共通テストのリスニング対策法は?おすすめ参考書から効率的・効果的な練習法まで解説!
「共通テスト英語リスニングは、どのように勉強したらよいの?」
「配点が増えたというが、センター試験とはどう変わるの?」
共通テストリスニングについて、こんな疑問をお持ちの高校生も多いでしょう。しかし、ポイントを押さえてしっかり準備すれば大丈夫です。
今回は共通テストリスニングの対策法について、セター試験との違いや、勉強法、時期別の勉強計画の立て方、そしておすすめ参考書まで詳しく紹介します。
この記事をご覧になれば、共通テスト英語のリスニング対策法がよく分かり、リスニングへの不安もなくなるでしょう。
共通テストリスニングの対策法についてざっくり説明すると
- 共通テストリスニングは大問6問・配点は100点
- センター試験といくつかの点で違いがある
- 英単語・文法と発音それぞれの対策がある
- 勉強計画の立て方も大事
共通テストリスニングの概要
はじめに、共通テストリスニングが含まれる共通テスト英語試験はどのような試験かを簡潔にご紹介します。
共通テスト英語試験とは
共通テストは、センター試験に代わって2021年1月から導入されることになった、全国の大学受験生を対象とする学力試験です。試験の概要は、次のとおりです。
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試験のレベルは、高校までの教科書レベル
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試験内容は、「リスニング」と「リーディング」の英語の2分野の能力が問われる
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試験の実施主体は、センター試験と同じ「大学入試センター」
問題の構成と対策
リスニングの問題の構成・形式、問題の傾向と対策をまとめると以下の表のとおりです。
問題番号 | 形式 | 傾向と対策 |
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第1問A | ≪短文発話内容一致問題≫ | 自然な発話の聴き取りが求められるので、選択肢の違いを押さえる |
第1問B | ≪短文発話イラスト選択問題≫ | 文法と意味理解を音声で問う。イラストと違うところをマーク |
第2問 | ≪対話文イラスト選択問題≫ | 対話の答えを4択から選ぶ。選択肢の違いを押さえポイントを予測 |
第3問 | ≪対話文質問選択問題≫ | 場面概要・要点を聞き取る。ポイントを予測、聞こえない正答に注意 |
第4問A | ≪モノローグ型イラスト整序・図表完成問題≫ | 複数情報のイラスト整序・説明。情報を聞きながら順番や数値をメモ |
第4問B | ≪モノローグ型質問選択問題≫ | 複数情報の比較判断・取捨選択力が必要。聞きながら図表に〇×をつける |
第5問 | ≪モノローグ型長文ワークシート完成・選択問題≫ | 計算・複数情報処理、グラフ情報との融合。テーマ・展開の予測、数はメモする |
第6問A | ≪対話文質問選択問題≫ | 意見の異なる対話の要点把握。繰り返し述べている主張を意識し論点把握 |
第6問B | ≪会話長文意見・図表選択問題≫ | 質疑応答と関係図表の判断力。発言者を正確に捉え、複数情報を比較・判断 |
上の表から分かるように、リスニング試験の問題量は結構多いです。休憩時間もない中で問題が進んでいくので、しっかり集中して取り組む必要があります。かなり負担の大きい試験です。
全体を通じて、音声を聴く前に問題のイラストや選択肢を先読みしておくことが大事です。そうすれば、「何を聞かれるか」問題の予測ができ、リスニングも聞き取りやすくなります。
配点は100点
共通テスト英語のリスニング試験の配点は100点で、リーディングと同じ配点です。従来のセンター試験は、筆記200点、リスニング50点の計250点でしたから、リスニングの比重が大幅に高くなっています。
ただ志望大学によっては、リスニングの配点が圧縮される可能性があります。あらかじめチェックしておきましょう。
センター試験との違いは?
この章では、センター試験と共通テスト英語のリスニングの違いについてご説明します。
読み上げが1回
大きな違いは、リスニングの試験で英文が読まれる回数です。センター試験では必ず2回読まれていました。共通テストでは、1回しか読まれない問題もあります。
そのため、1回で正確に英文を聞き取る必要があります。そこで意識したいのが、問題で聞かれやすいポイントに注意することです。
例えば、「固有名詞」や「場所・時間・天気の表現」などがよく聞かれます。そのような表現があったら、問題用紙にメモするなど忘れないようにしましょう。解答の際に役立ち、慌てることもなくなります。
1分間に読まれる語数が増える
次に注意すべきは、共通テストではセンター試験より、1分間に読まれる語数が増えることです。共通テストの試行調査では、センター試験で約120語であった語数が140~150語程度に増えました。
つまり、短時間で分量の多い英文を聞き取らなければなりませんので、高速の情報処理力が必要になります。速い英語に慣れておくことです。
集中力を鍛えよう
語数の多い速い会話を正確に聞き取るためには、集中力が欠かせません。普段から集中力を鍛えておきましょう。
しかし、長時間ただ勉強し続ことはおすすめではありません。適当なタイミングでしっかり休みをとることが大事です。頭をスッキリさせることで集中力がアップします。
睡眠時間もしっかり確保する必要があります。リスニング前日は、6〜7時間は寝るようにした方がよいです。
切り替えも大切
共通テストの問題が読まれる間隔は短いです。問題文を聞きながら答案用紙にマークしている余裕はありません。取りあえず問題用紙の選択肢に丸をつけておき、あとで確認しながらマークするのがおすすめです。
また、分からない問題にこだわっていると、次の問題を聞き逃します。すぐに次の問題へ頭を切り替えることが大切です。
アメリカ英語以外も読まれる
共通テスト英語で読まれるのは、アメリカ英語だけではありません。イギリス英語や時にはオーストラリア英語などが出ます。
そうは言っても訛りの強い英語や、聞き取れない難しい発音が出るわけではありません。
本番で驚かないように「アメリカ英語以外も読まれる」ことがあることを頭においておけば大丈夫です。
イギリス英語とオーストラリア英語
イギリス英語では、例えば「Can’t」を「カント」、「Often」を「オフトゥン」と発音します。地方で違いがありますが、単語の最後にくる「t」を発音しないことも多いです。
発音以外に、スペルの違いや、地下鉄(subway)をロンドンでは「tube」と言うなど呼び方の違いもあります。
オーストラリアの英語(オージーイングリッシュ)では、例えば「a」を「エイ」ではなく「アイ」と発音します。ですから、「to day」は「トゥダイ」です。
話者数が増える可能性アリ
試行調査では、4人が対話をする形式の問題も出ていました。センター試験は最大3人でしたので、話者数が増える可能性があります。
話者数が増えれば、話者を聞き分けることも一苦労な上、聞き取る英語の分量・情報量が増えると見込まれます。多量で多様な情報に対応するためには、情報を迅速にかつ正確に処理する力が必要です。
そのためには、先読みの訓練や、英単語・文法などの知識を身に付けるだけでなく、時事情報などにも目を配っておくことも大事です。
正解が一つとは限らない
共通テストリスニングの正解は、1つとは限りません。例えば、「正解と思われる選択肢をすべて選びなさい」という問題が出る可能性があります。
ですから、普段から理由・根拠をきちんと考えて正解を選ぶ習慣が大事です。問題を消去法で解いていると、正しい答えを見定める力が付きません。
共通テストの今後は?
共通テストの導入に際し、文部科学省は、「読む・聴く・話す・書く」の4技能を評価するため民間検定資格の活用を考えましたが、実施上の課題や受験生の不安もあり見送られました。
新たな英語試験の仕組みは、早くても2024年度以降に先送りされています。その後の扱いは検討課題で、民間試験に移行する可能性もありますが、本格的な検討は始まっていません。
因みに、現在4技能を実施している民間試験は、「TOEIC」「IELTS」などです。
共通テストリスニングの対策(文法・語法編)
共通テストリスニングの対策は、まず文法・語法を確実に押さえることです。
文法・語法が分からなければ、読まれる文章を正確に理解できないからです。以下で、具体的に見ていきます。
英単語を抑えよう
まず単語を確実に押さえることです。単語は、英語の基礎です。リスニング・リーディング・ライティングのどれを勉強するにも、必要です。
例えば、リスニングは、単語が聞き取れなかったり、単語の意味が分からなければ、会話の意味そのものが分からなくなります。
単語の勉強は日頃からの積み重ねが大事です。すき間時間も使って自分が使いやすい単語帳などでコツコツ勉強しましょう。
動詞を中心に覚えよう
英単語の中でも動詞は、文章の意味・流れを押さえる上でのキーです。ですから、特に動詞は毎日コツコツ覚えていくようにしましょう。
動詞を学習するときは、動詞とセットになる前置詞・修飾語などと一体として覚えるのが効果的です。
例えば、「insist」は「insist on」あるいは「insist that」と使われることが多いです。そのことを知っていれば、「insist」の次は「onかthat」ではと予測でき、落ち着いて聞き取ることができます。
発音記号もセットで
単語を覚えるときは発音記号もセットで覚えましょう。日本人の発音にはなく区別が難しい発音記号もありますが、日々の単語学習の際に一緒に覚えておけば後々の勉強もしやすくなります。
例えば、ちょっと聞いただけでは区別し難い単語も「発音記号はこれか」と推測できるでしょう。発音記号の優先順位は必ずしも高くないですが、きちんと理解しておけばリスニング力の向上も期待できます。
英文法はしっかリと
文法も英語の基礎です。文法が分からないと文章の流れをつかめません。1つ1つの単語や音を聞き取れても、文章全体の意味を理解できず、結果として聞き取れないないでしょう。
文法をきちんと学習しておけば、長文でも難なく理解できます。英語の語順は日本語と違うので、並び替え問題などで文法の知識をしっかり習得してスムーズに文章を読めるようにしましょう。
リーディングの勉強もしよう
リーディング力があればリスニング力もアップします。リスニングは、リーディング力と密接に関係するので、しっかり勉強しましょう。特に精読を意識することです。
精読とは、文字通り文章をしっかり読み込むことです。文章の主語や対応する述語を素早く見つけて、文章全体の構造をきちんと押え、文章の流れ・意味を正確に把握していきます。
文章を精読できないと、単語をいくら覚えても文章の流れをつかむことができません。長文になると正確な理解が難しくなるでしょう。
リスニングの特有表現を抑えよう
リスニングでは特有のよく使われる表現や、問題として出やすい分野があります。
例えば、見取り図や地図を使って「どこに?」などと、場所・位置関係を問う問題や、天気予報に関する表現はよく聞かれます。
他にもリスニングでよく聞かれる表現があるので、共通テストリスニングの参考書や問題集で覚えておくとよいです。
文法知識を生かして先読みをしよう
文法知識を生かしながら文章を先読みすることも大事です。ただ流れてくる音を聞くのではなく、次はこれだろうと予測しながら聞くことです。
先読みできれば文書を理解しやすくなり、スピードも上がります。例えば、「insist」が来たら次の単語は「onかな」と予測して聞く準備ができます。
また、音声を聞く前に素早くイラストを確認しておくこともおすすめです。事前に確認しておけば、「ここが問題で聞かれそう」と推測でき、問題文を聞く際に注意すべき単語の見当もつきます。
表や図から情報を読み取ろう
実際に問題を解く時のコツも頭に入れておいた方がよいです。具体的に言えば、問題文の表や図から聞かれそうなことを予測し、解答に必要になりそうな情報を読み取っておくことです。
例えば、大問5では「数値変化」が設問になる可能性があります。そこで、問題文の図表に数値などの情報があれば、読まれる前にチェックしておくことです。そうすれば、問題文が読まれても慌てずに回答できます。
目指せ満点!共通テストリスニングの対策(発音編)
共通テストリスニングの対策としては、発音も大事です。発音をマスターして共通テストリスニングで満点を目指しましょう。勉強のポイントを具体的に見ていきましょう。
発音の確認をしよう
勉強する際に実際の音声を聞くことも大事ですが、ただ聞き流すのではなく、1つ1つの単語や文節の発音をしっかり確認することが上達のポイントです。
自分が発音できない音は認識できず、うまく聞き取れないものです。リスニングを完璧にするためには、発音をしっかり身に付ける必要があります。
1つの1つの単語の発音に注意して自分自身で声を出して読んで正しい発音ができているかチェックしましょう。
発音確認にはディクテーションを
発音を正しく理解できているかの確認は、ディクテーションをしてみるとよいです。
ディクテーションは、英文を聞いてその通り書き写すことです。ディクテーションが上手にできれば、内容をきちんと聞き取ることができています。
もし、聞きとれない箇所があれば、そこが弱点です。ディクテーションで弱点を見つけて、集中的に勉強して確実に弱点をなくしましょう。
弱音を理解しよう
英語の発音には、「強音(強形)」と「弱音(弱形)」があります。リスニング力アップには、弱音の理解も大事なポイントです。ネイティブが日常会話で使うことが多いのは、弱形です。
弱音とは、つめて早く話されるため、辞書通りに読まれない単語です。例えば「have to(ハフトゥー)」は実際には「ハフタ」と発音されます。このことを知らないと、「そんな単語は聞いたことない」と慌ててしまうでしょう。
リスニングの問題集を選ぶ時は、弱音・弱形をしっかり聞き取るために、「音声をダウンロードして聴けること」、そして「音声の聞きやすさ」も意識しましょう。
英語のスピードに慣れよう
共通テストでは試行調査と同様1分間に約140~150単語が読まれると予想され、読まれるスピードがかなり速くなります。その英語のスピードに慣れておくことが必要です。
発音の確認や弱音などに慣れるために最初はスローで再生してみるのもよいですが、できるだけ早く本来の速さで聞くようにして、英語のスピードに慣れましょう。
英語のスピードに慣れるためには、シャドーイングやスラッシュリーディングがおすすめです。
シャドーイングをしよう
シャドーイングとは、英語を聞きながら、読まれた音声とほぼ同時にその音声を真似して声に出してみることです。実際の英語のスピードに慣れてくるので、リスニングの上達にもってこいの学習法です。
シャドーイングの練習には 試行調査の音声がおすすめです。共通テスト本番の音声やスピードは、試行調査と同様の可能性が高いからです。
スラッシュリーディングも有効
スラッシュリーディングとは、英文を主語・述語や目的語など意味のあるまとまりごとに、スラッシュで区切って読んでいくことです。
「どこまでが主語か」などと意識しながら読むので、文章の意味が分かりやすくなります。また、出てきた文章の順番に従って、まとまりごとに理解していくので、手際よく読むことができます。
スラッシュリーディングが上手くできれば、英文を正確に理解できるので「問題を正確に解ける」可能性が高まるでしょう。
英語の発音には緩急がある
英語の発音には緩急があります。きちんと理解しておけばより正確なリスニングが可能になります。
つまり、「話者の主張・一番伝えたい部分の音は強く読まれる」ということです。そのような主張がある部分は設問や解答のヒントになる可能性も高いので意識して聞くべきです。
具体的には、強く読まれた部分を忘れないようにメモしておくと、解答の際にきっと助かります。
洋楽で強弱を理解する
英語は発音の強弱があります。強く読まれるところと、逆に弱く読むところがあります。
この英語の音の強弱に慣れていないと、本番のリスニングで流れる音を正確に聞き取ることが難しくなります。強弱をしっかり覚えておくこと、慣れておくことが大事なポイントです。
音の強弱は、単語帳や発音記号を読むだけではなかなか理解し難いものです。強弱を正しく理解するためには、例えば洋楽などを聞いて実際に生きた英語の音の強弱を勉強するのが効果的です。
高1・高2向け勉強計画の立て方
ここでは、共通テスト英語リスニング試験の勉強計画の立て方を具体的にご紹介します。
高1・高2は参考書で練習しよう
リスニングができるようになる有効な方法は、できるだけ多くの英語を聞くことです。高校1年生や2年生の間は、まず参考書を中心にリスニングの練習をしましょう。
英語をたくさん聞けば聞くほど耳が英語に慣れてきます。発音のニュアンスも次第に掴めるようになるものです。多少聞き取り難い文章があっても「こういうことか」と内容を推測しやすくなります。
高3にもなると他の勉強が気になり、リスニングに集中する余裕がなくなる人も多いでしょう。ですから、比較的余裕がある高1・高2の時期から、リスニングの勉強に取り組み始めるのがおすすめです。
慣れたら問題の演習をしよう
参考書の勉強が一通り終わり英語の発音に慣れてきたら、今度は問題演習をしましょう。
この時期になると、高校1年・2年の授業内容は大体理解できているという高校生も多いでしょう。そこで、試験形式の問題演習をして自分の理解度をチェックし、さらにレベルアップすることが求められます。
問題演習をしておけば試験の形に慣れて、本番の試験にも焦らずにのぞめます。
試行調査を活用すべし
問題演習の次は、試行調査の問題を解いてみましょう。
試行調査は共通テストのプレ調査として大学入試センターが2018年・2019年の2回行ったものです。共通テストで出す問題や試験の実施方法を確認するために行ったもので、その結果が公表されています。
この試行調査2回分の問題を分析すれば、共通テストの出題傾向を知ることができ、対策を考えることもできます。共通テストは、まだ実施例がないので、試行調査は現時点で共通テスト対策をする上で最善の資料です。
センター試験の過去問を解こう
センター試験の過去問もフォローしておきたいものです。余裕があれば、高1・高2のうちからセンター試験の過去問を解いてみるのがおすすめです。
センター試験の問題内容や配点は、共通テストで一部変わる点もありますが、基本的な枠組みは違いありません。センター過去問を解き、問題内容や出題形式を確認しておけば必ず本番で役立ちます。
共通テスト対策としては、試行調査の問題を優先してやり、それがすんだらセンター試験の問題を解いて慣れておきましょう。高校の学習範囲が終了する夏くらいから勉強を始めるとよいです。
高校3年春〜冬にかけての勉強計画
ここでは、高校3年の春~冬にかけての勉強計画の立て方を具体的に見ていきます。
短い会話を聞き取れるように
共通テストの長文のリスニングにいきなり挑戦しても、聞き取るのは難しいかもしれません。まず短い会話を聞き取ることから始めましょう。
1文ずつでよいので、文章を丁寧に確実に聞き取ることです。ディクテーショをして、チェックして、自分でしゃべってみる作業を繰り返せば、次第に基礎力が身に付きます。
春頃から訓練を続けて夏休みに入る頃までには、短い会話なら確実に聞き取れるようにしましょう。
英語リスニングを習慣化しよう
共通テストに対応できるレベルまでリスニング力をアップするためには、日常的に英語に慣れておくことが大事で、効果的です。英語リスニングを習慣化することで、問題の傾向も分かってきます。
普段からドラマや映画、ニュースなどを吹替・字幕を使わずに英語で聞くことです。また、ちょっとくつろぎたいときに洋楽を聞くのもよいでしょう。
夏休みころから毎日10分程度は、そのような形で無理なく英語に触れる機会を持つようにしましょう。そうすればネイティブの日常会話レベルの英語の音に自然に慣れてきます。
解答力を身につけよう
リスニングの習慣が身に付いたら、今度は解答力を身につけましょう。解答力とは、実際に問題を解く力です。
共通テストと同じ形式の問題に慣れていないと、せっかくリスニングができても、本番で「何を聞かれているのか」「どう答えたらよいのか」と戸惑い、焦ってしまう可能性もあります。
夏休みから秋くらいまでは、共通テスト専用の問題集を2~3回は解いて、答えを導くプロセス・正しい根拠の見つけ方をしっかり身に付けましょう。
高3は必ず共通テスト模試を受験しよう
高校3年では共通テスト形式の模擬試験を受けましょう。試験結果で、共通テスト本番で必要な点数と自分の現在の実力の差を客観的に把握できます。自分の弱点・やるべきことがはっきりするので、効率よく勉強できます。
また、模試とは言え、本番同様の制限時間で、本番同様の試験問題を解くことは日常の勉強とは違う緊張感があるものです。その経験は必ず本番に活かされます。
共通テスト対策用の模試は夏ごろから増えてくるので、それに合わせて共通テスト本番用の勉強を始めましょう。
センターの過去問は3年分解こう
過去問もしっかり勉強しておきたいものです。しかし、共通テストの実績はまだなく、共通テスト対策として一番有効な試行調査の問題は2年分しかありません。
そこでまず試行調査の問題を解いて、その後でセンター試験問題を解いてみるのがよいです。センターの過去問は、共通テストに合わせて「リスニング」と「筆記問題の読解」を中心に解くのがよいでしょう。
センター過去問は、最低でも3年分は解くようにしましょう。受験期直前になると志望大学の2次試験などの勉強に集中する必要があるので、過去問は秋ころ~冬になるまでの間に済ませておくのがベストです。
直前期は苦手な問題形式に絞って潰そう
冬になるとすぐに入試直前期になります。受験直前は、苦手分野の問題形式に絞って潰しておくことです。
例えば、共通テストの長文が苦手なら、重点的に長文対策をしましょう。長文対策では集中力がカギでから、集中力をつけることです。音読に集中して繰り返してみるのもよい方法です。
いずれにしても入試直前は心配だとあれこれ手を広げないことです。それでは却って不安をあおるだけです。
共通テスト対策は通信教育の活用がおすすめ
共通テストのリスニングを効果的に対策するなら通信教育を有効活用することをおすすめします。
共通テストの傾向を踏まえた良質な問題に数多く当たれる点が魅力的であり、解説も得点アップのコツも盛り込んだ充実したものとなっています。
以下の記事では、通信教育各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
おすすめの参考書6選
ここでは、リスニングの勉強に役立つおすすめの参考書を、6つ紹介します。
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
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価格:1,760円(税込)
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著者:松澤喜好
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出版社:アスキー・メディアワークス
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ページ数:184ページ
「英語耳」は、リスニングの初心者におすすめの、TOEICレベルに対応した良書です。日本人には同じように聞こえて発音も聞き分けも難しい、「bat」と「but」、「hurt」と「heart」の違いなど、英語の正しい発音がよく分かります。
共通テストの問題は、TOEICレベルよりは簡単ですから、この参考書でTOEICレベルのネイティブに近いに英語の発音に慣れておけば、共通テストのリスニング問題も余裕をもってのぞめるでしょう。
CD音声は、女性と男性の声で英語が実際に読まれるときの聞こえ方が分かります。
灘高キムタツの センター試験英語リスニング 合格の法則 基礎編
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価格:1,155円(税込)
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著者:木村達哉
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出版社:アルク
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ページ数:143ページ
この参考書は実践的なリスニングのスキルを目指しています。大学入試だけでなく「実社会で使える英語」を身に付けるのが本書のテーマです。
共通テストリスニングの試験では、まさに「生きた英語」が求められるので、本書は最適と言えます。もちろん、共通テストリスニングに必要なスキルやよく聞かれやすいポイントもキッチリ分かります。
大学入学共通テスト 英語[リスニング]予想問題集
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価格:1,320円(税込)
-
著者:谷川学
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出版社:KADOKAWA
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ページ数:272ページ
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問題数:試行調査2回分(2017年度・2018年度)、予想問題2回分
試行調査の内容を踏まえたリスニングの予想問題集です。2回分の試行調査問題の徹底解説と、完全オリジナルな2回分の予想問題の計4回分の問題を掲載しています。
共通テスト対策で必要なこと、有効な対策を網羅していると言ってよい参考書です。音声のダウンロードができるので、すき間時間を活用して無駄なく効果的に勉強できます。
2021年用共通テスト実戦模試(2)英語リスニング
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価格:1,220円(税込)
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著者:Z会編集部
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出版社:Z会
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ページ数:264ページ
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問題数:オリジナル模試(5回分)、2018年度試行調査
値段に関しては、アマゾン公式サイトにいくと9,555円での販売になっていますが、定価はあくまで1,220円である事には注意が必要でしょう。
試行調査を徹底分析して作成された参考書です。音声が1回しか読まれないなどの新方針に対応し、共通テスト本番に近い形になっています。
オリジナル実戦模試があるので、時間配分も意識しながら実戦力を養成し、試行調査の問題で実力を確認するとよいです。
復習に役立つ解答・解説で、解答にいたる道筋をきちんと理解しましょう。
短期攻略 大学入学共通テスト 英語リスニング (駿台受験シリーズ)
-
価格:1,320円(税込)
-
著者:刀祢雅彦
-
出版社:駿台文庫
-
ページ数:150ページ
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問題数:実戦演習問題4回分
共通テストの内容を押さえた実戦演習問題が4回分収録されている参考書です。巻末付録として、会話によく出る重要な口語的表現、地図の説明などでよく使われる位置関係の表現も収録されています。
共通テストの分析、傾向と対策、リスニングに必要な重要知識なども盛り込まれており、4回分の問題で効率よく勉強できます。共通テスト対策にあまり時間をかけられない、短時間で仕上げたいという人におすすめです。
名前のとおり短期攻略にうってつけの参考書なっています。
灘高キムタツの東大英語リスニング (英語の超人になる!アルク学参シリーズ)
-
価格:2,420円(税込)
-
著者:木村達哉
-
出版社:アルク
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問題数:本試験10年分相当、30問の模擬テスト
東大二次のリスニング対策の参考書です。東大二次は、500~600ワードの長文で、テーマは日常会話から学術的内容まで多岐にわたります。様々な内容を整理しながら英文をフォローする能力が必要です。
本書は、その能力を身に付ける16のストラテジーを紹介しています。長文を聞き取るストラテジーは、東大入試だけでなくTOEIC や TOEFL にも有効で、共通テスト対策にもなります。
また、アメリカ英語以外の英語も読まれることがあるので、その意味でも共通テスト対策に応用できます。
共通テストリスニングの対策法についてまとめ
共通テストリスニングの対策法についてまとめ
- 音声を聴く前に問題のイラストや選択肢を先読みする
- 読み上げが1回で分量も多いのでスピードと英語の発音に慣れておく
- 英単語・文法・リーディングの勉強も欠かせない
- 試行調査やセンター過去問、模試を活用する
今回は、共通テストリスニングの対策法について、センター試験との違い、リスニングの効率的な対策法、おすすめの参考書を紹介しました。
共通テストリスニングは英語の発音への慣れとスピードが問われます。
この記事を参考にして、文法・語法、発音対策をしっかり頭に入れて計画的に勉強を進めて、試験に活かしてください。