中学生の読書感想文の書き方は?簡単に書くコツや丸写しのリスクまですべて解説!
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「中学生の読書感想文の書き方って?」
「簡単に書くコツはある?コピペや丸写しはリスクが大きい?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
中学生、特に中1では読書感想文の宿題が出されることも多いです。しかし、その書き方はいまいちわからないという方もいるでしょう。
今回は中学生の読書感想文の書き方について、簡単に書くコツやコピペ・丸写しのリスクなどを含めて解説します。
以下で紹介する書き方を参考に、自分なりのより良い読書感想文を書き上げてみましょう。
中学生の読書感想文の書き方についてざっくり説明すると
- 構成などをしっかり考えた上で書き始める
- いきなり原稿用紙に書かず、まずはパソコンで書くのがおすすめ
- コピペや丸写しは厳禁
読書感想文を書き始めるまでの準備
まずは読書感想文を書き始めるまでにするべき準備から解説します。
感想文作成時に必要なもの
読書感想文を書く前に必要なものや作業は以下の通りです。
必要なもの | 理由 |
---|---|
題材となる本 | これがないと始まらない |
提出事項の確認 | 文字数(2000字以内が一般的)や課題図書の有無など、事前に決められたルールを確認する |
パソコン | 下書きはパソコンに書くと、字数の確認や誤字脱字のチェックがスムーズに行える |
鉛筆(シャーペン)と消しゴム | 普段使いの慣れているものが良い |
原稿用紙 | モチベーションを上げるために新しいものを多めに用意しておくのがおすすめ |
感想文に使う本の選び方
良い読書感想文を書こうとするあまり、読書と作文を楽しめないという人も多いですが、ある程度は楽しまないと良い文章にはならないでしょう。
よって感想文に使う本を選ぶ際は、興味を持って読み切れそうか、共感できるかなどに着目して、自分が「読みたい」と思えるものを手に取るべきです。
それぞれの年齢や趣味によって興味関心の対象は様々でしょうから、読書感想文としての体裁を気にする必要はありません。
どんな本からでも良い感想文は生まれます。特に学校からの指定がないならノンフィクションを選んでも良いでしょう。
課題図書
読みたい本がどうしても見つからないという場合は、毎年開催されている青少年読書感想文全国コンクールの課題図書を参考にしてみましょう。
課題図書は同世代の心を動かすようなものが多いので、比較的読みやすく、書きやすいはずです。ちなみに20211年の課題図書(中学校の部)は以下の3冊です。
- with you(ウィズ・ユー)
- アーニャは、きっと来る
- 牧野富太郎:日本植物学の父
まずは目次を確認
本を決めたら、いきなり読み始めるのではなく、目次を読んで全体像を把握するのが良いでしょう。
目次で分けられているところは、話や場面、状況の変わり目となっているため、目次の章立てを意識して読むことで内容がより把握しやすくなります。
良い読書感想文を書くための重要ポイントを逃さないようにするためにも、目次にきちんと押さえておきましょう。
物語の起承転結を把握する
小説であれ、ノンフィクションであれ、物語は起承転結の構成になっていることが多いです。読書感想文で自身が感じたことや考えたことを書いていく際も、その構成を踏襲するのが良いでしょう。
物語の結末に関する感想だけを書くのではなく、その発端や山場の感想や状況説明を盛り込むことで、文章に説得力や迫力を持たせることができます。
よって本を読む時は、物語の流れをメモしたり、図にまとめながら読み進めるのが良いでしょう。
ドラマ化やアニメ化もチェック
話題のなっている本であれば、ドラマ化や映画化、アニメ化されていることも多いです。よって本を読む前にそうした映像作品をチェックするのも良いでしょう。
先に内容を把握しておくことで本が読みやすくなるため、特に読書が苦手な方にはおすすめです。
ただし、原作とドラマなどでは結末や展開が微妙に違っていることもあるので注意しましょう。
読書感想文のつまずきやすいポイント
読書感想文を書く際には以下のような点でつまずくことが多いです。
- 本の選び方がわからない
- 何を書けば良いのかわからない
- 起承転結をうまく書き分けられない
- あらすじを長く書き過ぎてしまう
これらの問題を解決するには、上記で解説した内容やこれから説明することを参考にしてください。これら全てを改善できれば、必然的に良い読書感想文になるでしょう。
読書感想文に書く内容
読書感想文には以下のような内容を盛り込むと良いでしょう。
選んだ本に関する情報
まず本の題名は必ず記載するべきです。またどうしてその本を選んだのかについても、本を読んだ当時の時勢も絡めながら書くと良いでしょう。
さらにその本の内容を軽い要約も書くべきです。要約を考える際は先述した起承転結を意識するとよくまとまるでしょう。
他にも選んだ本に関する情報で、重要なものがあれば記載して構いません。例えば、著者が有名なのであれば、著者の経歴や思想などに言及するのも面白いでしょう。
自分独自の意見や考察
その本を読んで考えたことや感じたこと、新たに気づいたことなどを書きましょう。そうした「感想」は読書感想文の肝なので、オリジナリティ溢れる内容を心がけるべきです。
物語の起承転結に沿った登場人物の心情や考えと、自分の感想を対比させてみるのも良いでしょう。
感動したポイント・気持ちの変化も入れる
感動した場面やポイント、心が動かされた箇所は読書感想文の山場となるので外さないように盛り込みましょう。
また本を読む前後で自らの気持ちがどのように変化したのかを、理由を含めて詳しく書くということも大切です。
タイトルは最後
読書感想文の顔とも言えるタイトルは、本文が書いた後に考えるのが良いでしょう。
本文が完成してからなら文中の文言をタイトルに使うこともできますし、本文の内容を端的に象徴するような良いタイトルが生まれる可能性が高くなるはずです。
なお、タイトルに関してもありきたりな文言ではなく、オリジナリティのあるユニークな表現であることが望ましいと言えます。本文の内容を踏まえた上で、自分なりの面白い表現を考えてみましょう。
コピペや丸写しは厳禁
コピペや丸写しは厳禁です。剽窃(ひょうせつ)はいけないことですし、バレた時の代償も大きいので得策ではありません。
最近はコピペチェックツールも出回っているので、ネット上に載っている文言をコピペするとすぐにバレます。
また検索上位のサイトから文言を盗んだ場合、同じくコピペした他の生徒がいれば、内容が被ってしまう可能性も高いです。
無論、バレるバレないの問題ではなく、読書感想文をはじめ、あらゆる作文は自分の言葉で表現するというのが原則です。
読書感想文は自らの個性を自由に表すことができる楽しい形式でもあるので、ぜひオリジナリティ溢れる文章を書くことにチャレンジしてみてください。
見本や例文は参考にして良い?
ネット上には読書感想文の見本や例文が数多く掲載されています。それらを参考にして書こうとする人もいるでしょうが、それもあまりおすすめしません。
コピペや丸写しをするわけではなくても、結果的にそれらに近い形になってしまう恐れがあるからです。
また読書感想文の書き方が載っているサイトは、学校の先生もチェックしている可能性があるので、やはりサイトの見本や例文と似たものは書かない方が良いでしょう。
簡単に読書感想文を書くコツ
ここからは読書感想文を簡単に書くコツについて解説します。
読書感想文はいきなり書き始めない
本を読んだらいきなり文章を書き始める人もいますが、それでは良い読書感想文は書けません。その場で思いつきと勢いに任せただけでは、稚拙な文章に終わってしまうでしょう。
そうではなくて、本を読み終わったらまずは構成を考えるべきです。物語の起承転結も意識しながら、自分の感想が効果的に際立つような組み立てにするのが良いでしょう。
またその感想にしても、その場の思いつきや勢いだけでは、後から見返した時に陳腐な内容に感じられることも多いので、思いついた感想をさらに練って考えや思いを深めるのがおすすめです。
書いたあとは必ず見直しを!
本文を一通り書き終えたら、必ず見直しをしましょう。言いたいことがうまくまとめられず不自然な日本語になっていたり、同じ内容を繰り返し書いてしまっていることもあるからです。
なお、目視だけでは見逃してしまう可能性もあるので、見直しの際は声に出して読んでみるのが良いでしょう。
一語一句声に出すことで文章を隅々までチェックすることができ、誤字脱字やおかしな表現を見つけやすくなります。特に助詞や接続詞の使い方は不自然になりやすいので、重点的に確認しておきましょう。
文字数をチェックする
読書感想文には文字数の制限が設けられていることも多いです。例えば、青少年読書感想文全国コンクールの中学校の部では、本文の字数が2000字以内と定められています。
こうした字数制限を超過したり、あまりにも字数が不足している場合は、作品を受理してもらえなかったり、失格になる可能性もあるので注意しましょう。
なお、字数に関しては以下の2点を守っておけば問題ありません。
- 字数制限を超えて書かない
- 少なくとも指定の字数の8割以上は書く
よって2000字という制限なら、1600字以上2000字以下で書くのが良いでしょう。
原稿用紙に書くのは最後
いきなり原稿用紙に書くのではなく、まずはパソコンを使って書くのがおすすめです。PCなら修正が容易ですし、誤字脱字チェッカーや文字カウントの機能も利用できます。
また何度も新しい紙に書き直す必要がないので、資源の無駄もありません。
よって基本的にはパソコンで執筆し、最後にそれを原稿用紙に書き写して提出するのが良いでしょう。
内容を充実させるコツ
同じ読書感想文でも、小学生と中学生では求められる内容やレベルは異なります。小学生の感想文なら思ったことを素直に表現すればそれで良いですが、中学生なら論理的な説得性や表現の工夫なども必要です。
例えば、小学生なら単に「感動した」と書くところでも、中学生なら「どのように感動したのか」「どうして感動したのか」なども書かなければいけません。
場合によっては自身の体験も交えてその感動の理由や内容を補強すれば、より説得力のある文章となるでしょう。
諺や四字熟語も盛り込もう
表現を工夫すれば、文章をよりレベルアップさせることができます。諺や四字熟語、比喩、慣用句などを盛り込んでみると良いでしょう。
また簡単なことでも、少し難しい表現に言い換えてみると、文章の重厚感がアップするということもあります。
例えば「主人公のように自然の中でゆったりとした生活をしてみたい」という文章も、「主人公の生活のごとく、都会の喧騒を忘れた晴耕雨読の日々に憧れる」と言い換えれば、また印象が変わってくるでしょう。
第三者の意見もチェック
小学校の感想文なら専ら主観的な感想だけで良いですが、中学生なら第三者の意見も交えて書くべきです。
例えば、「世間的には〜と考えるのが定説であるが、私は〜と考える」のような対比的な表現を用いれば、よりレベルの高い文章に見えます。
また読んだ本でテーマとなっている事柄に関して友達や家族に意見を聞いてみて、それらの意見に共感したり、反対したりする内容を盛り込んでみるのも面白いでしょう。
読書感想文を書くメリット
読書感想文を書く際には否が応でも読書をしますが、読書には豊富なメリットがあります。
読書の効果
読書を通してたくさんの表現に触れることで語彙力を高めることができます。「正しい日本語」を知る良い機会にもなるでしょう。
また文章の意味を考える練習を通じて理解力を高めることも可能です。加えて第三者の立場から客観的に物事を考える良い練習にもなります。
さらに読書をすればするほど、速読のスキルは上がっていくはずなので、そのスキルは定期テストや高校受験で有用です。問題文を素早く理解できるようになれば、その分解答に多くの時間を費やすことができます。
中学1年生は読書量が大事
読書感想文は中1の宿題として出されることが多いです。そのため、より良い読書感想文を書くためにも、中1ではたくさん読書をするのが良いでしょう。
読書によって培うことができる読解力は、読書感想文や国語にとどまらず、他の教科の勉強や日常生活でも大いに役立ちます。
よって早いうちから読書量を増やして読解力を磨けば、学習面を中心にその後の生活を充実させることができるでしょう。
中学生の読書感想文におすすめの本3選!
以下では中学生の読書感想文の題材としておすすめの本を3冊紹介します。
復讐プランナー(著者:あさの あつこ)
「バッテリー」で有名なあさのあつこ氏のいじめを題材にした作品になります。いじめを受けている主人公が、先輩の助言を受けて復讐の計画を立てるというストーリーです。
中学校でのいじめがテーマなので、中学生にとっては身近であり、読書感想文も書きやすい作品だと言えるでしょう。「いじめ問題の本質」や「多様性」などについて考える良いきっかけにもなるのでおすすめです。
またこの小説はそこまで長くないため、読書があまり得意でない人にも良いでしょう。
走れ!T校バスケットボール部(著者:松崎 洋)
バスケの超弱小高である多田野高校(通称:T校)のバスケット部が、強豪校のエースプレーヤーが編入してきたことをきっかけに、全国大会を目指して奮闘するようになるという小説です。
学生を中心に非常に人気のある作品で、漫画化や映画化もされています。スカッとした内容であり、漫画のように読み進めることができるため、こちらも読書が苦手な人にもおすすめです。
なお、この小説は全10巻あるのですが、9巻刊行後に作者が病気で他界してしまい、10巻は主人公のモデルでもある作者の長男が執筆したという制作秘話もあるため、文章の変化などを感じながら読むのも良いでしょう。
億男(著者:川村 元気)
「君の名は。」や「モテキ」、「電車男」などを企画・プロデュースしたことで知られる川村元気氏が執筆した作品です。
借金を抱えた図書館司書の主人公は宝くじで3億円を当選させますが、大富豪の親友を訪ねるとその親友は3億円とともに失踪してしまいます。
主人公は大金の行方を追いますが、その中で数々の偉人たちの言葉に触れながら、お金と幸福の関係や家族・友情のあり方などを考察していくという話です。
お金に振り回されないための考えを学ぶことができる作品なので、人生における勉強のためにも読んでみると良いでしょう。
併せて、高校受験に向けた国語の勉強法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
中学生の読書感想文の書き方まとめ
中学生の読書感想文の書き方まとめ
- 論理的な説得性や表現の工夫を意識
- まずは目次から読む
- 声に出しながら見直しをするのがおすすめ
- 中1からたくさん読書をするが良い
中学生の読書感想文の書き方について解説しました。
読書感想文を書く際は予め構成をよく考えた上で、まずはPCで書くのが良いでしょう。小学生の感想文と差別化を図るためにも、論理的な説得性や表現の工夫を意識するべきです。
また書いた文章は声に出して読み直し、誤字脱字やおかしな表現がないかをチェックすることをおすすめします。
なお、読書感想文は中1の宿題として出されることが多いので、読解力をはじめとする様々な力を培うためにも、早いうちからたくさん読書をするのが良いでしょう。
以上を参考に、オリジナリティのあるより良い読書感想文を書き上げてください。