算数の割合の苦手を克服するには?小学4〜5年生のつまずくポイントや練習問題も掲載
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「算数の割合の苦手を克服するにはどうしたら良い?」
「小学生がつまずきやすいポイントは?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
割合は小学生がつまずきやすい単元の一つです。割合がきっかけで算数が苦手になってしまう小学生もいるでしょう。
また割合は中学入試でも重要な分野なので、中学受験を目指す場合は早めに対策を行う必要があります。
今回は算数の割合の苦手克服法について、小学4・5年生のつまずくポイントや練習問題を含めて解説します。
これを読んで、割合が苦手なお子さんの勉強法を考える上での参考にしてください。
算数の割合の苦手克服法についてざっくり説明すると
- 簡単な図で説明してみる
- 身の回りの割合について考える
- 小学生のうちはある程度理解できれば良い
算数は割合でつまずきやすいの?
割合の問題でつまずいてしまう小学生は多いです。そのため、どうしたら難しい問題が解けるようになるのかとお悩みの親御さんもいるでしょう。
以下では割合問題ができるようになるまでの流れを解説します。
割合が苦手な子はたくさんいる
割合に対して苦手意識を持っている小学生はたくさんいます。「%」などの概念は初めて目にするような内容なので、中々理解できず算数自体が苦手になってしまう子供も多いです。
しかし、小学校では基礎レベルの問題しか扱われないため、きちんと練習すれば誰でも苦手を克服することができます。
本格的な割合の学習は小学5年生から始まるので、それに合わせて学校外でも学習を開始するのが良いでしょう。
中学受験でも大事な分野!
割合問題が苦手と言っても、基礎レベルから理解できないのと難関私立中学レベルの問題を解けないのでは、悩みの性質が異なります。
中学受験を目指すために割合問題に対する苦手意識を払拭したいというのであれば、まずは基礎レベルの問題から始めるのが良いでしょう。
発展的な問題には基本的な解き方の組み合わせで対処することができるので、基礎的な問題を数多くこなせば難問も次第に解けるようになるはずです。
ある程度理解できれば大丈夫
中学受験を目指さないのであれば、難関私立中学レベルの難問は解けなくても問題ありません。学校のテストではそこまでの難問は出題されないので、基本事項をきちんと理解できていれば十分です。
学校の授業にしっかりついていけるレベルであれば、中学校に入っても特に困ることはないでしょう。
しかし、難しい問題を解くには思考力や計算スピード、根性などが必要となることが多いので、難問を練習することは学力向上にはプラスです。ただし、挫折して自信を喪失してしまうリスクもあるため、無理に挑戦させる必要はありません。
割合の基本を押さえよう
まずは割合の基本を押さえることから始めましょう。それには以下の内容を参考にしてください。
まず割合の定義から
割合は「比べられる量÷元の量」で求めることができます。つまり割合とは元の量に対する比べられる量の比率のことです。
なお、元の量は全体の量であることもあります。元の量(全体の量)を1と捉え、比べられる量の比値を考えます。
百分率で考える
百分率(%)では、元の量を100%として比べられる量の比値を求めます。つまり割合に換算すると、0.01が1%になるということです。
よって百分率と割合の間には以下の式が成り立ちます。
- □%={比べられる量/全体の量(=割合)}×100
- 割合=□/100
上記の式を用いれば、百分率と割合の関係は以下のようになります。
百分率 | 割合 |
---|---|
1% | 0.01(1/100) |
10% | 0.1(10/100) |
100% | 1(100/100) |
歩合で考える
歩合とは元の量を10割として比べられる量の比値を考えることです。よって割合と歩合の間には以下の式が成り立ちます。
- ○割={比べられる量/全体の量(=割合)}×10
- 割合=○/10
また歩合には「割」以外にも、「分」や「厘」という単位があります。それぞれと割合の関係は以下の通りです。
歩合 | 割合 |
---|---|
10割 | 1 |
1割 | 0.1 |
1分 | 0.01 |
1厘 | 0.001 |
割合・百分率・歩合はどんな関係?
割合は元の量を1とするのに対し、百分率では100%、歩合では10割を元の量として比べられる量の比値を考えます。
よって割合・百分率・歩合には以下のような関係が成り立ちます。
割合 | 百分率 | 歩合 |
---|---|---|
0.001(1/1000) | 0.1% | 1厘 |
0.01(1/100) | 1% | 1分 |
0.1(1/10) | 10% | 1割 |
1 | 100% | 10割 |
実は日本語力も大事!
割合の問題は文章題で出題されることが非常に多いです。そのため、問題文の内容を正確に読み取れるだけの読解力が必要になります。
割合ではなく、比べられる量や元の量の値を尋ねる問題もあるので、まずは問題文で何が聞かれているのかを把握しなければなりません。
問題文の意図が分かれば、あとは「割合=比べられる量÷元の量」の式に当てはめて考えるだけです。
しかし、問題文の意図を読解する段階でつまずくことも珍しくありません。よって割合問題を攻略するには国語力から見直す必要があるでしょう。
分数・小数と割合には深い関係がある
割合は、全体に対して比べられる量が何倍の関係にあるのかを計算することです。しかし、倍数は通常1以下の数字になるため、小数を使って表さなければいけません。
2倍や3倍などの単純な自然数にはならないことが、子供を悩ませる原因になっています。
「10は5の2倍である」ことは子供でも容易に理解できますが、「5は10の0.5倍である」ことに関しては中々上手くいきません。
そのため、割合問題を攻略するには、まず小数や分数をきちんと理解し、その計算に慣れることから始める必要があるでしょう。
割合を克服するためには?
割合を克服するための教え方が気になる方は、以下の内容を参考にしてください。
図を書いてみる
割合の意味が理解できていない場合は、具体例を使って「比べられる量÷元の量」の仕組みを説明してあげると良いでしょう。
例えば、りんごなどの図を使えば、5等分したうちの一切れの割合が1/5であることは理解しやすくなるはずです。
また簡単な図を子供自身も描けるようになっておけば、万が一再び分からなくなっても自分で解決することができます。そのため、できるだけシンプルで分かりやすい例を用いるのがおすすめです。
テープ図を使うのがおすすめ
小学生に割合を説明する際には、テープ図を使うのもおすすめです。テープ図とはその名の通り、テープのように幅を持った線分図のことを指します。
線分図は抽象度が高いため、イラストに近いテープ図の方が小学生は理解しやすいようです。
例えば、10と5の関係を割合で考える場合、長さ10のテープを長さ5で区切るようなテープ図を書くことができます。また長さ10のテープ図と長さ5のテープ図を縦に並べるのも良いでしょう。
このように視覚的なイメージで捉えれば、割合問題に対するハードルも少しは下がるでしょう。
割合が1より小さいか考える
割合が1というのは、比べられる量と元の量が一致しているという意味です。
また比べられる量が元の量よりも小さい場合の割合は1未満になり、逆に比べられる量の方が大きい場合は割合も1より大きくなります。
こうした割合に関する感覚をある程度身に付けておけば、問題を解く際にも便利です。割合が1未満なのか、1以上なのかが分かれば、基本的な問題は解くことができるでしょう。
割合に関する本質的な理解は、問題をこなすうちに深まっていくでしょう。
身の回りの割合について考える!
割合問題に苦手意識がある子供に対しては、まずは身近なものから割合を探すことから始めると良いでしょう。
例えば、スーパーの値札には「3割引き」や「40%OFF」など、歩合や百分率が用いられています。子供と買い物に行った際は、それらの意味を一緒に考えてみましょう。
他にもテレビの視聴率やプロ野球の打率など、様々なところで割合の考え方は用いられているので、子供の好きなものを選ぶのがおすすめです。
実生活で使える知識は子供にとっては刺激的なので、割合を勉強する良いモチベーションになります。
割合の式を立てる練習をする
上記の方法で割合に慣れてきたら、簡単な問題に挑戦してみましょう。問題を解くには、まずは立式ができるようになる必要があります。
最初は機械的で良いので、定義に合わせて式を立てる練習を行いましょう。ある程度問題が解けるようになってきたら、式の意味も考えることでさらなるレベルアップが可能です。
また割合ではなく百分率を求めるなど、問題には様々なバリエーションがあるので、問題文を正確に読み取る練習もする必要があります。
等式の変形も重要
割合問題では割合だけが問われるわけではありません。比べられる量や元の量が問われることもあります。
割合以外の値を求めるには、割合を求める等式を変形しなければいけません。自分で等式の変形を行うのが難しい場合は、以下3つの式を記憶させておくと良いでしょう。
- 割合=比べられる量÷元の量
- 比べられる量=元の量×割合
- 元の量=比べられる量÷割合
初めは機械的に式を当てはめられれば十分ですが、ゆくゆくは原理的な理解もできた方が良いでしょう。
小学生向け割合の練習問題6選!
計算問題
- 120は60の□倍
- 500の30%は300の□%
- 3時間は24時間の□割に相当する。
- □の7倍は700の25%です。
答え
- 0.5
- 50
- 12.5
- 25
文章中に空欄が含まれているタイプの計算問題では、計算式を実際に紙に書き出して考えることが大切です。
もちろん慣れてくれば頭の中だけでも答えは出せますが、最初は書きながら思考を整理するのが良いでしょう。
文章問題
-
さくら小学校の1年生の子にアンケートを取ったところ、朝6時前に起きる子は全体の40%でした。また、朝6時前に起きる子どものうち、朝食を食べない子どもは4%の6人でした。さくら小学校の1年生は全部で何人いるでしょう。
-
水が氷になると、体積は1/10倍だけ増加します。それでは、氷が水になるとき、体積はどれだけ減るでしょう。
答え
-
さくら小学校の1年生の子のうちの40%の、さらに4%が6人なので、6÷0.04÷0.4=375。よって375人。
-
水が氷になると、体積は1/10だけ増える、すなわち11/10になるということが分かる。したがって、氷が水になると体積は10/11倍になる。したがって体積の減少分は1-(10/11)=1/11。よって1/11だけ減少する。
割合問題の対策におすすめ教材はある?
ここからは割合問題の対策におすすめの教材を紹介します。
学校の教材が基本
小学生のうちは学校の内容をきちんと理解できていれば十分です。そのため、中学受験をするのでない限り、塾に通ったり、市販の参考書や問題集を買う必要はありません。
まずは学校の教科書やドリルの問題をしっかり解けるようにすることが重要です。学校の教材だけでは量が少なすぎると感じる場合は、同じ問題を繰り返し練習させると良いでしょう。
基本的な問題を反復学習することで基礎がしっかり身に付くため、応用問題にも対応できるようになります。
プリントや市販の参考書を使う
以下のサイトでは、基本レベルの割合問題のプリントをダウンロードことができます。
- すきるまドリル
- ドリルズ
すきるまドリルでは「割合と百分率」のプリント(小学5年生向け)が4枚ダウンロード可能です。合わせて学習のポイントも掲載されているので参考にしてください。
またドリルズには応用的な内容も含まれているため、より発展的な学習が可能です。文章問題のバリエーションも豊富なのでおすすめできます。
市販の教材なら「いっきに極める算数小学4〜6年の割合と比例」を用いると良いでしょう。このテキストでは1回・2ページのステップをこなしながら段階的に割合を理解することができます。
そのため、割合が苦手な子供の場合でも無理なく効率的に学習できるでしょう。
算数特化の通信教育もある
割合問題を含め、算数の強化には通信教育を利用するのもおすすめです。通信教育なら非常に分かりやすいテキストやワークで学べるので、効率的な学習ができるでしょう。
また動画で要点を確認することもできるので、割合問題を基礎から復習することもできます。
なかには算数に特化した通信教育もあるので、苦手を克服するとともに算数を得意科目にすることも可能です。
さらに通信教育の教材は子供一人でも学べるように設計されているので、忙しくて勉強の面倒が見られないという場合でも問題ありません。
算数に特化した通信教育はこちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。
算数の割合の苦手克服法まとめ
算数の割合の苦手克服法まとめ
- 問題文を理解するには日本語力も重要
- 分数と小数に慣れることも大切
- ドリルや通信教育を使うのも良い
算数の割合の苦手克服法について解説しました。
割合が苦手な場合は、まず図を書いたり、身近なものの割合を考えることなどで割合に慣れることから始めるのが良いでしょう。
また割合は分数や小数で表されるので、それらをきちんと理解しておくことも重要です。
実際に問題を解く際は「割合=比べられる量÷元の量」という定義に沿って立式する練習を行う必要があります。原理的な理解がある方が望ましいですが、初めは機械的に立式できれば良いでしょう。
教材としては算数に特化した通信教育を利用するのもおすすめです。
以上を参考に、親子で割合問題の克服を目指しましょう。