理系数学の良問プラチカのレベルや難易度は?文系との違いや使い方を現役東大生が伝授
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「理系数学の良問プラチカのレベルや難易度って?」
「理系プラチカと文系プラチカの違いは?おすすめの使い方はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
理系数学の良問プラチカは、MARCH以上の大学を目指す受験生が数学の応用学習として利用すべき問題集です。
文系向けのプラチカもありますが、こちらは東大や京大などを受験する学生向きと言えるでしょう。
今回は理系数学の良問プラチカのレベルや難易度について、文系プラチカとの違いも踏まえて解説します。
現役東大生がおすすめするプラチカの使い方も紹介しますので、是非参考にしてください。
理系数学の良問プラチカのレベルや難易度をざっくり説明すると
- 数学I・A、II・BはMARCHレベル
- 理系プラチカ数IIIは旧帝大や早慶の受験者向け
- 基礎固めが済んでから、受験の頻出範囲を中心に取り組むべき
数学の良問プラチカのレベルや難易度はどれくらい?
受験生から人気のある「理系数学の良問プラチカ」ですが、そのレベルや難易度はどのくらいなのでしょうか。
理系数学の良問プラチカはMARCHレベル
理系数学の良問プラチカには「理系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B」と「理系数学の良問プラチカ 数学III」の2種類があります。
それぞれの難易度ですが、前者は日東駒専〜MARCHレベルで、入試に頻出の典型的な例題が数多く収録されている一冊です。
一方で後者はもう少しレベルが高く、旧帝大や早慶を目指す受験生向けの問題集と言えるでしょう。
理系の学生は理科の対策もあるため忙しいですが、プラチカの数学I・A・II・Bさえ完璧しておけば、MARCHを目指す上では問題ありません。
しかし、早慶以上を目指すとなると、もうワンランク上の問題集も用いた方が良いでしょう。
なお、理系数学のプラチカ2冊の基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 理系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B |
著者 | 大石隆司 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 54ページ |
特徴 | 数学I〜Bのそれぞれで押さえておくべき内容123題とやや応用レベルの30題を収録・解答には図やグラフが多用されている |
評判 | 少し難しく感じたが数学を好きになることができた・問題数が絞ってあるので夏休みの学習には最適 |
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 理系数学の良問プラチカ 数学III |
著者 | 続木勝年・宮嶋俊和 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 32ページ |
特徴 | 微積分の考え方を学ぶことを目的とした一冊・基礎はある程度固まっているという前提で難しい問題を含めて76題を厳選 |
評判 | かなりの難易度の問題集だと思う・京大や東大の問題が多く解くのが面白い |
上記の通り、理系数学の良問プラチカ 数学IIIは微分積分に特化した問題集です。その他の分野を学びたいなら、後述する「1対1対応の演習 数学III 曲線・複素数編」などを併用すると良いでしょう。
文系数学の良問プラチカは早慶を目指す人むけ
「文系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B」という問題集もありますが、こちらの難易度は「理系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B」と「理系数学の良問プラチカ 数学III」の中間程度と言えるでしょう。
よってMARCHの過去問で合格点を取れるようになった受験生が、さらに上の国公立大学や早慶を目指して数学を鍛えるための問題集といったイメージです。
特に二次試験で数学の試験が課される東大や京大を受験する文系学生にとっては必須の一冊と言えるでしょう。
なお、文系数学の良問プラチカの基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
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題名 | 文系数学の良問プラチカ 数学I・A・II・B |
著者 | 鳥山昌純 |
出版社 | 河合出版 |
価格(税込) | 1,257円 |
ページ数 | 48ページ |
特徴 | 文系難関大学合格を目指す学生が1日3題・2ヶ月で数学力を完成させることができる問題集・理解を助けるために解答には図を多用 |
評判 | 「噛めば噛むほど味が出る」という感じの問題集・理系にとってもためになる |
網羅性が高いぶん解説がシンプル
プラチカの魅力は網羅性の高さです。プラチカ理系数学IAIIBには153題、数学IIIには76題、そしてプラチカ文系数学には149題の問題が収録されています。
それぞれ全てこなすことで、受験における典型パターンを体系的に学ぶことが可能です。特に文系の場合はプラチカの問題がそのまま出題されるようなこともあるので、これを使った問題演習は非常に有意義だと言えます。
ただし、プラチカは収録問題数が多く、網羅性が高い分、解説はかなりシンプルです。ある程度数学力がある受験生が使用することを想定して作成されているため、数学力が十分になければ難しく感じるでしょう。
プラチカの利用者からは「解説を読んでもわからない」という声がよく聞かれますが、そのような人は明らかに数学力が不足しています。
まだプラチカを使いこなせる段階までは来ていないので、もう少し基礎を学んだ上で再度挑戦するのが良いでしょう。
プラチカはかなりページ数が少ない
先述した基本情報を見ても分かる通り、プラチカはかなりページ数の少ない参考書です。理系プラチカ数学IAIIBは54ページ、数学IIIは32ページ、文系プラチカは48ページしかありません。
そのため、この問題集を学習のメインにするというよりは、やはり仕上げや最終のレベルアップとして利用するのが良いでしょう。
数学力の土台は青チャートや基礎問題精講、標準問題精講などで作るべきです。
プラチカの解説が足りないなら
プラチカの解説を読んでも理解ができなかった内容がある場合は、「高校数学の美しい物語」で知識を補完しましょう。
高校数学の美しい物語では、入試対策に役立つ数学の解説ページが多く用意されているので、疑問点の解決に大いに役立つはずです。
現役東大生が伝授するプラチカの有効活用法
ここからは受験勉強で実際にプラチカを使っていた現役東大生である筆者が考案した、プラチカを有効活用する方法をお伝えします。
基礎固めが終わってから取り掛かろう
先述した通り、プラチカは十分な数学力が身についた学生向けの問題集です。よってプラチカを使う前に、まずは青チャートや基礎問題精講などでしっかり基礎を固めるのが良いでしょう。
基礎固めが最優先事項なので、プラチカを使った学習は高3の夏頃からで構いません。
また文系は、本格的な過去問演習に取り掛かる前の仕上げとしてプラチカを利用するのがおすすめです。
なお、基礎固めには以下の参考書を使いましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | チャート式 基礎からの数学 |
著者 | チャート研究所 |
出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 数学I+A:2,101円 数学II+B:2,365円 数学III:2,156円 |
ページ数 | 数学I+A:512ページ 数学II+B:644ページ 数学III:512ページ |
特徴 | 教科書レベルから入試発展レベルの問題までを幅広く収録・大学入学共通テストに対応した新傾向の問題も掲載 |
評判 | 数ある参考書の中でもこれが一番わかりやすかった・東大数学が楽に解けるレベルも目指せる非常に完成度が高い問題集 |
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 基礎問題精講 |
著者 | 上園信武 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 数学I・A:1,210円 数学II・B:1,320円 数学III:1,430円 |
ページ数 | 数学I・A:300ページ 数学II・B:320ページ 数学III:280ページ |
特徴 | 入試に頻出の「基礎問」が収録された教科書から入試問題までの橋渡し的問題集・例題数は145+4題(数学I+A) |
評判 | 大学受験で確実に正解するべき基本問題が一通り学べるので数学初心者におすすめ |
大学受験に出やすいところを抽出
プラチカにはそれなりに難易度が高い問題ばかりが収録されているので、1問1問に解きごたえがあり、時間もある程度かかります。
そのため、頭から全ての問題をこなしていたら、かなりの時間を費やすことになるでしょう。
よってプラチカを使った対策は、頻出の範囲を中心に行うべきです。志望大学や大学入試一般の傾向と照らし合わせ、試験に出そうもない問題に関しては思い切って捨ててしまっても構いません。
1周目は答えを見よう
プラチカに収録されている問題は、数学の基礎が仕上がっている人でもそう簡単に解けるものばかりではありません。
よって時間にも限りがあるため、1周目は5〜10分考えてもわからない問題に関しては、積極的に答えを見て構いません。
解答解説を熟読し、2周目以降にしっかり解けるように、解き方をきちんと理解することを重視しましょう。
2周目以降は自力で答えを出せるように
1周目は解き方を理解することを重視するべきですが、解法を暗記するだけでは入試本番で力を発揮できるだけの実践力・応用力は身に付かないので、2周目以降は自力で答えを絞り出すこと大切にしましょう。
余裕があれば、間違えた問題を中心に3周程度は解き直しを行うのがおすすめです。それだけ反復すれば自分の苦手分野が分かるはずなので、試験直前期にはその部分を中心に復習するのが良いでしょう。
プラチカと同じレベルの参考書を紹介
以下ではプラチカと同レベルの参考書をいくつか紹介します。
プラチカだけでは物足りない場合やプラチカが合わないと感じる場合は、これらを使用すると良いでしょう。
数学標準問題精講
数学標準問題精講は、難関大学入試においては押さえることがセオリーとなる「標準難易度」の問題を数多く収録した問題集です。
例題から解説、そして演習問題という段階的な学習によって頻出問題の解法を詳しく学べるため、「わかって解ける」ようになることを目指すことができます。
なお、難易度としてはプラチカと同じか、それより易しいくらいの水準です。プラチカの前段階として標準問題精講を使う受験生も多いので、基礎固めに利用するのも良いでしょう。
問題数は101題(数学I・A)なので、演習量を増やす上でも有用です。
以下ではこの参考書の基本情報をお伝えします。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 標準問題精講 |
著者 | 麻生雅久 他 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 数学I・A:1,320円 数学II・B:1,584円 数学III:1,760円 |
ページ数 | 数学I・A:256ページ 数学II・B:456ページ 数学III:344ページ |
特徴 | 合否を左右する頻出の代表的良問の解法を段階的に学べる・例題の解説と類題の演習で「標問」の解答力を格段に上げる |
評判 | 難しい問題の解法の知りたいところが詳細に解説してあるで良い・良心的で丁寧な解説が魅力的 |
一対一対応の演習
「1対1対応の演習」は、王道の問題集として長年受験生から親しまれてきた一冊です。例題と演習題が「1対1」になったレイアウトが特徴です。
教科書レベルの知識をきちんと理解し、入試標準レベルの問題を解けるようになることを目的としていますが、高度な思考力が要求されるかなりひねられた問題やトリッキーな問題も多いです。
よって、難易度はプラチカと同程度と言われていますが、体感としてはもう少し難しいと考えておいた方が良いでしょう。
またこのシリーズには以下のバリエーションがあるため、特に鍛えたい分野だけをピックアップして学習するのもおすすめです。
- 数学I
- 数学A
- 数学II
- 数学B
- 数学III 微分積分編
- 数学III 曲線・複素数編
なお、この参考書の基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 1対1対応の演習 |
著者 | 東京出版編集部 |
出版社 | 東京出版 |
価格(税込) | 数学I:1,210円 数学A:1,210円 数学II:1,650円 数学B:1,210円 数学III 微分積分編:1,540円 数学III 曲線・複素数編:1,210円 |
ページ数 | 数学I:116ページ 数学A:120ページ 数学II:164ページ 数学B:112ページ 数学III 微分積分編:152ページ 曲線・複素数編:104ページ |
特徴 | 例題の解説で学んだ知識の理解を演習題でさらに深めることができる構成が特徴・入試標準レベルの問題が解けるような本質をついた解法が学べる |
評判 | これをしっかりやればかなりの実力を付けることができる・解説などが大変素晴らしい |
幅広いレベルの数学の参考書・問題集に関する情報が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
理系数学の良問プラチカのレベルや難易度まとめ
理系数学の良問プラチカのレベルや難易度まとめ
- 文系プラチカは理系プラチカより難しい
- 網羅性が高いのが魅力だが、解説は非常にシンプル
- 1周目は積極的に答えを見て良い
理系数学の良問プラチカのレベルや難易度について解説しました。
数学の良問プラチカの難易度ですが、理系プラチカの数学IAIIBはMARCHレベル、数学IIIが旧帝大・早慶レベル、文系プラチカがその中間程度というイメージです。
なお、プラチカは少ないページ数で高い網羅性を実現した問題集なので、解説は非常にシンプルなので注意してください。
総じて比較的難易度が高いので、まずは青チャートなどで基礎固めを行い、それから挑戦するのが良いでしょう。
また時間を有効活用するためにも、1周目に関しては積極的に答えを見て構いません。
以上を参考に、プラチカで数学力アップを目指しましょう。