塾なしで大学受験は失敗する?塾の必要性からおすすめ独学勉強法まで東大生が解説!

大学受験のために塾に行くべきか、それとも塾に行かないで独学すべきか、悩んでいませんか。

東大をはじめとする難関大学を目指している方は、「塾や予備校に行かないと失敗するのでは?」「塾に通っている高校生と差がつく」などの心配もあるでしょう。

確かに塾に通えば受験勉強を効率的に行えます。しかし、経済的な負担が大きく、時間的な制約などもあります。

そこで今回は塾なしでの大学受験について、塾の必要性と独学で難関大学に合格する勉強法を東大生が分かりやすく解説します。

この記事をご覧になれば、塾なしの受験は失敗しないかという悩みも解決し、あなたにふさわしい勉強方法が見つかるはずです!

大学受験における塾の必要性をざっくり説明すると

  • 塾に行かないで大学受験する高校生もいる
  • 通塾にはメリットとデメリットがある
  • 塾なしで失敗する受験生には特徴がある
  • 塾なしで受かる独学勉強法がある

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大学受験を塾なしで挑む高校生はどのくらい?

通塾率

最初に塾に行かないで大学受験を目指す高校生はどのくらいいるのか、実態をご説明します。

塾や予備校に通うためには受講料など結構な費用がかかります。「できれば独学して費用を抑えたい」と思う方もいるでしょう。

一方で、受験するからには学校の勉強だけでなく、予備校や塾で勉強を補強する必要があると考える高校生も結構多いです。

高校生の通塾割合・大学受験者に占める通塾者の割合・実際に難関大学に合格した学生の通塾割合の3点について、具体的に見ていきましょう。

高校生の通塾割合

まず塾や予備校に通っている高校生の割合です。下の表は、学校偏差値帯別の学習塾や予備校の利用状況の推移です。

学校偏差値帯 1990年 1996年 2001年 2006年 2015年
45未満 9.3% 12.9% 9.7% 12.6% 15.1%
45以上50未満 19.0% 14.7% 18.4% 22.8% 22.5%
50以上55未満 9.5% 21.8% 16.4% 23.6% 29.6%
55以上 12.1% 14.2% 28.6% 39.1% 35.6%

参考:ベネッセ教育総合研究所「学習基本調査」第5回(2015年)

2001年以降どの偏差値帯も通塾割合は上昇傾向が続いています。

また、2015年には偏差値帯55以上の通塾率が35.6%ともっとも高くなっています。

さらに、学校偏差値が高いほど通塾率も高いことが分かります。

大学受験者の通塾割合

次に、大学受験者で通塾していた学生の割合です。下の表は、大学卒業生に「塾、予備校には通ったか?」と尋ねた結果です。

通っていない 通った
43.1 56.9

参考:大学偏差値マップ(2020.8.13)

アンケートによると、実際に大学に進学した人のうち約6割が「塾や予備校に通っていた」と答えています。

高校生の通塾割合は偏差値55以上でも3割台後半ですから、大学受験者の通塾率は倍近い確率です。

学校だけの授業では足りないと考え塾や予備校に通った学生がかなり多かったことがわかります。

難関大学合格者の通塾割合

次に、難関大学合格者で通塾していた学生の割合です。下の表は、大学を卒業した方に行ったアンケート結果からの引用です

大学名 通塾率
東京大学 79%
早稲田大学 76%
慶應義塾大学 70%
上智大学 77%
明治大学 85%
青山学院大学 84%
立教大学 68%
中央大学 85%
法政大学 66%

参考:スタスタ「アンケート調査(2018年10月)」

大学受験の際に通塾していた学生の割合は7割~8割と高率です。特に東大や早慶などの難関大学合格者はかなりの割合で塾に通っていたことが分かります。

塾に行かないで合格した方ももちろんいますが、MARCHレベル以上の難関大学に合格した人に限れば塾に行っていない学生は2~3割程度に過ぎません。

通塾の必要性

通塾

これまで見てきたように、大学受験をするために通塾する学生は多いです。しかし、塾に行かないで合格している人も少なからずいます。

大学受験のために塾に通うべきか否かは、塾に通う必要性が本当にあるのかをきちんと理解した上で判断すべきです。

通塾にはメリットもありますが、デメリットや注意点がないわけではありません。この章では、通塾のメリット・デメリットを詳しく見ていきます。

通塾のメリット

大学受験に合格するために通塾することには、以下のようなメリットがあります。

友人から刺激を受けて切磋琢磨できる

塾には意識が高い優秀な仲間が多く、懸命に頑張っている様子がよく分かります。自分も負けずに頑張りたいという意欲が自ずと高まるでしょう。

塾の模試も好成績を残したいという動機づけになり、勉強のモチベーションアップに役立ちます。

効率よく実力を伸ばせる

塾や予備校は各大学の過去問などをしっかり研究しています。貴重な受験のノウハウが豊富に蓄積されています。

志望校に合わせた効率のよいカリキュラムを組んでおり、指導の仕方も万全です。確実に力を伸ばしていくことができます。

相談相手ができる

一人きりの勉強では周りがよく見えずに、「どのように勉強をすべきか?」と不安になることもありえます。

塾に通っていれば、勉強の仕方や悩み・疑問を担当講師に聞くことができます。

また塾の友人はライバルですが、同じ目標に向かう仲間でもあります。講師には聞きにくい悩みも相談しやすいでしょう。

通塾のデメリット

塾はメリットがありますが、安易に頼り切るのも考えものです。通塾のデメリットも認識しておきましょう。

両者をよく考えて判断しないと、期待した効果が得られないだけでなく、逆効果になることもあります。

塾に頼ってしまう

塾は勉強の仕方や知らなかった新しい知識を教えてくれます。だからと言って安心して頼り切ってはいけません。

塾での教えが確実に身に付くかは本人の努力次第です。自分自身で学習しようとする意欲・姿勢が不可欠で、塾はあなたをサポートするだけです。

高い費用がかかる

塾は月謝制が多く、比較的安い集団指導でも月額3万5千円程度、年額換算すれば40万円以上になります。

予備校は年額で50万円程度ですから、塾や予備校の費用は思いのほか高額になると考えておいた方がよいです。

部活動等で忙しいと授業に出られないことも多い

塾や予備校の授業時間・カリキュラムは決まっており、部活など自分の都合で時間を変えてもらうことはできません。

学校行事や部活も頑張りたいと思うと、通塾できるのは土日や夏・冬の休暇中に限定されます。受講日が限られると塾のメリットも減少します。

通学の時間がかかる

家の近くによい塾があるとは限りません。塾が学校や自宅から離れている場合は、通塾や帰宅に時間がかかってしまいます。

往復時間の積み重ねは意外と大きく、時間ロスは無視できません。また体力的・気力的にも負担になり、塾通いが億劫で嫌になることもあるでしょう。

塾なしで失敗する受験生の特徴

失敗生

通塾にはメリットとデメリットがあることを理解した上で、自分は独学したいと考える人もいるでしょう。

塾に行かないで合格した人の割合は少ないですが、通塾すれば難関大学に合格できるわけでもありません。

合否を左右するのは、結局のところ勉強の仕方と本人の意欲です。本人が望むなら、塾なしの受験もありです。

ただ、塾なしで失敗する受験生には共通した特徴が見られますので、対策を考えておいた方がよいです。

塾なしで失敗してしまう高校生の特徴を見ておきましょう。

自分の学力が把握できていない

自分の力を知ることは、勉強を計画的に進める上で大事なことです。

通塾していれば塾が学力レベルを教えてくれますが、塾に通っていない人は自分自身で現状を把握する必要があります。

しかし、塾に行かずに独学していると、自分がどのレベルの学力なのかきちんと把握できていない場合が多いです。

学校の定期テストや実力テストが目安になりそうですが、問題内容やレベルが志望校に見合っているとは限りません。

つまり、独学の場合、身近に実力判断の基準となるものがなく、志望校の合格レベルに達しているのか見極めが難しく、受験戦略も立て難いのです。

どんな勉強が必要かわかっていない

独学の場合、志望大学・志望学部についての下調べが思うようにできていないことも多いです。

志望先の出題傾向がよく分からないと、勉強の重点をどこに置くべきかも分からず、効果的な勉強方法を見つけられません。

仮に出題傾向が分かったとしても、問題に応じた適切な対策の立て方や勉強方法を自分ひとりで見つけることは容易ではありません

きちんとした対策の立て方や勉強方法が分からなければ、志望校の合格レベルまで自分の実力を引き上げることも難しくなります。

また、独学の場合、本やネットの情報に頼りがちですが、本の情報やネット情報は最新とは限りません。アップデートされた最新情報を確認することが大事です。

学習の計画が立てられない

独学での学習では、実情に合った適切な学習計画を立て難いです。

志望大学に合格するためには目指す学力レベルと自分の現在のレベルを正確に知った上で、効果的な学習計画を立てて着実に実行していく必要があります。

どの程度の実力をいつまでに身に付けるか、目標をしっかり見定めた上で、勉強の段取りや優先順位を具体的に決めていかなければなりません。

この作業は思うほど簡単なことではありません。自分の実力のレベルは本人には分かり難く、客観的な正確な判断は困難です。

誤った現状認識をもとに適当に勉強を続けているだけでは、決してよい結果は望めません

塾なしで受かるための独学勉強法

独学法

それでは、塾に行かないで志望大学に合格するにはどのように勉強したらよいのでしょうか?

この章では、塾なしで志望校に合格するための独学勉強法をご紹介します。

自分の学力を把握し計画を立てる

まず自分の学力をきちんと把握して効果的な勉強計画を立てることです。上でご説明したとおり学校のテストだけでは難しいことです。

そこで、利用したいのが塾や大手予備校などで定期的に開催されている全国規模の公開模試です。

公開模試の問題は、難関大学の過去問の出題傾向や難易度を考慮して作られています。志望大学別の合格ラインや偏差値、合格可能性も示してくれます。

受験者は自分の実力の現状をかなり正確に知ることができます。絶好の機会ですので、タイミングをとらえて申し込んで積極的に活用した方がよいです。

模試での点数や偏差値などの目標を設定して、達成に向けて勉強することで勉強の意欲や達成感も生まれます。自信をもって勉強を続けることができるでしょう。

独学勉強で重要な学習計画の立て方について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

現在のレベルと志望校に合わせた参考書を選ぶ

次に大事なことは、自分の現在の実力のレベルと志望校の水準に合わせた参考書を選ぶことです。

しかし、参考書は巷にあふれています。参考書の選び方によっては、得られる情報もピンからキリまで様々です。

役に立つ参考書を選ぶ際に絶対外せない大切なポイントを見ておきましょう。

自分の学力レベルより若干レベルが高いこと

参考書は難しすぎればついて行けません。逆に優しすぎると、繰り返し読んでも・いくら練習問題を解いてみても、効果はほとんど上がりません。

要は自分の学力レベルでも頑張れば何とか手が届く範囲の若干上のレベルの参考書・問題集を使うことです。

分かりやすく言うと、ざっと見て3分の1~半分位は理解できるレベルのものを選ぶとよいでしょう。

志望校の入試問題に合わせた参考書であること

参考書の作り方も大事です。入試問題は志望校によって出題範囲や問題の作り方・特徴が異なります。

そのため、過去問を分析してよく出る分野を重点にした参考書や自分の苦手な分野を補強できる問題集を選ぶことです。

幅広い知識を身に付けることもよいですが、今大事なことはあくまでも志望校に合格することです。いくら名著でも、現在の自分に必要でないものは不要です。

十分な解説がある参考書であること

もう1つ大事なポイントは、参考書に十分な解説がついていることです。分からないことを質問できる相手が身近にいないことも独学の難しさの原因だからです。

分かりやすい十分な解説がある参考書や問題集を使えば、その問題点を解消できます。

細かいノウハウなどの知識のインプットを塾に通っている学生と遜色ない程度に近づけられることも、安心感につながります。

モチベーションを維持する

一人で勉強を続けているとストレスが溜まり、勉強が嫌になったり、気力が落ち込むこともあります。そんな時は勉強を続けても効果はありません。

勉強を一時離れて、思い切って気分転換した方がよいです。その方が早くモチベーションを回復でき、勉強の効率も上がります。

しかし「時間がもったいない、勉強が遅れる」と心配して、気分転換に踏み出せない方もいるでしょう。

そこでおすすめしたい気分転換法は、志望校に合格して大学生活を楽しんでいる自分の姿を思い描くことです。

志望校のパンフレットを時々眺めたり、合格体験記を読み返すことも、手軽でよい息抜きになります。

勉強の先に待っている楽しいゴールを思い浮かべることで合格への意欲がわき、勉強のモチベ―ションも確実にアップするでしょう。

勉強時間の確保

勉強時間の確保も独学の大事なポイントです。

塾に通っていれば勉強時間を確実にこなすことができますが、ひとりで勉強していると時間がルーズになりがちです。

特に家で勉強している時は、家族が何をしているかと気になったり、話の輪に入りたい、一緒に遊びたいと思うこともあるでしょう。

家族に支えられて自分のペースで勉強できることは有り難いことですが、勉強に集中し難い面があるのも事実です。

周囲が気になる時は、図書館や学校の図書室などの落ち着いて勉強できる場所を見つけて活用してみましょう。

例えば、学校帰りなど一定の時間帯は近くの図書館で勉強すると決めておくのもよい方法です。そうすれば、ある程度計画的に勉強時間を確保できます。

忙しい高校生の受験勉強は通信教育

忙しい高校生の受験勉強におすすめなのが通信教育です。通信教育ならスキマ時間に必要なところだけに絞り集中的に勉強できます。

また、スマホやタブレットで質の高いオンライン授業を受けられる通信教育も増えているので、通塾よりもこちらの方が性に合ってる人もいるでしょう。

通信教育だけで大学受験を成功させた例も多いので、塾に通う以外の選択肢としてしっかりとチェックしておきましょう。

大学受験での塾の必要性まとめ

大学受験での塾の必要性についてまとめ

  • 難関大学合格者の通塾割合は高い
  • 通塾は効率的に実力を伸ばせるなどメリットが大きい
  • 塾なしで失敗する受験生は学力を把握できていないなどの特徴がある
  • 学力把握・参考書選び・モチベーションの維持などが独学勉強法のポイント

大学受験での塾の必要性と塾なし独学の勉強法について説明しました。

通塾には大きなメリットがありますが、塾なしで難関大学を突破した人も少なからずいます。

塾なし合格のための勉強法はいくつかありますが、通信教育の活用もよい方法です。

そして何よりも大事なことは合格への意欲をしっかり持ち続けて日々努力することです。この記事を参考にして自分なりの学習方法を見つけて、前向きに勉強に励みましょう。