中学生・高校生におすすめの英語辞書一覧｜人気の英和・和英辞典を徹底比較

そもそも中高生はどうして英語の辞書を持つべきなのでしょうか。

重いといったデメリットも

紙の辞書の大きなデメリットは、重くて持ち運びにくいということです。また量が膨大なので、単語をすぐに調べるのは向いていないとも言えるでしょう。

この点、電子辞書なら目的の単語をピンポイントで検索できるので、調べやすさという点では紙の辞書を凌ぎます。

さらに紙の辞書では、一つの単語に対して様々な意味が記載されているので、意味を端的に覚えるのには不便です。中高生レベルの英文を読むために単語を覚えるには、単語帳の方がずっと便利だと言えます。

学習上のメリットは大きい

紙の辞書だと一つの単語の項目に様々な意味やそれを使った表現、類義語、例文、発音記号などが載っているため、一度の検索で幅広い内容を学習することができます。

また紙の辞書だと調べた単語に印をつけたり、メモを書き込んだりすることができるので、その点では電子辞書よりも便利です。

よって上手に活用すれば、かなりの学習効果を得ることができるでしょう。

英和辞典はいつから使うべき？

英和辞典は英語学習が本格化する中1から使い始めるのが良いでしょう。

比較的時間に余裕がある中1、中2のうちに使い方に慣れておき、受験勉強で忙しくなる中3になる頃までにはしっかり使いこなせる状態にしておくのが理想的です。

なお、今後は小学校から英語授業が始まるので、小学生のうちから使い始めても良いですが、小学校では文法や長文読解などはそれほど扱わないので、中学生からで良いでしょう。

中学生のうちは紙の辞書を使おう

紙の辞書を使うように指示される中学校も多いですが、中学生のうちは紙の辞書を使うべきです。

確かに電子辞書は便利ですが、紙の辞書なら一つの単語を調べると他の複数の単語も目に入るため、英語に慣れるという意味では紙の辞書の方が高い学習効果が期待できます。

また最近ならスマホで調べることもできますが、スマホだと辞書以外の用途でも使ってしまいがちなので、特に中学生にはあまりおすすめできません。

高校生からは電子辞書も便利

高校だと電子辞書の使用が許可されていることも多いので、高校生になったら電子辞書を使うのも良いでしょう。

電子辞書なら持ち運びも容易ですし、発音も聞けるので非常に便利です。またなんと言っても目的の単語をすぐに調べることができるので、時間の節約になります。

高校生は時間的な制約がある中で、定期テスト対策や受験対策のために膨大な量を学習しなければならないので、素早く検索できる電子辞書はかなり有用です。

ここからは中高生におすすめの英語辞書の選び方について解説します。

自分のレベルに合わせる

参考書や問題集と同じように、英和辞典も自分の身の丈に合ったものを使うのが良いでしょう。

収録語数は大きな判断基準

どれだけの単語が収録されているかは、英語の辞書を選ぶ上で大きな判断基準になります。なお、収録語数とレベルの関係は以下の通りです。

社会人向けとは異なるので注意

社会人向けの辞書と中学生向けの辞書では、性質が大きく異なります。中学生向けの辞書には、本格的な英語学習を始めたばかりの中学生でも使いやすいように、基本的な重要単語だけが収録されています。

そのため、中学生なら中学生向けの辞書を使うのが良いでしょう。

一方で高校生になれば、生涯使えるような社会人向けの辞書を使うのがおすすめです。

コーパスに基づいているか

コーパスとは書籍やメディアなどで用いられた言葉の用例が集積されたデータベースのことです。なお、昨今主流のコンピュータコーパスでは、膨大なテキストデータをコンピュータで解析することができます。

英語の辞書を購入する際は、このコーパスに基づいたものを選ぶのがおすすめです。コーパスにも様々な種類がありますが、総じてコーパスには実際に使われた英語が集積されています。

それを解析すれば、よく使われる単語や表現を調べることができるため、コーパスに基づいた辞書には頻出の単語が中心に収録されることになります。

つまり（ネイティブの用例を集めたコーパスなら）ネイティブがよく使うような自然な英語を学ぶことができるということです。

発音表記や用例を比較

発音記号（表記）や用例の充実ぶりを確認するのも良いでしょう。リスニングやスピーキングのスキルにもつながるので、特に発音表記には注目するべきです。

中学生の辞書だと初学者でも英語が読みやすいように、発音がカタカナで表記されている場合があります。

カタカナなら中学生でも大体の発音がすぐにわかるというメリットがある一方、日本人らしい「カタカナ英語」が身についてしまう恐れがあるという点ではデメリットです。

よって将来のことを考えるなら、ちゃんとした発音記号が載っているものの方が良いでしょう。

サイズや付録も判断材料になる

英語の辞書の中には、持ち運びやすいコンパクトサイズのものもあります。これなら常に持ち歩けるので魅力的ですが、文字が小さくて読みにくいという点ではデメリットです。

また付録にも注目すると良いでしょう。CD付きのものは正しい発音を確認することができるのでおすすめです。

他にも英単語カードなどの付録がついているものもあるので、普段の勉強に役立つと思うものがついている辞書を選ぶと良いでしょう。

和英・英英辞典は必要に応じて入手しよう

第一に購入するべきなのは英和辞典で、和英辞典は英英辞典に関しては必要に応じて購入してください。

ちなみに和英辞典は英作文をするときに便利です。英和辞典と和英辞典がセットになったものや、和英小辞典の付録がついた英和辞典もあるので、和英がないと不安な方はそういったタイプを購入すると良いでしょう。

また英英辞典なら、英語を英語のまま理解する練習をするのに役立ちます。よって、ある程度英語力がついてきた高校生以降に使うのがおすすめです。

ここからは中学生におすすめの英和辞典を紹介します。なお、以下の紹介するいずれの辞書にも「英和・和英辞典」のバージョンがあるので、必要に応じてそちらを購入してください。

ジュニア・アンカー英和辞典

この辞書の紙面には、主要教科書全ページの分析結果が反映されているため、学校の英語学習に用いるのには最適な辞書と言えるでしょう。

また文字だけでなく、中学生が間違いやすい要点を特集した記事やイラスト、図版も豊富に収録されているため、読むのが楽しい辞書だと言えます。音声CDもついているため、発音を学ぶのにも便利です。

さらに英検5級〜準2級のそれぞれで頻出の単語にはアイコンがついているため、英検対策としても役に立ちます。

プログレッシブ中学英和辞典

この辞書では簡単そうで実は奥深いcomeやgetなどの基本動詞や、多義的なinやofなどの前置詞が別枠で詳しく解説されているため、上部だけではない本物の英語を学ぶことができます。

また文型・語法などの囲み記事や写真、イラストなども豊富なので、調べるのが楽しい辞書だと言えるでしょう。

巻中の付録には「辞書を使いこなすための文法」や会話例などが収録されているため、単語を調べるのにとどまらない英語学習が可能です。

エースクラウン英和辞典

エースクラウンは、8年連続で高校・中学の採用推薦No.1という圧倒的な信頼度を誇る辞典です。この辞書の最大の特徴は「フォーカスページ」で、最重要の基本英単語がわかりやすくまとめられています。

また代表的な動詞を使った重要チャンク（数語のかたまりで意味を持つ表現のこと）や、英語表現を身に付けることでできることなどに関するコラムも充実しており、こちらも単語以上のことが学べる辞書です。

さらに初級者でも使いやすい工夫が多数施されているため、英語が苦手な中学生にもおすすめできます。

マイスタディ英和辞典

この辞書では見出し語が太字になっており、ページの最初と最後の見出し語が欄外に表示されているので、非常に検索がしやすいです。

また学習のガイド役としてオリジナルキャラクターが登場するため、楽しく使うことができるでしょう。

さらにコラムでは重要な文法や語法が丁寧に解説されているので、単語を調べるついでに文法学習をすることもできます。

加えて、英検3〜5級に頻出の単語や熟語、表現には級数が記載されているので、英検対策にも有用です。

初級クラウン英和辞典

この辞典は文科省検定済みの教科書を全て分析した上で作られているので、学校の予習・復習の際に利用するにはもってこいです。

付録には教科書の頻出動詞17語がまとめられているため、中学英語の基礎学習には役立ちでしょう。

また中学以降で習う漢字には読み仮名がついているので、中学1年生や小学校高学年が使うのにも安心です。

さらに全ての見出し語・変化系にはカタカナで発音が記載されているため、英語が苦手な生徒には良いでしょう。

上記で紹介した中学生向け英和辞典を一覧でおさらいしてみましょう。

なお、上記を見るとエースクラウンだけ少し高いですが、収録項目数が英和5万1千、和英2万4千と他社よりもかなり多いのでむしろコスパは良いと言えます。

続いては高校生におすすめの英和辞典を紹介します。

ジーニアス英和辞典

約10万5000語が収録された最大規模の英和辞典です。ジーニアスは大抵の電子辞書ならデフォルトとして搭載されているので、これを買っておけば間違いないでしょう。日本で最もメジャーな英和辞典だと言えます。

また使用頻度順の語義配列になっており、重要な対義語にはインデックスが付いているので、検索しやすさも抜群です。

さらに語法やコロケーションの解説も充実しており、重要な前置詞は意味の全体像が概念図や展開図を用いて紹介されているので、検索することで英語の理解を深めることができます。

コアレックス英和辞典

コアレックス英和辞典は、高校1年生から大学受験生を対象にした中級英和辞典です。収録語数などは中級でありながら、文法・語法の解説などは上級辞典並みに充実しているので、クオリティは申し分ありません。

重要な単語に関しては、単語の中心義に加え、語源やイメージ図も掲載されているので、英語の基礎理解を深めることができるでしょう。

また意味が似ている単語の使い分けに関しては用例付きで紹介されているため、単語の使い方を正確に把握することができます。

総じて、英語を適切に使うための知識が凝縮された辞典だと言えるでしょう。

スーパーアンカー英和辞典

この辞典は高校教科書コーパスと過去10年分の大学入試コーパスをベースに作成されているため、高校生・大学受験生にはもってこいの辞典だと言えるでしょう。

日本人がミスをしがちな「英作文の落とし穴」を紹介し、正しい表現が例示されているので、特に受験生にとっては非常に勉強になるはずです。

また重要な前置詞や冠詞などは、イラスト付きで具体的なイメージを膨らませながら学べるため、この辞典で調べればきちんと使い分けられるようになるでしょう。

ウィズダム英和辞典

大学入試からビジネスシーンまで使える大学受験生・社会人向けの英和辞典です。コーパスの分析に基づいて作成されており、現代の「生きた英語」が学べます。

日常生活語の用例や解説が非常に充実しているため、英語を実際に使えるようになりたいという意欲のある高校生におすすめです。

また1,100の「論説用例」が収録されているので、全て読めば大学入試に向けて英語の論説文に対する読解力を鍛えることができます。

ちなみにこの辞書には10万4千項目が収録されているので、ジーニアスに次ぐ規模だと言えるでしょう。

オーレックス英和辞典

約10万5千項目が収録されているジーニアスと同規模の上級英和辞典です。高校生の日常学習や大学受験対策からビジネスシーンまで、あらゆる場面で用いることができます。

重要な基本語は大きい赤字、入試で頻出の成句の訳語は太字で表現されているので、見やすく、引きやすい辞典と言えるでしょう。

また多義語の中心義や英文読解のキーワードなどの解説も充実しているため、大学受験生が読めば非常にためになるはずです。

さらにコミュニケーション表現やネイティブの言語使用実態に関するコラムもあるため、英語が話せるようになりたいという高校生・社会人にもおすすめできます。

先程と同様に、紹介した高校生向け英和辞典を一覧で振り返ります。

ここからは中高生におすすめの和英・英英辞典を紹介します。

ジュニア・アンカー和英辞典

ジュニア・アンカー和英辞典は中学生向けの和英辞典で、中学生が日常生活で使えるような例文が多数掲載されています。

よく使われる基本表現のパターンが示されているため、英作文や英会話で用いる適切な表現を見つける際に便利です。

また英語を通して数学や理科、社会などの教科科目を学ぶ学習スタイルである「CLIL（クリル）」に関する新コーナーでは、より実践的な英語を学ぶことができます。

さらに日本の紹介する英語表現やトラベル英語、メールの書き方などを紹介するオールカラーの口絵もついています。

ジーニアス和英辞典

ジーニアス和英辞典は「自然な日本語を自然な英語に」というコンセプトの下で作成されており、日本語のナチュラルな言い回しにこだわった用例が多数収録されています。

また日本語を英語にする際の日本語の言い換え（本書の言い方を使うなら「発想の転換の仕方」）も丁寧に示されているため、英作文のトレーニングには有用です。

間違いや不適切な表現の注意喚起もあるため、ありがちなミスを予め防ぐこともできるでしょう。

さらにジーニアス英和辞典と同様、類義語の使い分けや語法に関する解説も充実しています。

オックスフォード現代英英辞典

オックスフォード現代英英辞典は、全世界で累計4千万部以上発行されている大人気の英英辞典です。名門のオックスフォード大学が出版しています。

中級者から上級者用の英英辞典として世界中で愛用されており、英語を使って働く人も好んで用いる辞典です。

またこの辞典の購入者は、ライティングやスピーキングに役立つコンテンツが豊富に収録されているOALD10を利用することができます。スマホやPCなどから気軽にアクセスできるのでとても便利です。

ロングマン現代英英辞典

ロングマン現代英英辞典も、オックスフォード現代英英辞典と並ぶほど有名な英英辞典です。フルカラーのイラストが豊富に掲載されているため、英語中級者が使うのにも良いでしょう。

23万の見出し語や語句などに加え、16万以上の自然な例文が収録されているので、ボリュームも申し分ありません。

またDVD-ROMからソフトをPCでインストールすれば、電子辞書としても使えるので魅力的です。単語の意味だけでなく、同義語や関連語、例文、発音などを即座に検索できるため、こちらをメインと使っている人も数多くいます。

紙の辞書を使った勉強には、検索に時間がかかることや、情報量が多いためインプットに苦労することなど、いくつか大変な点もあります。

しかし、一つ一つ丁寧に単語を調べることによって得られる学習効果は、電子辞書よりも高いと言えるでしょう。

なお、受験シーズンには紙の辞書を使う時間的な余裕はないため、紙の辞書は中1、中2、高1、高2で用いるのがおすすめです。

得意な方は英英辞典でレベルアップ

英単語の意味を英語で理解すれば、ネイティブがどのようなニュアンスで単語を使い分けているのかということまで把握できるので、英英辞典を使えばより発展的な学習ができるでしょう。

ただし、全て英語で書かれているため、使いこなすにはある程度の英語力が必要です。そのため、英語が得意になってきたら、英英辞典にも挑戦すると良いでしょう。

中高生におすすめの英和辞典、和英辞典、英英辞典を様々紹介しました。

受験勉強などの際は電子辞書の方が便利ですが、余裕がある時は紙の辞書を使って、英単語を一つ一つ丁寧に調べるのも良いでしょう。

なお、高校生なら社会人向けの英和辞典で構いませんが、中学生は中学生向けの英和辞典がおすすめです。

英語が得意になってきたら英英辞典に挑戦するのも良いでしょう。

以上を参考に、ご自身にぴったりの英語の辞書を見つけてください。