勉強する時のインプットとアウトプットのコツは?現役東大生が記憶に残るアウトプット法を伝授
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「勉強する時のインプットとアウトプットのコツは?」
「それぞれどんな勉強法のことを指すの?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
インプットとアウトプットをバランスよく行うべきということは知っているものの、具体的にはどんな勉強法を実践すれば良いのかはわからないという方も多いでしょう。
そこで今回は勉強時のインプット・アウトプットのコツについて解説します。現役東大生である筆者が、記憶に残るアウトプット法を伝授しますので参考にしてください。
勉強時のインプット・アウトプットのコツをざっくり説明すると
- 記憶に残すにはアウトプットが必要不可欠
- 時期によって両者のバランスを調整するべき
- 効率よくインプット・アウトプットを行うことが大切
勉強でのインプットとアウトプット
「勉強ではインプットとアウトプットのバランスが大事」ということがよく言われますが、その意味がいまいち分かっていないという方も多いでしょう。
この記事では勉強におけるインプットとアウトプットとはどのようなことを指すのかについて解説します。それぞれにコツについてもお伝えするので参考にしてください。
勉強でのインプットとは
勉強におけるインプットとは、総じて知識を蓄える行為のことを指します。よって参考書を読んだり、授業を受けたりして新たな知識を得ることや、習ったことを復習して暗記することなどは全てインプットです。
さらに具体的に言うなら、国語で古文単語を覚えたり、文章の読み方を学んだりすることはインプットにあたります。数学なら公式を覚えたり、解き方を理解したりすることがインプットです。
日本では昔からインプットが非常に重視されてきたので、今でも「授業=インプット」というようなスタンスの学校は少なくありません。一方的に知識を教え込むというような教育スタイルが日本では比較的自然なのです。
よって、受験生にも「知識はあればあるほど良い」と考えてインプットに偏った勉強をする人が多いですが、インプットだけでは大学入試を攻略することはできません。
勉強でのアウトプットとは
勉強におけるアウトプットとは、インプットした知識を自発的・能動的に使うことを指します。
よって、学んだ知識や解法で問題を解いたり、それらを人に教えたりすることはアウトプットです。テストをすることもアプトプットだと言えます。
さらに具体的に言うなら、古文で習得した単語や読み方の知識を使って実際に初見の文章を読んだり、それに関する問題を解いたりすることがアウトプットです。
数学なら初めて見る問題を、公式や解き方の知識を駆使して解くことがアウトプットになります。
なお、テストもアウトプットの一種なので、大学入試もアウトプットの一貫であると考えることができるでしょう。これがインプットだけでは入試は乗り切れないと言う理由です。
大学入試に対応するには「実際に問題を解く」というアウトプットの練習をしなければなりません。
記憶に残すにはアウトプットが必要不可欠
先述した通り、日本ではとにかくインプットが重視されがちです。
そのため、学校や塾・予備校の言う通りに勉強していると、知識の習得は十分にできるものの、大抵の場合、問題演習をはじめとするアウトプットは疎かになってしまうでしょう。
しかし、使わない知識は脳によって選択的に消去されてしまいます。言い換えれば、アウトプットしない知識はいずれ忘却されてしまうのです。
よって自習では意識的にアウトプットを取り入れて、覚えた知識の定着・保存を図らなければいけません。
アウトプットをしないと自分では覚えているつもりでいても、知らないうちに知識の大半を忘れてしまっているでしょう。
その証拠に、教科書や参考書で勉強して自信満々でテストに臨んだのにも関わらず、思ったよりも点数が低かったという経験をした人も多いはずです。
またアウトプットの重要性は科学的にも証明されています。
これは米パデュー大学のカーピック博士による実験の結果ですが、インプットのみに集中した人たちよりもインプットの間にアウトプットを挟んだ人たちの方がテストでのパフォーマンスが高かったそうです。
インプット・アウトプットの辞書的な意味
参考までにインプット(input)とアウトプット(output)が、辞書ではどのように定義されているのかを見てみましょう。
以下では「岩波 国語辞典 第7版 新版」と「Oxford Wordpower Dictionary オックスフォード ワードパワー 英英辞典」を使って、インプットとアウトプットそれぞれの意味を紹介します。
インプットの定義
国語辞典では「インプット」は「にゅうりょく」と定義されているため、以下では「入力」の意味を紹介します。
機械・機構などに外部からエネルギーや信号・情報を供給すること。その信号・情報。更に広く、仕事をさせるために組織体に投入する人手などをも言う。 岩波 国語辞典 第7版 新版より
上記を参考にすると、勉強でのインプットは「人間(の脳)に外部から知識を供給すること」と定義することができるでしょう。
また英英辞典では「input」は以下のように定義されています。
- what you put into sth to make it successful
- the act of putting information into a computer Oxford Wordpower Dictionaryより
上記の第一の意味を参考にするなら、勉強におけるinputとは、「学力を高めるために取り入れるもの」と定義できるでしょう。
よって公式などの知識もinputですし、解き方のテクニックやコツなどのノウハウもinputです。さらに言うなら、この記事の内容もあなたにとってのinputであることを願います。
アウトプットの定義
続いてアウトプット(output)の定義も確認してみましょう。国語辞典では「アウトプット」は「しゅつりょく」と定義されていたため、以下では「出力」の意味を紹介します。
入力を受けた機械・機構が、仕事(結果)として外部へ出すエネルギーや信号・情報。特に、発電機・原動機などが出し得る最高の能力。 岩波 国語辞典 第7版 新版より
この定義を参考にするなら、勉強でのアウトプットは「知識などを得た人間(の脳が)、結果として外部に出す解答や点数」と定義できるでしょう。
なお、上記の定義からはアウトプットがインプットありきであることもわかります。
また英英辞典における「output」の定義は以下の通りです。
- the amount that a person or machine produces
- the information that a computer produces Oxford Wordpower Dictionaryより
上記の第一の意味を参考にするなら、勉強でのoutputは「学習者が出す解答(量)や点数(の大きさ)」と定義できるでしょう。
さらに上記の定義からは「output」には明確なinputを要しないということもわかります。つまりいきなり問題を解き始めることもoutputだということです。
勉強でのインプットとアウトプットのバランス
上記ではアウトプットの重要性を解説しましたが、インプットとアウトプットはどのくらいのバランスで行うのが理想的なのでしょうか。
習いたてはインプット時間多め
習いたての単元や分野に関しては、まずは基本的な知識をしっかり覚える必要があるので、インプットを多めにするのが良いでしょう。割合としてはインプット:アウトプット=3:2くらいがおすすめです。
習いたての段階で4割がアウトプットというのは多いように思われる方もいるでしょうが、知識を効率よく定着させるにはアウトプットもしっかり行うことが重要になります。
教科書や参考書をただ眺めるだけでは知識が頭に入ってきにくいので、確認問題を解いたり、声に出して覚えたりするなどのアウトプットで勉強にアクセントを持たせるのが良いでしょう。
脳は睡眠時に記憶を整理するため、覚えたことを寝る前に想起するというアウトプット法もおすすめです。
応用力をつけるならアウトプット多め
発展的な問題を解くために応用力を付けたいという段階では、基本的な知識はすでにある程度頭に入っているはずなので、アウトプットをより重視して知識の運用能力を磨いていくべきです。
配分としてはインプット:アウトプット=3:7くらいが良いでしょう。
なお、今回はアウトプットの重要性を強調していますが、インプットが0で良いというわけではありません。
アウトプット中心の学習に移行した後も、間違えた箇所を参考書で復習するなどのインプットを適宜行って、知識の穴を埋めていくことが重要になります。
テスト直前はほとんどアウトプット
テスト直前はインプットした基本的な知識を、いかに「ミスなく・スピーディに」使いこなせるようになれるかということにこだわるべきです。
よってほとんどの勉強時間を問題演習などのアウトプットに費やすのが良いでしょう。比率としては1:9くらいで構いません。
先述した通り、テスト自体もアウトプットなので、テストの最良な対策法はアウトプットなのです。
インプットとアウトプットを効率的に行うコツ
ここからは現役東大生である筆者がインプットとアウトプットのそれぞれを効率的に行うコツを伝授致します。
習いたては答えを見ながらアウトプット
先述した通り、ある分野や単元を習いたての時期にはインプットを中心に学習するのがおすすめです。しかし、分野や単元によっては覚えるべき知識や内容がわからないという場合もあるでしょう。
「どれが重要なのか」「どうしてこの部分が強調されているのか」などを迷ってしまうこともあるはずです。
そのような場合は、アウトプットを通して基礎的な内容をインプットするという方法もあります。例えば、ワークや問題集を解いて、20秒考えてわからなければすぐに答えを見て内容を覚えるといった方法です。
これなら覚えるべきことが明確であり、さらには問題が作られるような重要事項だけを覚えることができるので、非常に効率的だと言えるでしょう。
この方法は文系科目・理系科目を問わず使えるので、是非試してみてください。
文系教科は写経が有効
国語や英語、社会などの文系科目の暗記には「書いて覚える」という方法が非常に有効です。書くという能動的な作業によって様々な感覚が刺激されるため、ただぼんやりと眺めるよりも学習が捗るでしょう。
なお、英語に関しては単語の綴りや意味だけでなく、発音を覚えることも大事なので、単語を実際に声に出しながら暗記するというのもおすすめです。
また社会なら、覚えにくい事柄を中心に自分なりにノートを作るというのも良いでしょう。
さらに今風の方法ですが、覚えた知識をブログに書いて発表するというのも有意義です。人が見ると思うと、隅々まで調べるはずなので、知識をより正確に記憶できるでしょう。
理系教科はテストチェックが有効
理系教科に関しては、こまめにアウトプットを挟みながらインプットを進めるのがおすすめです。ある程度公式や解き方などを暗記したら、定期的に時間を測って実際に問題を解いてみるのが良いでしょう。
またインプットに関しては、すでに解いた問題をもう一度解き、正確に素早く解けるかどうかを確認するのがおすすめです。
先述した通り、使わない知識はすぐに忘れてしまうので、一度覚えた公式や解き方でも定期的に復習をして「使う知識」として保存しておくことが大切になります。
同一の事柄には繰り返し触れれば触れるほど記憶の定着率は高まるので、再度問題を解き直すというアウトプット的なインプット方法で何度も復習するのが良いでしょう。
応用問題を解く時は気づきをメモ
応用問題を解く段階になったら、演習の中で気づいたことをメモする習慣をつけるのが良いでしょう。
例えば、国語の「〜を比較しつつ答えよ」という記述問題の模範解答は、対比の構造が明確に伝わるような書き方をしていることが多いはずです。
よって演習後の答え合わせてそのことを発見したら、「対比構造で答えるのが大事」などとメモをしておきましょう。
また数学なら、同系統の問題を解いているうちに公式の使い方のパターンが見えてくるはずです。なので、例えば「○○の公式は△△の長さを求めるときに使う」などとメモしておくのが良いでしょう。
このようなメモをストックしていけば、インプットした基本知識のより良い運用方法が徐々に見えてくるはずです。
直前期は時間を測りミスをメモ
先述した通り、直前期は問題を解く上でのスピードと正確性の精度を上げていくことに終始するべきです。
まずスピードですが、素早く解けるようになるには「急ぐこと」が重要になります。制限時間を設け、スピード感を持って解くことを意識すれば、自然と解答スピードは上がっていくでしょう。
この際、制限時間は実際の試験よりもタイトな設定にしておくのがおすすめです。そうすれば余裕を持ってテストに臨むことができます。
続いて正確性ですが、これを高めるには自らのミスの傾向を把握することが肝心です。よって今度はミスの種類をメモするのが良いでしょう。
例えば「式変形でミスしやすい」「積分定数を忘れやすい」などとミスをしておけば、同じ計算ミスでもその性質がより明瞭になるため、改善策を考えやすいはずです。
またミスの傾向を元に見直しを行えば、ケアレスミスを効果的に減らすことができるでしょう。
通信教育で効率良いサイクルを
インプットとアウトプットのサイクルを効率よく回したいのであれば、通信教育を利用するのも良いでしょう。
通信教育であれば最適な比重で教材を提供してくれるので、インプット過多になることなく学習を進められるでしょう。
以下の記事でおすすめの通信教育をご紹介しているので、学習を効率よく進めたいとお考えの方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
勉強時のインプット・アウトプットのコツまとめ
勉強時のインプット・アウトプットのコツまとめ
- 直前期なら9割がたアウトプットで良い
- 気づきやミスの傾向をメモして脳に記憶するのがおすすめ
- 文系科目は写経、理系科目はチェックテストが有効
- アウトプットを挟みながらインプットを行うのが効率的な勉強法
勉強時のインプット・アウトプットのコツについて解説しました。
日本ではとかくインプットが重視されがちですが、テストで結果を出すには充実したアウトプットが不可欠です。
インプットした知識を実際に使えるようにすることが肝心なので、各単元や分野で習いたての事柄以外はアウトプット中心の学習をするのが良いでしょう。
また直前期には制限時間を設けて演習を行い、ミスの傾向をメモして振り返ることで、正確性やスピードの精度を上げていくのがおすすめです。
以上を参考に、ご自身の勉強法を見直してみてください。