小学校受験の願書の書き方は?入学願書を書く際の注意点や具体例まで徹底解説!
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「小学校受験の願書ってどうやって書くの?」
「願書を書く時の注意点は?」
こんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか?
小学校受験は、親子の受験とも言えます。受験日が迫ってくると、不安に押し潰されそうな親御様は多いのでしょう。
とくに、最初の難関「入学願書」の書き方については、事前に調べておくのが賢明です。
この記事を読めば、
- 入学願書の重要性
- 入学願書の記入内容について
- 入学願書の正しい書き方
- 注意すべきポイント
など、入学願書の基本的な書き方がわかります。
最後には、有名校の入学願書実例を紹介するので、参考にご覧ください。
小学校受験入学願書の書き方&注意点についてざっくり説明すると
- 小学校受験は願書が重要!
- 入学願書の書き方&注意点
- 有名校の入学願書実例
入学願書の重要性
小学校受験における入学願書は、中学・高校の受験と比較すると、かなり親の負担が大きくなります。
学校側にとっても、入学願書は学校への熱い想いを知る重要なポイントなので蔑ろにしないでくださいね。
また、この入学願書は面接でも重要な参考資料となり、嘘は書かずに丁寧に書くように意識しましょう。
入学願書は保護者が記入することがほとんどですので、これから解説する入学願書の書き方を意識して、いい印象を残せる入学願書を作成してください。
願書を書き始める前に
入学願書を書き始める前に、志望校の入学願書は入手されているでしょうか?
入学願書は、配布期間が定められていることがほとんどで、志望校の願書配布期間について事前にチェックしておくことが重要です。
また、入学願書はできるだけ早めに用意し、記入後にミスがないようチェックするため時間に余裕を持って記入することをおすすめします。
願書が完成したら早めに提出しよう
願書の記入が終わったら、最終チェックをしっかり行うことが大切なのですが、完璧に仕上がった入学願書はできるだけ早めに提出しましょう。
入学願書の提出方法はいくつかあるので、自分がどうやって提出するのかを事前に決めて、手順を調べておいてください。
郵送する場合には、
- 締め切り日必着
- 消印有効
の2パターンがあるため注意しましょう。
心配な場合は、事前に提出方法について志望校に問い合わせしておくといいですね。
小学校受験の願書の書き方は?
小学校受験の願書を書くにあたって、特に重要となるポイントを解説します。
これから解説する事柄は、願書を書く際、ほとんどの小学校で記入が必須となる要素となるので、しっかりポイントをおさえましょう。
まずは学校が見ている点を把握しよう
入学願書は、面接前に学校側が入学志望者を知るための重要参考資料となるため、それをしっかり把握した上で願書を書き始めなければなりません。
入学願書で学校側に自分をアピールし、いい印象を残すための主なポイントは、これから解説する
- 家庭における教育方針
- 志望理由
- 家での子供の様子
です。
これらについて、意識するべきポイントや注意点を下記で詳しく解説していきます。
家庭における教育方針
家庭における教育方針は、小学受験では必ずと言っていいほど聞かれるポイントで、入学願書にも記入する必要があります。
家庭における教育方針の項目は、学校独自のカラーや教育方針とを照らし合わせ、学校の教育方針に子供が合うのかを書類を通じて判断するために必要なポイントです。
もちろん、学校側と家庭内で教育方針が一致しているのが理想的と言えるでしょうが、そうでない場合もあります。
必ずしも家庭と学校の教育方針を一致させる必要はない
志望理由として、学校側と家庭内での教育方針を合致させ共感したことを理由にするものが多く見られますが、これはおすすめではない場合があります。
そもそも家庭内と学校側の教育方針が合うかどうかは学校側が判断することですから、願書でそこを猛アピールする必要はありません。
面接でも必ず触れられるポイントですから、ありのままを書き、学校側に判断を委ねましょう。
志望理由
志望理由も入学願書に必ず記入する項目ですが、「志望動機を考えるのが難しい」と感じている家庭も多いです。
実際の志望動機として多いのが、
- 仲良しの友達が通っているから
- 有名小学校だから
- 近所だから
- エスカレーター式で有名大学に行けるから
などですが、その志望動機をそのまま願書に書けませんよね。
かと言って、学校の教育方針に合わせて適当に見繕った志望動機では、学校側はすぐにわかってしまうでしょう。
志望理由の項目は、入試においてとても重要なポイントなので、特に時間をかけて作成してください。
可能であれば一年ほどかけ、志望動機になるようなエピソードを作っておくことも必要なので、それを見越した事前の準備をしましょう。
例えば、自主性を重んじるような学校であれば、親があまり口出しをしないで子供の自主性を育てる教育を入試の一年以上前から行っておくなどです。
志望理由は三段論法で書こう
志望理由は三段論法で書くのがおすすめです。
三段論法とは、
- 大前提
- 小前提
- 結論
の順序で文章を構成することです。
我が家の教育方針では、Aを重要して親子共に、〜〜〜に取り組んでいます。
御校の教育方針はA’であると存じ上げております。
従って、御校を志望します。
このように、結論を最後に持ってくる文章です。
家での子供の様子
小学校受験では、家での子供の様子についての質問も多く、重要なポイントです。
具体的に聞かれることの多いポイントは、
- 子供の性格
- 具体的なエピソード
- 趣味や、現在取り組んでいること(習い事)
などですが、これは趣味や取り組みについてを子供の性格やエピソードに絡めて書くといでしょう。
家での子供の様子は、他者との差をつけるチャンスなので、具体的なエピソードを書くのが特に重要です。
ただし、難しい単語を使用するなどでオリジナリティを出すのは控えましょう。
小学受験の願書を書く際のポイント
小学受験の願書を書くポイントは、
- 丁寧な文字で書く
- 主語・述語を明確に書く
- 文末は統一する
- 一文は短くする
の4つです。
願書を書く際は、小学受験に限らず、とにかくわかりやすく書くことを意識しましょう。
また、小学校受験には独自の願書の書き方があるため、しっかりポイントをおさえておきましょう。
丁寧な文字で書く
まず第一に、願書は丁寧な字で書きましょう。
願書の記入は基本的に手書きですが、読みにくい字では悪い印象を与えかねません。
正しい文字や言葉を使うため辞典を用意し、留め・ハネ・払いも意識して、極力丁寧な字を書いてください。
- 住所
- 幼稚園(保育園)名
- 就職先
などの情報は省略せず、正確に、漏れ無く記入しましょう。
例えば、住所は「〇〇町1-2-3」ではなく、「〇〇町1丁目2番地3」と記入します。
誤字・脱字には気をつける
願書を記入する際は、当然ですが、誤字・脱字には気をつけてください。
最終チェックはもちろんですが、下書きの時点でもしっかりチェックしておくことが大切です。
また、意味や言い回しの間違いにも気を付けましょう。
主語・述語を明確に書く
主語・述語を明確に書くことは、文章を書く上での基本的なポイントです。
基本的に願書を書く際の主語は子供であることが多くなりますが、よくある間違いとして主語が子供なのか親なのか曖昧になってしまうケースが散見されます。
主語と述語が対応していないと非常に読みにくいですし、学校側に保護者の想いが伝わりにくい状況となってしまうので注意しましょう。
文末は統一しておくべき
これも文章を書く上での基本となりますが、文末は統一するのもポイントです。
- 「〜〜だ」というような常体(普通体)
- 「〜〜です・〜〜であります」が丁寧体(敬体)
文体には上記の2つがありますが、願書では基本的に丁寧体を使います。
丁寧体とは、「です・ます・でした」などを用いる文体で、丁寧でよい印象を残せます。
一文は短めにする
願書にわかりやすさを求めるなら、一文を短めにすることを意識しましょう。
文章を書くとき、何も意識していないと一文が長くなりがちですが、これでは何を伝えたいのかわからない文章になってしまいます。
伝えたいことがわかりやすい文章を書くには、伝えたいポイントを箇条書きにメモに書き出し、伝えたいメッセージを一文にひとつずつ入れるようにしましょう。
これで、つらつらと長い文章になってしまうことを防げますし、しっかりと学校側に想いの伝わる願書が書けます。
小学受験の願書は面接でも重要
入学願書は、面接においての重要参考書類です。
学校側は、送られてきた入学願書の内容を元にして「この部分を面接で質問しよう」と決めています。
そのため入学希望者が送る願書は、面接の下準備とも言えるものです。
面接も見据えて願書は書くべき
願書は面接を左右するものですから、やはり面接を見据えて書くべきでしょう。
アピールしたい部分などに対して、あえて突っ込みたくなるような部分を残して書くようにすると、面接官の目に留まるので面接対策となります。
現在、我が子は、科学に興味を持っており、〇〇の博物館に行ったり、キットを購入して自分でものを作ったりしています
このように全貌を書かずに突っ込みどころを残しておくと、面接官は「なぜ興味を持ったの?」「何を作成したの?」など質問をしやすいですよね。
これに対する返答もあらかじめ決めておくと、面接で実際に質問されたときにスムーズに受け答えができ好印象となります。
抽象的な表現は特に避けるべき
願書を書く際に注意したいのが、抽象的な表現を避けることです。
願書というのは、一方通行の意思表示なので、基本的には曖昧な表現もあっていいでしょう。
しかし、願書に曖昧な部分があると、面接では具体的な説明を自分の言葉でする必要があるので大変です。
しっかりと具体例をあげられることのみ、願書に書くよう意識しましょう。
小学受験の願書を書く際の注意点
小学受験の願書を書くには、
- 記入の仕方
- 記入に用いる道具
- 願書を書く人
などについて注意が必要です。
うっかり見落としがちなポイントなので、願書を書く際には意識しておきましょう。
記入欄からはみ出ないように書く
願書を書く際には、記入欄からはみ出してはいけません。
実はこの記入欄からのはみ出しは、願書記入の仕方で特に注意すべきポイントで、「記入欄からはみ出して書くと不合格にする」と公言する学校もあるほどです。
願書は、入学への強い意志を伝えるものですから書きたい内容がたくさんあるでしょうが、指定された記入欄にしっかり収まるよう書きましょう。
また、記入見本がある場合は、見本に忠実に書くよう意識しましょう。
例えば、見本に「フリガナ」と書かれていたら、カタカナでふりがなを書きます。
ボールペンを用いるのが基本
願書を書く道具は、ボールペンが基本です。
鉛筆やサインペンの使用はもちろん、普段使い慣れていない万年筆も使用しないでください。
願書だからと言って特別な道具を用いる必要はありません。
記入には、使い慣れているボールペンを用いましょう。
願書は誰が書く?
願書を書く人は基本的に保護者ですが特に父親が願書を書くことをおすすめします。
願書は、一般的には母親が願書を記入することが多いでしょう。
しかし、父親が願書を記入することで、父親が積極的に子育てに関与している教育熱心な家庭だと印象付けられる可能性があります。
また、記入は父親が行うとしても、記入内容に関しては夫婦で相談して決めましょう。
下書きをするべき
願書を書くにあたって、ボールペンで書いてからでは修正が難しいため、いきなり清書から始めるのはおすすめできません。
万が一、間違える可能性も考えて、名前や住所から教育方針や志望動機に至るまで、必ず下書きをしましょう。
また、後から加筆したい部分や修正箇所が出てきた場合に備え、願書は必ずコピーを取りましょう。
添削は受けた方がいい
書き終わった願書は、必ず自分で読み返してチェックするべきですが、自分以外の人にも添削してもらいましょう。
可能なら、小学受験のプロなどにサポートしてもらうと心強いですね!
また、小学校受験経験がある方などに見てもらうのもおすすめです。
実際の小学受験における願書の例文
実際の小学校受験における例文は、願書記入内容の具体的なイメージが湧きやすく大変参考になります。
志望校にかかわらず、いくつか目を通しておきましょう。
また、例文を参考にする際に注意するべきポイントも解説します。
実際の具体例を紹介
『願書の書き方 慶応幼稚舎 横浜初等部 早稲田実業 (慶応幼稚舎入試解剖学シリーズ4)』という書籍から、慶應幼稚舎・早稲田実業初等部の2つの有名校の願書例文を紹介します。
内容も大変素晴らしいもので見本として参考になる文章です。
言い回しや文章の構成などにも着目してみてくださいね。
慶應幼稚舎の自由記入例について
我が家では、心身の健康、礼儀、粘り強い努力の3つを教育方針にしております。なぜなら、その3つさえ我が子に備われば、後は、どんな方向に進もうと大丈夫だと考えているからです。
娘は食べ物の好き嫌いがなく、何でもよく食べます。この5年間、徒歩と電車で毎日元気に通園し、おかげさまで健康に育っております。明るく穏やかで、楽しく毎日を過ごしております。小さい頃からこつこつ取り組む性格のようで、できないことでもいつの間にかできるようになっていて、親を驚かせることもございます。園の縄跳び大会があると知ると、それに向けて毎日家で練習し、最初は2回しか飛べなかった縄跳びが20回以上飛べるようになりました。 今は後ろ飛びや走り跳びに挑戦しているところです。達成する喜びを覚え始めたようで、以前より自分に自信が持てるようになってきた様子です。自信がついてきたこともあり、はじめての環境では慎重になることが多かった娘ですが、最近では、初めて会うお友達にも自ら話しかけるなど、積極性が増してきたと感じております。
貴舎におかれましては、独立自尊を学びの柱とし、まずは健康に成長することを重視すること、興味のあることに対し一生懸命探求することを推奨する教育方針、1人の担任の先生がじっくりと長い目で見てくださる環境に深い感銘を受けております。
今後の社会の多様な変化に対応し、社会に貢献するためにも、幼少期に一生の魂と共に成長し、目標を持ち、それを自らの努力で達成する喜びを知ってもらいたいと願い、貴社への入学を志願いたします。
願書の書き方 慶応幼稚舎 横浜初等部 早稲田実業 (慶応幼稚舎入試解剖学シリーズ4)
早稲田実業初等部の自由記入例について
藁谷校長先生が、学校説明会でおっしゃっていた「変動の大きい時代、その変化を自分で切り開く力が必要だ」というお言葉は去華就実を校提とする貴校でこそのお言葉だと思いました。机上の九龍ではなく、堅実な実務の中で先を読み、新しいアイディアを想像できる人物こそ、自分で未来を切り開くことができると思います。貴校の校提「去華就実」に強く賛同いたします。私も小さい会社を経営しておりますが地味な事でも堅実にしっかりと取り込むことが一番だと思っております。
息子に対しては、多くの実体験をさせることを心がけてきました。バーチャルではなく実物に触れる。頭で考えるだけではなくその場で必要な行動を考え実行するようになってほしいからです。毎年夏、家族で宿泊キャンプに行っておりますが、昨年は火おこしに失敗し苦い経験をしました。そこで、今年は息子と話し合い、燃焼用の大木剤を隙間を作りながら配置し風の通り道を作り、息子は簡易な道具で風を送り、勢いよく燃焼させました。軽い火傷をしましたが、よく焼けたお肉をほおばり、息子は満足げな様子でした。実体験を通じて、試行錯誤する楽しみを息子は覚えてきたようです。
予測困難なこれからの時代、息子にどんな場所、組織でも心に必要とされる人材になってほしい。以降の、朝日に足がついた教育をぜひ息子に受けさせたいと思い、志望いたします。
願書の書き方 慶応幼稚舎 横浜初等部 早稲田実業 (慶応幼稚舎入試解剖学シリーズ4)
例文を参考にする時の注意点
例文を参考にする場合に注意しなければいけないことは、例文の完全コピーになっていないかです。
例えば、名詞のみを変更して作成するようなコピペ行為は絶対にやめてください。
学校側には、毎年たくさんの願書が送られてきます。
当然、同じような願書を何枚も見続けているでしょうから、本心ではない文章やコピペされた文章はすぐに気付かれてしまうでしょう。
例文はあくまで見本なので、願書は自分の言葉を使って書いてください。
小学校受験入学願書の書き方&注意点についてまとめ
小学校受験入学願書の書き方&注意点についてまとめ
- 入学願書は面接の下準備であり重要!
- 願書記入における独自の書き方に気をつける
- 例文を見ると具体例イメージが湧きやすい
小学校受験の入学願書は、学校への想いをアピールするという目的で書くもので、面接での参考書類ともなる重要なものです。
願書を書く際には、丁寧な字で書き、住所や園名も一字一句間違いのないようにするなど願書を書くポイントと注意点を意識しましょう。
また、ミスのないように下書きとチェックもしっかり行ってください。
学校側が見るポイント「家庭の教育方針・志望動機・家庭での子の様子」については、願書配布よりも前に内容について考えておき、具体的なエピソードを持てるよう計画しておきましょう。
願書に書く内容に困った時は、参考となる願書例文が載った本などが多数売られているので、一度読んでおくと具体的なイメージが湧きやすいためおすすめです。
ミスのないよう願書の提出をして、希望の小学校に入学してくださいね!