四則混合計算の方法は?練習問題を用いながら計算のルールやおすすめ問題集まで解説!

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「四則混合計算はどうやって解けば良い?」

「計算のルールは?おすすめの問題集はどれ?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

四則混合計算は、小学生の算数の定番です。中学入試にも頻出なので、以下を参考にまずはルールから覚えていきましょう。

今回は四則混合計算の方法について解説します。計算のルールを確認するための練習問題やおすすめの問題集も紹介しますので参考にしてください。

四則混合計算の方法についてざっくり説明すると

  • 基本は左から右に計算
  • かけ算・わり算は先にする
  • ()の中は最優先

四則混合計算のルールは?

四則混合計算とは、たし算・ひき算・かけ算・わり算を混ぜた計算のことです。小学生が習います。

以下ではそんな四則混合計算のルールを紹介するので参考にしてください。

原則は左から右の順番で計算

まずは「3-2+4+8-5」という計算を考えていきましょう。この計算は以下のように解きます。

3-2+4+8+5=1+4+8+7(←3-2=1を計算)
       =5+8+7(←1+4を計算)
       =13+7(←5+8を計算)
       =20(←13+7を計算)

このように、基本的には左から順番に一つずつ計算をしていけば問題ありません

ただし、小学校では負の数を習わないので、ひき算の結果が0未満になってしまう場合は、順番を入れ替えて計算する必要があります。

負の数になる場合は順番を入れ替える

「3-5+4+8-9」という計算をしてみましょう。負の数を知らない小学生は「3-5」や「8-9」などを解くことはできません

小学生のうちから負の数を教えても良いのですが、混乱してしまう場合もあるので、以下のように順番を入れ替えて解くのが無難です。

3-5+4+8-9=3+4+8-5-9
      =7+8-5-9(←3+4を計算)
      =15-5-9(←7+8を計算)
      =10-9(←15-5を計算)
      =1

掛け算・割り算は足し算・引き算に優先

四則混合計算には、かけ算・わり算はたし算・ひき算よりも優先されるというルールがあります。

そのルールに則って「10+7×3+9」を計算してみましょう。

10+7×3+9=10+21+9(←7×3を計算)
     =31+9(←10+21を計算)
     =40(←31+9を計算)

このようにまずはひき算の部分から計算し、続いてたし算を計算します。

わり算やひき算が含まれている場合も同様です。例えば「9-28÷4+5×2」は以下のように計算できます。

9-28÷4+5×2=9-7+10(←28÷4と5×2を計算)
       =2+10(9-7を計算)
       =12

上記の通り、まずはかけ算・わり算を先に計算して、続いてたし算・ひき算を左から順に計算していきます。

()の中は一番最初に計算

四則混合計算の式の中に()がある場合は、()の部分を最優先で計算するというルールもあります。

このルールを確認するために、今後は「3×(10÷2-1)+7」を計算してみましょう。

3×(10÷2-1)+7=3×(5-1)+7(←10÷2を計算)
       =3×4+7(←5-1を計算)
       =12+7(←3×4を計算)
       =19(←12+7を計算)

「3×10→30÷2→…」という風に計算してしまいたくなるかもしれませんが、かっこがある場合はたし算・ひき算であっても、かっこの中身を最優先で計算します。

またかっこの中でも「ひき算・わり算が優先」という法則が適用されるということも重要です。

大かっこ・中かっこ・小かっこの計算方法

四則混合計算で使われるかっこは以下の3種類です。

名前
() 小かっこ
{} 中かっこ
[] 大かっこ

大かっこや中かっこがあっても、小かっこの中から計算するというルールは変わりません。小かっこ→中かっこ→大かっこという順番に計算していきます。

試しに「[6+{2×(3+17)÷4}]÷8」を解いてみましょう。

[6+{2×(3+17)÷4}]÷8
={6+(2×20÷4)}÷8(←3+17を計算)
={6+(40÷4)}÷8(←2×20を計算)
=(6+10)÷8(←40÷4を計算)
=16÷8(←6+10を計算)
=2

このように一番内側のかっこから計算していきます。また上記のように、大かっこや中かっこは必要なくなったら消していきます。大かっこもしくは中かっこだけを使うことは基本的にはしません。

知っていると計算が楽になる3つの原則

続いては知っていると四則混合計算が楽になる3つの原則を紹介します。

すでに無意識的に使っている人も多いはずですが、意識的に使えるようになれば計算能力が向上するので、以下で勉強してみましょう。

分配法則

分配法則とは以下のような場合のことを指します。

x×(y+z)=x×y+x×z

(x+y)×z=x×z+y×z

要するに括弧のたし算・ひき算を先に計算しても、括弧外の数を分けて配るように掛けた後でたし算・ひき算をしても、計算結果は変わらないということです。

この法則は以下のように応用することができます。

105×7=(100+5)×7=735

105×7を解くのは筆算を使わないと難しいでしょうが、100と5に分けて考えれば、簡単に暗算が可能です。

わかりにくい場合は硬貨を使って考える

分配法則をお子さんや生徒さんに教えにくい場合は、硬貨を例に出して説明するのが良いでしょう。

例えば「105円もらえるお手伝いを1週間続けたら、お小遣いは何円になるか」という風に聞いてみるのがおすすめです。

そうすれば、100円と5円をそれぞれ7倍するというイメージが容易に掴めるでしょう。

結合法則

結合法則とは、たし算もしくはかけ算の項が3つ以上ある場合、どのような組み合わせで項同士を計算しても、答えは変わらないという原則です。

具体的には以下のような場合のことを指します。

2+(5+7)=(2+5)+7=14

2×(5×7)=(2×5)×7=70

なお、ひき算やわり算に関しては、基本的に結合法則は成り立ちません。

ひき算やわり算の結合法則

以下のようにひき算の結合法則は成り立ちません。

2-(5-7)=4

(2-5)-7=-10

しかし、ひき算を「負の数のたし算」と捉えれば、結合法則のように表現することはできます。

2+{(-5)+(-7)}

={2+(-5)}+(-7)=-10

またわり算に関しても結合法則は成り立ちません。

8÷(4÷2)=4

(8÷4)÷2=1

こちらはわり算を「分数のかけ算」と捉えることによって、結合法則的に表せるようになります。

8×(1/4×1/2)

=(8×1/4)×1/2=1

交換法則

交換法則とは、たし算もしくはかけ算の項の順番を入れ替えても、計算結果は変わらないという原則のことです。

例えば、以下のような場合のことを指します。

2+5=5+2=7

2×5=5×2=10

なお、交換法則に関しても、ひき算とわり算は成り立ちません。

2-5≠5-2

2÷5≠5÷2

ひき算やわり算の交換法則

結合法則の時と同様に、ひき算を「負の数のたし算」と考えれば、交換法則を適用することはできます。

2+(-5)=(-5)+2=-3

またわり算も場合も先ほどと同じように、「分数のかけ算」と考えれば以下のように表現することが可能です。

2×1/5=1/5×2=2/5

具体的な練習問題3選

ここまでの説明が理解できたかどうかを、以下の練習問題で確かめてみましょう。

(12+6)÷3は?

記事の序盤で解説した括弧の中を優先的に計算することを使えば解けるでしょう。

(12+6)÷3=18÷3

=6

よって答えは6

10×(1/2-1/5)は?

括弧の中から計算するということが原則でしたが、このような場合分数の計算をやるよりも分配法則を利用して計算した方が楽です。

分数の計算では分配法則を使うと楽になることが多いという点を抑えておきましょう。

10×(1/2-1/5)=10×1/2-10×1/5

=5-2

=3

したがって答えは3

1個50円のみかん4個と1個50円のバナナ8本買います。代金は合わせていくらですか?

突然の文章題で困った方もいるでしょうがこれも上で解説した原則を使うと少し楽に解けます。

50×4+50×8=50×(4+8)

=50×12

=600

したがって答えは600円

中学受験をするなら逆算の練習も必要

中学受験では、必ずと言って良いほど、入試問題の冒頭で逆算の問題が出題されます。そのため、中学受験を考えるのであれば、逆算も練習しておくのが良いでしょう。

ちなみに逆算とは以下のような問題のことを指します。

10+7×□=31

このように四則混合計算の式のどこかが穴あきになっています。

まずは計算の順番を確認するところから

逆算は通常とは逆のプロセスで解いていくわけですから、前提として通常の計算順序を理解できていなければなりません。

計算の順序がいまいち理解できていない場合は、冒頭で解説した四則混合計算の基本ルールをおさらいすることから始めましょう

□を含む式を他の図形で置き換える

10+7×□=31は少し複雑なように思われますが、10+○=31なら簡単にわかるはずです。

このように逆算の問題が複雑な時は、□を含む式を他の記号に置き換えることで、複雑性を抑えることができます

上記の場合は○=21であることがわかったら、後は7×□=21を解くだけです。

四則混合のおすすめ問題集3選

以下では小学生が四則混合計算を練習するのにおすすめの問題集を3冊紹介します。

マスター1095題 一行計算問題集 4年 (マスター1095題一行計算問題集シリーズ)

マスター1095題 一行計算問題集 4年 (マスター1095題一行計算問題集シリーズ)
748円
マスター1095題 一行計算問題集 4年 (マスター1095題一行計算問題集シリーズ)
748円

1日5分、3題の勉強を1年間続ければ、年間で1,095題の演習を積むことができるという問題集のシリーズです。

手を動かさないと解けない手間がかかる問題や、特定の部分を先に計算したり、通分や約分をするなどの工夫をすることで早く解ける問題などが、随所に配置されています。

1冊丸々解ききれば、中学入試で求められる正確かつスピーディに計算する力が身についているでしょう。

なお、本書では最長10分という制限時間を設けて取り組むことが推奨されています。

わからない問題を長く考えても、学習の能率は上がらないので、10分で解けなかったら計算方法の基本や素早く解くための工夫などを復習するのが良いでしょう。

ちなみに同シリーズでは、各学年に対応するテキストが出版されているのが使い勝手が良いです。まずは学年通りのテキストから始めることをおすすめします。

項目 内容
著者 日能研教務部
出版社 みくに出版
価格(税込) 748円
ページ数 184ページ
対象学年 小学1〜6年生
問題数 1,095問
レベル やや難しい(中学入試を想定)

実際の利用者の口コミは?

問題数が多く、計算力はかなり養えると思います。
問題もそれなりに考えて作られている様で、
計算のやり方、決まり、順序を理解していないと解けない問題、無駄に時間がかかる問題が多数あります。amazon カスタマーレビューより

上記の通り、本書には計算力や四則混合計算のルールの理解などが鍛えられる良問が多数収録されています。

中には小学生にとっては難しすぎるような問題もあるようですが、中学入試を考えているお子さんにとっては難問にチャレンジすることも良い訓練になるでしょう。

なお、本書では全1,095問の各問にチェック欄がついているため、間違えた問題ややり残した問題などに印をつけておけば、効率的に復習することができます。

賢くなるパズル 四則 初級 (宮本算数教室の教材)

賢くなるパズル 四則 初級 (宮本算数教室の教材)
660円
賢くなるパズル 四則 初級 (宮本算数教室の教材)
660円

たし算、ひき算、かけ算、わり算を使って解くパズルが収録されている問題集です。

楽しみながら計算力や思考力、集中力を鍛えることができます。また忍耐力や慎重さなども身につくでしょう。

普通の計算問題ではなく、クロスワードのようなオリジナルパズルが載っているので、遊び感覚で取り組むことができます。そのため、勉強が苦手なお子さんや低学年のお子さんにも良いでしょう。

なお、初級だけでなく、中級や上級のテキストもあるので、こちらも使い勝手が良いです。段階的に実力を高めていくことができます。

項目 内容
著者 宮本哲也
出版社 学研プラス
価格(税込) 660円
ページ数 80ページ
対象学年 未就学児・小学1〜6年生
問題数 不明
レベル 初級・中級・上級がある

実際の利用者の口コミは?

やり方がわかりにくかったようで四苦八苦していましたが、しばらくすると黙々とやっていました。小学生ですが、始めるならこれくらいのレベルから始めるとどんどんはまっていくと思います。2日で半分以上やっていますので、また中級も購入したいと思います。amazon カスタマーレビューより

この方のように、何も言わずにお子さんに本書を与えてみるのもおすすめです。初めはやり方がわからなくても、試行錯誤をするうちに自然と四則混合計算のルールを覚えられるでしょう。

また試行錯誤することによって思考力や集中力も鍛えられるのでおすすめです。

さらにレビューを見る限りでは、楽しんで取り組む小学生が多いようなので、勉強嫌いを克服させたい方や学習習慣を付けさせたい方には良いでしょう。

遊びの延長で取り組めるので、本書のパズルで算数の面白さ、勉強の楽しさに目覚めることもあるはずです。

逆算の特訓 上

逆算の特訓 上 四則計算、()のある計算の逆算 (思考力算数練習張シリーズ 43)
550円
逆算の特訓 上 四則計算、()のある計算の逆算 (思考力算数練習張シリーズ 43)
550円

中学受験に必須の「逆算」の考え方を、基礎から丁寧に解説してくれる教材です。種類やレベルが同じ問題を何度も何度も解くことができます。

本書でしっかり学習すれば、整数を使った余りの出ない計算であれば、どれだけ難解な逆算でも問題なく解けるようになるでしょう。

また『逆算の特訓 下』も出版されているので、本書の後にはぜひこちらにも取り組んでみてください。

下巻では余りがある式の逆算や、分数の分母もしくは分子を答える逆算が多数収録されています。

難関中学の受験では欠かせない難しい逆算を、反復的にトレーニングすることができるので、中学受験を考えている方や計算力・思考力をとことん高めたい方などにはおすすめです。

項目 内容
著者 M.access
出版社 認知工学
価格(税込) 550円
ページ数 60ページ
対象学年 小学1〜6年生
問題数 あまり多くない
レベル 徐々に難しくなる(最初は簡単)

実際の利用者の口コミは?

やれば良い内容だと思います
段階を経て理解しやすいように出来ています。amazon カスタマーレビューより

本書では逆算を基礎から勉強することができます。簡単な問題から始め、徐々にレベルアップしていけるので、算数が苦手なお子さんでも無理なく取り組むことができるでしょう。

さらに下巻では難関中学レベルの逆算も収録されているので、上巻の最初からコツコツ勉強していけば、一から中学受験レベルの計算力・思考力を培うことも可能です。

なお、上巻と下巻それぞれのレベルがわかりやすいように、以下に各テキストの表紙に書かれている逆算を載せておきます。難易度を判断する指標にしてください。

<逆算の特訓 上>

5+(9-□)×4=13

<逆算の特訓 下>

(3/8+5/□)÷29/12=1/2

さらなる演習を積むために通信教育は有用

さらに演習を積むときに特におすすめなのは通信教育です。

通信教育は、いつでもどこでもできる飽きずにサクサク勉強を進めることができるというメリットがあります。

また、最近増加しているタブレット学習により楽しく勉強に取り組むことができるように、勉強があまり好きでない小学生でもしっかり取り掛かることができるので基礎学力向上には非常に高い効果が期待できるでしょう。

小学生におすすめの通信教育については以下のページで紹介しています。ぜひご覧ください。

四則混合計算の方法まとめ

四則混合計算の方法まとめ

  • 分配法則や結合法則なども知っておくと良い
  • 中学受験には逆算の練習も必要
  • 演習には問題集なども活用しよう

四則混合計算の方法について解説しました。

まずは左から順番に計算する、かけ算・わり算が先、()の中は最優先という基本ルールを押さえることが大切です。

また分配法則や結合法則、交換法則も知っておくと良いでしょう。

なお、それらを効率よく覚えるには問題演習を十分に積むのがおすすめです。問題演習には今回紹介した問題集や通信教育をご活用ください。

以上を参考に、さっそく四則混合計算を練習してみましょう。