【幼児向け】子供に伝わる言葉かけのポイントは?保育士を参考に方法・注意点を解説
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「幼児の我が子にどのような言葉かけをすれば良いのだろう?」
「子供への言葉かけが今のままで良いのか不安」
このような悩みを抱えている人はいませんか?
幼児教育に正しい言葉かけが重要なのは分かっているものの、実際にどのような言葉かけをすれば良いのか分からなくて悩む人は多いでしょう。幼児への言葉かけに悩んでいる人は、幼児教育のプロである保育士の方法を参考にするのがおすすめです。
そこで今回は幼児教育における言葉かけの重要性や、言葉かけする際のポイントと注意点などを分かりやすく説明します。この記事を読めば、幼児にどのような言葉かけをすれば良いのかが分かるはずです。
幼児への言葉かけについてざっくり説明すると
- 保育士が意識していることや、使用しているスキルを参考にしよう
- 幼児への言葉かけは子供に伝わりやすい表現を選ぶことが大切
- 他の子と比較する、脅かすなどの言葉かけはやめよう
幼児教育における言葉かけの重要性
言葉かけは幼児教育にとって非常に重要で、子供の学習意識や心の成長などに良くも悪くも影響を与えてしまいます。
しかしどのような言葉かけをすれば良いのか、自分で答えを導き出すのは難しいですよね。そんなときは幼児教育のプロである保育士の言葉かけスキルを参考にしてみましょう。
保育士は幼児教育のプロ
保育士は幼児教育のプロであり、専門家であると言えます。言葉かけの重要性を十分に把握しているため、日ごろから幼児たちと接する際には言葉かけに十分に気を遣っています。
もちろん幼児へ正しい言葉かけをするために、勉強したり情報収集したりもします。保育士たちが普段幼児たちと接する際に意識していることや使用している言葉かけスキルは、家庭で親が子供に言葉かけをする際にも生かせます。
ぜひ保育士のテクニックを参考にして、家庭内での子供への声かけや言葉かけに取り入れてみましょう。機会があれば保育士が日ごろどのように幼児と接しているかを観察するのもおすすめです。
言葉かけの効果
心理学には「ピグマリオン効果」というものがあります。これは「人は期待されるとそれに答えようと思って意欲が湧き、成果を出しやすくなる」というものです。
会社や学校生活で活用されることもありますが、子供に対してもピグマリオン効果を利用して成果が出たという実験結果は多く報告されています。ピグマリオン効果を意識して言葉かけを行うことで、子どものモチベーションを高く維持できることが期待できます。
ただし「期待してるよ」と直接伝えるだけではいけません。特に幼児の場合は「〇〇くんならできるよ」のように優しく寄り添うような言葉かけをしましょう。過剰に期待を掛けるのは逆効果になるので気をつけましょう。
言葉かけだけでなく態度も大切
幼児への言葉かけはとても大事ですが、決してかける言葉だけに気を遣えば良いということではありません。例えば褒められるときに相手が怒った顔をしていたり、どこかを向いたままだったりしたら嬉しくないですよね。子供だって同じことを感じます。
態度は言葉よりも多くの情報を伝えることがあるため、言葉だけでなく態度もセットにして考えるべきです。幼児に言葉かけをするときはうわべだけで伝えるのではなく、しっかり子供の目を見ながら言葉に気持ちを込めましょう。
また子供は親の真似をして育ちます。「こんな子に育ってほしい」という理想像があるなら、まずは親がしっかりと体現して見本となることが大切です。
子供に伝わりやすくする言葉かけ
幼児への言葉かけの重要性は分かったものの、具体的にどのように行えば良いのか分からないという方もいるでしょう。ここからは具体的な幼児への声かけ方法を紹介します。
具体的にわかりやすく話す
子供に対してつい「早く片づけて」「しっかりして」のように言っていませんか?幼児の多くは「早く」や「しっかり」などの抽象的概念がうまく掴めません。
幼児に抽象的な言い方や教え方で繰り返し伝えても、子供は何をしたら良いのかが分からないため、うまく行動できないのです。
「早く片づけて」ではなく「時計の針が〇の数字を指すまでに片づけよう」のように具体的に伝えましょう。また勉強をするときも「勉強しよう」ではなく「このプリントをしよう」のように具体的に伝えるのがおすすめです。
知的好奇心をくすぐらせるプラスな言葉かけをする
子供の好奇心や探求心を育てるためには、子供が「知りたい」「やってみたい」と思うような言葉かけが大切です。
逆に子供が何かを知りたがっているときや、子供に何かを教えているときに「そんなことも知らないのか」「こんなことも分からないのか」と責めるような教え方をするのはやめましょう。
子供が興味を持ったことを子供自身に調べてもらいたいときには「〇〇くんはなんだと思う?」と聞いてみたり、得た知識を話してきたときは「そうなんだね」「もっと教えて」とポジティブに答えたりして、興味を引き出しましょう。
ゲーム感覚で伝えてあげる
子供の好奇心ややる気を刺激するために、ゲーム感覚で挑戦できるような声かけをするのも効果的です。幼児期の教育には競争やゲームを取り入れることが非常に重要ですし、好きな子供が多いです。
兄弟がいるなら「どっちが早く片付けられるかな?」と言ってみたり、「お母さんとどっちが早く着替えられるか競争しよう」と誘ってみたりして、上手に競争心をあおってあげましょう。
子供に何かしてほしいときや、素早く行動してほしいときなどにゲーム感覚で取り組めるような声かけをすれば、競争心が刺激されて自分から動いてくれる可能性が高まります。
子供の言葉を口に出して共感する
子供は気持ちを理解してくれない大人に対して警戒心が強くなる傾向があります。逆に子供の気持ちに寄り添うことで、自己肯定感を高められます。
そのためには子供の気持ちを読み取って代弁してあげることが大切です。例えば怪我をしたときは「痛かったね」や「怖かったね」、怒ったり泣いたりしているときは「〇〇の方が好きなんだね」「〇〇はしたくなかったんだね」のように言葉かけしてあげましょう。
子供はまだ自分の気持ちを上手に伝えられません。積極的に親が子供の気持ちを読み取って代弁してあげましょう。
子供のわかる言葉を選んで話す
幼児期の子供は知っている言葉がまだすごく少ないです。そのため子供にとって少しでも難しい言葉を使ってしまうと困惑してしまうことがあります。
子供への意思疎通をスムーズに行いたいなら、子供が理解しやすい単語や表現を選んで話すように心がけましょう。
適度に褒めてあげる
幼児期に親から褒めてもらえると子供にとって成功体験になります。このような小さな成功体験を積み重ねることは子供にとって大きなモチベーションとなり、苦手意識を抱きにくくなります。
結果を褒めるよりも頑張った過程を褒めるのがおすすめです。例えば子供が自分から調べたり、考えて行動したりしたときは必ず褒めてあげましょう。質問されたときも「分からないことをしっかりと知ろうとして偉いね」のように細かいことにもしっかりと目を向けて褒めてあげるのが大切です。
ただしなんでも褒めれば良いというわけではありません。何事も限度が大切なので、なんでもかんでも褒めたり甘やかしたりすることがないように気をつけましょう。
感謝の気持ちも伝える
子供が手伝いをしてくれたときや気遣いを見せてくれたときなどに、「ありがとう」や「助かったよ」のように感謝の気持ちや嬉しいという気持ちをしっかりと伝えてあげることも非常に大切です。
自己肯定感の向上にも繋がる
褒められることと同じように、感謝の言葉を伝えられることも子供にとっての成功体験になり、自己肯定感を高めるのに役立ちます。先ほども触れましたが、成功体験を積み重ねることや自己肯定感を高めることは幼児教育をする中でも大切なことです。
自己肯定感が高ければ、子供が自分自身を素直に受け入れやすくなり、自信を持ちやすくなります。さらに良好な人間関係を築きやすくなるという効果も期待できます。
親が子供にやってはいけない言葉かけ
親が子供にやってはいけない言葉かけの例も見てみましょう。やってはいけない言葉かけの具体例が分かることで、どのような言葉かけをすれば良いかのヒントになるはずです。
他人と比較するような言葉かけ
褒めることは大切だと言いましたが、友達や兄弟など他の子供と比較して褒めるのはやめましょう。 そもそも褒める場面だけではなく、日ごろから比較するような表現をするのは良いことではありません。どちらかを褒めているようで、実はもう一方の子供に劣等感を抱かせてしまう可能性が高いからです。
「他の友達との比較なら誰も傷つかないのでは?」と思うかもしれませんが、人と比較されることで優越感を抱いたり、競争心が強くなりすぎたりするなどの悪影響を与えてしまう可能性があるのでやめましょう。
また「〇〇ちゃんはできるのにね」や「お兄ちゃんはできたよ」のように他人と比較すると、子供は傷つき自信をなくしてしまう可能性があります。気をつけましょう。
子供を脅かすようなマイナスな思考に持っていく言葉かけ
「早く寝ないとオバケが出るよ」や「薬を飲まないと治らないよ」のような言葉かけはついやってしまいがちですが、このような言葉かけは脅しになり、子供に恐怖心を抱かせてしまいます。言い続けると恐怖心が大きくなりすぎて、なにもできない子になってしまう可能性があるのでやめましょう。
これは仕事として幼児の相手をすることが多い保育士や小児科病棟の看護師の中でも、絶対にやってはいけないタブーとされています。
またこのような言葉かけは子供の自主性や主体性を奪うことに繋がりやすくなります。恐怖心でコントロールしようとするのではなく、子供の主体性を伸ばすような言葉かけを心がけましょう。
否定的な言葉で叱る
「そんなことしたらダメでしょ!」「なんでできないの!」のような否定的な叱り方は、子供の自尊心を傷つけてしまうため絶対にやめましょう。否定的な言葉で叱られた子供は、存在を否定されたと感じて自信をなくしてしまうことがあります。
例えば食事中の子供が落ちそうな位置にコップを置いている場合「こっちに置かないとこぼれるでしょ!」「なんでもっと広いところに置かないの!」と注意しがちです。
しかし「コップが落ちそうだけど、どこに置いたら良いと思う?」や「真ん中に置いてみようか」のように子供が自分で考えられるような言葉や、優しい教え方で伝えた方が子供が素直に聞いてくれる可能性が上がります。
乱暴な言葉遣いをする
子供は大人が思っている以上に親や周りの大人の言動を見ています。そして親や大人の言動を参考にしながら育ちます。親がどんなに「子供を賢い子に育てたい」「良い子に育ってほしい」と思っていても、親が乱暴な言動を繰り返していると子供も親の悪い言動を真似します。
自分のことを棚に上げて「子供には優しい子になってほしい」「良い子になってほしい」と願っても、日頃から親や周りの大人が乱暴な言動をしていると正しい言葉遣いや優しい行動を身につけるのは難しいです。
まずは親が自分の言動や態度を見直して、子供の見本となれるように意識して行動することが大切です。
言葉かけするタイミングで気をつけたいこと
幼児への言葉かけはタイミングも大切です。例えば子供が一人で集中して遊んでいるときには、可能な限り静かに温かく見守りましょう。
子供の背後から「すごいね」「なにやってるの?」などと突然話しかけたり、「こっちのおもちゃで遊びなさい」のように他のことに注目させようとするのはおすすめできません。
褒めるときもタイミングが重要です。あまりに時間が経ってから褒められると、子供はなんのことを言っているのか分からなくて混乱することがあります。子供の良い面を見つけたら、できるだけ早くその場で褒めてあげるようにしましょう。
幼児への言葉かけについてまとめ
幼児への言葉かけについてまとめ
- 子供の自尊心を育てたり、自己肯定感を高められるような言葉かけを心がける
- 幼児にも伝わりやすいように、分かりやすい言葉で具体的な教え方をしよう
- 良い子に育ってほしいと思うなら親が自分自身の行動を見直して、子供の手本となれるような言動を心がけよう
幼児に言葉かけをする際は、分かりやすい単語や具体的な表現を使って子供に伝わりやすい表現をするように心がけましょう。子供の気持ちに寄り添いつつ、子供の自尊心を高めたり、知的好奇心を刺激したりするような言葉かけをするのがおすすめです。
何かをやってほしいときや注意するときは、他の子供と比較したり否定するような表現を使ったりするのは厳禁です。
親の言葉かけ次第で子供を伸ばすことも傷つけることもできます。子供への言葉かけでなく、親としての日頃の言動にも気を遣って子供に良い影響を与えられるように意識することも大切です。