短時間で暗記する方法を東大生が徹底解説!暗記のコツや教科別の効率良い暗記法まで掲載
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「短時間・短期間で知識を覚える方法はある?」
「各教科の効率のいい暗記方法は?覚えるのにコツはある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
高校生になると学習量も膨大になるので、いかに短時間で効率よく暗記ができかということが重要になります。
そのため、より良い暗記方法を知っておいた方が良いでしょう。
今回は現役東大生である筆者がおすすめする短時間で暗記する方法を紹介します。教科別の効率よく覚える方法や覚える際のコツなどを詳しく解説するので参考にしてください。
短時間で暗記する方法についてざっくり説明すると
- 手を動かしながら暗記するのがおすすめ
- 声に出して覚えるのも良い
- 英語や実技教科はチェックテストを用いる
現役東大生が教える短時間で暗記する方法
高校生になると、定期テスト前など短期間で膨大な量の暗記を求められることも少なくありません。
しかし、短期間・短時間で多くの量を暗記するのは難しいため、なかなか覚えられない、覚えてもすぐに忘れてしまうとお困りの方もいるでしょう。
以下では、現役東大生である筆者がおすすめする効率のいい暗記方法をお伝えします。
暗記のコツは手を動かす
ただ眺めるだけで知識を頭に定着させるのは至難の業です。集中力の度合いによって暗記にムラができてしまい、完璧に覚えるという意味では効率が良いとは言えません。
また、ぼうっと文字を追っているだけでは次第に眠くなってしまう可能性も高いので、デメリットの多い暗記方法だと言えるでしょう。
暗記学習に集中したいなら、手を動かしながら覚えるのがおすすめです。暗記事項を書き出すことによって、頭の中にビジュアルがより印象付けられるので、効率的に記憶できます。
特に英単語などは書いている感覚とスペリングを結び付けて覚えられるのでおすすめです。
声に出して覚えると効果的
手を動かすだけでなく、さらに声も出して覚えるというのも良いでしょう。
目で見て、手を動かし、声に出して、それを耳で聞くという一連の作業の中で、様々な感覚を刺激することができるので、より効果的に知識が定着する可能性が高まります。
また英単語の場合は発音の練習にもなるので、効率的な方法だと言えます。
ちなみに筆者が高校生の時分は、目の前に子供がいると想定し、その子に授業をするような感じで説明することで、知識を覚えているか、理解できているかのチェックをしていました。
こうした「模擬授業」をすれば記憶が整理され、おまけに印象にも残りやすいので、知識をすぐに思い出すことができます。
友達と問題を出し合うのも良い
たまには友達と問題を出し合って、知識を確認するのも良いでしょう。良い気分転換になりますし、普段とは異なる刺激を受けるので記憶の定着にも効果が期待できます。
また自分で暗記する場合はすぐに答えが見られるのでどうしても緊張感に欠けますが、友達に問題を出してもらえば、自分は答えを見られないので、じっくり知識を思い出す良い機会になるでしょう。
朝の時間的制約が集中力を生む
「火事場の馬鹿力」という言葉があるように、人間は逼迫した状況の中でとんでもない力を発揮することがあります。
このことは暗記学習にも当てはまり、「本当に時間がない」という状況に陥ると驚異的な集中力を発揮することが可能です。
そのため、効率よく暗記学習を行うには、時間的に切羽詰まった状況を作り出すのが良いでしょう。例えば、おすすめなのは朝です。
朝、学校に出発する直前に勉強すれば、「早く学校に行かないと」というプレッシャーを感じながら勉強することになるので集中力は格段に上がるでしょう。
また朝なら頭が冴えているので、その意味でも高い学習効果が期待できます。
単純反復もかなり効果的な暗記方法
長時間同じ場所にいて反復学習を行うよりも、時間や場所をこまめに変えて何度も同じ学習を行う方が知識を効果的に定着させることができます。
例えば、暗記学習に6時間使えるなら、6時間机に座ってぶっ通しで勉強するのはおすすめできません。
そうではなくて、例えば朝の出発前に1時間、通学のバスと電車で1時間、昼食後に1時間、帰宅途中に1時間、帰宅してから寝る前までにさらに2時間など、環境を変えながら暗記するのが良いでしょう。
適度に休憩を取ることが大切
時間や場所を変えながら暗記することをおすすめするのは、そうした変化を持たせることで適度な休憩を取れるからです。
人間の集中力には限りがあるため、一般的には勉強を長く続ければ続けるほど能率が落ちてきます。そのため、適度に休憩を取って、脳をリフレッシュすることが大事なのです。
ちなみに人間の集中力は、2017年のベネッセコーポレーションと東京大学池谷教授の合同調査によると、60分休憩なしで勉強したグループよりも、45分(15分の3サイクル・途中2回休憩あり)のグループの方が学習効率が良いという結果になりました。
よって、勉強時間を15分の倍数に設定するというのも効果的です。
一番のコツは毎日の継続
ここまで短時間で暗記する方法を解説してきたわけですが、短時間で膨大な量を覚えるというのはやはり難しいです。
そのため、知識を効率よく暗記するためのコツは、毎日少しずつ勉強を継続することであると言えます。毎日暗記学習をして、覚えているかどうかをチェックしていれば、自然と知識は定着してくるはずです。
また人間の脳には、寝ているときに記憶を整理して定着させようとするメカニズムがあるため、何日か継続的に学習することで数回睡眠を挟めば、それだけ記憶の定着率も高まります。
さらにより効果的に知識を定着させるには、就寝前に新しく覚えたことを思い出す「想起」という作業を行うことがおすすめです。
一夜漬けはおすすめしない
定期テストに一夜漬けで臨む高校生も多いですが、夜更かしして勉強するのはあまりおすすめではありません。
上記で解説した通り、人間の脳は睡眠中に記憶を定着させるからです。そのため、徹夜でいくら知識を詰め込んだとしても、十分な睡眠を取らなければ、あまり知識が定着しない可能性があります。
よって、やはり定期テストの勉強は、本番の2週間前あたりから計画的に進めるのが良いでしょう。
また前日に知識を詰め込まないと間に合わないという場合でも、睡眠時間を削り過ぎるべきではありません。本当に大事な部分だけを暗記して、少なくとも4時間は寝るべきです。
東大生が解説するテスト前日の効果的な勉強法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
教科別の暗記のコツ
英語や技能教科はチェックテストを自作しよう
暗記事項は覚えたつもりでも、実は覚えていない、忘れてしまっているということがよくあります。またそうした「記憶の穴」を自覚するのは困難です。
この「記憶の穴」を上手く見つけるには、問題集を用いて一問一答形式の問題を解くと良いでしょう。また実技教科など良い問題集がない場合は、自分でチェックテストの作るのもおすすめです。
知識を効果的に覚えるにはインプットだけではなく、アウトプットも十分に行わなくてはいけません。よって、アウトプットと同じくらいの割合で実践していくことが、知識を定着させるためには効果的です。
社会は強烈な印象記憶にして覚える方法が効果的
人間の記憶は数分〜一生覚えている長期記憶と数十秒〜数分で忘れてしまう短期記憶が存在します。長期記憶にもいくつかの種類があり、代表格である「エピソード記憶」は比較的定着しやすい記憶です。
エピソード記憶には、ある出来事に付随する感情なども含まれているため、強烈な印象として脳に定着します。
つまり強烈な印象が伴うものの方が記憶として生き残りやすいということです。
よって社会の暗記学習でも、友達や有名人の名前・あだ名を組み合わせて語呂合わせを作るなど、印象を強めるための工夫をすれば、知識が定着しやすくなるでしょう。
ちなみに筆者の場合は、歴史上の人物とクラスメートの名前を対応させて暗記していました。
そうすれば、例えば二・二六事件なら「高橋くん(高橋是清)、とうとう殺されてしまった。」など、歴史的イベントに自分なりの印象が追加されることになるので、暗記作業が捗ります。
数学はなぜを繰り返して覚える
数学でも解き方を覚えないといけないので、暗記学習は必要です。しかし、数学に関しては他教科のように丸暗記するような暗記法では成績は伸びていきません。
数学では「理解した上で覚える」ということが重要になります。
ある式を変形する方法を覚える際も「なぜこの変形が必要なのか」ということを理解しておけば、特定の問題を見るとすぐにその変形を思い出せるようになるはずです。
「なぜ」と自問しながら覚えるのは丸暗記よりもハードルが高いように思われますが、意味を伴って記憶することができるので、暗記が苦手な人からすればこちらの方が簡単でしょう。
コツさえ掴めば、解き方を無理して覚えようとしなくても、意味さえ理解すれば自然と解き方もインプットできるようになります。
数学の本質的な理解を深めたい方におすすめなのが「高校数学の美しい物語」です。
数学の定理や問題の背景を誤魔化すことなく解説しているので、数学という教科をより深く味わうことができるでしょう。
総じて各教科に興味を持つことが重要
人間は興味のあることならすんなり記憶することができます。例えば、好きな芸能人やスポーツ選手の名前を覚えるのに、赤シートを使う人はいないでしょう。
また好きなドラマのストーリーを覚えるのに、まとめノートを作るという人もいないはずです。
そのため、効率よく暗記したいならまずはそれぞれの教科に興味を持つことから始めましょう。社会なら歴史に関するドキュメントを観たり、歴史物の小説を読むのがおすすめです。
英語であれば、海外ドラマを観るなど英語を使いたくなるように工夫するのが良いでしょう。
集中力を高めるには楽しむことが大事
上記の内容と少し関連しますが、集中して勉強に取り組むには勉強を楽しむことが大切です。
スポーツやゲームなど、楽しんで物事に取り組んでいる時は「時間が経つのも忘れている」ということがあるでしょう。勉強でもその状態が作り出せれば、効率よく知識を蓄えることができます。
しかし、勉強は楽しくないと感じる人もいるはずです。特に文系の人は数学の勉強が嫌いという人も多いでしょう。
そのような場合は、嘘でも良いので「楽しいと思い込む」ことが重要です。無理やりにでも楽しいポイントを見つけて「数学は楽しい」と思い込めば、少しは能率が上がるでしょう。
嫌でもやらないことには仕方ないので、どうせなら楽しんで取り組むのがおすすめです。
効率の良い暗記と復習のタイミング
効率よく暗記を行うには、効果的な復習のタイミングを把握しておくことが重要です。
以下では理想的な復習のタイミングと復習時のコツについて解説します。
最適な復習タイミングは1日
「エビングハウスの忘却曲線」に関連した研究によると、人間の記憶は時間と共に忘却されていきますが、復習をすることによって失われた記憶を完全な状態に戻すことできます。
なお、記憶を戻すには最初の暗記学習に対してどれだけの労力が必要なのかと言うと、暗記から20分後なら42%、1日後なら66%、それ以降であれば80%程度の労力が必要です。
つまり時間が経過すればするほど、復習にかかる労力は大きくなるので、復習は1日以内に済ませるのが良いでしょう。
復習のタイミングは教科によっても異なる
復習にかかる労力という観点からすると、1日以内に行うのが効率的なのですが、記憶の性質によってはもう少しインターバルをもうけた方が良い場合もあります。
例えば、英単語なら丸暗記に近いものなら1日以内に復習するのがおすすめです。しかし、理解しながら覚える数学なら1〜2週間空けてから復習するのが良いでしょう。
社会に関しては1週間以内に復習するべきです。
範囲を何周もするのが効率いい暗記に
覚えるべきことが膨大にある時は、大雑把で良いので何度も何度も繰り返し確認することが効率よく知識を定着させるコツです。
例えば、英語の単語帳を1週間で一冊覚えなければならないなら、1週間かけて丁寧に1周読むという暗記法は効率的ではありません。
それなら2日でざっと1周し、6日間で3周、残りの1日で覚えきれていない部分を重点的に確認するという方法の方がおすすめです。
英単語ターゲットなら1日で一周できる
高校生の単語帳の定番と言えば「英単語ターゲット1900」ですが、これなら1日で1周することも可能です。
もちろん最初は知らない単語も多いので、もう少し時間がかかるはずですが、慣れてくれば1、2日でざっと1周することをおすすめします。
実際、夏休み終わりからターゲットを毎日1周し、センター試験で満点を取った高校生もいるので、英語の点数をアップさせるには有意義な方法です。
範囲を重ねて取り組もう
1日ごとに全く異なる事柄を記憶するよりも、覚えるべき事柄を少しずつ重複させながら暗記する方が知識を効果的に定着させることができます。
つまり、1日目に1〜40頁、2日目に41〜80頁、3日目に81〜120頁というように覚えるよりも、1日目に1〜60頁、2日目に30〜90頁、3日目に60〜120頁という具合に覚える方が良いということです。
後者のように範囲を重ねて暗記に取り組めば、復習しながら新しい知識も覚えることができるので、知識はどんどん増えていきます。
勉強後すぐに復習するのもおすすめ
勉強が終わった直後に学習内容を振り返る習慣をつけるのもおすすめです。数分で良いので復習を行うようにすれば、1回1回の勉強内容を整理することができるので、効果的に知識が定着します。
たかだか1分、2分の復習ですが、毎回コツコツ続ければ、長期で見たときに知識の習熟度がずいぶん異なるはずです。それほど手間もかからないので、騙されたと思って試してみましょう。
予習・復習に関する記事は、以下を参考にしてください。
短時間で暗記する方法についてまとめ
短時間で暗記する方法まとめ
- 1日以内に復習を行って記憶を完全な状態に戻す
- 単語帳などは大雑把に何周もするのが良い
- 暗記する範囲を少しずつ重複させるのがおすすめ
現役東大生がおすすめする短時間で暗記する方法について解説しました。
ぼんやり眺めているだけでは非効率なので、暗記は書きながら、もしくは声を出しながら行うのがおすすめです。
また英語や実技教科ならチェックテストで知識を確認するのも良いでしょう。社会は友達の名前を歴史上の人物に対応させるなどして、うまく印象を付けながら記憶するべきです。
数学は「なぜ」と自問しながら暗記に取り組むことをおすすめします。
なお、記憶を定着させるには復習が重要なので、英語なら1日以内、社会なら1週間以内、数学なら1〜2週間後に復習すると良いでしょう。
以上を参考に、より良い暗記方法を実践してみてください。