算数が苦手な子が多いのはなぜ?嫌いな理由や苦手克服のための勉強法まで徹底解説!
「算数が苦手な小学生が多いのはなぜ?」
「子供が算数嫌いな理由は?苦手克服のための勉強法はある?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
算数を苦手とする小学生は非常にたくさんいます。そのため、小学生の子供にどう算数を教えて良いかお悩みの方もいるはずです。
そこで今回は算数が苦手な子供が多い理由について、嫌われる原因や苦手克服のための勉強法を含めて解説します。
算数が苦手な子供についてざっくり説明すると
- 算数は実生活との繋がりがイメージしにくく「勉強感」が強い
- 続々と新しい公式や計算方法が登場するのでついていけない
- 知識を定着させ、実力を伸ばすのに時間がかかる
なぜ算数が苦手な小学生が多いのか
算数を苦手とする小学生は非常に多いです。以下ではその理由について検討します。
勉強というイメージが最も強い
物語に触れられる国語や実験の授業がある理科、身近な物事を扱う社会など、小学校における主要科目にはそれぞれ楽しいポイントがあります。
しかし、算数には抽象的な概念が多いので、実生活との接点が見つけにくく、どうしても「勉強」というイメージが強くなりがちです。
特に抽象的な単元になると、「こんなことを日常生活のどこで使うんだ」というような気持ちになってしまうこともあります。
理解できていないまま先に進んでしまう
6年間の算数では、数学の基礎となる概念を網羅的に学ばないといけません。
よって、授業では次々に新しい計算方法や公式、文章題の形式などが登場します。
そのため、まだ既存の単元が十分に理解できていない状態で、次に進んでしまうことも珍しくありません。
土台ができていないとレベルアップできない
算数では土台となる基本的な公式や計算方法が理解できていなければ、それらを利用した応用問題を解くことはできません。
そのため、ある箇所でつまずくとその後の内容が全て分からなくなってしまう可能性もあります。
一度そのような状態に陥ると、なかなか授業のペースに追いつくのは難しいため、つまずいた子供は算数が苦手になってしまいがちです。
定着に時間がかかる
算数では頭で理解した気になっていても、実際の問題は上手く解けないということがしばしば起こります。
知識を定着させるには、ある程度の演習量をこなさなければいけません。そのため、問題が解けるようになるには一定の時間が必要です。
特別勉強ができる子供でない限り、知識の定着に努力を要するので、センスだけで解けてしまう教科に比べるとややハードルが高いと言えます。
小学生の算数苦手を克服する方法は?
小学生の子供への算数の教え方についてお悩みの方は多いはずです。
特に算数が苦手な子供に教える際は、ついカッとなってしまったり、どう声かけをして良いか分からなくなる方もいるでしょう。
そのような方は以下の内容を参考にしてください。
つまずいたポイントを洗い出す
まずはテストや宿題で理解できていない問題を把握し、どうしてそれができないのかを検討するところから始めるのが鉄則です。
その際は子供にどのように考えて答えを導き出したのかを聞いてみるのが良いでしょう。
子供が考えのプロセスを説明できるようなら、きちんと考えて勉強に取り組んでいる証拠です。そのため、誤っている箇所を直せば苦手を克服できます。
一方で子供が何も説明できない場合は、当てずっぽうに近い形で解答している可能性が高いです。
その場合は勉強に対する態度から改める必要があるでしょう。初歩的な事柄が頭に入っていない可能性もあるので、基礎から始めなければいけません。
基礎基本から確認する
算数の問題が解けないのは、根本的な内容が理解できていないことが原因となっている可能性があります。
例えば、割り算を駆使する文章題を解くには、割り算の基礎知識が必要です。また九九ができなければ、桁数の多い掛け算を解くことはできません。
よって、間違えた問題だけを見るのではなく、その問題を解くための基礎的な事項も含めて教えてあげる必要があります。
先述した通り、基礎的な内容が理解できていなければ、応用問題を解くことは不可能です。
そのため、初歩的な内容から段階的に勉強していくのが、子供にとってはストレスがなくて良いでしょう。
特に算数が苦手な子供の場合は、これ以上の苦手意識を持たせないためにも、その子でも理解できるレベルの内容から始めるべきです。
計算ミスで失点してしまう子供は?
算数がそれほど苦手ではないのにも関わらず、計算ミスによって大きく失点してしまう子供は一定する存在します。
その場合は計算さえ正確にできるようになれば、算数を得意科目に近づけることが可能です。
計算ミスをなくすには、計算ドリルなどを使ってとにかく反復練習をさせるのが良いでしょう。
また途中式を書いたり、見直しを行うなど、ミスを減らすための工夫をすることも大切です。
字が汚くて計算ミスをしているという場合は「せっかくできているのにもったいない」などと声かけするのが良いでしょう。
ただし、字が汚くても勉強自体はできているのなら、無理やり字を綺麗に書かせる必要はありません。
あまりにも口うるさく言うと、子供がやる気を無くしてしまう可能性もあるからです。
計算ミスの原因を論文から読み解く
算数のテストでいつも計算ミスをしてしまう、とお悩みの方も多いかと思います。
実際、「計算ミスが多くて点数が下がってしまう」というお子さんも少なくありません。
計算ミスのパターンと原因を考察した論文「数学の試験答案における計算ミスのパターンについて」では、計算ミスの原因として次のように述べています。
計算ミスというより科目内容の理解が不十分であることに原因があると考えられるもの、計算に習熟していないことに原因があると考えられるもの、記憶違いや勘違いをしていることに原因があると考えられるもの、不注意に原因があると考えられるものがあった。 数学の試験答案における計算ミスのパターンについて(1)
また、同論文では原因によって対処法、つまり計算ミスを回避する方法が異なると結論づけています。
そのため、子どもの計算ミスを減らすためには、まず何が原因で計算ミスをしてしまっているのかを特定することが重要だと言えるでしょう。
親は子供にどう接するのが正解?
子供の勉強に向き合う際は、以下の内容を意識してみましょう。
できないことを否定しない
子供ができないことを否定するような発言は避けるべきです。「どうしてできないの?」などと言われる子供はやる気を無くしてしまいます。
また自主的に宿題をやらなかったり、見直しをしない子供に対してついイライラしてしまうのは理解できますが、それでも感情を剥き出しにするのは避けるべきです。
勉強を教える際は、まずは良いところを褒めた上で、できていないところの克服に取り組むのが良いでしょう。
できる子と比べない
「〇〇君はあんなにできるのに」などの発言も避けるべきです。こうした発言は子供のプライドを傷つけてしまいます。
そのため、できる子と比べるのではなく、過去の子供自身の状態と比較するのが良いでしょう。できるようになったことはきちんと褒めてあげ、子供をやる気にさせることが大切です。
頑張って考えていたら褒める
勉強が苦手な子供には、考えてもいないうちから分からないと言ったり、何となく足し算をしてみるだけといったケースが目立ちます。
そのため、自分で考えようとしているなら、たとえ解答が間違っていたとしても、褒めてあげるべきです。
苦労しているようならヒントをあげつつ、子供が自力で正解に辿り着けるようなサポートをしてあげると、効果的に学力を高めることができるでしょう。
子供が考える気がない時は?
例えば、文章題を一緒に勉強する時、問題文で何が問われているのかなどを子供に質問することもあるでしょう。
その際に子供がすぐに分からないと答える場合は、考える気がないか難しくて思考がストップしている可能性が高いです。
そのような場合は、一度問題文を音読させてみるのが良いでしょう。その後、細かく質問をしながら問題文の内容を一緒に整理していくと、子供の理解も深まります。
命令しない
「見直ししなさい!」や「宿題やりなさい!」などとつい命令口調で言ってしまう方も多いでしょう。
しかし、子供に命令するのはあまりおすすめしません。何事も強制すると子供はやる気を無くしてしまいます。
また目指すべきは子供が自主的に勉強するようになることです。そのため、声かけをするなら「一緒に勉強しよ」など、子供の自発性を促すようなものが良いでしょう。
実は子供は見直しの意味がわかっていない?
「見直しをしなさい」という言葉の意味が子供はよくわかっていない可能性もあります。
そのため、いざ机に向かっても間違えた問題をぼんやり眺めているだけということも起こりがちです。
子供が見直しの意味を理解するまでは、一緒に間違いを一つずつ点検していくのが良いでしょう。
ただし、教材によっては一人でやらせる方が勉強が捗る場合もあります。例えばドリルなどであれば、一人で進めた方が集中できるでしょう。
小学校算数でつまずきやすいポイント
ここからは小学校の算数でつまずきやすい単元と勉強のポイントをお伝えします。
足し算引き算のくり下がり・くり上がり
初歩的な足し算・引き算ならおはじきなどを使って簡単に理解できますが、数が大きくなってくると具体例で理解するのは難しくなります。
特にくり下がりやくり上がりの必要が出てくると、途端に難易度が上がるため、つまずく子供も多いです。
くり下がり・くり上がりを理解するためには、頭の中で10というまとまりを作れるようになることが大切になります。
10を二つの数字に分解してたり、逆に足し合わせて10を作ることが自在にできるようになることが必要です。
くり下がり・くり上がりが苦手な子供は、頭の中で10の作るパターンを覚えていないため、そもそも計算の仕組みが分かっていない可能性があります。
漠然と数字を塊で捉えているだけでは、いつまでたっても上手く計算はできません。
そのため、まずは10を作る2つの数字のパターン(1と9, 2と8, …, 8と2, 9と1の9通り)を記憶することから始めましょう。
九九・割り算の計算
九九はあらゆる計算問題の基礎となるため、小学2年生のうちにマスターしてしまうことが重要です。
取っ掛かりがない状態で全てを暗記するのは困難なので、最初はリズムで覚えてしまうのが良いでしょう。
通信教育や動画サイトでは、九九を覚えるための音源や歌などが聞けるため、それらを活用するのもおすすめです。
算数では原理的な理解が非常に重要ですが、九九に関しては理屈抜きに覚えてしまうのが良いでしょう。
また割り算を理解するためにも掛け算は必要になります。そのため、掛け算が不十分な場合は、割り算の前にまずは九九のおさらいから始めましょう。
図形問題
図形問題は頭の中で考えても分からないことが多いので、とりあえず書き出してみるのが良いでしょう。
実際の図を見てみると意外にも単純なことが問われていたということもあるので、まずは書き出すことが大切です。
図示することで頭の中の情報が整理され、問題文の意図を正確に把握できるようになるという効果もあります。
なお、図はあくまで理解を助けるためのものなので、綺麗に書かせる必要はありません。
図形の面積計算
図形の面積計算には公式を用いますが、どうしてその公式で面積が求められるのかということをきちんと理解させておくべきです。
原理的な理解がある方が公式が覚えやすくなりますし、万が一忘れてしまった場合でも、考え方を辿ることですぐに思い出せるようになります。
そのため、公式を教える際はきちんとその式の成り立ちから解説してあげるのがおすすめです。
その後は子供が理解しているかを確かめながら計算問題をやらせてみましょう。
なお、計算問題も際も図形を書き出すようにすると、ミスを防ぐことができます。
分数の四則演算
分数は抽象的な概念なので、小学生にとっては理解しにくい単元の一つです。そのため、ケーキの例や図などを用いて、具体的に説明してあげるのが良いでしょう。
また分母が異なる分数の足し算・引き算や分数の掛け算・割り算になると、一気に難易度が上がります。
基本的には反復練習するのが一番ですが、通分や約分などの重要事項に関しては、丁寧に解説してあげるべきです。
小学校高学年の難関・百分率
百分率は非常に多くの小学生がつまずく単元です。これに関しては図などで説明してもなかなか理解できない可能性があります。
そのため、買い物に行った際に値引きを確認するなど、実生活に結び付けて考えるのが良いでしょう。
日常生活で使える知識は子供にとっては刺激的なので、算数に対するモチベーションを高める効果もあります。
比例と反比例のグラフ
比例・反比例は小学6年生における重要単元です。これらの単元では式とグラフの関係をきちんと理解しなければいけません。
比例に関しては、表の穴埋めなどを通して子供自身に法則性を発見させるのが良いでしょう。
分からなさそうならヒントを出すのも良いですが、穴埋めは自力でさせる方が後々の理解にとっては有益です。
また反比例の場合もグラフから法則性を子供に考えさせるという方法をおすすめします。
算数嫌いの子供にはどうすればいい?
算数嫌いの子供の接し方にお悩みの方は、以下の内容を参考にしてください。
集中力が続く時間を考える
算数に対して苦手意識や嫌いという感情がある子供の場合は、勉強時間を短く切ってやることがおすすめです。
例えば、20分という勉強時間を設定して勉強させた場合、20分後に間違った問題を一緒に点検したり、復習のドリルをさせるのが良いでしょう。
一旦勉強を区切ることによって、集中して勉強する習慣がつくため、効率よく勉強できるようになります。もちろん集中して取り組んだ方が正答率も上がるでしょう。
時間を超えてもダラダラ続けるというのは望ましくないため、取り組む課題は時間内では絶対に終わらないものか絶対に終わるものがおすすめです。
中途半端に終わっていない状態だと、結局終わるまでダラダラ勉強してしまうので、十分な学習効果を発揮できません。
ノートを丁寧に書かせない
算数に関しては字を綺麗に書かせる必要がありません。字の綺麗さよりも解けるようになることを優先させるべきです。
問題が解けるようになると算数に対する楽しみが出てくるため、子供も意欲的に勉強するようになるでしょう。
ただし、字が汚すぎて計算ミスをしてしまうような場合は、ある程度の矯正は必要です。
その場合は「せっかくできてるのにもったいない」などと上手に子供を誘導するのが良いでしょう。
東大生も実はきれいにノートを取らない
優等生のノートは綺麗であるようなイメージがあることから、ノートの取り方にこだわる方もいるでしょう。
しかし、ノートの綺麗さと成績の高さに明確な相関があるかどうかは不明です。
確かにノートの内容が整理されていた方が理解が捗るでしょうが、装飾にこだわりすぎて肝心の内容理解が疎かになることも考えられます。
実際、東大生でもノートを綺麗に取らない学生は大勢いるので、あまりノートの綺麗さにこだわる必要はないでしょう。
ゲーム感覚で学べる教材を使う
算数が苦手な子供に関しては、分かりやすい教材を使うのがおすすめです。イラストや図が豊富な参考書や計算ドリルを使うのが良いでしょう。
また教材のクオリティを重視するなら、市販の教材よりも通信教育の方がおすすめです。
1回15分程度という短時間で十分な学習効果が得られるので、特に勉強嫌いな子供には向いていると言えるでしょう。
また最近はタブレット学習が主流なので、ゲーム感覚で学べることも魅力的です。つまずきやすい単元に関しても動画で学べるため、活字の教材よりもハードルが下がります。
テキストもイラストや図が効果的に用いられているため、学校の教科書や市販のテキストよりも理解が捗るでしょう。
さらに学期末には総復習の教材が届くこともあるので、知識の再確認・再定着にも有用です。
算数が苦手な子供への教材の選び方
算数が苦手な子供向けの教材を選ぶ際は、以下の内容を参考にしてください。
市販ドリル・テキストの易しいものを選ぶ
市販のドリル・テキストを購入する際は、できるだけ易しいものを選ぶのが良いでしょう。
例えば、「陰山メソッド 徹底反復 百ます計算」は四則演算の定着におすすめのドリルです。2週間同じ問題を解き続けることによって、誰でも四則演算をマスターできます。
足し算・引き算・掛け算・割り算のプリントがそれぞれ2週間分収録されて550円というコスパの良さも魅力的です。
また「【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本」もおすすめできます。
このテキストでは単元ごとに丁寧な解説がなされているため、苦手分野だけをピックアップして学習することも可能です。
またつまずきやすい単元や教え方もポイントなども解説されているため、保護者にとってもためになる内容と言えるでしょう。
補習塾で苦手を重点的に
基本的に小学生のうちは塾に通う必要がありませんが、勉強が苦手という場合は補習塾に通うのも良いでしょう。
特に高学年からは勉強内容が高度になるため、学校の授業についていけず、親子で勉強に取り組むのも難しいという場合は、塾に通った方が良い場合もあります。
個別指導なら子供の分からないところをピックアップして教えてもらえるので、苦手の克服には一定の効果があるでしょう。
また集団塾なら学校の予習が行えるため、余裕を持って小学校の勉強に取り組むことができます。
しかし、本当に勉強が苦手という子供の場合は、塾に通うことが大きなストレスになる可能性もあります。
さらに週に1、2回通塾するだけでも年間10万円程度は必要になるので、コスパも良いとは言えません。
通信教育で楽しくレベルアップ
通信教育なら短時間で楽しく勉強できるので、算数が苦手な子供にも向いています。
また塾ほどのサポートは要らないけど、学校のプラスアルファとなるような教材が欲しいという方にもおすすめです。
通信教育の教材は非常に分かりやすいため、学校の予習・復習には十分な学習効果を発揮してくれるでしょう。
さらに映像授業で講師からの説明を聞くこともできます。苦手な単元に関しては親のサポートも必要ですが、基本的には子供一人学習が可能です。
通信教育なら塾よりもリーズナブルな価格で受講でき、時間や場所の制約もないため、誰でも気軽に利用することができます。
勉強のペースや教材のレベルも自分に合ったものを選べるため、算数嫌いの子供にも柔軟に対応することができるでしょう。
算数が苦手な子供にとっては、タブレットで楽しく算数が学べる通信教育もあるのでお勧めです。
算数が苦手な小学生にもおすすめな通信教育は、以下の記事で詳しく解説しています。是非ご覧ください。
算数が苦手な子供についてまとめ
算数が苦手な子供まとめ
- 百分率や比例・反比例など高学年にはつまずくポイントが多い
- できないことを否定したり、できる子と比べない
- 考えようとする姿勢を褒めることも大切
算数が苦手な子供が多い理由について解説しました。
算数は他の教科に比べて抽象的な内容を扱うことが多いので、「勉強感」が強い教科です。
また次々に新しい公式や計算方法が登場するため、授業についていけずに苦手になってしまう子供もいます。さらには知識には定着に時間がかかることも嫌われる原因です。
小学生に算数を教える際に注意すべきこととしては、間違いを否定しないことやできる子と比べないことなどが挙げられます。
算数が苦手な子供は基本的な内容が理解できていないことも多いので、通信教育などを活用しつつ、基礎から自分のペースで学ばせるのが良いでしょう。