偏差値80越えの東大生が伝える!高校数学が得意になるための苦手克服勉強法
「高校数学が得意になるにはどうすれば良いの?」
「効果的に苦手を克服できる勉強法はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
「高校数学が苦手だ」「どうしてもできない」という高校生は非常に多いです。確かに高校数学は難しい教科ではありますが、正しい勉強法を実践すれば、誰でも成績を上げることができます。
今回は偏差値80超えの東大生である筆者が、高校数学が得意になるための苦手克服勉強法をお伝えします。
筆者自身、高校時代はテストで赤点を取るほど数学が苦手だったので、この勉強法は誰でも実践できるはずです。
高校数学が得意になるための苦手克服勉強法をざっくり説明すると
- 数学は尻上がりに成績が伸びる教科なので最初は忍耐が必要
- 数学は暗記学習によって攻略できる
- 数学により多くの勉強時間を費やすべき
- 場合によっては中学数学から始めても良い
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高校生が数学を得意にするための最強勉強法
「数学ができない」と悩んでいる高校生は非常に多いです。中学までは数学が得意であった生徒が、高校生になってからは赤点の連続、毎回追試といったケースも珍しくありません。
そこで今回は数学に拒絶反応を示す高校生に向けて、最強の勉強法を紹介します。
なお、それは高校のテストで15点を取るほど数学が苦手だった状態から東大に現役合格した筆者が実際に使っていた方法です。
数学が苦手な子に共通する大きなイメージ
教育系雑誌では「数学アレルギー」や「数学嫌い」などのテーマで特集が組まれることが非常に多いです。一方で社会や国語などの文系科目に関してはこうした現象はあまり見られません。
なぜなら、社会や国語は暗記学習の量が点数に反映されることが多いため、比較的対策が容易だからです。それに対し数学の場合は、公式などをいくら覚えても点数が全く上がらないというケースも多々あります。
実際、数学が苦手な生徒は「どれだけ頑張っても結果が出ない」「何百時間と勉強したので成績が上がらない」と悩んでいることも多いです。
数学の場合、勉強法が間違っていれば、勉強したところで成績は上がらないため、勉強すればするほど数学への苦手意識が強まるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
数学は得意になるまでが長い尻上がり科目
数学は、公式や解法がある程度使いこなせるようにならないと点数は上がらないので、勉強開始からしばらくは成績が横ばいに推移する状態が続きます。
しかし、ある時期を越えれば成績は尻上がりに上昇するようになるため、特に学習の初期段階は根気よく勉強することが重要です。
一方で社会などの暗記科目は、暗記学習を行えばすぐに成績に反映されるため、学習の初期段階から充実感を得ることができます。
しかし、ある程度知識を覚えてしまうと後は細々とした暗記作業になるため、成績の伸びは鈍くなってしまうでしょう。
数学は暗記で克服しよう
教育業界や受験業界では、「数学には暗記が必要か否か」という論争が長い間続けられていますが、筆者個人としては、数学には暗記が必要不可欠であると断言できます。
確かにその場の閃きに任せて問題を解いていくことも可能ですが、それで好成績を収められるのは論理的思考力と数学的センスに恐ろしく長けた一部の天才だけです。
天賦の才がないのなら、問題演習を繰り返し行うことで典型的な問題の解法パターンを暗記してしまった方が好成績が残せる可能性が高いでしょう。
以上より、今回は暗記数学をベースにした勉強法やスケジュールを解説することにします。
暗記が苦手な子のための高校数学勉強法
本記事では暗記数学をおすすめするわけですが、中には暗記が苦手な方もいるでしょう。その場合は無闇にたくさん暗記しようとするのではなく、覚えるべきポイントを絞って記憶するのがおすすめです。
具体的には以下3種類の事柄を記憶すると良いでしょう。
- 問題を解く上での急所となる各単元ごとの重要な学習内容
- 導出が難しい公式
- 参考書に載っている重要例題の解き方
例えば「二次関数と二次方程式」の単元なら、「グラフとx軸との交点が二次方程式の解であり、解の個数は判別式を用いて判断する」ということが重要な学習内容にあたります。
またこの単元に登場する「二次方程式の解の公式」をテスト本番に導出するのは厄介なので、丸暗記してしまうのが良いでしょう。
さらに解の個数を決定する問題は参考書の重要例題になっているはずなので、その解き方に関しても暗記しておくべきです。
なお、「高校数学の美しい物語」では、各単元の重要事項の解説や例題を全て無料で見ることができます。
参考書ではなかなか覚えられないという方は、ぜひ「高校数学の美しい物語」の解説を参考にしてください。
まずは数学の苦手感を払拭しよう
まずはメンタル・マインド的なアプローチによって、数学への苦手意識を払拭することから始めましょう。
高校生が数学に対して苦手を感じてしまう理由
中学数学と比べて、高校数学の特徴には以下のような特徴があります。
- 集合や三角比など直感的なイメージがつきにくい抽象的な単元が登場する
- 問題パターンが増加するため、より多くの演習時間が必要になる
- 馴染みのない独特な数学的言い回しが多用される(「任意の〜」「ある〜」など)
- 煩瑣な計算処理を伴う2次関数などの複雑な関数が登場する
- 授業のスピードが速過ぎて一度わからなくなると追いつけなくなる
上記のような特徴があることから、中学までは数学が得意であった生徒も、高校になると急に数学ができなく可能性があります。数学では学年トップだったのに、高校生になった途端追い抜かれるということも珍しくありません。
特に進学校では授業スピードが速いため、以下のような負のスパイラルに陥ってしまう生徒も多いです。
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目の前の授業を理解するのに精一杯
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モチベが低下して復習がしなくなる
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授業についていけなくなる
-
テストの点数が悪化する
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数学が嫌いになり、さらにモチベが低下する
数学に対する苦手感を克服する方法
数学に対する苦手意識を払拭するには、まず数学が「成果が出るまで時間はかかるが、やれば必ずできようになる科目」であることを理解することが重要です。
また周囲と自分を比較するのはやめましょう。過去の自分と比較して成長を感じるという前向きな姿勢を心がけるべきです。
さらに最初から難しい問題に取り組めば誰でも挫折してしまうので、まずは極々基本的な内容から始めましょう。この時、授業の進度やテストの日程などは度外視して構いません。
それらには後で必ず追いつくことができるので、自分のレベルに合った内容の学習から始めるべきです。
数学に興味を持つ方法
よく数学の持つ社会的意義を理解すれば、モチベーションを上げることができると言われることがありますが、いまいちおすすめできません。
三角比が測量に生かされており、統計は人口の調査に役立つことを知ったところで、高校生の心が躍ることはおそらくないでしょう。
事実を知ることによって動機付けをするのであれば、公式が導かれるまでの歴史や有名な数学者のエピソードを調べることの方がおすすめです。
例えば、無理数の発見にまつわるエピソードはいかがでしょう。古代ギリシャのピタゴラス教団は、全ての数は有理数であるという教義を信奉していました。
しかし、ピタゴラスの弟子であるヒッパソスが無理数の存在を発見してしまいます。
現代なら世紀の大発見と大騒ぎになりそうなものですが、教義に反する事実を受け入れられなかった教団は彼を海に沈めて殺してしまったそうです。
数学が苦手な人の特徴や苦手克服の方法についてより知りたい方は、以下の記事を参照してみてください。
高校数学が得意な人の数学への向き合い方
数学が苦手な高校生が多い一方で、定期テストでは満点、模擬試験でも9割以上を取るような数学が得意な人も一定数存在します。
そのような人はどういった勉強をしているのでしょうか。以下では数学が得意な人の学習スタイルを紹介します。
中学レベルの基礎公式は全て使いこなせる
数学は基礎からの積み重ねなので、高校数学を攻略するには中学数学の基礎知識が備わっていなければいけません。
当然、高校数学が得意な生徒は、中学数学の内容も問題なく理解できています。公式を諳んじることができるだけでなく、自ら公式を導出することも問題なくできるでしょう。
また教科書に載っているような重要例題に関しては何も見なくても解けるという生徒がほとんどです。
高校に入ってからも基礎の身に付け方は同じ
高校数学になっても、基礎をマスターしていると言える基準は中学数学と変わりません。具体的には以下の3点です。
- 基本的な公式を暗記している
- それらを全て自分で導出できる
- 教科書に載っている基本的な例題は、何も見なくても解ける
上記3点を満たすためには、導出方法を含めて公式を暗記することを意識しながら、教科書の重要例題の理解に取り組むのが良いでしょう。
勉強時間の多くを数学に割いている
数学が得意な人は、他の科目よりも数学により多くの勉強時間を割いている生徒が多いです。
塾などで数学の授業を多く受けていることに加え、家や自習室での学習時間の7〜8割は数学の問題演習に使っているというケースも珍しくありません。
「そんなに数学ばかりを勉強していたら、他の科目の勉強が疎かになるのではないか」と懸念する方もいるでしょうが、彼らが数学に多くの時間を費やすのには理由があるのです。
大学受験における数学の重要性
「そこそこできる人」「あまりできない人」も多い国語などとは違い、数学は「All or nothing」の教科と言えるでしょう。つまりできる人とできない人が二極化するため、大学入試において差がつきやすい教科なのです。
数学が得意になれば、苦手な受験生に圧倒的な差をつける強大な武器となり得るため、他の科目が少々疎かになっても数学を極める価値は十分にあります。
数学が得意な人は大学受験における数学の重要性を十分に理解しているからこそ、数学により多くの時間を割くのです。
問題演習にほとんどの時間を使う
数学ができる人は、数学に多くの勉強時間を割いていますが、その大半は問題演習を行っています。
数学が得意になるには解法や公式の暗記が重要ですが、さらに数学を極めるにはひたすら問題を解くことによって、それら知識の応用力を磨く必要があるのです。
問題演習によって理解は格段に深まるため、数学の成績を上げるには演習が欠かせません。
理解しないまま暗記しない
中学数学なら公式や解法を丸暗記するだけでも何とかなりますが、高校数学では理解を伴わない暗記は点数に結びつきません。
数学が得意な人は公式や解き方をしっかり理解した上で暗記している場合がほとんどです。またわからないところは自分が納得できるまでとことん考え続ける生徒が多く、この点が数学が苦手な人とは違います。
わからないところはとことん考える
数学ができる人とは、定理や定義、解法を理解していく中でわからないところを発見したら、立ち止まってとことん考えることができる人のことを指します。
数学が苦手な人のように、考えることを先送りして、疑問点を放置したり、答えだけを暗記して分かったような気になることは決してありません。
著名な物理学者で、ノーベル賞も受賞したリチャード・P・ファインマンも、本当に分かったと思うのは物事に二通り以上の説明ができた時だけであると言っています。
数学ができるようになりたいなら、わからないことに対して自分なりの答えが見つかるまでとことん考え抜くことを大事にしなければいけません。
とにかく手を動かして考える
数学が得意な生徒は、積極的に手を動かして考え、自分の計算過程を記録していることが多いです。
計算過程を記録することは思考を整理する上で有用ですし、答えが間違っていた際に解答プロセスを分析する上でも役に立ちます。
どこでどのように間違えたのか、どうすれば正解することができるのかということを明確にすることができるため、ミスを次に生かすことが可能です。
計算過程を記録すればテスト本番でケアレスミスを防ぐことにもつながるので、大学入試で成功できる確率も高まります。
難問はなんとしても解いてやると言う気持ち
数学ができる人にありがちな特徴は、負けん気が強いこと、根気が良いことです。難解な問題や計算が煩瑣な問題にぶち当たった時も、諦めずに様々なアプローチを試し、泥臭く食らいついていく姿勢があります。
また解けなかったとしても腐ることはなく、解答解説を繰り返し熟読し、自分で解けるようになるまで何度でも練習する積極性を持ち合わせているのが数学が得意な人です。
そのため、数学に対して消極的なマインドを持っている人は、まずはその姿勢から変えていかないといけないでしょう。
数学が得意になりたいのなら、すぐに解けないと諦めるのではなく、執念深く問題に向かっていく態度を身に付けることが必要不可欠です。
結局は忍耐が必要な科目
これまでの説明でお気づきになった方もいるでしょうが、数学が得意な人の学習スタイルを実践するには相当な忍耐力が必要です。
数学を得意科目にするには、たとえ部活や学校行事で疲れていようとも問題集を開き、とことん問題演習をこなさなければいけません。
またわからない問題はじっくりと考え、自分なりの答えが見つかるまで苦しむことも必要です。
いくつも我慢と努力を積み重ねた上で初めて成績は伸びていくので、生半可な気持ちでは数学を得意科目にすることはできません。
たまにはリフレッシュも大切
数学を極めるには相当な忍耐が必要であることから、あまりにも根を詰めすぎるとストレスでメンタルに不調をきたしてしまいます。
そのため、たまにはリフレッシュも必要です。月に1日くらいは数学のことは忘れて自由に羽を伸ばす機会を作るのが良いでしょう。
高校数学を伸ばすために必要な5つの力
「彼には数学力がある」と言う時の「数学力」とは、以下5つの力で構成されていると考えることができます。
- 問題読解力
- 解法暗記力
- 論理的思考力
- 計算の正確性
- 処理スピード
ここからはこの5つの力の概要と、これらを身に付けるための具体的なステップについて解説します。
数学力と呼ばれる5つのポイント
数学力=「問題読解力」×「解法暗記力」×「論理的思考力」×「計算の正確性」×「処理スピード」という式は、数学力の本質を表しています。
各項目は掛け算によって関わり合っているため、どれか一つでも0に近ければ、他の能力がどれだけ高くても数学力は萎んでしまうのです。
そのため、全ての能力をバランスよく鍛えない限り、定期テストや模試の点数は伸びません。よって苦手な項目を作らないように、緊張感を持って勉強に取り組む必要があります。
それぞれをきちんとトレーニングしていけば、自ずと数学力は向上していくでしょう。
数学独特の言葉を「翻訳」して意図を理解
高校数学では「任意のxについて関数F(x)がF(x)>0を満たすとき〜」「F(X)がグラフ上の(3.5)を通る時」など、独特な数学的言い回しが数多く登場します。
こうした言い回しが多用される問題文を正しく読み解き、適切な立式を行う力が問題読解力です。
問題読解力を鍛えるには、まず独特な言い回しの意味を理解することから始めましょう。それらを分かっていないと問題文の意味が把握できないので、何を求めれば良いのかがわかりません。
当然、公式や解き方を見つけたり、適切な立式を行うこともできないので、まずは問題文を読めるようになることが最優先です。
授業を通して問題読解力を鍛える
問題読解力を鍛えるには、学校の授業を活用するのが良いでしょう。
学校の先生は図と平易な表現で問題文を噛み砕いて説明してくれるので、その説明を聞くことは大変良い基礎学習になります。
「xが0でも-100でも1億でもF(x)>0なわけだから、F(X)のグラフは常にx軸よりも上にあるということだね」「F(x)のxに3を代入したら5になる、つまりF(3)=5だね」など、学校の先生の説明は実に平易です。
高校数学の問題を正しく読み解くには、学校の先生が行うように頭の中で問題文を噛み砕くこと、つまりは平易な表現に置き換えることが必要になります。
それによってグラフや式が具体的にイメージできるようになるので、問題文の意味が的確に把握できるようになるのです。
よって先生の説明をよく聞き、問題文の「翻訳」のパターンを押さえておくのが良いでしょう。それに倣って自分でも翻訳を実践することで、問題読解力を高めることができます。
解法暗記で典型問題の点数を確保
先述した通り、その場の閃きを頼りに問題が解けるのは一部の天才だけなので、基本的には解法のパターンを暗記するべきです。
定期テストであれば、大半は典型的な問題で構成されるので、基本的な解き方を暗記しておけば、ある程度の高得点は期待できます。
また大学入試においても基本問題は数問出題されるので、それらの解法を暗記しておけば最低でも100点満点中20〜30点は確保できるでしょう。
典型的な解法は網羅系問題集で身に着ける
高校数学は一見難しいように見えますが、各単元ごとに頻出の問題がある程度決まっているので、それらの解き方を暗記することである程度は攻略することが可能です。
よって数学の授業を受けた後は、その日のうちに青チャートなどの網羅系問題集を使って、該当する単元の重要例題と解法を暗記しておくのが良いでしょう。
また大学入試レベルの応用問題も基本的な解法の組み合わせで解くことができるので、適切に暗記数学を実践すれば、大学受験も心配ありません。
ただし、解き方を丸暗記するだけでは十分な実力は身につかないので注意しましょう。解法の要点や特定の公式を使う理由などをきちんと理解し、「分かった上で覚える」ことが重要です。
公式は問題演習の時に丸暗記するのがベスト
公式を暗記することが暗記数学の前提になります。「覚えなくてもその場で導けばいいじゃん」というスタンスの方もいるでしょうが、緊張感のあるテスト本番で正確に公式を導出するのは難しいです。
またテスト時間は限られているため、公式の導出に時間を浪費するのは合理的な選択とは言えません。実際、数学が得意な人でも公式を丸暗記している場合がほとんどです。
ただし、数学ができる人は導出方法も含めて完璧に公式を覚えています。
なお、暗記が苦手な場合は、その場で導出するのが難しい最低限の公式だけを記憶するのがおすすめです。
しかし、公式は問題演習を重ねるうちに自然と覚えてしまうことが多いので、あまり気を張って暗記に励む必要はないでしょう。
複合的な難問を解くための論理的思考力
初見の難しい問題に対応するには、「既存の解法パターンのどれを組み合わせるか」「どのような手順で答えを導くべきか」「知っている公式・定理・解法の中で証明に有効な手段はないか」などを考える力が必要です。
そのような力のことをここでは論理的思考力と呼びますが、この力に関しては暗記数学ではなかなか鍛えることができません。
特に解法を暗記するために答えを見ながら勉強することに慣れてしまっている場合は、自発的な思考力を鍛えることは困難です。
論理的思考力は応用問題集を使って養う
模擬試験やワンランク上の問題集が、論理的思考力を鍛えるのには最適な教材です。
答えを見ずにじっくり考える練習を積むことで、ストックした解法を的確に組み合わせたり、論理的に答えを導出することができるようになります。
計算の正確性は大学入試に必要不可欠
数学が「All or nothing」の教科と言われるのは、一つのミスが致命的な失敗を招くことがあるからです。
そのため、大学入試で成功を収めるには、計算の正確性が欠かせません。
普段からミスをカウントするクセをつけよう
ミスを減らしたいなら、問題演習の際に自分のミスを記録しておくと良いでしょう。「約分ミス」や「πのつけ忘れ」など、ミスの記録を見れば自分がどのようなミスをしやすいのかを把握できます。
テスト本番では把握したミスの傾向に気を配って見直しを行えば、ケアレスミスを効率よく減らすことができるでしょう。
普段からミスをカウントする癖をつけて計算の正確性を向上させれば、テストにおいては10%近く点数を改善することができるはずです。
処理スピードは速ければ速いほど良い
数学では解法を思いつくまでの速さや計算スピードは、速ければ速いほど試験においては有利です。
特にセンター試験は、難易度自体は比較的簡単なものの、時間設定は割とタイトに設計されていました。その傾向はおそらく共通テストにも引き継がれるでしょう。
よって特に一次試験に関しては処理スピードが速い方が有利です。
タイムアタックでスピード感を養う
定期テストの前には、学校の問題集や青チャートなどの問題を見て、すぐに解法を思いつくかどうかをチェックしたり、タイムアタック形式で問題を解いてみると良いでしょう。
また大学受験では計算の正確性と同じくらい処理スピードが重要になるため、問題演習を繰り返して素早く問題が解けるように練習しておくべきです。
特に簡単な計算や典型的な計算(解の存在範囲や三角関数の有名角の値など)は、考えなくても手が勝手に動くくらいのレベルまで仕上げておきましょう。
さらに過去問を解く場合は必ず時間を計測するべきです。本番に余裕を持って臨むためにも、試験時間よりも短い設定のタイムアタックで時間配分の感覚を養うと良いでしょう。
高校数学が得意になるための勉強法
高校数学は、第一に基礎問題を網羅、第二に応用問題に挑戦、そして第三に過去問演習という3ステップでマスターするのが良いでしょう。
以下では各ステップの概要説明を含め、高校数学が得意なるための勉強法について解説します。
高校数学は3段階で得意になろう
高校数学を得意にするには、まずは青チャートなどの網羅系問題集を使い、典型的な解法を反復学習によって習得することから始めると良いでしょう。
その後は習得した解法を組み合わせて入試レベルに近い応用問題に挑戦するべきです。そして最終段階として、志望大学の過去問を使って、二次試験合格のためのスキルを養成しましょう。
「基礎問題網羅フェーズ」「応用力養成フェーズ」「過去問演習フェーズ」という3段階を踏むことによって、効果的に数学力をアップさせることができます。
なお、中学レベルの内容が完璧でない場合は、まずは中学数学の復習から始めないといけないので、実質4ステップが必要です。
中学の内容は完璧に
中学数学の内容理解が不十分だと感じる場合は、高校数学の勉強を始める前に中学レベルの参考書を使って復習を行うのも良いでしょう。また小学校レベルすら怪しいという場合は、算数の勉強から始めるべきです。
数学は基礎からの積み重ねなので、中学数学や算数が理解できていないと、効果的に実力を伸ばすことはできません。そのため、それらが理解できていないなら、丁寧に復習することから始めましょう。
中学数学・算数の復習におすすめの参考書
中学数学や算数の振り返りには、以下の参考書を用いるのが良いでしょう。
おすすめ参考書① | 【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本 |
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出版社 | かんき出版 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 128ページ |
特徴 | 算数を基礎から最速でマスターするための参考書・ミス防止法や計算を速くするコツも掲載 |
評判 | 解き方の解説が丁寧でわかりやすい |
おすすめ参考書② | 中学校3年間の数学が1冊でしっかりわかる本 |
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出版社 | かんき出版 |
価格(税込) | 1,100円 |
ページ数 | 128ページ |
特徴 | 短時間で中学数学を基礎から学び直すことができる |
評判 | 回りくどい説明がなくてわかりやすい |
おすすめ参考書③ | 小・中・高の計算がまるごとできる |
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出版社 | ベレ出版 |
価格(税込) | 1,760円 |
ページ数 | 263ページ |
特徴 | 小学校・中学校・高校の計算問題が一冊でマスターできる |
評判 | 算数・数学が苦手でもすんなり頭に入ってくる |
基礎問題網羅フェーズ
高校数学が得意になるための第一ステップが「基礎問題網羅フェーズ」です。まずは学校の授業をしっかり聞くことから始めましょう。
先生が数学特有の言い回しをどのように「翻訳」するのかをよく学び、自分でも問題文の条件から適切な立式を行う練習をするべきです。
使用する教材ですが、まずは学校で配られる「4STEP」や「サクシード」などの傍用問題集で基礎学習を行うのが良いでしょう。
特に「4STEP」はⅠAだけでも500〜600題の演習問題が収録されているので、計算の正確性と処理スピードを向上させるには十分な演習量をこなすことができます。
基礎をある程度マスターしたら、次はチャート式などの網羅系問題集で典型的な問題の解法をインプットしていくのがおすすめです。
青チャートは問題のすぐ下に「指針」があり、解き方の手順をコンパクトに指示してくれるので、解法を覚えるのには非常に役に立ちます。
傍用問題集の解き方
傍用問題集を使った問題演習は以下の手順で進めるのが良いでしょう。
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学校の進度に合わせて問題を解く
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わからない場合は解答を見る前に1問5分程度は考える
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テスト1週間前に全部の範囲をもう1周する
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テスト3日前からテスト前日にかけてもう1周する(なるべく速く、かつ正確に解くことを意識)
このような手順で勉強していれば、自然と基本的な解法パターンが身に付いてくるはずです。
なお、定番の傍用問題集2冊の基本情報は以下の通りです。
傍用問題集① | 4STEP 数学I+A |
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出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 792円 |
ページ数 | 208ページ |
特徴 | 基礎から発展までを4ステップの問題で学習 |
評判 | 問題数が多いので基礎を固めるのに便利 |
傍用問題集② | サクシード 数学I+A |
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出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 803円 |
ページ数 | 240ページ |
特徴 | 1項目を見開き2ページで解説するレイアウトの見やすさが魅力 |
評判 | ページが見やすくて問題も良問が多いので良い |
網羅系問題集の取り組み方
網羅系問題集は量が多いので、1周目は5分考えてもわからなければすぐに答えを確認してしまう方が効率的です。ただし、「ふーん、そうなんだ。」と軽く答えを確認するだけでは力はつきません。
「なぜその公式を使うのか」「どうしてわからなかったのか」「どうすれば解けるようになるのか」と熟考した上で解法を暗記することで初めて次につながります。
また2周目は問題を見た瞬間に解法を思い浮かぶかを確認しながら、1問1問自分で答えを導出できるまで粘り強く取り組むのが良いでしょう。
なお、3周目に関しては、2周目で解法を思い出せなかった問題や計算ミスをしてしまった問題などを中心に解き直すのがおすすめです。
以上の3周をこなし、例題の解き方を完璧にマスターすれば、俗にいう「数学が得意」な部類に入ることができるでしょう。
ちなみに網羅系問題集としては以下の3冊がおすすめです。
網羅系問題集① | 標準問題精講 |
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出版社 | 旺文社 |
価格(税込) | 数学Ⅰ・A:1,430円 数学Ⅱ・B:1,595円 |
ページ数 | 数学Ⅰ・A:312ページ 数学Ⅱ・B:456ページ |
特徴 | 「標問→精講→解法のプロセス→研究」という順番で考え方や解き方のコツを詳細に解説 |
評判 | 「なぜその解法を使うのか」を書いてくれるので数学が苦手な人にとってもわかりやすい |
網羅系問題集② | 青チャート |
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出版社 | 数研出版 |
価格(税込) | 数学I+A:2,101円 数学Ⅱ+B :2,365円 |
ページ数 | 数学I+A:512ページ 数学Ⅱ+B :644ページ |
特徴 | 教科書レベルから入試発展レベルまでの重要例題を効果的に配列 |
評判 | 例題の種類が豊富で今のところベストの参考書 |
網羅系問題集③ | フォーカスゴールド |
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出版社 | 啓林館 |
価格(税込) | 数学I+A:2,060円 数学Ⅱ+B :2,258円 |
ページ数 | 数学I+A:784ページ 数学Ⅱ+B :944ページ |
特徴 | 必要な例題を網羅的に取り上げているのでボリューム満点 |
評判 | ボリューム感が凄いだけでなく解説も丁寧でわかりやすい |
いきなり網羅系問題集を解くのは難しい場合
網羅系問題集はフォーカスゴールドを筆頭に分量が多いので、人によっては1冊まるまるこなすのはきついという方もいるでしょう。
そんな場合は「スバラシク面白いと評判の初めから始める数学Ⅰ」や「スバラシク強くなると評判の元気が出る数学Ⅰ・A」のシリーズがおすすめです。
前者は基本的な内容を中心に扱っているのに対し、後者に発展的な内容も含まれています。両者とも解説が非常に丁寧なので、網羅系問題集を解くのはまだ難しいという方にはぴったりです。
なお、両者の基本情報は以下の通りです。
おすすめ参考書④ | スバラシク面白いと評判の初めから始める数学Ⅰ |
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出版社 | マセマ |
価格(税込) | 1,485円 |
ページ数 | 263ページ |
特徴 | 中学レベルの数学から丁寧に解説した講義形式の参考書 |
評判 | 数学に苦手意識があるという人の味方となってくれる参考書 |
おすすめ参考書⑤ | スバラシク強くなると評判の元気が出る数学Ⅰ・A |
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出版社 | マセマ |
価格(税込) | 1,474円 |
ページ数 | 266ページ |
特徴 | 基礎から始めて易しい大学なら合格できる程度の数学力を養うことができる |
評判 | 解説が詳しいので理解が捗る |
応用力養成フェーズ
入試レベルの応用問題を解けるようになるには、二次試験の過去問やハイレベルな応用問題集に挑戦することで論理的思考力を培い、既存の解法パターンを上手く組み合わせることができるようにならないといけません。
ちなみに応用問題集としては以下の3冊がおすすめです。
応用問題集① | 理系数学 入試の核心 難関大編 |
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出版社 | Z会 |
価格(税込) | 1,320円 |
ページ数 | 248ページ |
特徴 | 数学が得意な人でも頭を抱えるような良質な難問を60題収録 |
評判 | めちゃくちゃハイレベルな問題集なので数学を武器にしたい人におすすめ |
応用問題集② | 文系数学の良問プラチカ |
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出版社 | 河合塾 |
価格(税込) | 1,257円 |
ページ数 | 48ページ |
特徴 | 文系難関大学を目指す方向けの問題集で1日3題・2ヶ月で数学力を完成できる |
評判 | やりがいのある問題が揃っているのでじっくり考えて取り組めば自信がつく |
応用問題集③ | 1対1対応の演習 |
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出版社 | 東京出版 |
価格(税込) | 数学Ⅰ:1,210円 数学A::1,210円 数学Ⅱ:1,650円 数学B:1,210円 数学Ⅲ(微積分編):1,540円 数学Ⅲ(曲線・複素数編):1,210円 |
ページ数 | 数学Ⅰ:116ページ 数学A:120ページ 数学Ⅱ:164ページ 数学B:112ページ 数学Ⅲ(微積分編):152ページ 数学Ⅲ(曲線・複素数編):104ページ |
特徴 | 「1対1」になった例題と演習題で入試標準レベルの実力を培う |
評判 | 難しいがしっかり取り組めばかなりの力が付く |
応用問題集の解き方
応用問題集は以下の手順で解き進めると良いでしょう。
-
1周目はわからなくても自力で1時間以上向き合う
-
1時間経ってもさっぱりわからないなら解答をチラッと見てヒントを得る
-
解き終わったら、もしくは考え尽くしたら模範解答を見て答え合わせ(解法をきっちり理解しておく)
-
1ヶ月ほど期間を空けて2周目を行う
応用問題集に関しては、網羅系問題集のようにテンポよく進めるというよりは、じっくり考え抜いて論理的思考力を養うことの方が重要です。
いきなり応用問題集を解くのは難しい場合
応用問題集に進むにはまだ力が不十分であるという場合や、網羅系問題集に飽きてしまったという場合は、「スバラシクよく解けると評判の合格!数学Ⅰ・A実力UP!問題集」を使うと良いでしょう。
この問題集は難易度的に網羅系問題集と応用問題集の橋渡し役としてはぴったりです。
おすすめ参考書⑥ | スバラシクよく解けると評判の合格!数学Ⅰ・A実力UP!問題集 |
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出版社 | マセマ |
価格(税込) | 1,221円 |
ページ数 | 215ページ |
特徴 | 3段階の難易度に区分された147題の良問を通じて実力を養成 |
評判 | 良問揃いの最高の問題集 |
過去問演習フェーズ
このステップでは、志望大学の過去問をできるだけたくさん解くことが大切です。
東大・京大をはじめとする旧帝大の過去問集には25年分が収録されていますが、大学によっては10年分程度しか載っていない場合もあるので、その場合はネットも使って遡れるだけ遡るのが良いでしょう。
過去問演習を始める時期ですが、共通テスト(センター試験)の過去問に関しては、1、2年生のうちから取り組むべきです。志望大学の過去問に関しては3年生の夏頃から始めましょう。
まずは直近3〜5年分をじっくりと時間をかけて解き、出題傾向や問題形式を把握するべきです。その後はどんどん過去のものへのと遡っていきましょう。
なお、いずれの過去問に関しても最低2周はするべきです。
過去問の進め方
過去問演習を以下のような手順で進めるのが良いでしょう。
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1周目は解ける問題だけを選んで解き、難しい問題に関してはスルーしてOK
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解き終わったら先生に添削をお願いし、点数を出してもらう
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返却された添削結果を元に、「どこがどのように間違っていたか」「次正解するにはどうしたら良いか」を考える
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2周目に取り組む
なお、過去問演習に関しては基本的に制限時間は設けず、じっくりと考えることを重視するべきです。また本番のつもりで丁寧に解答を作成することを心がけましょう。
ちなみに1周目に難しい問題をスルーして良い理由は、二次試験は5〜6割正解すれば合格できることが多いからです。必ずしも全ての問題に正解しなくても良いので、解ける問題を確実に解くことの方が重要なのです。
数学を極めるためのスケジュールの立て方
数学を極めるには、勉強法と同じくらい学習スケジュールの立て方が重要です。いくら良い参考書を買い込んでも、スケジュール管理がずさんであれば十分な学習効果を発揮することはありません。
スケジュールはページ数をベースに立てる
学習スケジュールはページ数をベースに定めるのが良いでしょう。よく「数学を1日3時間勉強しよう」などと時間をベースに予定を立てる人がいますが、それはおすすめできません。
勉強時間は学習の質とは無関係だからです。集中して3時間で15ページこなす人もいれば、ダラダラ勉強して3時間で5ページしか終わらない人もいます。
そのため、時間をベースに学習スケジュールを立てれば、中期的・長期的に見ると十分な学習量が確保できない可能性があるのです。
よって学習スケジュールは「1日5ページやる」「今日はこのページまでやる」などのようにページ数をベースに定めることをおすすめします。
必ず予備日を設定すること
学習スケジュールは週単位で立てるのがおすすめです。ただし、1週間分の予定をびっしり詰め込むのではなく、1日は予備日として調整に当てると良いでしょう。
長期間勉強しているとイレギュラーな事態が起こることも多いので、少しゆとりを持たせておかないとどこかで破綻してしまいます。
具体的なスケジュールの立て方ですが、例えば1週間で100ページをこなすなら、勉強できる日数よりも1日少ない数で等分し、後の1日は予備日にするべきです。
予備日はそれまでの日数で終わらなかった分を消化するために使いましょう。順調に消化できていた場合は、追加の学習を行います。
やりたいことを詰め込まない
誰しも予定を立てる時は理想家なので、張り切ってやるべきことを詰め込みがちです。しかし、あまりにも過密なスケジュールだとすぐに挫折してしまうので、理想の8割程度に抑えた計画にするのが良いでしょう。
またやるべきことをよりよく厳選するコツは、やらなくても良いことを捨てていくことです。これによって必要最低限の計画を立てることができます。
さらに計画を実行していくうちに「これは要らない」と思う項目が出てきたら、それは削除して構いません。
1日に全部こなそうとしない
人間の集中力はそれほど長くは続きません。個人差はありますが、長くても数時間しか持たないことがほとんどでしょう。
そのため、1日のスケジュールを詰め込みすぎるのはおすすめできません。例えば、スケジュールの遅れを取り戻そうと遅れた分を1日で消化するような計画を立てるのは非効率です。
1日中勉強しなければならないような予定を立てても、集中できるのは最初の数時間だけで、おそらくその後はあまり捗りません。
そのため、1日で全部をこなそうとしないで、何日かに分散させるのが良いでしょう。1日で10時間頑張るより、毎日2時間ずつ集中して5日間勉強する方が高い学習効果が期待できます。
睡眠時間は削り過ぎない
定期テストや大学受験の追い込みの時期になると睡眠時間を削ってでも勉強したいという方も多いはずですが、これはあまりおすすめできません。
どうしても睡眠時間を削らないといけない場合でも4〜5時間くらいは眠るべきです。極端に削って2〜3時間しか眠らないというのは脳のパフォーマンスを大きく低下させてしまいます。
よって「いつもより若干睡眠時間が少ない」という程度にとどめるのが良いでしょう。
また日中どうしても眠い場合は15〜30分程度の仮眠をとるのもおすすめです。少し眠れば頭が冴えて集中しやすくなるでしょう。
問題集・参考書の選び方
ここからは数学が苦手な方に向けて問題集・参考書選びのコツをお伝えします。
参考書は1冊に絞るのがコツ
参考書をいくつも購入してつまみ食いするように勉強する人がいますが、これはおすすめできません。
数学を得意科目にしたいなら、参考書は一つに絞って、徹底的に使い込むのが良いでしょう。
複数の参考書に手を出して中途半端な理解に終わってしまうくらいなら、一冊をとことん極めて確かな知識やスキルを手に入れるべきです。
自分のレベルに合った内容を選ぶ
問題集は自分のレベルに合っており、解説が読みやすいと感じるものを選ぶのが良いでしょう。特に網羅系問題集は長く使うので、解説が充実していて、尚且つ自分が気にいるものを選ぶべきです。
また各単元の問題量が自分の勉強時間に合っているかにも着目しましょう。全ての単元の問題を解き切れる問題集を選ぶべきです。
さらに志望校が決まっているのなら、志望校レベルに合った問題集を買うのが良いでしょう。
なお、問題集は難易度が高ければ高いほど良いと思われがちですが、偏差値50〜60程度の大学を目指すのであれば、それほど難しい問題集は必要ありません。基本レベルの問題を確実に解けるようになることの方が重要だからです。
教科書ガイドは購入しない
中学生までは教科書ガイド、通称「虎の巻」は役に立ちますが、高校生には教科書ガイドは必要ありません。
教科書ガイドは親切すぎて、どうしても受け身の学習態度になってしまうからです。
高校数学が得意になるには、積極的に手を動かして自ら考える姿勢が大切なので、教科書ガイドの使用はおすすめできません。成長を阻害する原因になってしまうことすらあるので、買わない方が良いでしょう。
現役東大生がおすすめする数学参考書について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
塾か独学か通信教育か
高校生の主な学習スタイルとしては、塾と独学、そして通信教育の3つが挙げられます。これらにはそれぞれメリット・デメリットがあり、向いている人・向いていない人が存在します。
よって以下の解説を参考に、ご自身に合った学習スタイルを選んでください。
塾のメリットとデメリット
塾に通えば効率的に学習できる場合が多いです。また教室に行けばモチベーション高く学習できるというメリットもあります。
一方で塾に通うデメリットは高い費用を払わなければいけないパターンが多いことです。また決まった日時に教室へ行かないといけないので、時間や場所の融通は効きません。
よって塾はそれなりのお金を支払うことによって、高い学習効果と勉強に向き合う空間が得られる学習サービスだと言えるでしょう。
塾が向いている人
以下のような人は塾に向いています。
- それなりの月謝を支払えるだけの経済的余裕がある人
- 自分一人では勉強するのが難しい人
- 時間には比較的余裕があるという人
上記の中で最も重要なのは、月謝を払えるだけの経済的余裕があるかどうかです。多くの場合、親御さんに費用を負担してもらうことになるでしょうから、家庭にそれだけの余裕がなければ塾に通うことはできません。
親御さんがお金が払ってくれるなら、特に自宅では集中して勉強できないという人は塾に通うのが良いでしょう。塾に通えば授業がある時は必ず勉強するでしょうし、自習室もあるので学習環境は整っています。
ただし、塾に通うにはそれなりに時間的余裕がなければいけません。毎週決まった日時に教室へ行かないといけないので、様々な理由で忙しい人にはあまり向いていないでしょう。
独学のメリットとデメリット
独学のメリットは、なんと言っても費用負担を少なく抑えられることです。また自分のペースで学習が進められるので、ある程度勉強法が確立している方なら、誰にも邪魔されずに勉強できるのは魅力的と言えるでしょう。
一方、デメリットとしてはわからないところがあっても質問する相手を作りづらいことが挙げられます。また一人で黙々と取り組むことが多い学習法であるため、モチベーションの維持が課題になることもあるでしょう。
よって独学は費用負担こそ少ないものの、挫折する可能性も十分にある学習スタイルだと言えます。
独学が向いている人
以下のような人は独学に向いています。
- 自分の勉強法が確立している
- モチベーションを保つのが上手い
- わからない問題を質問する相手がいる
先述した通り、確固たる勉強法があるのなら、独学でも十分成功できるでしょう。独学なら塾のように周囲に合わせる必要がなく、原則マイペースに勉強できるので、高い学習効果が期待できます。
また自分でモチベーション管理ができる人は独学に向いていると言えるでしょう。
さらにわからないところを質問できる相手が身近にいるのであれば、独学でも問題ありません。疑問点をすぐに解消できることが効率的な学習には欠かせないので、先生や兄・姉など身近な相談相手を確保しておきましょう。
通信教育のメリット・デメリット
通信教育を利用するメリットは、塾よりもリーズナブルな価格で効率的な学習ができる場合が多いということです。また時間や場所の制約を受けづらいということも通信教育の大きなメリットであると言えます。
さらに質問対応のサポートがある通信教育であれば、学習上の疑問点をすぐに解消することも可能です。
一方で通信教育のデメリットは、モチベーション維持に課題が残ることとある程度自己管理能力がないと十分な学習効果が得られないことですが、昨今はこれらを補うサポートも存在します。
通信教育は塾と独学をいいとこ取りしたような学習スタイルであると言えるでしょう。
通信教育が向いている人
以下のような人は通信教育に向いています。
- 自分でモチベーション維持ができる人
- 計画的に課題をこなせる人
通信教育は基本的に自学自習になるので、独学と同じようにモチベーションの維持が課題になります。そのため、自分でモチベーションを高められる人に向いています。
また塾ほどの強制力はないため、計画的に勉強しないとすぐに課題が溜まってしまい、十分な学習効果が得られません。
よってある程度自己管理能力に長けた人の方が通信教育には向いていると言えるでしょう。
ただし、最近はスマホアプリなどで学習管理ができるサポートなども存在するため、自己管理能力に自信がなくても通信教育を利用することは可能です。
年間でかかる費用を比較
高校数学を塾・独学・通信教育のそれぞれで学ぶ場合、年間でどれくらいの費用がかかるのかを比較してみましょう。
勉強方法 | 年間費用 | 備考 |
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塾 | 198,800円 | 河合塾MEPLO 高1生 数学の授業料総額 ※2・3学期(2020年度9月から年度末まで)の料金 |
独学 | 5,786円 | 青チャート数学I+A・数学Ⅱ+Bと「理系数学 入試の核心 難関大編」の3冊を購入した場合の代金 |
通信教育 | 75,160円 | 進研ゼミ高1講座(1教科)の12ヶ月分一括払いの料金 |
※塾で学習した場合の費用例として「河合塾MEPLO」、通信教育で学習した場合の費用例として「進研ゼミ」を挙げています。
上記を見ると、やはり独学の安さが際立ちます。また通信教育も塾の半分未満の料金で受講できるため、十分リーズナブルな選択と言えるでしょう。
苦手克服は通信教育・塾で進めよう
数学の苦手克服は、学習指導環境が整った中で学習を進められる通信教育・塾を活用して進めていきましょう。
数学のプロによる的確な指導を受けながら、自分の課題に向き合い、苦手克服を進めることができます。
下記の記事では、高校生向けのおすすめ通信教育をご紹介していますので、通信教育選びはこちらを参考にしてみてください。
高校数学が得意になるための苦手克服勉強法まとめ
高校数学が得意になるための苦手克服勉強法まとめ
- まずは傍用問題集・網羅系問題集で典型的な解法を暗記する
- 続いて応用問題集で論理的思考力を身に付ける
- 志望大学の過去問をできるだけ遡って解く
今回は東大生である筆者がおすすめする、高校数学が得意になるための苦手克服勉強法を解説しました。
数学を得意科目にするには、暗記学習が欠かせません。そのため、まずは傍用問題集や網羅系問題集を用いて、典型的な問題の解法を暗記することから始めましょう。
また初見の難しい問題に対応するには論理的思考力が必要なので、暗記学習の次は応用問題集を使ってじっくりと演習を行うべきです。
さらに志望大学が決まったら、過去問をできるだけ遡って解くのが良いでしょう。
以上を参考に、早速数学の勉強を始めてみましょう。