高校化学は独学できない?大学受験に向けた勉強法やおすすめ参考書を徹底解説!
「高校化学は独学できないの?」
「大学受験に向けた勉強法は?おすすめの参考書はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
結論から言うと、高校化学は独学でも十分成績を伸ばすことができます。しかし、そのためには正しい勉強法を実践する必要があります。
今回は高校化学の独学について、大学受験に向けた勉強法やおすすめの参考書などを解説します。
これを読んで、ご自身の勉強法を見直してみてください。
高校化学の独学についてざっくり説明すると
- 理解を重視し、基礎から応用という流れで学びべき
- 問題集は一冊をとことんやり込む
- 学校の授業を軽視しない
高校化学は独学でも大丈夫?
高校化学を独学したいと考えている方は以下の内容を参考にしてください。
化学は独学でも学べる?
基本的にはどの科目も独学で対策することはできるので、化学も例外ではありません。当たり前のようですが、その場合は基礎から応用へという流れで学ぶのが良いでしょう。
また化学の勉強に抵抗がある場合は、現象の根本を簡単かつ的確に解説してくれるような参考書を用いるのもおすすめです。
読みやすい参考書を使って勉強すれば、途中で挫折してしまうリスクも少ないでしょう。
ポイントを押さえれば独学もおすすめ
化学では現象がどうして起こるのかを理解することが重要です。この基礎学習はやや難しいですが、これさえクリアすれば応用問題にも対応することができるようになります。
よって独学の際は、基礎の理解には他の科目よりも時間がかかるという心算をしておくのが良いでしょう。根気よく取り組むことが大切です。
またわからない問題がある場合は、教科書や参考書で調べるなり、学校の先生に質問するなりしてすぐに解決することを心がけましょう。決して疑問点を放置してはいけません。
以上を押さえれば、塾に通うよりも独学の方がかえって効率よく勉強できることがあります。
理系にとっては大学受験でも大切
化学はある程度勉強すれば安定的に得点できるようになることが多いので、理系の受験生であれば是非とも得点源にしたい科目です。
記述問題で部分点がもらえる国語や生物などとは違い、計算問題も多い化学はミスで0点になってしまう可能性もあります。
そのため、計算ミスをしないことも含めて、きちんと対策しておけば、大学入試ではミスした受験生に大きな差をつける圧倒的な武器となるでしょう。
化学の独学を成功させるためのコツは?
ここからは化学の独学を成功させるためのコツについて解説します。
暗記以前に理解することが大事
化学では知識問題も数多く出題されるので、暗記科目とみなされることもあります。しかし、実際の試験では計算問題が半数程度を占めるため、暗記学習だけで乗り切ることはできません。
計算問題を攻略するには暗記よりも理解の方が重要です。根本的な理解なしに公式を丸暗記するだけでは、入門レベルの問題以外は解くことができないでしょう。
そのため、まずは暗記よりも理解を重視するべきです。きちんと理解した上で標準レベルの問題で演習すれば、知識をより効果的に定着させることができるでしょう。
理解した上で覚えるというプロセスを踏めば、大学入試で出題されるような応用問題にも対応できるようになるはずです。
問題集はたくさん使わない
一度にたくさんの問題集を購入しても、結局最初の方だけやってあとは全く手をつけないという結果に終わってしまうことが多いでしょう。しかし、それでは十分な学習効果を得ることはできません。
そのため、問題集は1冊に絞るのが良いでしょう。そもそも同じレベルの問題集なら、収録されている内容は大体似通っているため、複数の問題集を併用する意味は特にありません。1冊をとことんやり込んだ方が実力アップには効果的です。
よって問題集を使うなら、「これ」と決めた一冊を完璧に仕上げることをおすすめします。
問題集の1回目はスピード重視?
問題集を1回目に解く際は、もちろん全ての問題を解くわけですが、おそらく考えてもわからないという問題も多いでしょう。
そのため、5分考えてもわからない問題に関しては、積極的に答えを見て構いません。解答解説を納得できるまで読み込み、解き方をしっかり覚えるということを重視しましょう。
一方で2回目に解く際は、自分で答えを出すことにこだわるべきです。問題を見た瞬間に解法を思い出せるかを意識しながら、自分なりの答えが出るまで計算を繰り返しましょう。
なお、2回目で解法を思い出せなかった問題や計算ミスをした問題はピックアップしておき、3回目として重点的に解き直しをするのがおすすめです。
余裕がでたら応用問題集に移る
まずは標準レベルの問題集に取り組み、余裕が出てきたら応用レベルの問題集に移行すると良いでしょう。
化学は応用問題のパターンが大方決まっているので、積極的に演習をこなしてその形式に慣れれば、問題なく解けるようになるはずです。
なお、応用レベルの問題集がしっかり解けるようになれば、十分入試レベルの力はついていると言えるでしょう。これは物理に関しても同様のことが言えます。
軽くでも勉強計画を立てる
問題集を買ったら「1日5問ずつ解く」などの学習スケジュールを立てるのがおすすめです。
特に基礎レベル・標準レベルの問題集に関しては、解き方を覚えることが目的なので、適宜答えを見ながらスピーディに進めていきましょう。
一方でハイレベルな問題集や過去問に挑戦する際は、時間の許す限り考えるべきです。こちらは入試レベルの応用問題にも対応できるような思考力を磨くのが目的なので、自分自身でじっくり考えましょう。
また先生に解き方・考え方を解説してもらい、理解を深めるのもおすすめです。
化学の単元別攻略法は?
以下では化学の攻略法を単元別に紹介します。
全ての基礎である理論化学
化学には理論化学・無機化学・有機化学という3つの単元がありますが、全ての基礎となるのは理論化学です。どの学校でも理論化学から授業が始まりますし、中学の理科でも理論化学の初歩的な内容は扱います。
理論化学の中でも最も基本的で重要なのは化学反応式や物質量計算、温度計算などですが、これらは基礎でありながら難しいので、まずはそれらを参考書や問題集でじっくり理解するのが良いでしょう。
それらをマスターすれば、応用的な分野である酸塩基や酸化還元、電気分解、化学平衡などの問題なく理解できるはずです。
単位変換が最初のポイント
理論化学の最初の方には、molなど高校化学特有の単位が登場します。それは非常に簡単ですが、きちんと理解しておかないと後の学習があやふやになってしまうので注意しましょう。
実際、それらの単位が何となくわからないことで化学が苦手になっていき、結局文転してしまうという高校生は多いです。
そのため、単位変換などがわからない場合は簡単な問題演習を繰り返して、早めに苦手を克服しておくのが良いでしょう。単位変換は慣れれば簡単なので、それによって化学を諦めてしまうのはもったいないです。
語呂合わせでの暗記が多い無機化学
無機化学は最も暗記の要素が強い単元です。しかし、酸化還元反応など理論化学を応用して理解をベースに自然と覚えられる分野もあります。
もちろん丸暗記しないといけない範囲もありますが、基本的には参考書などで理解しながら覚えれば、無理なく暗記できるでしょう。
また色と物質名の組み合わせなどは教科書や図表の写真を活用して、感覚的に覚えてしまうのがおすすめです。
さらに語呂合わせも有用なので、学校の授業や参考書、ネットで紹介されるものを参考にすると良いでしょう。
パズル感覚の有機化学
有機化学は最も個性的な単元であり、一見複雑で難解に見えるため、最初は抵抗感を持つ人もいるでしょう。
しかし、ある程度のことを暗記すれば、あとはパズルのような感覚で解けるようになるので、実はそれほど難しくありません。
ただし、そのパズルは化学の知識がないと全く解けないので、きちんと暗記学習を行う必要があります。
幸い有機化学で暗記すべき事項はそれほど多くないので、暗記に関しては容易にクリアすることができるでしょう。その後は簡単な問題から演習を積んでいけば、安定的に得点できるようになり、成績も伸びるはずです。
高校化学で重要な周期表について解説した記事は以下の記事を参照してください。
独学で失敗してしまう要因3選
ここからは独学で失敗してしまう要因を3つ紹介します。
暗記を怠る
化学を攻略するには理解と暗記の両方が重要であり、どちらか一方でも欠けていれば成績は思うように伸びていきません。
化学ができない生徒は、暗記を怠っているがゆえに問題が解けないという場合が非常に多いです。基本的な知識がしっかり頭に入っていない限り、化学の問題は解けないため、暗記を軽視するべきではありません。
よって知識が不十分な場合は、問題演習を繰り返したり、語呂合わせを誦じたりして、暗記学習をしっかりするべきです。
暗記を怠るとテスト中にうろ覚えの知識を思い出すのに時間がかかり、大して難しくもない問題が解ききれないという事態も起こりうるので注意しましょう。
計算ミス・解答スピードを軽視する
化学では知識問題と同じくらい計算問題も出題されるので、計算の正確さ及びスピードが重要になります。
そのため、計算の練習を重ね、簡単な計算や頻出の計算なら体が勝手に動くというくらいまで仕上げておくのが理想的です。
また志望大学の過去問を解く際は時間を計測し、計算スピードを意識するのが良いでしょう。それと同時に計算ミスをしないようにも気をつけるべきです。
何度も同じ計算ミスをしてしまう場合は、見直しの時に必ずそのミスをしていないか確認する習慣をつけるのが良いでしょう。
さらに試験前には標準的な問題集や参考書を使い、問題を見てすぐに解答を思い出すかどうかや、答えを出すまでの手順が明確に頭に浮かぶかどうかを確認するのもおすすめです。
この作業により、試験本番で素早く解法が思い出せるようになるため、全体的に解法スピードが上がります。
問題集自体を暗記する
問題集には一冊丸ごと覚えてしまうくらいの勢いで取り組むべきです。ただし、きちんと理解した上で覚えなければ、他の問題に応用できないので注意しましょう。
何度も繰り返し解いていると解法の手順を自然と覚えてくるため、何となく分かった気になりがちですが、解き方を丸暗記しただけでは本当に力がついたとは言えません。
よって問題集に取り組む際は、きちんと内容が理解できているかどうかを自問しながら問題を解くのが良いでしょう。理解した上で問題集を一冊暗記すれば、相当な実力が付くはずです。
高校化学が難しいと感じた時の対処法はある?
高校化学を勉強していると、難しいと感じてしまい、学習が行き詰まることもあるでしょう。以下ではそんな場合の対処法について解説します。
自分に合わない参考書は変える
独学の場合は参考書を使って勉強することが多いでしょうが、参考書がわかりにくいと感じたらすぐに買い換えるのが良いでしょう。
参考書はそこまで高くなく、根が張るものでも塾の月謝に比べれば格安です。そのため、少しくらいの出費は惜しまず、勉強の能率を第一に考えることをおすすめします。
またこれから学習を始めるという際には、モチベーションを維持するためにも少し簡単と思うレベルのものを選ぶのが良いでしょう。
最初からレベルの高いものに挑戦したいという方もいるはずですが、難しい問題が多いとそれだけつまずく回数も増えるので、挫折してしまう危険性が高まるということをご理解ください。
解説が充実した問題集を使う
質の悪い問題集というのは、「どうしてそうなるか」の説明がわかりにくい問題集のことを指します。
また状況説明が理解しにくかったり、必要でないと思われる知識の掲載が多いものも、良い問題集とは言えないでしょう。
それらは総じて解説に欠点があり、本当に重要なことが把握しにくいという点で劣っています。よって問題集を買う際は、解説の充実ぶりを重視するのが良いでしょう。
なお、学校の問題集は解説が微妙である場合があるので、それなら解説が丁寧な市販の問題集を先にやって、それから学校の問題集に移るのがおすすめです。
独学におすすめな問題演習の仕方と参考書
ここからは独学におすすめな問題演習の仕方と用いるべき参考書を紹介します。
まずは基礎的な参考書を使う
参考書を買うなら、まずは簡単で読みやすいものから始めると良いでしょう。それなら化学を学ぶのに抵抗があっても始めやすいですし、何より基礎をしっかりと固めることができます。
具体的には以下のような参考書がおすすめです。なお、これらは教科書や傍用問題集の理解を深めるための補助教材としても活用できます。
項目 | 内容 |
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題名 | 橋爪のゼロから劇的!にわかる 理論化学の授業 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,375円 |
ページ数 | 352ページ |
特徴 | 入試で頻出の理論化学の最重要ポイントを教科書よりも平易でわかりやすく解説した1冊 |
評判 | とてもわかりやすいので知識ゼロから始めるのにもおすすめ |
項目 | 内容 |
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題名 | 【改訂版】宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学) |
出版社 | 学研プラス |
価格(税込) | 1,628円 |
ページ数 | 392ページ |
特徴 | 右ページは全て図解という斬新なレイアウトが特徴の実にわかりやすい一冊 |
評判 | 教科書の解説不足を補ってくれるので独学する人には欠かせない |
項目 | 内容 |
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題名 | 大学受験Doシリーズ 鎌田の理論化学の講義 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,430円 |
ページ数 | 328ページ |
特徴 | 化学ができない原因となる多くの人が見落としがちな要点に着目して詳しく解説 |
評判 | とてもわかりやすいので基礎から学びたい人におすすめ |
ちなみに上記の中では、大学受験Doシリーズの難易度だけが少し高めと言えるでしょう。
学校の授業で理解するのがベスト
学校の授業は非常に丁寧なことが多く、理解を補助するためのプリントなどもきちんと配布されるので、基礎を固めるのに学校の授業を利用するというのもおすすめです。
しかし、学校や先生によっては授業がわかりにくいこともあるはずなので、その場合は上記のような参考書を購入すると良いでしょう。
なお、最終的に難関大の入試レベルまで到達したいと考える人の中には、基礎学習に時間をかけることが煩わしく感じられる方もいるでしょうが、基礎に時間をかけることは遠回りのようで実は近道なのです。
急がば回れ、着実にステップアップして行きたいなら、根気よく地道に頑張りましょう。
標準・応用の問題集を順番にマスター
基礎がしっかりと身についたら、以下のような応用レベルの問題集を使うのが良いでしょう。これらには難関大学の過去問レベルの問題が数多く収録されており、全て完璧にすればかなりの実力をつけることが可能です。
項目 | 内容 |
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題名 | 2021実戦 化学重要問題集 化学基礎・化学 |
出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 1,633円 |
ページ数 | 328ページ |
特徴 | 標準レベルのA問題から応用レベルのB問題へと進むことで着実にレベルアップできる一冊 |
評判 | 大学は入試問題を作るのにこれを参考にしているのではないかと思うくらい問題選びがハイセンス |
項目 | 内容 |
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題名 | 化学(化学基礎・化学)基礎問題精講 |
出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 1,210円 |
ページ数 | 336ページ |
特徴 | 入試に頻出の重要問題(111題)の解き方をマスターして実戦力・応用力を身に付けるための1冊 |
評判 | 重要な内容が網羅的に収録されているので非常に充実していると言える |
化学の新研究を活用しよう
「理系大学受験 化学の新研究」では、化学の問題を解くのに必要なあらゆる原理が説明されており、まさに高校化学の辞書とでも言うべき一冊です。
高校化学では時々教科書などでははっきりと説明されていないにもかかわらず、問題を解くのには必要となるような原理が存在します。そうした原理に遭遇した時に、この「辞書」があると便利です。
わからない原理をその都度調べるようにすれば、理解をさらに深めることができるでしょう。
ちなみにこの参考書の基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
題名 | 理系大学受験 化学の新研究 |
出版社 | 三省堂 |
価格(税込) | 2,860円 |
ページ数 | 832ページ |
特徴 | 「この本でカバーできない問題はない」とも言われる理系受験生のバイブル |
評判 | 教科書などを見ても理解できない現象や応用問題に含まれる見知らぬ単語などを調べるのに便利 |
もっと多くの化学の参考書・問題集を比較検討してい方は以下の記事を参考にしてください。
過去問はタイムアタックが有効!
志望大学の過去問にはできるだけ早い段階で触れておき、出題傾向や頻出単元を把握しておくのが良いでしょう。
また応用レベルの問題集がある程度片付いてきたら、タイムアタック形式で過去問を解いてみるのもおすすめです。自分の現在の実力や足りない部分を把握する良いきっかけになります。
計算スピードや問題の読解力・理解力などを確かめて、その後の勉強に生かすべきです。
独学なら通信教育とのかけ合わせもおすすめ
独学で化学を学習する際に、プロの指導も取り入れて効果的に学習を進めたいお考えの方は通信教育がおすすめです。
通信教育を利用すれば、わかりやすい解説を参考に基礎固めができることはもちろん、学校の進度に合わせた学習をすることもできます。
なお、通信教育なら教科書理解を助ける補助教材や問題集に取り組むまでの導入としても活用できる一方、応用レベルの問題演習もできるので汎用性の高い選択となりえます。
通信教育各社の比較は下記の記事にて詳しく行っているため、通信教育の導入を検討されている方はこちらもぜひご覧ください。
高校化学の独学についてまとめ
高校化学の独学についてまとめ
- 暗記を怠ってはいけない
- 問題集の1回目は正解よりも理解を重視
- タイムアタック形式で過去問を解くのもおすすめ
高校化学の独学について解説しました。
高校化学を独学する際は、基礎から応用という流れで勉強するのが良いでしょう。基礎固めには学校の授業が有用ですが、わかりにくい場合は補助教材として簡単な参考書を用いるのもおすすめです。
なお、基礎学習では解法を暗記することも重要ですが、応用力を身に付けるためには理解も伴っていなければなりません。
その後は応用レベルの問題集で演習を重ねるのが実力アップの近道です。またタイムアタック形式で過去問を解くのも良いでしょう。
以上を参考にご自身の勉強法を見直してみてください。