中学生の英語の勉強法は?中1・中2の定期テストや高校受験の対策法まで解説!
「中学生にはどのように英語を勉強させるべき?」
「中1・中2の定期テスト対策や高校受験対策はどうすれば良い?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
グローバル化が進む現代では、英語の重要性は日々高まっているため、中学生にも高いレベルの英語学習が求められるようになっています。
小学生で習った英会話的な内容にプラスして、文法や単語を中心とした学習を積み重ねなければいけません。
今回は中学生の英語の勉強法について、中1・中2の定期テストや高校受験の対策法を含めて解説します。
これを読んで、中学生のお子さんの英語学習を考える上での参考にしてください。
中学生の英語の勉強法についてざっくり説明すると
- 1日15分でも良いので毎日勉強するべき
- 中1では基礎学習を重視
- 中2のうちに文法をマスターするべき
中学生が英語を勉強する重要性
中学生にとって英語学習は非常に重要です。以下ではその理由を解説します。
将来的に英語は必要不可欠
英語学習は文系・理系を問わず、大学入試まで続きます。もちろん、大学入学後も英語を使う機会は多いです。
また昨今はグローバル化が進行しているため、仕事においても英語の必要性は増しています。英語を話せる方が収入が高くなるというデータもあるほどです。
以下は、転職サイトの運営会社であるビズリーチが実施した調査の結果です。ビジネスパーソンの英語力と収入の関係を表しています。
英語力 | 年収 |
---|---|
ネイティブレベル | 1,354万円 |
日常会話レベル | 1,003万円 |
英語を話せない | 976万円 |
※年収750万円以上のビジネスパーソンを対象
上記を見ると、ネイティブレベルで英語を話せる人と全く話せない人では、年収に400万円近い差が生まれることが分かります。この結果からも英語力の重要性が伺えます。
小学生の英会話では不十分
外国語は勉強を継続しないとすぐに忘れてしまうため、中学生になっても英語を継続的に学習する必要があります。
たとえ小学生で英語がある程度話せるようになったとしても、中学生になって全く勉強しなければ、たちまち話せなくなってしまうでしょう。
また小学生向けの英会話教室や外国語活動の授業では、英語に慣れることが重視されるため、単語や文法の学習はあまり行いません。
そのため、より実践的に英語を使いこなせるようになるには、単語や文法の知識を中学以降で習得する必要があります。
中学生の英語の勉強法
ここからは中学生の英語勉強法を具体的に解説していきます。
毎日15分でも勉強する
これは英語以外の科目にも言えることですが、数日に一回まとめて長く勉強するよりも、15分でも良いので毎日勉強した方が学習の能率は上がる可能性が高いです。
知識は一度頭に入れてもすぐに抜けてしまうため、忘れないうちに再び勉強する必要があるのです。そのためには毎日コツコツ勉強することが重要になります。
特に英語は暗記事項が多いため、毎日勉強して前日の内容を復習しつつ学習を進めるのが良いでしょう。
汎用性が高い例文は暗記しよう
教科書に登場する例文は、汎用性が高いことが多いので、特に重要だと思う文に関しては丸暗記するのが良いでしょう。
ある程度の数を暗記すれば、それらを構成する英単語を入れ替えるだけで、かなり英語を使いこなせるようになります。
よって教科書の例文を全て暗記すれば、英作文や英会話の能力は格段に向上するでしょう。
教科書本文を音読・和訳
英語の表現を覚えるには、音を記憶することが非常に重要です。そのため、覚えたい表現を中心に教科書の本文を音読すると良いでしょう。
その際は、正しい発音やリズムに慣れるためにも、付属のCDに収録されているネイティブの音声を真似しながら読むのがおすすめです。
また音読と並行して、本文の和訳にも挑戦してみましょう。和訳をすることで英文法の習熟度を確かめることができます。
ワークで問題演習
学校で配られるワークで構わないので、問題演習も繰り返し行いましょう。実際に問題を解くことで、自らの弱点や知識の穴を発見することができます。
なお、問題は解きっぱなしにするのではなく、間違えた問題を中心にきちんと復習することが大切です。
問題集と復習を繰り返すうちに、着実に英語力は向上していくでしょう。この方法は得点アップにも直結するので、テストで良い成績を残したい場合にもおすすめです。
英語が苦手な子はどうする?
英語学習は基礎からの積み重ねなので、内容が分からなくなった時点で、少し前に戻って学習し直すべきです。
また英語に苦手意識があって、どうしても勉強が捗らないという場合は、英語に慣れることから始めるのが良いでしょう。
一旦勉強を忘れて、英語の音楽や英語、アニメなどを楽しむことで、英語への親しみを深め、学習意欲を高めることができます。
分野別・英語の勉強法
以下ではさらに詳しい英語の勉強法を分野別に解説します。
文法を理解するには
外国語をマスターするには、文法の理解が欠かせません。文法の知識がないと長文読解や英作文で苦労します。
動詞中心であることを意識
英文法の要となるのは動詞です。動詞の役割を知れば、一気に英文が読めるようになるでしょう。
例えば、自動詞と他動詞の違いを理解することが重要です。以下のように自動詞の場合は動詞の後に前置詞が続きますが、他動詞なら前置詞は必要ありません。
例文 | 説明 | |
---|---|---|
自動詞を用いる場合 | I went to Japan. | 自動詞「go」の後には前置詞「to」が必要 |
他動詞を用いる場合 | I visited Japan. | 他動詞「visit」には前置詞は不要 |
3単現は単純に考える
動詞の三人称単数現在形(3単現)には語尾に「s」をつけるというルールがありますが、三人称という概念で戸惑う中学生もいます。
三人称とは、話し手と聞き手以外の第三者のことを指すので、一人称「I」と二人称「you」以外を三人称と覚えておくと良いでしょう。
その中でも「he/she」や「it」などは単数なので、「3単現のs」のルールが適用されます。
不定詞は働きを判別する
「to 不定詞」の用法には、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3つがあるので、それぞれの用法と訳し方を覚えておく必要があります。
それらを覚える際は以下の内容を参考にしてください。
用法 | 説明 | 訳し方 | 例文 |
---|---|---|---|
名詞的用法 | S(主語)・C(補語)・O(目的語)のどれかになる | 「〜すること」 | My dream is to be a novelist. |
形容詞的用法 | 直前の名詞を修飾 | 「〜するための」「〜するべき」 | Would you like something to drink? |
副詞的用法 | 動詞や形容詞など名詞以外の要素を修飾 | 「〜するために」「〜して」「(結果として)〜する | He is studying very hard to pass the exam. |
関係代名詞は構造が大切
関係代名詞を理解するには、主節と従属節を正しく区別できるようになることが重要です。
例えば、「This is the book which I bought yesterday.」という例文では「This is the book」が主節、「which I bought yesterday」が従属節になります。
最初は構造的な理解を促進するためにも、従属節に括弧をつけると良いでしょう。
英単語の覚え方
英単語を覚える際は、ただ英語を書くよりもテスト形式を取り入れると暗記の能率がアップします。
また「succeed(動詞・成功する)」と「succeess(名詞・成功)」など、派生語はセットにして覚えてしまうのがおすすめです。
熟語学習も大事
英語力を向上させるには、単語だけでなく、熟語や慣用句(イディオム)を覚えることも重要です。また「arrive at」と「get to」などの類義語はセットで暗記すると良いでしょう。
英単語や熟語を覚えるなら、毎日継続して暗記作業を行うのがおすすめです。
リスニング力を上げる方法
2020年度からセンター試験に代わって導入される大学入学共通テストでは、リーディングとリスニングの比率が1:1になるなど、昨今はリスニングの重要性が増しています。
そのため、中学生のうちからリスニングに慣れておくのが良いでしょう。リスニングに慣れるためには、とにかくたくさんの英語を聞くことが一番です。
また英語を聞く際は、スクリプトで意味を確認したり、音源に合わせてシャドーイングしてみるのも良いでしょう。
長文読解力をつける方法
長文を素早く読解するには、要点を押さえて読むことが大切です。テストでは論旨を掴むために重要なポイントだけを把握すれば良いので、分からない単語が出てきても気にする必要がありません。
ただし、長文読解力を一朝一夕で身につけることは難しいので、たくさんの文章を読んで練習を積み重ねる必要があります。
なお、長文に出てきた英単語や表現は印象に残りやすいので、きちんと復習してボキャブラリーを増やしていきましょう。
接続詞に注目
接続詞は要点を掴むための重大なヒントになるため、見つけたら印をつけるのも良いでしょう。
特に「but」や「However」などの逆接の後には筆者の主張が書かれていることが多いため、注目しておくべきです。
また「because」や「so」などの因果関係を表す接続詞も論旨に関係することが多いので、見逃してはいけません。
英作文で記述力を磨くには
英作文では文章の内容や質よりも、文法やスペリングの正しさの方が重視される傾向にあります。
そのため、難しい主張を英文で展開しようとする必要はありません。内容は二の次で良いので、簡潔な表現を心がけ、習った文法や単語が適切に扱えることをアピールすべきです。
英作文を上達させたいなら、普段の日記などを英語で書いてみると良いでしょう。単純な内容で良いので、学校で習ったことを意識しながらコツコツ文章を書く習慣を付ければ、自然と英語が書けるようになるはずです。
英語が苦手な中学生向けの勉強のコツについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
学年別・英語の勉強方法
ここからは中学生の英語勉強法を学年別に紹介します。
中1で基礎を定着させる
本格的な英語学習を始めたばかりの頃は、とにかく基礎内容を定着させることを意識するのがおすすめです。
応用問題に手を出す必要はないので、学校で習った内容を丁寧に復習し、一つ一つの単元を確実にマスターしていきましょう。
また英語にまだ慣れていない場合は、英語のアニメや音楽などを用いて、英語への興味関心を高めるのもおすすめです。
ただし、中学生になると幼少期のように言語を感覚的に体得できるわけではないので、ただ英語を楽しむだけでなく、文法学習などある程度論理的な勉強が必要になります。
中2で文法をマスターする
中学3年生で充実した高校受験対策を行うためにも、2年生のうちに基本的な文法はマスターしておきたいところです。
ただし、2年生になると文法学習の内容もやや高度になり、英語への苦手意識も生まれやすくなるので注意しましょう。
途中で理解ができなかった場合は、少し前の内容から復習するのもおすすめです。場合によっては1年生の内容から振り返るのも良いでしょう。
英文法の学習は少なくとも大学入試まで続くので、分からなくても焦る必要はありません。適宜おさらいもしながら、じっくりと基礎を固めましょう。
中3は長文読解に慣れる
中学3年生になったら、過去に習った内容を一度総復習し、知識の穴がないかを確認すると良いでしょう。もし不十分な単元があれば、早めに再度学習を行うべきです。
文法や単語の知識がある程度入っている場合は、それらを活かして長文読解や英作文などの練習に取り組みましょう。
そうした発展学習に入った後も、適宜基礎学習を行うのはおすすめです。特に間違えた問題や不安な箇所に関しては、その都度復習を行うのが良いでしょう。
また高校受験を意識して、単語や表現の暗記作業もコツコツ継続しておくべきです。
定期テストの対策方法
中学生になると定期テスト対策も考える必要があります。定期テストの勉強は受験勉強の土台作りにも繋がるため、定期テスト対策を怠ってはいけません。
学校のプリント・ワークから始める
基本的に定期テストは授業で習った内容から出題されるため、学校の教材で勉強するのが最も効率の良い学習法だと言えるでしょう。
まずは教科書やプリントを用いて習ったことをおさらいし、その後はワークで問題演習に取り組むのがおすすめです。
追加の教材がなければ不安だという方もいるはずですが、学校の教材の内容を完璧に押さえておけば十分な得点が期待できます。
そのため、色々な教材に手を出すのではなく、まずは学校のプリントやワークで地に足のついた勉強をするべきです。
直前は問題集で得点力をつける
学校の教材で基礎が万全になった場合は、追加の問題集でさらに得点力を磨くと良いでしょう。
間違えた問題や分からない箇所は、教科書に戻ってよく復習するべきです。復習によって知識を補強したら、再度解き直しを行いましょう。
全て完璧に解けるようになるまで、復習と解き直しを行えば、かなりの高得点が期待できます。
ただし、問題集を使うのは余裕がある場合だけで構いません。まずは学校の教材で基礎内容を確実にするべきです。
テストの点数が下がった場合
テストが返却されたら間違った内容を必ず復習するようにしましょう。
思うような点数が取れなかった場合は、落ち込むこともあるでしょうが、テストの点数に一喜一憂するべきではありません。
日々の勉強は高校受験のための積み重ねとなるので、テストで間違った部分をしっかり復習し、次につなげることこそが重要なのです。
また点数が下がった場合は、勉強量が足りない可能性があるため、日々の勉強時間や勉強内容を見直すと良いでしょう。
高校受験に向けた勉強方法
ここからは高校受験に向けた勉強方法をお伝えします。
公立高校を受験する場合
公立高校の入試問題は標準的な難易度です。基本的に中学校で習う内容から出題されるので、まずは習った内容を完璧にするのが良いでしょう。
教材としては学校の教科書を使うのがおすすめです。各学年・各学期の定期テスト対策をおさらいするようなイメージで、基礎内容の総復習を行いましょう。
学校で習った内容を十分に復習した後は、過去問を解いて仕上げをします。問題の形式に慣れるためにも、複数年の過去問を繰り返し解くのが良いでしょう。
私立高校入試は難しい
私立高校の入試では、中学校の学習範囲を超えた出題がなされます。時には高校生レベルの問題が出されることもあるので、公立の入試に比べて難易度はかなり高めです。
ただし、高校によっては合格基準が低めに設定されており、高得点を取らなくて良い場合もあります。
いずれにせよ、まずは基本的な内容を盤石にするべきです。また私立では学校ごとにかなり特色があるので、過去問演習を中心に志望校合格に特化した学習を行うことが重要になります。
中学生におすすめの英語教材
最後に中学生におすすめの英語教材を紹介します。
人気の参考書・問題集
参考書や問題集は以下の2冊がおすすめです。
中学生3年間の英語が1冊でしっかりわかる本
この本では中学校の英語における重要事項と学習のポイントだけが凝縮されているので、一から英語を学び直したい場合におすすめです。
受験前の総復習として活用するのも良いでしょう。また「中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる問題集」を合わせて用いるのもおすすめです。
くもんの中学英文法
この本では英文法の学習を通して、英語の「表現力」と「読解力」を培うことができます。
設けられているステップをこなしていくごとに英語表現が豊かになるように設計されているため、楽しく学習することができるでしょう。
また英語が得意な場合は「くもんのハイレベル中学英語」もおすすめです。
塾には通うべき?
英語がどうしても苦手という場合には、塾に通うのも一つの選択肢です。中学生の6割〜7割は塾に通っているため、一般的な判断と言えるでしょう。
ただし、塾での英語学習はどうしても受験を意識したリーディング中心の勉強になりがちです。そのため、将来的に英語が使いこなせるようになるという観点からは、物足りない可能性があります。
また塾に通う最大のデメリットは、お金がかかるということです。年間で30万円程度の出費は覚悟しておいた方が良いでしょう。
通信教育はコスパに優れる
通信教育なら塾よりもリーズナブルな価格である場合が多く、なおかつ充実した英語学習が可能です。リーディングだけでなく、英語の4技能がバランスよく伸ばせる教材も多いため、大変コスパの良い英語教材と言えるでしょう。
また通信教育の英語教材は英会話教室よりも成績アップには有用です。それはベネッセ総合教育研究所の調査でも証明されています。
通信教育では毎日数十分コンスタントに学習を行うため、特に継続が重要となる英語力を伸ばすのに適した学習法なのです。
以下では中学生向けの通信教育を比較しつつまとめているので、ぜひ通信教育の英語教材もチェックしてみてください。
中学生の英語の勉強法まとめ
中学生の英語の勉強法まとめ
- 分野ごとに勉強法を工夫するのがおすすめ
- 中3では長文読解や英作文に取り組む
- 英単語の暗記にはテスト形式を取り入れる
中学生の英語の勉強法について解説しました。
英語は15分でも良いので毎日勉強するのが良いでしょう。勉強法としては、重要例文を暗記したり、教科書の音読・和訳を行うことをおすすめします。
高校受験を意識するなら、中1で基礎固め、中2で文法をマスター、中3で長文読解や英作文という流れもおすすめです。
基本的には定期テスト対策も高校受験対策も学校の教材を完璧にすれば、良い結果が期待できます。しかし、私立を受験する場合は過去問演習を中心とした志望校に特化した対策が必要です。
また、通信教育は英語だけでなく他の科目も学べる上、4技能が鍛えられるAI搭載の教材がついていることも多いので、積極的に利用を検討しましょう。