世界史の定期テストの勉強法は?高得点を取るためのポイントやおすすめの参考書まで詳しく解説!

「世界史をそれなりに勉強して暗記も完璧にしているはずなのに、何で点数が取れないんだろう?」

「世界史Aと世界史Bの違いって何?」

こんな考えを持っている高校生も多いのではないでしょうか?

現行制度において世界史は必修科目の一つですが、学習範囲の広さから苦手意識のある人も多い科目かもしれません。

この記事では、世界史の定期テストの勉強法について詳しく解説します

これで、次の定期テストで納得できる成績を目指しましょう!

世界史の定期テストの勉強法をざっくり説明すると

  • 定期テストの世界史は範囲を絞って学習しよう
  • 用語が暗記できたら、縦と横の流れを把握しよう
  • 大学受験では、世界史Aと世界史Bの違いにも注意

定期テストまでの世界史の勉強のポイント

チェックリスト

定期テストの世界史は、英語や数学などの主要科目と比べるとつい後手に回りがち。ですが、「一夜漬け」などで対応しきれないのは誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。

まずはざっくりでいいので、「どのくらいの勉強が必要なのか」「そのためにいつから学習すればよいのか」を確認しましょう。

先に学習計画を立てておくと、テスト本番まで時間を無駄なく利用でき、他の教科の学習にも支障をきたさずに済みます

テスト勉強はいつから始めれば良い?

まず、テスト勉強はいつから始めるのがベストでしょうか。もちろん個人の学力や目標点数にもよりますが、ゆとりをもってテスト勉強をするなら、試験の2週間前を目安にしましょう。

よほどの世界史好きならば別ですが、1カ月前などあまり早くに着手してしまうと、テストまでやる気を維持し続けるのは難しいでしょう。逆に1週間前などの直前でも、テスト範囲の全てをカバーするのは難しく、結局は安定した結果が残せません。

試験までにどのくらい勉強すれば良い?

では、具体的にどれだけのレベルまで達していれば十分なのでしょうか。

これも、各自の目標点の設定次第です。例えば、入試で世界史を利用することは考えていなくても推薦入学を狙っている場合は、平均点くらいまでは押さえておくべきでしょう。

この場合であれば、授業で扱った内容の用語や背景は理解し、他の人に説明できるレベルにまで達しているのが理想です。

目標点を決めて効率よく勉強しよう

まずは、目標点を設定しましょう。無計画で学習を進めるとどれを優先させるべきか判断がつかず、時間を浪費してしまいます。

例えば、60点くらいを目指すなら「教科書の太字の用語を完全に暗記する」、70点を目指すなら「用語の前後の関係まで含めて簡単に説明できるようにする」といった具合です。

目標点を設定することで勉強量のめどが立つので、そこから1日の学習時間を割り出しやすくなるでしょう。

具体的な勉強方法のコツ

PlanningTime

ここからは、具体的な世界史の学習ポイントについて解説します。今までの定期テストにおいてこの流れを押さえた学習ができていたか、振り返ってみましょう。

インプットで暗記事項を覚えよう

まず、教科書に太字で記載されている用語の意味や背景を暗記しましょう。当たり前のことのようですが、世界史の学習は「暗記」からスタートします。

例えば題材がイギリスの「清教徒革命」なのに、選択肢に「ユグノー」があったら変ですね。この場合、ただ「ピューリタン」などの用語を暗記していただけでは正解にたどり着けず、用語が使われた地域や時代などを把握しておかなければなりません。

この例であれば、「ユグノーはフランスの新教徒を指す」という知識があれば、容易に選択肢から除外できます。

日頃から、教科書や一問一答などの単語帳に出てくる用語の意味や背景を、小まめにチェックする習慣をつけましょう。

授業を聞いて理解を深めよう

もちろん、授業を集中して聞くのも定期テスト対策には有効です。定期テストは授業の範囲から出題されるケースがほとんどですから、授業内容を理解することは定期テストの結果にも影響を及ぼします。

教科書に記載されていないバックグラウンドを先生が口頭で補足したり、プリントなどの補助教材を使って解説したりしてくれることもあるので、きちんと授業に向き合うようにしましょう。

小テストや記述問題でアウトプット出来るかの確認をしよう

ひととおり暗記が済んだら、今度はアウトプットに移ります。授業中に行われる小テストや記述問題で、暗記がきちんとできているかどうか、記述問題でまとめ上げられるまで理解できているかを確認してみましょう。

学校によっては、副教材とし演習ノートなどが指定されているかもしれません。

手っ取り早く知識の定着度を確認するなら、このような学校の副教材の活用もおすすめです。

アウトプットをすると、自分が理解できているかそうでないかが明確になります。自分の弱点が見つけやすくなるので、その弱点をつぶしていけば良いのですから、スピーディーに成績アップが図れるでしょう。

試験直前は苦手な部分を復習しよう

試験直前は、苦手な部分を中心に復習します。

問題演習を進めると、自ずと何度も間違える問題が出てくるでしょう。つまり、そこがあなたの苦手な部分です。

例えば、古代ギリシャ時代が範囲だった場合、「文化史」は似たような人名がたくさん出てくるので、どうしても混乱しやすくなるかもしれません。そのような苦手な部分にもう一度目を通しておきましょう。

苦手な部分は得意分野よりも忘れやすくなります。直前に見返すことで記憶を定着させたまま試験に臨むことができ、「この問題の答えは何だっけ」と悩む前にその部分から優先的に問題を解くことで点数アップにつなげることも可能です。

詰め込み学習もアリ

さて、定期テスト対策の勉強を始めるタイミングとしてオススメなのは「試験2週間前からの学習」でした。ただし実際には部活で多忙であったり、英語や数学の勉強に時間と手間を取られたりして、1週間くらい前から集中的に知識を詰め込む人も多いかもしれませんね。

世界史は暗記中心の科目であるため、短期で知識を詰め込んでもすぐに忘れてしまうのは否定できません。ですが、内申点をキープすることやざっくりとした知識を身につけるのが目的であるのならば、ひたすら単語などの暗記に努める方法も有効でしょう。

定期試験で高得点を狙うために気をつけたいポイント

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ここからは、より高得点を目指す方法について解説します。定期テストで平均点を取るだけでは物足りない人は、以下のポイントも押さえましょう。

テストに出る範囲を確認しながら勉強しよう

学校の試験だけにポイントを絞るならば、学習範囲は「テストの出題範囲」として先生が指定した部分だけで十分です。

世界史は年代軸だけに注目しても、扱う範囲が紀元前から近現代までと非常に広い科目です。問題を作成する先生側にしても、ある程度範囲を絞って問題を作成しないと支離滅裂なテスト内容になってしまうので、時代を飛び越えたような問題はほとんど作成されません。

学習効率を上げるためにも、定期テスト対策では先生が指定した範囲の内容だけに学習を絞りましょう

暗記だけで無く歴史の流れをつかもう

プラスアルファの点数を狙うのならば、歴史の流れを意識した学習が重要です。

歴史の学習をする際によく言われることですが、「因果関係」を把握しながら学習すると暗記事項を流れの中で覚えるため、単語単位でバラバラに覚えるよりも記憶が定着しやすくなります。

例えば、宗教改革を例にした場合

  1. レオ10世がサン=ピエトロ大聖堂を新築しようとした

  2. 資金不足だったので贖宥状(免罪符)を売って建築費に充てようとした

  3. ルターが95か条の論題を発表し、教会を批判

  4. ルターに影響され「聖書」を信仰の拠り所とする「プロテスタント」がカトリックから派生する

といった具合です。

慣れないうちはこのように箇条書きでも構いませんので、「歴史の流れ」を捉えてみましょう。

都市名や国家の領域を覚えると流れが掴みやすい

ただし「歴史の流れをつかめ」と言われても、何を手がかりに整理したら良いのか判り難いかもしれませんね。そのようなときは、「都市名や国家の領域」に注目してみましょう。

ここでは、トルコのイスタンブールを取り上げてみます。

都市名の変遷に着目すると

  1. ビザンティウム(古代ローマ帝国
  2. コンスタンティノープル(330年に改名、395年ローマ帝国分裂後、東ローマ帝国の首都になる
  3. イスタンブール(1453年、オスマン帝国により東ローマ帝国滅亡

というように、都市の名前が変わるたびに支配勢力が変わっていることがわかりますね。

世界史では国のトップが変わるとそれと合わせて首都や国家領域、支配王朝が変わることが多いので、これらの変化を意識しながら勉強すると、時代や年代をつかみやすくなります。

得点をあげるには予習・復習が大切

世界史も、得点を上げるにはやはり予習・復習が大切です。予習をしておけばどのように勉強するかプランニングしやすくなり、復習することで記憶が定着しますから、定期テスト前に必死に詰め込まなくても大丈夫です。

英語や数学などの勉強法と異なり、予習は教科書などでおおまかな流れを確認、復習は授業ノートの確認や授業の学習内容に該当する範囲を学校の副教材などで解くくらいでも、定期テスト対策としては十分です。

普段の学習の中で世界史の流れを把握するのが目的なので、余力があれば、記述問題などで実力アップに挑戦してみるのもおすすめです。

世界史の流れを理解するために有効な漫画を活用した勉強法や、おすすめの漫画に関する記事は、以下を参照してください。

世界史?それとも日本史?

交差点

世界史は高校の必修科目に位置づけられているので、高1や高2で必然的に学習する機会が多いでしょう。しかし、大学入試では日本史を選択する人の方が多数派です。

世界史を選択すると大学入試では不利になるのでしょうか。

科目による難易度の大差はない

一般的に、漢字に苦手意識のある人は世界史、幅広い知識の習得が苦手な人は日本史を選択する傾向があると言われています。

旧センター試験の平均点でも両者に大差がついているわけではなく、2次試験でも世界史・日本史のいずれかが選択できるケースが一般的です。どちらかを選択して不利になることは考えにくいでしょう。

もっとも、学校によっては日本史の学習を高2の後期や高3になってから開始する学校もありますが、高1や高2で実際の大学入試レベルまで達するだけの歴史学習をしている生徒はごく僅かです。学習の開始学年についてもそれほど心配する必要はありません。

興味のある分野や進学先の学部に合わせた選択を

学習方法もよく似ているので、選択に悩むのであれば、学習に対するモチベーションを基準にして受験科目を選ぶのがおすすめです。

例えば受験先に「国際学科」などの名称がついているのであれば、進学後世界史の知識が必要となることが予想されるので世界史を選択したほうが授業についていきやすくなるでしょうし、「国文学科」を選んだ場合には、日本の歴史や文化に対する造詣も求められるはずですから、日本史を選択するのがベターと言えます。

歴史の学習に限りませんが、義務感だけで学習のモチベーションを維持するのは大変ですので、少しでも興味を持てる方を選んでみましょう。

大学受験の世界史の勉強方法

世界地図

ここまでは学校の定期テスト対策を中心に解説してきましたが、大学受験で世界史を利用する人もいるでしょう。旧センター試験では、社会科目のうち日本史Bについで世界史Bの受験者が多いというデータがありました。(参考:大学入試センター

長年同様の傾向があるので、今年度から始まった共通テストでも、世界史の受験者数は多くの受験生が利用するでしょう。

そこで、大学受験の世界史の勉強法についてもご案内します。

高1・高2は授業をしっかり聞こう

高1・高2の段階では、授業をしっかり聞きましょう。よほどの難関大学でなければ、大学受験の試験範囲は高校の学習内容でカバーされるケースがほとんどだからです。

もしかすると、「いや、もっと細かい知識が過去問にあった」と反論する人もいらっしゃるかもしれません。ですがここでいう高校の学習内容とは、「教科書の注釈から副教材の資料集まで全て」を含みます。そこまで完璧に覚えて理解している人はそれほどいないはずですね。

黒板をただ書き写すだけで終わるのではなく、先生の発言や補足、疑問点などもメモしましょう。特に先生の話は、教科書に記載されていない内容まで解説してくれることもあるため、受験対策の上でも非常に有効です。

高3は模試や過去問に挑戦しよう

3年生では、模試や過去問に挑戦しましょう。

3年生になると、学校で受験する模試も5教科模試を取り入れるようになります。また、校外のライバルの動向や志望校の受験希望者の中での位置づけ、今年の倍率などが把握できて学習ターゲットを絞りやすくなりますから、積極的に活用しましょう。

特に一般受験での入学を考えている3年生や、共通テストを利用する国公立大学受験者・私大受験者は、共通テスト模試や秋の大学別模試(旧帝国大学系・早稲田大・慶應義塾大など)は必ず受験したいところです。

大学別模試は10月・11月に多く開催されています。複数の大学別模試を受験したい場合は日程が重複する可能性もあるので、しっかり動向を把握して申込みを忘れないようにしましょう。

世界史Aと世界史Bの違いに気をつけよう

一口に「世界史」と言っても、大学受験の場合には「世界史A」と「世界史B」の2種類が存在します。

それぞれの科目には、次のような特徴があります。

世界史A 世界史B
近現代を中心にした学習内容である 古代から近現代まで幅広い時代を扱う
扱う範囲が狭い分だけ、深い知識の理解が求められる 扱う範囲は広いが、マニアックな問題は一部の大学を除き出題されにくい
理系学科の受験などで利用されることがある 大学受験科目に「世界史」とある場合は、ほぼ間違いなく世界史Bでの受験が可能
普通科の進学校で履修が認められていることが少なく、実業系高校などで採用されているケースが多い 普通科の多くの学校で「世界史B」の履修を奨励

受験科目でAとBの選択ができるケースはやや少なく、世界史科目はBのみの受験しか認めていない大学も多いです。特に文系学科はその傾向が強いと言えるでしょう。

名称は似ていても、両者の学習範囲は大きく異なります。そのギャップを埋めるのは大変ですから、志望大学の受験科目はよく確認しましょう。

世界史A選択は近代を中心に勉強しよう

世界史Aを学習する場合は、「近代」を中心に学習しましょう。

厳密には、世界史Aにも近現代以前の内容が含まれるのですが、出題の比率としては近代からの出題が圧倒的です。特にルネサンス以降~フランス革命に焦点を当てた出題例が多く見られます。

地域史や交流史など特定のキーワードから連想されるさまざまな歴史の知識を、関連付けながら出題されることも多いので、時代単位で学習するだけではなく柔軟な発想で問題の意図をつかめるようにしましょう。

世界史B選択者は古代から学習を進めよう

世界史Bは古代から近現代まで全ての時代について学習します。したがって、古代から学習を進めると、時代の流れをつかみやすいでしょう。

一般的に文系の学部は世界史Bを受験科目に指定していることが多く、普通科の多くの高校でも世界史Bを履修させる学校がほとんどです。教科書の内容を学習する場合も、太字だけでなくコラムや注釈など隅々まで読んでおくのが他の生徒と差をつけるポイントです。

私大や国公立2次の過去問などでは「経済史」「交通史」などのテーマを設けて、各テーマからの派生知識を当問題も多く出題されています。問われる知識は基礎的な内容も多いので、余裕のある人は、横断的な知識が問われるテーマ史にも挑戦してみましょう。

世界史の勉強におすすめの参考書紹介

参考書

最後に、定期テスト・大学受験どちらの学習にも使いやすい参考書を紹介します。日頃の学習から大学受験まで、使いやすい1冊を選んでみてください。

世界史B一問一答【完全版】2nd edition

世界史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)
3480円
世界史B一問一答【完全版】2nd edition (東進ブックス 大学受験 高速マスター)
3480円
参考書名 世界史B一問一答【完全版】2nd edition
著者名 斎藤 整
出版社 東進ブックス
価格 ¥741
ページ数 493p
特徴 ・赤シート付きで定着度がチェックできる
・3段階の出題頻度区分付きで目的別に利用できる
利用場面 ・世界史学習に必須の暗記用語を効率よく覚えたい場合
・必要事項のみを効率良く調べたい場合

段階式 世界史論述のトレーニング

段階式 世界史論述のトレーニング
1320円
段階式 世界史論述のトレーニング
1320円
参考書名 段階式 世界史論述のトレーニング
出版社 Z会出版
価格 ¥1,320
ページ数 288p
特徴 ・章が進むごとに「100字未満」→「100~180字」→「200~250字」→「300字以上」と解答の文字数が増える
・問題のレベルが徐々に上がるので、最初から挫折しにくい
利用場面 ・論述問題の練習に使う場合
・記述式問題が出題される難関大学の試験対策、国公立2次試験対策など

ヨコから見る世界史

ヨコから見る世界史 パワーアップ版 (大学受験プライムゼミブックス)
1320円
ヨコから見る世界史 パワーアップ版 (大学受験プライムゼミブックス)
1320円
参考書名 ヨコから見る世界史
著者名 斎藤 整
出版社 Gakken
価格 ¥1,320
ページ数 226p
特徴 ・駿台予備校や東進ハイスクールで指導してきた著者が解説
・20年以上のベストセラー
利用場面 ・近年増えている「テーマ史」の出題形式の演習を積む場合
・同時代史の知識の整理をする場合

世界史のおすすめ参考書に関してもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

世界史のテスト勉強法まとめ

世界史のテスト勉強法まとめ

  • まずは基本用語の暗記や理解から始めよう
  • 用語の暗記だけで終わらせるのではなく「縦の流れ」や「横の流れ」を意識した学習をする
  • 世界史Aと世界史Bは学習範囲が異なるので目的に合わせた選択をする

世界史を苦手に感じる人も多いかもしれませんが、ある程度理解が深まると地理の知識と連携させたり、大学に進学後や社会に出てからグローバルな視点を持てたりするようになります。

まずは「面白い」と感じられることが学習意欲を維持するカギになるので、暗記だけでなく、歴史的事件のバックグラウンドや登場人物をめぐるドラマなどにも思いを馳せてみましょう!