河合塾のやっておきたい英語長文300のレベルは高い?参考書の使い方を徹底解説!
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「『やっておきたい英語長文300』のレベルは高い?」
「この参考書はどうやって使うべき?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
河合塾の「やっておきたい英語長文300」は、それほど難易度の高い参考書ではありません。大学受験の長文問題対策における導入として用いるのが良いでしょう。
今回は「やっておきたい英語長文300」のレベルについて、この参考書のおすすめの使い方とともに解説します。
以下を参考に、ぜひこの参考書を英語学習に取り入れてみてください。
やっておきたい英語長文300のレベルについてざっくり説明すると
- 日東駒専(基礎固め)レベル
- 偏差値50程度の入門書
- 導入用の教材としては良いが入試対策にはならない
河合塾のやっておきたい英語長文300のレベルは高い?
英語長文の精読の練習をする際に受験生から重宝されている河合塾の「やっておきたい英語長文300」ですが、その難易度や使い方については詳しく知らないという方もいるでしょう。
以下ではまず「やっておきたい英語長文300」のレベルについて解説します。
やっておきたい英語長文300の基本情報
「やっておきたい英語長文300」は、河合出版の「やっておきたい英語長文」シリーズの中で最も簡単な入門書です。200〜400語の比較的易しい長文を使って、読解の基礎となる必須事項を学ぶことができます。
よってまずは本書で長文読解の基礎を身に付け、それから同シリーズの500・700・1000に進むと良いでしょう。
なお、この参考書の基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | やっておきたい英語長文300 |
著者 | 杉山俊一 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 1,005円 |
ページ数 | 151ページ |
やっておきたい英語長文300は日東駒専レベル
「やっておきた英語長文300」は共通テスト(旧センター試験)レベルの参考書です。しかし、記述問題も含まれているので、二次試験対策など本格的な英語学習の導入としても使えます。
偏差値なら50程度というところなので、大学で言えば日東駒専レベルが一つの目安となるでしょう。本書1冊で日東駒専に合格できるというわけではありませんが、長文問題の基礎固めに使う上では十分有用です。
MARCHを受ける人には物足りない
MARCH以上の大学を受験する場合でも、長文問題の導入教材として「やっておきたい英語長文300」は役に立ちますが、入試のレベルに十分対応できるわけではありません。
よってMARCH以上を目指すなら、もう少しレベルの高い応用系も合わせて使うのが良いでしょう。具体的には「やっておきたい英語長文300」の一つ上であり「やっておきたい英語長文500」などがおすすめです。
やっておきたい英語長文300の長所・短所
ここからは「やっておきたい英語長文300」を使うことのメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
やっておきたい英語長文300のメリット
「やっておきたい英語長文300」を使うことのメリットは主に以下の2点です。
構成がわかりやすい
この参考書は左ページに長文、右ページに設問という構成になっており、見開きで読解から解答までを完結させることができます。
入試本番の問題用紙のように無駄のないレイアウトになっているので、模擬試験のような雰囲気で問題演習に取り組むことが可能です。
たくさんの演習をつめる
この参考書には200〜400語程度の長文が30題も収録されています。よって長文問題の基礎を固める上では十分なボリュームと言えるでしょう。
これだけしっかり演習を積める基礎レベルの参考書は珍しいので、特に英語があまり得意でない人にはおすすめです。
やっておきたい英語長文300のデメリット
一方で「やっておきたい英語長文300」を使うことには以下のようなデメリットもあります。
解説が丁寧ではない
この参考書の解説は問題の解き方の説明が中心です。他は本文の全訳が載っている程度で、SVOCなどの構文やアプローチの根拠などは説明されていないため、解説は丁寧とは言えません。
英語の読解力を伸ばすには、文章の構造を把握するスキルなども必要になりますが、本書でそうしたスキルを十分に身に付けるのは難しいでしょう。
ただし、文型などが把握できずに読めない文章は学校の先生に質問するなどの工夫をすれば、十分役に立つ参考書ではあります。
入試対策にはならない
先述した通り、この参考書は日東駒専レベルではあるものの、これ1冊で合格ができるレベルまで持っていくのは難しいです。
特に最近の日東駒専は難化しているため、合格の確率をより高めるには、この参考書の後に過去問演習をしたり、もう少しハイレベルな参考書でしっかり対策するのが良いでしょう。
やっておきたい長文300の勉強法・使い方
以下では「やっておきたい長文300」を使った勉強法について具体的に解説します。
単語や文法はセンターレベルが必須
英語の読解力の基礎をなすのは、単語や文法の知識です。よって長文読解の問題集を使いこなすには、その問題集のレベルに対応した語彙力や文法知識を身に付けなければいけません。
「やっておきたい長文300」は共通テスト(旧センター試験)レベルなので、単語に関してはシステム英単語やターゲット1400などをしっかりこなしておくのが良いでしょう。
文法に関しては、「英語長文レベル別問題集4」や「基礎英文法問題精講」レベルの知識は身に付けておくべきです。
日本語に訳さずに理解する
英語の長文をテンポよく読解していくには、英語を英語のまま理解するということが重要になります。いちいち日本語に訳していたのでは速読は到底不可能です。
ただし、問題と解く上で重要となる部分に関しては、日本語に訳してきちんと意味を把握するというのも大切になります。
よって基本的には日本語に訳さず英語のまま大体の意味をとっていき、下線部や空欄付近だけはじっくり日本語に訳すというメリハリのある読み方ができれば理想的です。
文法構造と答えの根拠をチェック
問題を解く際は、文法構造を自分なりに解析した上で根拠のある解答を心がけましょう。
そうすれば、答えが間違っていた時に解答解説を見て「どこで間違ったのか」「どうすれば正解できたのか」などを分析できるので、より学習効果が高まります。
また問題を解き終わって答え合わせをしたら、正解・不正解にかかわらず解説をよく読み込むのが良いでしょう。
選択問題も回答の根拠をもつ
なんとなく答えを選んでしまいがちな選択問題についても、本文をよく点検し明確な根拠を持って解答するのが良いでしょう。
そして答え合わせの際は「なぜこの選択肢が正解なのか」「どうしてあの選択肢が間違っていたのか」などを十分に確認するべきです。
こうした作業は地味で時間もかかりますが、それをいかに丁寧にできるかによってその後の読解力の伸び方が変わってくるため、決しておざなりにしてはいけません。
単語や文法でわからないところは復習
長文を読んでいるとわからない単語や文法事項を発見することもあるでしょうが、その場合は単語帳や文法書を読み返してきちんと復習するべきです。
また間違えた問題を復習する際も、ただ「実力不足でわからなかった」とするのではなく、単語・文法・読解のどれに不足があったのかをきちんと分析するのが良いでしょう。
先述した通り、単語と文法は読解力の基礎となるので、それらの知識不足は早めに補強しておくべきです。
共通テスト英語の勉強法や対策の仕方について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
やっておきたい英語長文300の前後で取り組みたい参考書
以下では「やっておきたい英語長文300」の前後に取り組むべきおすすめ参考書をいくつか紹介します。
なお、それぞれの見出しの最後には各書籍の基本情報を記載しています。
高校英文読解をひとつひとつわかりやすく
「やっておきたい英語長文300」よりも簡単な参考書なので、英語が苦手な人はまずはこれから始めると良いでしょう。
英文を読解する上で大切になるポイントを平易な表現とイラスト図解を用いて丁寧に解説してくれるため、英語学習に抵抗がある人でも無理なく読み進められるはずです。
また解説の次のページには書き込み式の簡単な練習問題がついているため、ただ知識を頭に入れるだけでなく、反復練習によってスキルを体で覚えることができます。
よって読解力の基礎をしっかり固めたいという方にはおすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 高校英文読解をひとつひとつわかりやすく。 |
著者 | 武藤一也 |
出版社 | 学研プラス |
価格(税込) | 1,210円 |
ページ数 | 134ページ |
特徴 | 高校レベルの英文読解の重要ポイントを超基礎から順番にわかりやすく解説 |
使用感 | 高校1年生でも理解できるように書かれている |
大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2
東進衛生予備校の人気講師である安河内先生が執筆したセンターレベルの参考書です。読解力の養成に適切なセンターレベルの12題が収録されています。
解説では段落ごとにテーマを明示し、図解によって英文構造が視覚的に表現されているため、緻密かつ論理的に読解力を高めていくことができるでしょう。
なお、難易度でいうとこの「センターレベル編」は「やっておきたい英語長文300」の後に取り組むのがおすすめです。
また他にも「レベル2 標準編」や「レベル3 難関編」などもあるため、ご自身に合っていると感じるなら続けて同シリーズで学ぶのも良いでしょう。
項目 | 内容 |
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題名 | 大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル2 センターレベル編 |
著者 | 安河内哲也 |
出版社 | 桐原書店 |
価格(税込) | 3,400円 |
ページ数 | 222ページ |
特徴 | センターレベルの長文読解問題12題を1問1問を正解するための根拠の解説とともに収録 |
使用感 | センターレベルというより国公立中堅レベルという感じ |
関正生の英語長文ポラリス2
こちらも人気講師の関先生(スタディサプリ講師)が執筆した参考書です。最新入試に頻出の12テーマを扱った英文を読むことで、あらゆる入試に対応できる読解力・実践力を身に付けることができます。
また単語帳には載っていないが長文には頻出というキーワードも学べるため、単語帳での暗記学習の不足を補って語彙力をさらに高める上でも有用です。
さらに文章一つ一つに丁寧な「構文解析」がついているため、長文を精読するための教材としても使えます。
なお、ポラリスシリーズには「ポラリス3 発展レベル」もあるため、ポラリス2と合わせて用いるのもおすすめです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 大学入試問題集 関正生の英語長文ポラリス2 応用レベル |
著者 | 関正生 |
出版社 | KADOKAWA |
価格(税込) | 1,320円 |
ページ数 | 288ページ |
特徴 | 「最前線」の12テーマを学んで入試への対応力を高める・難易度としてはGMARCHや関関同立レベル |
使用感 | 構文や和訳がわかりやすく示されているので独学に良い |
やっておきたい英語長文500
「やっておきたい英語長文300」よりもワンランク上の参考書です。入試では頻出の400〜600語程度の長文が掲載されており、MARCHレベルの問題もあります。
難易度は上がりますが、やっておきたい300よりも解説が丁寧なので、300をやった後なら問題なく取り組めるでしょう。
同じシリーズを揃えて使えば形式も似通っているため、スムーズにレベルアップができるはずです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | やっておきたい英語長文500 |
著者 | 杉山俊一 他 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 975円 |
ページ数 | 139ページ |
特徴 | 入試に頻出の「標準〜やや難しい」というレベルの長文問題20題で大半の大学に対応できるような高い読解力を習得する |
使用感 | 長文の分量にしてもレベル感にしても入試対策にはぴったり |
やっておきたい700は難関大レベル
難関大学を目指す受験生には「やっておきたい英語長文700」がおすすめです。近年の頻出テーマから600〜900語程度の長文問題が15題収録されています。
各テーマの背景知識の解説もあるため、そうした知識の補強も含めて難関大を突破できるだけのゆるぎない読解力を身に付けたいという方には良いでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | やっておきたい英語長文700 |
著者 | 杉山俊一 他 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 975円 |
ページ数 | 153ページ |
特徴 | 近年の頻出テーマを扱った難関大レベルの長文問題15題で確かな読解力を磨く |
使用感 | ボリュームは十分で難易度も結構高い・ハイパー3やポラリス3よりも難しく感じた |
やっておきたい1000は超長文
「やっておきたい英語長文1000」には、900〜1600語というかなり長い英文に関する問題が10題収録されています。参考までに「やっておきたい」シリーズの各長文の単語数を確認しておきましょう。
単語数 | 難易度 | |
---|---|---|
やっておきたい300 | 200〜400語 | やや易しい |
やっておきたい500 | 400〜600語 | 標準 |
やっておきたい700 | 600〜900語 | やや難しい |
やっておきたい1000 | 900〜1600語 | やや難しい |
上記の通り、やっておきたい1000の英文はやっておきたい300のそれに比べてかなり長いです。ただし、難易度としてはやってみたい700とそれほど変わらないと言われています。
よって慶應など超長文が出題される難関大を受験する場合におすすめです。
またやってみたい1000の長文では国際的な問題も扱われており、英語学習を通してグローバルな視座を身に付けたいという方にも良いでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | やっておきたい英語長文1000 |
著者 | 杉山俊一 他 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 1,005円 |
ページ数 | 142ページ |
特徴 | 「やや難〜難」というレベルの超長文(900〜1600語)についての問題を10題収録 |
使用感 | 世界的な問題を取り上げた深い内容の英文が多いので読み物としての価値は高い |
やっておきたい英語長文300のレベルまとめ
やっておきたい英語長文300のレベルまとめ
- センターレベルの単語と文法の知識が必要
- ボリュームが非常に多いのが特徴
- 根拠を明確にして解答する癖を付ければ学習効果が高まる
「やっておきたい英語長文300」のレベルについて解説しました。
この参考書は偏差値50程度の入門書で、大学でいうと日東駒専レベルと言えるでしょう。ただし、これ一冊で入試に対応できるわけではないため、あくまで基礎固めや導入用の教材として使うべきです。
また単語や文法に関してはセンターレベルの知識が必要なので、前もってそれらを身に付けてから臨むのが良いでしょう。
なお、より学習効果を高めるには、文法構造を自分なりに分析し、明確な根拠をもって解答することがおすすめです。
以上を参考に、ぜひこの参考書を英語学習に取り入れてみてください。