小学生の平均勉強時間は?家庭学習の習慣作りや効果的な勉強法まで解説!
「子供に勉強しなさいといってもしてくれない…」
「周りの子供たちはどれくらい勉強しているのかな?」
こうした悩みを抱えているご家庭も多いのではないでしょうか。
小学生のうちから勉強の習慣をつけさせたいと考えていても、実際どれくらい勉強させれば良いのか分からないと、なかなか手が打てないですよね。
そこでここでは、小学生の平均勉強時間を確認しつつ、家庭学習の習慣作りのポイントや勉強方法まで分かりやすく解説します!
小学生の勉強時間についてざっくり説明すると
- 学年×15分の勉強が目安
- 小学5年生の平均勉強時間は1日90分だが、個人差が大きい
- メリハリのある勉強時間を設ける
- 親と子のコミュニケーションも大切
小学生の平均勉強時間はどれくらいなの?
「自宅で勉強できないなら、塾へ通った方がいい?」「ドリルを購入しても全然やらない」といったように、家庭での勉強法について困っている方も多いです。
なかには、「うちの子、30分も勉強しないけど大丈夫?」など、小学生の平均勉強時間はどれくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこでまずは、全国的に小学生はどれくらい勉強をしているのか、また、宿題の時間は家庭学習に入るのかなど小学生の家庭学習時間についてふれていきます。
小学生の平均勉強時間は1時間半
ベネッセの小学5年生2,601人を対象にした「2015年第5回学習基本調査 データブック」によると、平均学習時間は1時間半でした。
しかしこれは、あくまで平均値です。以下の表のように、ほとんどしないという子もいれば、3時間以上するという子もいます。
学習時間 | 割合 |
---|---|
ほとんどしない | 4.0% |
30分程度 | 12.8% |
1時間 | 27.7% |
1.5時間 | 19.5% |
2時間 | 14.1% |
2.5時間 | 6.2% |
3時間 | 4.9% |
3.5時間 | 3.2% |
それ以上 | 6.1% |
無回答 | 1.4% |
「我が家では1時間半も勉強させられない」と思う方もいるでしょう。
ベネッセのデータは小学5年生だけを対象とした数値であり、中学受験を検討している家庭では勉強に力を入れ始める頃なので、家庭学習時間の平均が長い結果になっても不思議ではありません。
一般的には、小学生の推奨勉強時間は学年×15分とされ、小学5年生であれば75分が目安となります。
ただし、ダラダラと勉強に向き合うのであれば、たとえ75分間勉強していても効果は期待できません。長時間の勉強よりも、集中した短時間の勉強の方が一番効率的に学習できるということもあります。
宿題の時間は勉強時間にいれる?
学校から出された宿題をする時間を、家庭学習とするのか悩まれる方もいます。基本的には、宿題も家庭学習時間として考えられています。
ベネッセの資料では、上記でご紹介した勉強時間に含まれる宿題をする時間もデータとしてあります。
宿題時間 | 割合 |
---|---|
ほとんどしない | 2.3% |
15分 | 10.5% |
30分 | 26.0% |
45分 | 18.3% |
1時間 | 26.1% |
1.5時間 | 10.0% |
2時間 | 3.5% |
それ以上 | 1.7% |
無回答 | 1.6% |
平均して約50分が宿題の時間となっています。
学校によって宿題の量が異なるので、宿題にかかる時間に長い・短いは一概には言えませんが、1日の学習の平均時間が約1時間半なので宿題が占める割合が大きいのがわかります。
親としては、宿題は学校の延長のようなものであり、できればドリルなど宿題とは別のものを学んでほしいと思うところですよね。しかし、学習習慣を身につけると一歩として、まずは宿題をきちんとこなすというところから入るということも大切です。
勉強時間は短くてもいい?
勉強時間にこだわる方も多いですが、実は勉強時間はさほど問題ではありません。
時間よりも「質」が大切です。
先述したように、ダラダラと集中力のないまま長時間勉強を続けるよりも、短時間集中して勉強をする方が効率よく、そして飽きずに続けられます。
また、勉強を嫌なものと感じている子供にとって、ただ長いだけの勉強時間はより苦痛なものでしかないため、もっと勉強を嫌うようになります。
まずは、勉強をした時間よりも集中したかどうか、効率に注目しましょう。
習慣作りには親のサポートが重要
小学生の家庭学習時間として、学年×15分が目安とされているものの、あくまで目安であり学習の質が伴わなくてはいけません。
そのためには、生活の中で上手に学習方法を見つけ、習慣としてルーティン化することが大切です。習慣作りのために、親もしっかりとサポートをしてあげましょう。
そこで、勉強をする習慣作りとしておすすめの方法を紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
質問できる相手の存在
勉強に遅れを感じている、勉強を苦手とする子の多くは、一番初めの基礎をよく理解していない傾向があります。
基礎をよく理解していないために、授業を理解できない、その結果テストも良い点が取れず成績が思わしくないという悪循環が生まれている可能性があります。
そのような場合は、まず基礎に戻ってわからないところから始めなくては、授業を理解して成績を上げるということは難しいでしょう。
そのためには、質問をする相手が必要です。
親や塾の先生、通信教育などといったものでも構いません。その子が思う疑問に、ひとつひとつ回答してくれる相手が必要です。
ただ、塾や通信教育は学びの場が限られてしまうので、できれば親が寄り添って学習を進めていくことがいいでしょう。親から見て基本的なことがわかってないと感じるのであれば、まずはその基礎へ戻って学習を進めていくようにしてください。
子供と親のコミュニケーションは重要!
家庭学習では、子供が親に気がねなく質問ができる環境というのは重要です。その環境づくりとして、学校であったことなど積極的に会話をするようにしましょう。
とはいえ、親が勝手に話をする、子供の話を聞き流すといった状態では、コミュニケーションを取れているとはいえません。まずは、子供の意見を尊重するようにする、話を最後まで聞くといったことが大切です。
実際にデータとして、親と子供の会話が多い家庭の方が、子供の成績がいいという結果もあります。まずは家庭内での会話を増やすことを心がけましょう。
時間と内容を決めてから始める
家庭学習の時間をダラダラと過ごさないために、「今日はここまでやる」といったように、時間と勉強の内容を決めてから取りかかるように習慣づけしましょう。
勉強を始めるときに「今日は国語をやろう」といった漠然とした予定では、国語の何をやるのか、何ページまでやるのか定まっていないため、気持ちもゆるんでしまいます。 また、勉強が嫌いな子であれば、終わりが見えないためモチベーションが下がってしまう原因にもなるので注意しましょう。
「今日は算数のドリル35ページまでやる」といったように、具体的に目標を決めて勉強を始めることでモチベーションを保つことにもつながります。
そして、20分でやる、この問題は10分でやるといったように時間の目標も一緒に立てることで、メリハリのある学習が可能です。
もし、予定していた時間通りに終わらない場合は、予定に無理があるといったことも考えられますが、まだ学習内容が理解できていないということもあります。その場合は、基礎に戻って学習をしましょう。
小さなことでも積極的に褒める
家庭での学習が進まないという子の多くは、勉強に対して苦手意識をもっていることが多いです。その苦手意識を克服するためには、「できるんだ!」という自信を持たせることも大切になります。
「成績が上がる」「テストでいい点が取れた」などといった経験を積み重ねることで、自信にもつながるでしょう。ただ、成績やテストの点を上がるためには、やはり家庭学習は必須です。
まずは、小さなことから褒めるようにしましょう。「計算がはやくなったね」「わからないところを確認してえらい」など、勉強に対する苦手意識を少しずつ和らげることが大切です。
「勉強しなさい!」よりも「自分から勉強してえらいね」など、子供にとってポジティブに感じる発言をするようにしましょう。
完璧にできなくてもOK
科目ごとの基礎基本は完璧になるまで繰り返す必要がありますが、練習問題やより発展的な内容の問題の場合は、1回目で完璧にできるようになる必要はありません。
完璧を求めすぎてしまうと、勉強に達成感が得られなくなってしまったり、問題ごとの取り組む時間が長くなりすぎたりしてしまって勉強時間が長くなったりしてしまいます。
少し難しめの問題に関しては、あまり時間をかけずに解き方を覚える→時間を置いてまた解く、とした方が効率が良いです。
勉強のハードルを下げるために
小学生になると、自分の部屋の机でひとりで学習させているという家庭は多いのではないでしょうか。
実は、子供にとって誰もいない部屋でひとりで勉強を始めるのは、ハードルが高い作業になります。特に勉強を苦手とする子供にとって、自分の部屋は誘惑にあふれています。勉強より好きなものに意識がいってしまうのは当然です。
そこで、勉強の習慣づけには、リビングでの学習から始めるのがいいでしょう。
学校のカバンや勉強道具だけはリビングのすぐ見えるところに置いておくなど、すぐに勉強ができる環境を整えておくようにしてください。
また、家計簿付けなど親がリビングのテーブルなどで作業をする姿を見せるのも、子供のやる気を引き出させるきっかけにもなります。
以下の記事では、小学生の勉強習慣の作り方についてより詳しく解説してあるので、参考にしてみてください。
学校から帰ってすぐ勉強をしない子供には?
親から見れば、学校から帰ってすぐ宿題に取り組んでほしいものですよね。しかし、そんな理想的な学習をしている子は実際かなり少ないです。
習い事などその子によって生活サイクルは違いますし、友達と遊ぶことも子供の成長にとって重要なことです。
そこで、ここでは学校から帰ってすぐに勉強ができない(しない)という場合、どう対処すればいいのかお伝えしていきます。
勉強の時間を変える
学校から帰ってすぐに勉強ができないという場合ですが、そもそも勉強をする時間にこだわる必要はありません。夜寝る前や朝に学習時間を設けるという方法もあります。
そこで、それぞれのメリットを解説していきましょう。
寝る前に勉強するメリット
夜寝る前に勉強をする場合、暗記したものが脳に定着しやすいというメリットがあります。
脳は睡眠をとっている間に記憶を整理しているという話は、ご存知の方も多いでしょう。社会や理科など暗記ものが多い教科に関しては、夜寝る前に学習した方が、効率的に学習することが可能です。
ただし、夕食後は眠くなりやすいため、お風呂に入った後などタイミングを選ぶようにしてください。また、算数など頭の回転を求められる教科では、その日の疲れによって効率よく学習できないということもあります。
頭の回転を必要とする教科を勉強する場合は、頭がクリアな時間を選ぶのがおすすめです。
朝早く勉強するメリット
頭がクリアな状態で学ぶことができるのは、朝です。
朝学習する習慣をつけるためには、必然的に朝早く起きることになり、結果夜も早く寝ることになります。
つまり、朝早くから勉強をすることによって、学習習慣だけではなく早寝早起きの生活習慣も身につけることが可能です。
最近では、テレビゲームやPCなどを夜遅くまでやることによって、生活習慣が乱れている子も多いです。その結果、授業中に眠くなる、集中できないなどといったために、ますます勉強に苦手意識を持つようになるという悪循環が生まれます。
朝早くから勉強をするというのは、生活習慣を整えるチャンスでもあり、頭を働かせた状態で学校での授業を受けられるため、学習の効率を上げることができます。
勉強の時間を変えること以外にも、勉強のやる気を出す方法は多くあります。 そして、やる気を出すためには子供に合わせた方法を選ぶことが一番です。
以下の記事では、子供の勉強しない理由や、勉強のやる気を出す方法について詳しく解説しているので、ご参考ください。
春休みや夏休みにはどのくらい勉強すべき?
春休み・夏休み・冬休みなどの長期休みは学校に行かなくなることから、日々の勉強時間が短くなりやすいです。そのため、普段よりも「子供がどのくらいの時間勉強しているか」に気を配る必要があるでしょう。
具体的には、普段の家庭学習時間の2倍以上勉強することや平均して毎日1時間以上は勉強することを意識すると良いです。
家庭学習を普段している時間帯だけでなく、いつも学校に通っている時間帯にも勉強を行うようにしましょう。このように時間帯を分けて学習をすることで、学習時間を2倍以上に増やすことができます。
また、このような学習は一日だけでなく、できる限り毎日継続的に行ってこそ効果があります。そのため、毎日平均1時間以上は勉強する、というルールを設けましょう。
もちろん、「長期休みは塾の講習に参加している」という子供も多いでしょうから、それぞれの予定に合わせて臨機応変に時間や学習頻度を調整することが必要です。
科目ごとの効率的な勉強方法
勉強時間を短縮するためには、効率の良い勉強法を知っておくことが必要不可欠です。
以降では、科目別のおすすめ勉強方法をご紹介します。
国語は音読や文章の要約がおすすめ
低学年の段階では教科書の音読や書き取り、高学年では教科書本文の要約などをさせてあげると良いでしょう。
また国語でも他の科目と同様に、問題が解けなかった際にはなぜ間違えたのかをしっかりと復習するようにしましょう。特に読解問題の場合は、どのように読み間違えたのかをしっかりと把握することが大事です。
また、音読を聞いてあげたり、要約した内容についてフィードバックを行ってあげたりと、親のサポートによって学習効果が大きく変わってきます。
算数はとにかく基礎の計算が大事
算数の勉強で一番にやるべきなのが、基礎の計算を間違えないようになるまで反復することです。
計算ミスが頻発してしまうと、思考力を要する問題でも「考え方はあっていたけど、計算をミスしてしまった」と言う事態に何度も陥ってしまい、効率が悪くなります。
計算がしっかりできている場合は、中学受験の頻出問題のような、思考力を要する問題にもチャレンジしてみましょう。
解法を導くためにしっかり思考する癖を、小学生の段階で身につけておくとその後の学習がスムーズになります。
理科・社会は子供に興味を持たせる
理科・社会は、内容について子供が疑問に思ったり、興味を持てるような環境づくりをすることが重要です。
家に小学生でも読める理科の資料集や本、図鑑を買って置いておいたり、歴史の漫画を買ったりと、自然に子供が学べるように用意をしましょう。
また、「子供が〇〇に興味を持っているな」と気づいたら、より深く学べるように惜しまず費用をかけてあげることも重要です。
塾や通信教育は効果的?
共働きで忙しく、子供の学習まで手が回らないという家庭も多いです。そういったご家庭では、できるだけ学習時間を増やすために塾や通信教育を利用した勉強法は有効といえます。
ただし、塾は学校の授業と体制が変わらないことが多く、ただそこにいるだけといった受動型になってしまいがちです。そのため、自分から学習をするという面では、習慣作りは難しいといえるでしょう。また、費用の問題もあります。
学習の習慣作りには、「勉強をルーティン化する」ことが重要です。塾はわからないポイントをその場で適切に解決できるというメリットが大きいものの、家庭での学習習慣という面ではやや弱いです。
「学校に+αの教材が欲しい、学習習慣を身につけるきっかけが欲しい」という場合は、通信教育がおすすめです。
通信教育は、子供の勉強意欲を上げるためのアイテムも多く、それでいてわかりやすい解説などがあるため、子供がひとりでも学習を進められます。
学校の予習がしたい、わかりやすい解説がついたドリルが欲しい、動画解説が欲しいといった場合は、ぜひ通信教育を検討してみると良いでしょう。
小学生におすすめの通信教育については以下の記事で解説していますので、参考にしてみてくださいね。
小学生の勉強時間についてまとめ
小学生の勉強時間と学習習慣づくりまとめ
- 小学生の平均勉強時間は90分だが、勉強した時間よりも質が大切
- 日頃から親と子のコミュニケーションを取るようにする
- 授業が理解できないという子には、まずは基本にもどって学習を始める
- 生活習慣にあった学習のタイミングを見つける
- ささいなことでも褒めて自信をつける
小学生は、家庭での学習習慣を身につけるために大切な時期です。学習時間を気にする方も多いですが、学習の質を高めることも同じくらい重要になります。
そのためには、学習内容の目標を細かく設定する、わかりやすいものから始めるなどといった方法が有効です。
1日では家庭学習の習慣作りは難しいです。まずは毎日コツコツとできることから子供と一緒に始めてみてはいかがでしょうか。