で書き続けるトレーニングを重ねることがおすすめです。
多くの練習を重ねることで書くことに慣れてスラスラと自分の意見を書くことができるようになります。
また、合格した先輩の作文や小論文をインターネットや学校で探し、それを読むのも非常に参考になります。
書いた作文や小論文は必ず先生に添削を頼み、もらったフィードバックは次回以降に必ず生かすようにしましょう。
1つのテーマについて3回ほど書き直しをして、ブラッシュアップされた自分のストックを増やしていくことで対応できる論文のテーマが増えていきます。
また、入試の作文や小論文では時事に関する問題が問われることが多いため、新聞にも目を通して時事に敏感になっておきましょう。
世の中の動きを把握した上で自分の意見をまとめておき、実際に文章として書いてみることも有意義なトレーニングとなります。
推薦入試は必ず受かるわけではない
推薦入試は絶対に合格できる保証はなく、むしろ一般入試の他にチャンスが一回増えた「ボーナスステージ」の感覚で捉えておきましょう。
過度に推薦入試に期待してしまうと、落ちてしまったときの気持ちの切り替えに苦労し、その後の勉強にも悪影響が出てしまいます。
そのため、仮に推薦入試に失敗しても一般入試で志望校に確実に合格できるような学力を身に着けることを意識し、努力を続けることを心掛けてください。
推薦入試対策は通信講座の利用を
推薦入試では内申点が非常に重要であるため、学校の勉強に付いていかなければなりません。
また、一般入試でも合格できるように受験勉強を行うことで、その後の試験にも対応できるようになります。
通信教育なら推薦入試のための課外活動などと両立しやすいメリットもあるため、効果的な推薦入試対策をしたい生徒はぜひ利用を検討してみてください。
定期テスト対策や内申点UPに最適な通信教育に関する記事は、以下を参考にしてください。
高校受験の推薦入試まとめ
高校受験の推薦入試まとめ
- 推薦入試を利用する場合、内申点を強く意識しよう
- 私立と公立で違いがあるため、志望校の受験要項は要チェック
- 自分が推薦入試に向くかどうかもしっかり確認しよう
高校受験の推薦入試では様々な試験科目が課されるため、志望校の情報を調べておき入念に対策する必要があります。
また、日頃から内申点を強く意識して、少しでも推薦入試を有利に運べるようにしましょう。
こちらの記事を参考にして、ぜひ推薦入試で志望校の合格を掴み取ってください!