[早慶合格者が解説]早稲田大学商学部の難易度は?偏差値や倍率・対策法まで紹介!
「早稲田商学部の難易度はどのくらい?」
「偏差値や倍率は?合格するにはどのような対策をするべき?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
早稲田大学商学部は私立文系のトップ学部の一つです。
他学部との併願や国立大学の滑り止め受験が多いので、倍率が高く、合格の難易度は比較的高いと言えるでしょう。
今回は早稲田商学部の難易度について、早慶の合格者である筆者が、偏差値や倍率、対策法などを解説します。
これを読んで、志望校を決める上での参考にしてください。
早稲田商学部の難易度についてざっくり説明すると
- 偏差値は70、倍率は10倍前後と大人気学部
- 試験問題自体はそれほど難しくない
- TOEFLや英検で加点されることも
- キャンパスの雰囲気はよく、就職にも強い
早稲田大学商学部の難易度は?
早稲田大学商学部の難易度はどのくらいなのでしょうか。以下では偏差値や併願状況などについて解説します。
早稲田大学商学部の偏差値は70
河合塾の入試データベースによると、早稲田大学商学部の偏差値は70です。偏差値は早稲田の他学部や慶應義塾大学の主要学部と同等であり、私立大学では最難関の難易度であると言えるでしょう。
また近年は東大や京大などの国立大学の受験者が、早慶を滑り止めとして受験するケースが増えており、中でも就職に強い商学部の人気は非常に高まっています。
※偏差値は執筆当時のものになりますので、最新情報は河合塾の公式サイトをご覧ください。
早稲田の他学部と比較
早稲田の他学部と商学部を比べると、法学部や政治経済学部、社会科学部などと商学部の偏差値はほとんど変わりません。
しかし、試験問題自体の難易度に関しては法学部などの方が上です。商学部は基本的な問題が多いため、正答率重視の学部だと言えるでしょう。
一方で教育学部や文化構想学部などと比較した場合は、商学部の方が偏差値が高いです。文化構想学部は問題に癖があるという点では難しいですが、問題の質としてはやはり商学部の方が上だと言えるでしょう。
商学部は特に併願が多い
商学部は、早稲田の看板学部とも言える法学部や政治経済学部などと比べると、問題の難易度が低く、癖のないオーソドックスな出題が多いので、滑り止めを含めた併願先として人気です。
また商学部は早稲田の他学部や他の私立大学に比べると、試験日程が後ろなので、試験日が被らないということも多くの受験者を集める要因となっています。
国立受験生の滑り止め
併願で商学部を受験するのは、私立大学狙いの受験生だけではありません。東大や一橋などの国立大学の志望者が、滑り止めとして受験するケースも多いです。
国立志望であっても、国立一本ではリスクが高いので、レベルの高い受験生が早慶を第2志望とするケースは数多く見られます。
その中でも早稲田商学部は人気なので、受験者レベル及び倍率は比較的高いです。
早稲田大学商学部の入試形式・科目・合格最低点について
続いては早稲田大学商学部の入試形式や科目、合格最低点などについて解説します。
英語・国語・地歴政数の3科目
早稲田商学部では、2021年度から一般入試の方式が変更されました。
従来までは「英語・国語+地歴政数の中から1つ」という方式でしたが、2021年度以降は「地歴・公民型」「数学型」「英語4技能テスト利用型」の3方式で受験者の選抜が行われます。
「地歴・公民型」は、外国語・国語に加えて、世界史・日本史・政治経済のうち一つを選択するという方式で、外国語80点・国語60点・地歴公民60点という配点です。
この方式には従来と同様、英語の比重が大きいという特徴があります。
一方で「数学型」では外国語・国語・数学の3科目で選抜が行われ、配点は各科目60点ずつです。
TOEFLや英検で加点が得られる方式も新設
英語4技能テスト利用型は、従来の試験方式にTOEFLもしくは英検をプラスした新しい方式です。
TOEFLや英検で一定以上の成績を収めれば、外国語(80点)、国語(60点)、地歴・公民・数学から1科目(60点)の合計点に、5点が加点されます。
なお、TOEFL iBTの71以下、英検2級以下は、この方式には出願することができません。
旧方式の平均点をチェック
参考までに、英語(80点)、国語(60点)、日本史・世界史・政治経済・数学から1科目(60点)という方式で実施されていた2020年度以前の平均点をみてみましょう。
科目 | 英語 | 国語 | 日本史 | 世界史 | 政治経済 | 数学 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | 44.789点 | 31.131点 | 30.655点 | 36.479点 | 30.244点 | 9.919点 |
2018年 | 36.775点 | 36.663点 | 38.107点 | 40.050点 | 31.700点 | 12.850点 |
2019年 | 39.559点 | 37.676点 | 38.029点 | 40.008点 | 22.604点 | 16.226点 |
2020年 | 44.227点 | 38.011点 | 33.801点 | 40.227点 | 26.627点 | 9.504点 |
得点調整も行われる
上記を見ると、日本史〜数学では得点にかなりのばらつきがありますが、それらの科目では成績を標準化するための得点調整が行われるので、選択科目の難易度によって有利・不利が出ることはありません。
得点調整の正式な方法は公表されていませんが、調整によって公平性が担保されることは確かです。よって新方式の「地歴・公民型」でも自分が得点しやすい科目を選ぶと良いでしょう。
合格ラインは63~65%
商学部の合格ラインは例年63〜65%程度で、これは早稲田の他学部よりも高い水準です。以下では2015〜2020年までの合格ラインを紹介します。
年度 | 満点 | 最低点 | 得点率 |
---|---|---|---|
2015年 | 200点 | 125.700点 | 62.9% |
2016年 | 200点 | 128.400点 | 64.2% |
2017年 | 200点 | 128.600点 | 64.3% |
2018年 | 200点 | 130.550点 | 65.3% |
2019年 | 200点 | 129.250点 | 64.6% |
2020年 | 200点 | 127.450点 | 63.7% |
受験者数は毎年1万人を超える
早稲田商学部は大人気の学部なので、例年1万人以上が受験します。以下では2015〜2020年までの受験者数と合格者数、倍率を確認してみましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
2015年 | 11,494人 | 1,514人 | 7.6 |
2016年 | 12,474人 | 1,325人 | 9.4 |
2017年 | 12,993人 | 1,190人 | 10.9 |
2018年 | 12,955人 | 1,028人 | 12.6 |
2019年 | 11,793人 | 1,042人 | 11.3 |
2020年 | 10,261人 | 1,154人 | 8.9 |
倍率は高い?
上記を見ると、商学部の倍率は10倍を超えることが多いので、かなりの高倍率だと言えるでしょう。
先述したように、商学部は併願や滑り止め受験が多いということが、倍率の高さの一因だと考えられます。
なお、商学部の倍率は早稲田の他学部と比べても高い部類に入りますが、社会科学部に関しては商学部よりもさらに倍率が高いです。
早稲田大学商学部に受かるための対策法
ここからは早稲田大学商学部に合格するための勉強法について解説します。
商学部は正答率が重要
先述した通り、早稲田商学部の問題の難易度は、法学部などの他学部と比べるとそこまで高くありません。
しかし、倍率・合格ラインがは非常に高いため、商学部に合格するには高い正答率が必要になります。
また商学部は問題数も非常に多いため、解答スピードを高めたり、時間配分の戦略を練るなどの対策もしなければなりません。
なお、問題演習には人間科学部や教育学部をはじめとする他学部の過去問も利用すると良いでしょう。
英語の勉強方法
商学部の英語はそれほど難しくありませんが、問題量に対して試験時間がかなり短いので、速読を含めた解答スピードが必要になります。
また日本語・英語両方の記述問題も出題されるため、記述の練習もしておかなくてはなりません。記述式を落とすとかなり不利になるので、苦手は場合は入念に対策をしておきましょう。
ちなみに試験は、長文問題4題+会話文問題1題という構成です。
国語の勉強方法
商学部の国語は、早稲田の全学部の中でも簡単な部類に入ります。時々違う構成になることもありますが、基本的には現代文1題・古文1題・漢文1題という構成のオーソドックスな試験です。
よって基礎がしっかりと固まっていれば問題なく合格点を取れるでしょう。
ただし英語同様、試験時間の設定はタイトなので、時間配分や解答スピードを意識して対策を進めるのがおすすめです。
世界史の勉強方法
世界史に関しては比較的ハイレベルです。大問が全部で4題で、最後の大問では80〜120字の論述を含む記述式の問題が出題されます。
よって自分で説明できるレベルまで理解を深めつつ、それぞれの用語をしっかり書けるようにしておかなければなりません。
また他の大問では正誤問題が出題されますが、それらはかなりのハイレベルです。
あやふやな知識では対応することができないので、過去問演習でどのような理解が必要になるのかを確認した上で、知識を深めておきましょう。
日本史の勉強方法
世界史同様、日本史も比較的難易度が高い試験です。
かなりわかりにくい正誤問題が多数出題され、世界史の最後の大問のような記述式・論述式の問題もあるので、やはり自分で詳しく説明できるレベルの深い理解が必要になります。
特に歴史科目では差がつきやすいと言われているので、「これくらいの勉強で良いや」と妥協することなく、完璧を目指して対策を積みましょう。
政経の勉強方法
世界史・日本史とは打って変わって、政治経済の難易度はそれほど高くありません。基礎問題が大半を占めるため、共通テスト(旧センター試験)レベルの問題をいかに確実に取っていけるかが重要になります。
よってまずは共通テストレベルの基礎をしっかり固めることに専念しましょう。全体的な正答率が高い分、1問のミスが命取りになりかねないので、基礎は十分すぎるくらいに固めておくべきです。
また毎年出題される時事問題の対策もしなければなりません。そのため、特に入試が近づいてきた頃には、新聞を毎日読むなどして時事問題への関心・理解を深めておくのが良いでしょう。
数学の勉強方法
商学部の数学は、早稲田の文系学部はおろか、他の難関大学の理系学部と比べても、トップレベルに難しいと言えます。
大問1では答えだけが採点されますが、大問2、3では途中式まで見られ、どの問題も非常にレベルが高いので、しっかりと対策をしなければなりません。
なお、具体的な対策法としては、過去問を解いた上で全てを完璧に解けるように復習を行うという作業を繰り返すのが良いでしょう。
また出題範囲は非常に幅広いため、苦手な単元に関しては、それがマイナーな単元であっても、特訓して弱点を克服しておくのが無難です。
商学部の勉強の流れ
以下で商学部に合格するためにはどのような流れで勉強するのが良いかということについて解説します。
まず夏休み中に各科目の基礎を固めましょう。例えば英語なら基本的な英単語や文法をマスターし、標準レベルの長文問題は解けるくらいのレベルにしておくのがおすすめです。
なお、英単語に関しては難関大学レベルの難しい単語帳で暗記学習を行い、長文については800〜1,000語程度の比較的長い英文をスピード感を持って読みこなせるように練習しておくのが良いでしょう。
ただし、商学部の英語はそれほど難しくないため、夏休み以降も含めて、商学部に特化した対策というのはそれほど行う必要はありません。
早稲田の他学部や他の難関大学の対策をするなら、その対策で商学部の英語もある程度カバーできるでしょう。これは国語に関しても同様です。
一方で歴史科目に関しては非常にハイレベルなので、基本的な用語などを暗記することはもちろんのこと、各語句の意味を時代背景などを含めて詳しく説明できるくらいのレベルまで理解を深めておくのが良いでしょう。
また夏休み以降は過去問演習を行うべきですが、その際は早稲田の他学部(社学・教育・文学・人間科学など)の過去問も合わせて活用するのがおすすめです。
商学部を目指すなら通信教育や予備校の活用がおすすめ
早稲田大学をはじめとして慶應義塾大学などの難関大学を目指す方は、ぜひ通信教育や予備校を積極活用して学習を進めていきましょう。
早慶入試は、入試傾向が独特である場合が多く、独学で対策を進めると独特の入試傾向に柔軟に対応することが難しいケースが一般的です。
通信教育や予備校では、多くの場合早慶対策に特化したコースが開講されており、そちらのコースを受講することで早慶入試独特の傾向をつかみながら、合格に向けた実力をスムーズに身に付けることができるのです。
お近くに予備校があり、直接講師の指導を請いたい方は予備校を、地方の方や部活で忙しくて時間がない、費用を安く抑えたいなどの希望をお持ちの方は、通信教育を選択して対策を進めることをおすすめします。
以下の記事では、通信教育・予備校各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
早稲田大学商学部の大学生活と就職先
ここからは早稲田商学部のキャンパスライフや卒業後の進路について解説します。
商学部は早稲田キャンパスにある
早稲田大学には様々なキャンパスがありますが、商学部のキャンパスは早稲田キャンパスなので、高田馬場駅や早稲田駅から向かうことになります。
高田馬場駅から早稲田キャンパスまで歩くにはやや時間がかかりますが、このルートは早稲田の学生から「馬場歩き」として親しまれているそうです。
さて、学部内の交流に関してはクラスで友達ができることが多いでしょう。一方で他学部との交流はサークルなどが中心となります。
また早稲田大学は留学生の数はトップレベルに多いため、海外から来ている学生と関わることも可能です。
加えて商学部は国際教養学部と同じ建物なので、グローバルな雰囲気だと言えます。
よって、特に留学を検討している人は、キャンパス内で簡単に国際交流ができ、英語の練習もできるので、良い環境と言えるでしょう。
キャンパスは綺麗で明るい
早稲田キャンパスは学生・キャンパスの雰囲気ともに明るく、建物も非常に綺麗です。建物の綺麗さに関しては学部によってはハズレもありますが、幸い商学部は当たりだと言えます。
ちなみに商学部の建物は高いビルなので、眺めも良好です。
またキャンパス周辺には学生向けの安価な飲食店が立ち並んでおり、そこでお腹をいっぱいにすることができます。
商学部の大学生活
商学部はその名の通り、商学についての教育・研究が行われるところなので、経営やマネジメントなどを本格的に学びたいという方におすすめです。
なお、商学部は法学部や政治経済学部などに比べると楽な学部に思われがちですが、試験に関しては結構きついと言えます。
しかし、レポートは少なく、先輩からのサポートや学部内の情報共有などもあるので、それらを有効活用すれば問題なく乗り切れるでしょう。
ちなみに商学部では数学が必修科目なので、数学があまり得意でない方は要注意です。
また卒論は任意であることが多いので、卒論を書かずに卒業する学生もたくさんいます。
商学部生はチャラい?
「チャラ商」などとも呼ばれる早稲田の商学部には、チャラい人が多いです。しかし、公認会計士や税理士を目指して真面目に勉強している学生もたくさんいます。
ちなみに男女比は6.5:3.5であり、男子学生の方が多めです。
早稲田商学部の就職先
早稲田商学部は就職に強い学部であり、卒業生の多くは金融業界や広告業界をはじめとする様々な業界に進出していきます。
また早稲田商学部は企業のトップマネジメントである社長や会長などを数多く輩出している学部でもあるため、将来責任あるポストで働きたいと考える方にもおすすめです。
さらに商学部では中学(社会)と高校(地歴・公民・商業)の教員免許を取得することもできます。加えて学生が中心となって「公認会計士講座」を運営するなど、資格取得にも積極的な学部です。
進学先は主に3種類
一部の学生は就職ではなく、進学を選択します。ちなみに早稲田商学部の直系である大学院は、商学研究科、会計研究科、経営管理研究科の3つです。
商学を専門的に学んで研究者を目指すなら商学研究科、公認会計士など会計の専門家を目指すなら会計研究科が良いでしょう。
一方でビジネスの実務について学びたいなら経営管理研究科がおすすめです。こちらではMBAの取得も目指せます。
早稲田商学部の難易度まとめ
早稲田商学部の難易度まとめ
- 併願が多いので倍率が高い
- 問題は簡単だが高い正答率が求められる
- 科目によって問題のレベルが異なるので注意
- 得点調整もあるので得意科目を選択して問題ない
早稲田大学商学部の難易度について解説しました。
早稲田商学部の偏差値は70なので、偏差値という点ではかなり難しいと言えるでしょう。
また試験問題自体は他学部よりも簡単ですが、国立受験の滑り止めを含め併願が多い学部なので倍率が高く、合格するには高い正答率が必要になります。
よって総じて合格するのは比較的難しい学部であると言えるでしょう。
以上を参考に、早稲田商学部を受験するかどうかを検討してみてください。