中学受験と高校受験のどっちを選ぶ?メリット・デメリットや合格方法を徹底比較!

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「中学受験と高校受験、どっちが自分の子どもに合っているの…?」

「子どもにとってのいい進路に進んでほしいけれど、自分の受験の時と今は違いすぎて分からない!」

受験を視野に入れる時期に入り、初めてのお子様の受験を不安に思う親御様は多いのではないでしょうか。

沢山の学校があり、受験情報はネットで溢れかえり、調べれば調べるほど結局どれが子どもにとって最適なのか分からなくなってしまいますよね。

そこで本記事では「中学受験・高校受験」について、メリット・デメリットなど実態を徹底比較します! ぜひ参考にしてみてください。

「中学受験・高校受験どちらがよいか」をざっくり説明すると

  • どちらが良いかはお子さん一人一人によって異なる。
  • 両方の受験において、子どもに対するリスクがある。
  • 中学受験は高校受験と異なり「親の受験」でもある。子どもの成熟度にも大きく左右されるため、そもそも中学受験に向いていない家庭もある。

中学受験と高校受験ではどっちがよい?

受験について悩む人

中学受験すべきか、それとも高校受験すべきか、お子さんの受験について悩む親御さんも多いでしょう。

以下では、お子さんの受験のタイミングを決定する際に知っておきたい前提について見ていきます!

中学受験と高校受験を決めるポイント

ポイントは「受験経験をどのように子供の成長に繋げるか」、「お子さんに小学4年生~6年生の期間をどのように過ごして欲しいのか」という視点で受験を考えることです。

つまり、 お子さんひとりひとりによって受験に対する最適解が異なります。

中学受験・高校受験どっちか一方がいいのではなく、 志望校や勉強方法などの選び方がお子さんにとっての良い受験を決めると言えます。

受験を控える家庭は、多くのメディアから多角的に受験情報を集めることが、良い受験に直結するでしょう。

教育における正解はない

中学・高校どっちの受験であっても、お子さんの人生のすべては決まりません。 また、教育における絶対的な正解はありません。

お子さんが「なぜそれを選択したか」を具体化し、「その志望校を選択してよかった」と思えるための努力を怠らないことが大切になっていきます。

親子間で継続的な対話を行うことで、双方の意志を確認することも大事です。

中学受験が向いていない人は

高校受験の際は、私立高校・内申重視ではない高校など受験の在り方が多岐にわたります。帰国子女枠など、 どのような背景の生徒でも受け入れられるのも高校受験の特徴です。

小学生からの塾の難関高校コースでは「①小学生の時から塾に慣れる②中一の中間で高得点③自己肯定感を高め、高校受験のモチベーションを高める」ことを目標としています。

お子さんが受験勉強が向いていないと早めに分かれば、対策も小学生の内から早く打てます。また、英語を小学生から勉強させるメリットとしては、早期入塾の方が入塾基準低いことが挙げられます。

もし中学受験を避けても、お子さんに「小学生のうちから勉強させる」意義はどっちにしろ変わらないと言えるでしょう。

公立中高一貫校という選択肢

国私立中学受験は小学校の教科書範囲を飛び越えた出題がされます。一方で、 公立中高一貫校は小学校の教科書範囲ですべての出題が構成されます。

ただし適性検査の実施や公立中高一貫校の学校数の少なさという意味で、公立中高一貫校は狭き門です。 しかし、国私立よりも学習範囲は比較的狭いので、5年生・6年生からでも十分に受験対策ができます。

それぞれの受験に成功するには

受験に成功するための方向性を示す看板

同じ受験ですが、中学受験と高校受験は性質が大きく異なります。合格するためのポイントを一つ一つ抑えていきましょう。

中学受験合格に必要な要素

中学受験に受かるには①学力②体調管理③メンタルの3つの力が必要です。親のサポートも必須ですが、中学受験においてはお子さんの受験時の成熟度が何よりも大事になってきます。

特にメンタルが不安定なお子さん、競争心が薄い小学生やまだまだ精神的に幼い小学生(男子に多いとされています)は受験に不利になりやすいと言われています。

中学受験の失敗談の多くの原因は「親に受験させられた子供が、中学受験を自分ごとに思えてない」ことにあります。 中学受験の是非が問われる原因に、このような「子どもの意志が置いてけぼりになっている」点があるのでしょう。

中学受験では

  1. 合格しきること
  2. 中堅校に行くにしてもいきたい学校を受けること

この二点が大切です。

高校受験の特徴

高校受験では、当日の入試得点のみで合否を決める高校と内申や資格を見て決める高校があります。

しかし、 ほとんどの高校はお子さんの内申や資格を受験の際に見られ、合否に影響を及ぼします。

どっちにしろ、普段の中学校での授業の取り組み、毎日の学習の積み重ねが高校受験では生きるのです。

都立トップ高校の場合

内申点の計算は5教科の5段階評価+実技4教科の5段階評価で行われます。

この計算方法が嫌で中学受験する人も多いのが現状です。

しかし、意外にも難関都立高校は内申点勝負ではないところが多いです。 各校によって内申点の算出方法が異なるため、塾の先生など詳しい人に予め聞いておきましょう。

私立高校の場合

難関私立校では、内申点はそこまで重視していないようです。

そのため、ある程度の偏差値があるなら思い切って私立高を選ぶのも選択肢の一つです。

しかし、公立中学の先生は最新の受験情報に疎いケースが多々あるようです。

情報を買うという意味でも塾通いは大いに有効と言えるでしょう。

中学受験と高校受験を比較すると

比較の天秤

それぞれの受験ごとに両親やお子さんへの負担が変わります。どちらがご家庭に合っているのか、じっくり検討してみましょう。

親の負担の差

中学受験の別名は「親の受験」です。

親は金銭的援助だけでなく、塾選び、授業の復習、宿題チェック、テスト直し、志望校の選択などもしなければいけません。

高校受験の主役は、ある程度精神的に自立している中学生です。彼らは自ら意思決定ができます。高校受験において、親は金銭的援助に加えて思春期の子供のサポートが中心となり、中学受験と比べ負担は比較的軽減されます。

受験者数の多さ

都内の4割、首都圏の1.5~2割の小学生が中学受験をします。

中学に上がる際は、何もしなくても公立に進めます。そのため、教育熱心な家庭中心に中学受験は行われるのです。

一方で、受験があるにも関わらず、ほぼ全ての中学生が高校に進学します。高校進学率は97%を超えます。中高一貫校の生徒以外は進学先を自分で掴み取る必要があります。

入試問題の難易度

中学受験の特徴は「絞り込むための入試」です。 特に人気校の場合は比較的その傾向が強いと言われます。

そのため難易度が非常に高く、塾で独自の対策する必要があります。

高校受験の特徴として、公立高は受け入れ枠が広いため、基礎学力中心の試験となります。対して、私立は絞込み的要素が強くなります。

偏差値の高さ

高校受験は中学受験と比べ10~15程度、偏差値が高く算出されることが一般的です。 中学受験は成績上位の小学生が受ける傾向にあるので、偏差値は低く算出されます。

つまり、偏差値50の小学生は、全国平均学力よりも相当高い学力を持つ小学生であると言えます。

高校受験は全ての学力層の中学生が満遍なく受験します。全国で約100万人弱もの中学生が受験するため、偏差値は相対的に高く出ます。

内進生(中入生)と高入生の違い

授業の進度が早いのは中入生、学力が高いのは高入生という傾向があります。

しかし、中入生は高校受験を控えた高入生よりも心の余裕と時間があります。

学力に関しては、高校一年生の時点で外部生に追いつくべきですが、この時期の子どもは親の意見なんて聞かないので、外部からとやかく言ってもしょうがないです。

中入生・高入生、どっちの選択がよかったのかは、本人の行動次第で決まるものです。

ですが親として、どこからどこまでレール強いてやるべきか悩ましい問題でもあります。

中学受験と高校受験のリスク

立ち止まって受験のリスクを知るための看板

受験はメリットだけでなく、デメリットも存在します。両方の側面から受験を比較してみましょう。

中学受験は子供を潰す可能性

まず、「第一志望不合格」は受験失敗ではありません。「両親の目にありのままの子供が見えなくなったとき」が中学受験の失敗の時です。

12歳の子の努力を親が100%認めてあげられれば良いのです。

中高一貫という環境そのものには「6年間のカリキュラム」という点において大きな意味を持ちます。

しかし遅咲きのお子さんであるならば、12歳で中学受験するよりも15歳の高校受験の方が本人の実力を十分発揮できるかもしれません。

高校受験は反抗期との両立が課題

「14~15歳はたくさんの受験よりもさまざまな経験した方がいい」という考え方は、もっともな考え方です。

実際、欧米は高校受験制度はほとんどありません。 反抗期と高校受験の両立は難しいと言われるのも一つの理由です。高校受験制度の是非は現在の教育界で問われている大きな問題でもあります。

どっちにしろ、この時期を勉強に費やすことで生じるメリット・デメリット双方あることを頭に入れておきましょう。

中学受験のメリット・デメリット

メリット・デメリットのデータ

小学生のうちから受験勉強を経験することで、お子さんにどのような影響が生じるでしょうか。

中学受験のメリットはたくさんある

中高一貫の六年間という時間

中入生の方は先取り学習を行うため、中入生と高入生の間には半年から一年のカリキュラムの差があります。

中高一貫校では、6年間の教育のうちで学校独自の学習計画や部活といった貴重な経験を積むことができます。

価値観が似ている人たちに出会える

近い価値観・精神年齢の小学生が合格して集まってくるため、受験後の中学校は何でも話せる友人を作りやすい環境であると言えます。

また、教育方針の似ている家庭が集まってくるため、子ども同士も親同士も一生の付き合いができることが多いのです。

親の介入が可能

繰り返しになりますが、中学受験の別名は「親の受験」です。

小学生は中学生と異なり、反抗期は比較的少ない傾向にあります。

そのため、親として子供の進路にある程度の道筋を早めに立てたいと願うなら、中学受験がおすすめです。

デメリットもある

金銭面の負担が大きい

中学受験は、とにかく費用がかさみます。

塾代をはじめ私立に行かせるなら入学金、受験料など費用は膨らみ続けます。 入学後も習い事、塾や部費など金銭的負担は大きくなる一方です。

違う価値観や経験ができない

似ている価値観の人々が集まるという環境ということは、当然公立中学で接するような多様な価値観に触れられません。

公立中学校は、生活習慣や親の年収、価値観が大きく異なる同級生に出会え、友人を作る貴重な機会です。

また。地元との関係が希薄になってしまうことも挙げられます。 小学生の貴重な時間を受験に費やすことになるので、友達との大切な時間やスポーツ・趣味の時間などお子さんにとっての多くの犠牲を伴います。

通学時間がかかるのも機会損失の一つと言えるでしょう。

高校受験の長所・短所

長所と短所の資料

中高一貫校の中入生以外、ほぼ全員経験するのが「高校受験」です。メリット・デメリットはしっかりと把握してみましょう。

高校受験の良いところも多くある

お財布に優しい

公立高校に進学するなら学費が非常に安く抑えられます。

給食があるところが多いので、朝のお弁当の負担もありません。

様々な価値観に触れられる

公立中学校では、様々なバックグラウンドをもつ同級生と同じ教室で3年間を過ごします。

「自分の子どもに悪影響を及ぼす同級生がいるかもしれない!」という点においては家庭の教育方針によって、是非が問われるかもしれません。

しかし、さまざまな価値観を持つ同級生に出会うことができる環境というのは、多様な価値観を受け入れ、精神的に強くなることができ、人間として成熟することができる貴重な環境でもあります。

自分で人生をきり開ける

中学生は小学生よりもずっと自立しているため、親の受験というよりはお子さん本人の受験という要素が強くなります。

彼らは自分自身で考えて進路選択することができるようになっています。高校選択というのは、今までの彼らの人生において最も大きな決断の一つと言えるでしょう。

自分で人生を切り開く最初の一歩が高校受験なのです。是非、お子さんの初めの一歩を温かく見守ってほしいと思います。

高校受験の短所も存在する

中高一貫校の高校募集が減ってきている

高入する人が中高一貫の恩恵を多く受けられないことや、高入数自体の減少によって、高校募集を廃止する中高一貫校が徐々に増えています。

中高一貫私立校は入学の門戸が狭くなりつつあるのが現状です。

時期特有の問題もある

思春期や反抗期、成長期と重なるので、肉体的も精神的にも、親の制御が効きません!(筆者の同級生は高校受験期、家の壁に穴をあけました)

また、3年3年と学習環境が輪切りになるので長期的な学習計画が立てにくいことや、子供のやりたいことと受験がバッティングすることも、この時期に生じる大きな問題です。

中高一貫校を実際に経験して感じたこと

女性

中高一貫校は独特のコミュニティですが、それならではの恩恵が受けられるのは事実です。

6年という時間の貴重さ

中入生は中学三年生の受験勉強の時期と、高校入学直後の人間関係構築期間を自分のやりたいことにあてられます。

高入生と比べ、自分についてより深く知ることができる貴重な時間を、多感な時期に多く得ることができるのです。

また、中入生は同じ部活を5~6続けることができます。5~6年部活やり切ったという達成感を味わえることは、お子さんの人生にとって大きな成功体験として残り続け、自信につながるでしょう。

部活のメンバーとは六年間共に過ごすため、深い友人関係を構築することができます。

中入生は部活に入ることで、是非青春を謳歌してほしいです!

中だるみからいかに早く抜け出すか

高校受験がない分、どうしても中だるみしてしまう中入生が多いことが実際問題としてあります。

早い時期から勉強の習慣をつけておかないと、大学受験に支障が生じてしまいます。

ずるずる大学受験勉強が遅れてしまい、そのまま浪人…という可能性も大いにあります。 ただし、難関中学の場合はポテンシャルがあるのでなんとかなってしまうこともあります。

中学受験と高校受験の比較まとめ

中学受験・高校受験どちらがよいかのかまとめ

  • 「金銭的負担・受験者数・難易度・同級生の多様性」など違いが多岐にわたるので、受験において何を重視するか、家庭内で確認する必要がある!
  • 中学受験の方が、肉体的にも精神的にも親の負担が大きい。しかし、メリットも多い。
  • 「受験経験をどのように成長に繋げるか」「小学4年生~6年生をどのように過ごして欲しいか」を考えることで、何が良い受験かが決まる!

ここまでのメリット・デメリットなど「中学受験・高校受験」について様々な視点から比較してきました。

受験を視野に入れ始めてきたら、家庭内でしっかり話し合い、お互いの意志を確認しましょう。

また、日ごろの勉強に加え、常に更新され続ける受験情報をしっかり取り入れ多様な選択肢をゲットすることも大事です。

家族で協力し、お子さまにとって最高の受験を迎えましょう!