【2024年最新版】漢文おすすめ参考書ランキング13選!参考書の選び方まで完全解説
「共通テストで漢文を得点源にしろと言われたけれど、どこから手をつけたらいいか分からない」
「そもそも漢文の授業が少ないから、自分の漢文の実力がどれくらいのレベルにあるのかがつかめない」
このような悩みを抱えた受験生も多いのではないでしょうか。
この記事では、評判の高い漢文の参考書や問題集をピックアップし、おすすめの理由や利用して欲しい人について解説しています。
これで、ラストスパートまで一気に漢文の得点アップに結びつけましょう!
漢文参考書の選び方をざっくり説明すると
- 現状の学力に照準を合わせた参考書選びをしよう
- 現状の実力を把握できていなかったら、基礎知識の漏れがないかどうかを確認する
- 漢文の学習は、文法や句形などの基礎を固めてから文章問題に進むべし
おすすめの漢文参考書の選び方
一口に「漢文の参考書」といっても、何を基準に選んだら良いのかつかみにくいですよね。選ぶ基準として押さえたいポイントは次の3点です。
- 現状の学力に合っているか
- 重点項目が基本事項の解説」もしくは「問題演習」のどちらなのか
- 共通テストを意識した最新の改訂になっているか
それぞれの項目について、具体的に見ていきましょう。
現状の学力に合わせて選ぶ
まずは、自分の実力がどの程度なのか把握しましょう。ただし漢文学習の前提として、最低限の古文の基礎は理解していなければなりません。
なぜならば、漢文から現代語や解釈をするためには、
1.「白文」(漢字だけの文)
2.「訓読文」(返り点や送り仮名がついているレベル)
3.「書き下し文」(訓読文から古文に改めたもの)
4.「現代語訳」
の順に訳すからです。
書き下し文を読んで大意をつかむには、ある程度古文の実力が備わっていなければなりません。最低限の古文の文法や基礎知識は身に付けてから、漢文に取り組むようにしましょう。
基礎レベル
「漢文の勉強をほとんどしたことがない」「中学校では返り点などを簡単に学んだだけで、入試でも触れた経験がない」というような人は、まずは「基礎レベル」の参考書を選びましょう。
センター試験の過去問などマーク式の解答では、どれも日本語として正しく読めてしまうような選択肢が並んでいます。確実に正解するにはどれだけ正確に書き下し文が作れるかがポイントです。
漢文に苦手意識のある人の傾向として、この基礎部分がしっかり固まっていない人が大多数です。まずはここで他の受験生との差別化を図りましょう。
また、このような知識はインプットするだけでなく簡単な問題演習も同時並行で行うと、知識が定着しやすくなります。解説の直後に、簡単な問題が記載されたタイプの参考書を併用するのもおすすめです。
センター試験レベル
センター試験の過去問がある程度解けるレベルであれば、基本レベルの問題集に挑戦してみましょう。
漢文を学習する機会は、現代文や古文と比較してそれほど多くありません。漢文自体に慣れるためにも、ある程度の問題量をこなした方が基礎知識を活用しやすくなるでしょう。
もちろん基礎もおろそかにしてはいけません。問題を解きながら間違った箇所をすぐに確認できるように、句形や文法の参考書も併用しても良いでしょう。
難関大学レベル
難関大学に挑戦できるだけの実力を持っているのであれば、 実践問題が含まれている問題集型の参考書がおすすめです。
難関大学の問題では、句形の知識を問う問題などでも細かい部分の知識が問われることがあります。したがって、幅広い分野まで網羅できる句形をまとめた参考書や単語集を選ぶと良いでしょう。
出題される問題も文法知識だけではなく、題材の時代背景や思想の理解・解釈を問うような高度な問題が出題されることがあります。
このような場合は、解説がないと漢文の理解が難しいので、しっかりとした解説が掲載された参考書を買うのがおすすめです。
漢文の種類別の参考書選び
次に、種類別による参考書について説明します。
漢文の参考書は、「句形や単語についてドリル形式で知識を定着させるタイプ」の問題集と、「文章問題を中心とした実戦演習タイプの問題集」に分類できます。 それぞれのタイプで重視すべきポイントについてまとめました。
句形や単語についての参考書
このタイプの参考書でまず重視したいポイントは、「幅広い句形や単語が網羅されているか」という点です。
受験勉強を進める中で志望校の過去問などに取り組む際に辞書代わりに使うことも多くなりますから、情報量が多いほうが使いやすいと感じるはずです。
特に難関大学の過去問などでは出題例の少ない句形についての問題が出題されることもあります。そのような事例について調べられないとそこで学習が行き詰まってしまいます。
また、「見やすさ」も重視しましょう。
もともと漢文は「外国語」です。文法も日本語とは異なるため、中国の文法を日本語の文章でくどくどと説明されても知識が染み込みにくいでしょう。
図解などがあり、すっきりとして読みやすい感覚に従って選ぶのがおすすめです。
問題集型の参考書
問題集型の参考書を選ぶ際には、「解説が詳しいかどうか」をまずチェックしましょう。
題材の訳がわかりやすいのはもちろんですが、「どのような句法・文法を用いられているのか」「出題者の意図や狙い」などについても詳しい解説がある参考書が望ましいでしょう。
ある程度学習が進んでいる場合には、必ずしも「詳しい解説」が必要なわけではありません。
ですが、基礎力がまだ不十分なままで文章問題に取り組んでしまうと、和訳をなぞるだけで満足してしまい、基礎学習の知識が活かせているかどうかもわからないままで終わってしまいがちです。
そのままでは実際にテストで知識を活かすことができません。文中で使用されている文法や句形まで詳しく解説している参考書を選ぶのが望ましいでしょう。
新たな共通テストに対応しているか
今年度から「共通テスト」という名目で出題形式が変わる可能性があるのは、既にご存知でしょう。昨年・一昨年と試行試験が実施され、記述問題の出題などの変化も見られましたが、少なくとも今年度は全問マーク式ということで落ち着きました。
もっとも、現在出回っている最新版の参考書は、ほぼ共通テストに対応済みです。問われている知識が急激に変化するとは考えにくいので、最新版の参考書を購入していれば心配は不要でしょう。
最新版の参考書を購入
「参考書は最新版のものを用意するべき」というのは、受験の際の常識だと言えるでしょう。漢文の句形問題や単語の意味などの基本問題は出題の鉄板ですし、新制度で消えるとは考えにくいです。
ただし、試験前に世間で話題になった題材や社会情勢を取り入れたテーマなどは、入試問題にも反映されることがあります。特に今年は過去2回の試行試験の動向を踏まえて、「解釈を問う問題の比率が高まるのではないか」と予想されています。
問題集型の参考書を選ぶ際には、このような要素も取り入れた最新版の参考書を選んでみて下さい。
おすすめ漢文参考書13選
ここからはおすすめの参考書をご紹介していきます。基礎固めを目的としたものから、難関大学向けのものまで幅広く選びました。
漢文ヤマのヤマ 共通テスト対応版
句法の解説とそれに応じた演習が同一項目にあるので、「基本の理解」と「演習」を同時に進めやすいのが特徴です。色分けも適切であり、非常に見やすいと言えるでしょう。
これから漢文の勉強に入る人にとって使いやすいのは言うまでもありませんが、句法の内容も基礎的なものから発展的な内容まで広くカバーしている点が、広く支持されている理由の一つです。
実践演習中心の受験生が勉強を仕上げる際にも、句法の確認などで活躍してくれるでしょう。
頻出句法のみにフォーカスしたにもかかわらず、万人向けの参考書です。
実際の利用者の口コミは?
基本句形集ではあるが、独習しやすい。収録された句形事項も、入試に頻繁に出るなど、極めて重要なものが中心になっている上、関連事項ごと覚えられるよう、工夫されている。特筆すべきは、例文形式で書き下し文・現代語訳や解説まできちんと書かれていること。受験漢文(特に読解)において絶対必要な「正しい書き下し文・直訳文をつくる」練習ができる。 amazon カスタマーレビューより
元々センター試験対策のベストセラー参考書(現在は共通テスト対策版としてリニューアル)ということで、王道の漢文参考書といえます。
漢文の参考書選びで迷っている方は、まずはこちらをチェックしてみることをおすすめします。
マーク式基礎問題集 漢文 五訂版
共通テストや私大のマーク式問題の中から、頻出の傾向や特徴を分析・編集した問題集です。
基本問題はもちろんのこと、頻出問題や良問とされる問題がピックアップされており、限られた時間の中で効率よく出題ポイントを押さえる工夫がされています。
また、分野・ジャンル別に構成されているので、苦手な箇所をピンポイントで克服したい人にもおすすめです。
実際の利用者の口コミは?
姉妹書の現代文、古文の改訂版と同じく、こちらも旧版「四訂版」の方が出来が良く、改訂せずに(旧版を)刊行し続ける方が良かったと思われる。旧版(の美本)が入手可能ならば、そうする方が良いだろう。 amazon カスタマーレビューより
こちらもセンター試験対策の漢文問題集として非常に高い人気を誇っていました。ただし、上記の口コミのように共通テスト対策版は内容が劣化したという意見も見られます。
とはいえ基本構成は変わりないので、現在もほとんどの方にとって有用な問題集だと言えるでしょう。
基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル 改訂版
漢文でよく用いられる33の句形や文法事項を、ドリルや実践問題を交えながら解説しています。
「知識のインプット・基礎演習」部分は見開きのページの上下に分けて見た場合に、上部で図解なども交えた解説を、下部には基礎問題の演習を配置しているので知識のインプットとアウトプットが同時に進めやすい配置と言えるでしょう。
返り点の優先順位や白文を利用しての練習問題なども書き込み方式を取り入れているので、自力で取得するのが難しい文法知識も自然に定着しやすい工夫がしてあります。
販売元によれば、難易度は基礎~標準。難易度もそれほど高くないので、まずは確実に基礎を固めたい人におすすめです。
実際の利用者の口コミは?
取り組みながら
「げげっ、そうだったの!」とか「知らなかった!」とか、
「『置き字』ってさ、適当に置いてるのかと思った。へぇ、だよ。」
毎日感動しながら、解いております。 amazon カスタマーレビューより
口コミでは「漢文が絶望的に苦手という状態から抜け出せた」というような声が多く見受けられました。
漢文が苦手な方や基礎的なことから学びたい方には、特におすすめの一冊です。
漢文早覚え速答法 共通テスト対応版
「漢文に慣れること」を意識して、筆者独自の解法メソッド(「いがよみ法」など)を用いている点が特徴で、基礎固め~直前期の仕上げまで長く使いたい人におすすめです。
- 基本句形のマスター(テスト形式での確認)
- 重要漢字の習得
- 別冊(「センター漢文攻略マニュアル+私大&記述対策」)
の順に進めていくと、一通りの知識・解法が身につくでしょう。
ここまで同書を使いこなせれば基礎が確実に身につき、共通テストだけではなく記述式などの難易度の高い解答方式にも対応できる力がついているはずです。
「試験に出る句形と重要漢字だけで作られた漢文」に特化した参考書にも関わらず、国公立2次対策までカバーできると評判の1冊です。
実際の利用者の口コミは?
漢文が苦手だった娘がお友達にすすめられ、買って欲しいというので買いました。あっという間に漢文の点数がアップしたと本人はとても喜んでいます。弟にもこの本の重要性を熱く語っていました。弟用にも買う予定です。 amazon カスタマーレビューより
こちらも漢文対策定番の名著であり、非常に利用者の多い一冊です。
「迷ったらまずはこれ」という先生も多いので、「漢文のヤマのヤマ」と同様に優先的に検討すると良いでしょう。
漢文道場 入門から実戦まで
Z会の監修による、基礎編・錬成編・実戦編の3部構成の問題集型の参考書です。
「訓点と書き下し文」といった基礎知識の確認に始まり、基礎問題の応用や読解力を問うオリジナル問題、「史記」「呂氏春秋」「資治通鑑」など実際に出題された問題までを掲載しています。
錬成編・実戦編には欄外に重要な基本語や句法をまとめた「語彙チェック・句法チェック」の欄を設けているので、直前期においても基礎知識の抜け落ちがないかチェックしやすいでしょう。
問題についての参考コラムや概要なども掲載されているので、問題文の時代背景が深まりやすく読解に必要な教養も身につきます。基礎力があり、私大の受験で受験科目に漢文が含まれる人におすすめです。
実際の利用者の口コミは?
センターを含め、東大なども視野に入れた受験用参考書として使える一冊です。これと漢文早覚え速答法があれば、漢文は他に何もいらないでしょう。 amazon カスタマーレビューより
内容は少々ハイレベルですが、その質の高さを評価する声も多いです。また、「早覚え速答法」とセットで使う方も散見されます。
漢文 (河合塾SERIES―入試精選問題集)
国公立の二次試験に漢文がある人や、難関私大に挑戦する人におすすめの一冊です。
句形の基礎知識が身についており、センター試験の過去問などもほぼ完璧に解答できるだけの実力を備えてからこの問題集に挑戦すると、二次試験まで見据えた対応が可能になるでしょう。
問題集は「簡単」→「普通」→「難しい」内容順に並んでいます。頻出かつ良問に絞っているため、自分のレベルに合わせたピンポイント演習が可能です。
問題の解説も非常に詳しくわかりやすいので、そこで得た知識を記述・論述式問題を解く際にも応用できる点は高く評価できます。
実際の利用者の口コミは?
解説に出展だけでなく文章で使われている一見分かりづらい句法も全て描かれている河合塾らしい丁寧な参考書。私立国立問わず漢文の多読に向いている素晴らしい参考書だと思います。 amazon カスタマーレビューより
口コミではほとんどの利用者が口を揃えて「解説が充実している」という意見を述べていました。
河合塾は文系科目の指導力の高さに定評があるので、河合塾出版である本書の信頼度は高いと言えるでしょう。
極める漢文 1 基礎・必修編 (音声講義付き問題集)
受験生に人気の「ゴロゴシリーズ」を出版している会社が、さらに知識を素早く定着できるように工夫を凝らした一冊です。
注目するべき点は、「音声解説」がある点でしょう。音声解説は句法と書き下し文のリズムのつかみ方などを視覚と聴覚のダブルで捉えられるので、通学中の隙間時間などに利用すると、その有効性を感じるはずです。
「学習中の音読が有効」と言われる漢文ですが、そこまでの時間が確保できない忙しい受験生でも、講義を聞くことで基礎力を固めやすいと言えます。視覚と聴覚をフル活用することで、短期間で効率よく漢文の基礎を固められる参考書です。
実際の利用者の口コミは?
漢文はセンターのみという方や受験生でない方にお勧め。 amazon カスタマーレビューより
利用者の口コミを見ると、重要事項に絞ってサクッと学べる点が評価を集めていました。とにかく共通テストを乗り越えたいという方におすすめの一冊と言えそうです。
精講 漢文
数十年前に出版された大学受験用の参考書ですが、音韻や文法などは変化があるものではないので、現代でも通用する知識が盛り込まれています。
また、中国史や思想について詳しく解説している点にも注目です。
出題の意図を把握したり正しい解釈をしたりするためには、歴史や思想についての知識があると問題を解く助けになることが多いのですが、そこまで手が回り切らない人もいらっしゃるかもしれませんね。
それらの予備知識は必ずしも必須事項ではありませんが、出題が四書五経など著者の思想を問う難しいものであった場合には周辺知識が問題を素早く解く鍵になることもあるので、難関私大を受験する場合などにはおすすめの1冊です。
実際の利用者の口コミは?
この本はセンター試験前などに手っ取り早く漢文が読めるようになる本ではありません。しかし漢文をじっくり学びたい人には問題や例文も豊富で解説も詳しくお勧めです。ただじっくりと言っても講義調なので本の厚さの割には負担が少ないです。また例文や問題は当時の教科書に収録された物が大半なので決して入試レベルも逸脱していません。なので受験にはオーバーワークとの心配も無用です。 amazon カスタマーレビューより
上記のように絶賛する人も多い参考書です。ただし、かなり難しいところまで踏み込んでいるので、正直なところ漢文好きでないとむしろ学習効率が下がってしまう可能性があるでしょう。
難関大学を目指す文系の方で、二次試験にも漢文を使う方には非常に有用な一冊です。
文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード
重要句形について構造や読解を進める上でのポイント、ニュアンスまで詳しく解説している参考書です。
第3章のジャンル別では「政治のありかた」「個人の生き方」といったスタンダードなジャンルから「儒家と儒家以外の思想」など抽象的で理解しにくいジャンルまで幅広く触れながら説明しているので、難しい題材でも非常にわかりやすいでしょう。
またそれぞれの章において、別の章のどこで使われた技法であるかまで検索できるようにしてあるので、1冊で辞書代わりにも利用できます。共通テスト~私大受験の方におすすめです。
実際の利用者の口コミは?
あくまで受験だが内容はかなり濃くこれ一冊を仕上げてから多読をしていけば怖いものなしでしょう。1つ欠点を挙げるとすればコンパクトなサイズにしようとしたせいか小さい文字で詰め込みすぎで見開き1ページの情報量が多く少し見辛い上に本書が小さいかな。 amazon カスタマーレビューより
「精講 漢文」と同じく、ハイレベルかつ踏み込んだところまで学べる一冊です。
こちらも難関大志望の文系向けと言えるでしょう。
漢文ゴロゴ (音声&映像講義付き)
旧センター試験に照準を合わせた1冊なので、共通テストで高得点を確保したい人に特におすすめです。
第1章の「句法編」では、旧センター試験でよく出題されていた順に解説しています。解説の例文をストーリー風に仕立てているので、漢文が苦手な人でも無理なく知識を詰め込めるでしょう。
第2章の「基礎編」では漢文の基礎ルールやセンター試験で素早く回答するためのテクニックを、第3章の「漢詩編」ではセンター試験で頻出される漢詩の知識を、例題を用いて説明しています。
直前期など時間で知識の詰め込み・確認をしたい人は、「虎の巻」も要チェックです!
表題にもなっている「漢文ゴロ」や「句形オールチェック」だけではなく、近年の出題率が高い「接続関係の語」「頻出漢字」についても掲載・解説しているので、共通テストでも役立つでしょう。
実際の利用者の口コミは?
ちんぷん漢文な人にとっては良書だと思います。ある程度基礎ができる人にとっては、すこし退屈な解説書ではないかと思いました。 amazon カスタマーレビューより
口コミからは、とにかく漢文の点数をあげることに特化していることが伺えました。漢文初心者で、かつ勉強が苦手な人向けの一冊です。
岡本梨奈の1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本
漢文の基礎知識について、掛け合い方式のイラストを挟みながら講義形式で詳しく説明している参考書です。イラストの会話の中で、よくある疑問点を深掘りして解説しているので、漢文の知識がゼロの初心者でも抵抗なく読めるでしょう。
特に、最初のつまずきポイントである文法や句形などの基礎知識についての解説は、丸暗記をすすめるのではなく非常に噛み砕いて説明されています。
中堅レベルの国公立大学や私立大学を狙う受験生におすすめの参考書です。
実際の利用者の口コミは?
生徒と先生の対話形式なのですが、読みやすく、とてもわかりやすいです。レベル設定は、ゼロからマーチレベルまでとのことなので幅広く対応していると思います。 amazon カスタマーレビューより
利用者からは対話形式でテンポよく学べる点が評価されていました。授業を受けているような感覚で学びたい方にはおすすめです。
大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継
文法や単語などについて、覚えるべき項目や狙われやすい箇所を重点的に学習が進められるよう工夫されている参考書です。現在伸び悩んでいる人や、共通テストで高得点を狙いたい人におすすめです。
別冊のノートでは小問も付けられており、こちらで漢文法や漢詩の事項だけではなく、書き下し文を読む上で必要な国文法の知識や中国文学史についても触れています。
ただ暗記するだけでなくトータルパッケージとして漢文の学習をしたい人にも使いやすいでしょう。
実際の利用者の口コミは?
実況中継シリーズは、その場で本当に先生が講義をしているかのように説明されているのでめちゃくちゃわかりやすいのですが、文字数が多くなってしまい、何周もするとくどく感じてしまい、また時間もかなりかかってしまいます。ですが、この教材には「別冊」がついていてそちらに実況中継でやった「暗記事項」が全てのっています。つまり1回講義を読んだら、その別冊を復習すれば大丈夫なのです amazon カスタマーレビューより
こちらは共通テスト対策の参考書としてとても評判が良いです。
ただし共通テスト対策に特化しているので、書きくだし文などの練習問題は少なめな点に注意が必要です。
三羽邦美の漢文教室 改訂版
漢文を読むためには、まず漢文特有の返り点や置き字、再読文字などの文法知識を身に付けなければなりません。そのような基礎知識を身に付けたい初学者や、学習した経験はあるが基礎知識を忘れてしまった人におすすめです。
「ウォーミングアップ編」では文法や句法についての解説を見やすく配置し、「実践編」で取り上げている題材も「矛盾」「漁夫の利」など有名な故事成語を中心に取り上げているので、漢文に苦手意識のある人でも読み進めやすいでしょう。
実際の利用者の口コミは?
とてもやさしく書かれているので、知識ゼロからでも読めます。問題もついていますので、自力で解いて声を出して読み、漢文を自分の中に取り込みましょう。
利用者からは「ゼロからでも理解できる」など、内容の易しさ・分かりやすさを絶賛する声がたくさん寄せられていました。
漢文の苦手意識を払拭したいという方にはおすすめです。
漢文おすすめ参考書比較表
参考書名 | 価格 | 特徴 |
---|---|---|
漢文ヤマのヤマ 共通テスト対応版 (大学受験超基礎シリーズ) | 1,210円 | 「基本の理解」と「演習」を同時に進めやすい |
マーク式基礎問題集 漢文 五訂版 | 935円 | 頻出問題や良問を分野・ジャンル別に編集している |
基礎からのジャンプアップノート 漢文句法・演習ドリル 改訂版 | 847円 | 書き込み方式を取り入れ、知識のインプットとアウトプットが同時に進めやすい |
漢文早覚え速答法 共通テスト対応版 | 1,210円 | 筆者独自のメソッドで、一通りの知識や解法が身につく |
漢文道場 入門から実戦まで | 961円 | ハイレベルな知識まで対応できる参考書 |
漢文 (河合塾SERIES―入試精選問題集) | 924円 | 自分のレベルに合わせた使い方ができる |
極める漢文 1 基礎・必修編 (音声講義付き問題集) | 935円 | ビジュアル解説や音声解説を取り入れており、知識のインプットがしやすい |
精講 漢文 | 1,870円 | 中国史や思想についての解説が詳しい |
文脈で学ぶ 漢文句形とキーワード | 990円 | 文脈やニュアンスの読み方を、句形の知識を交えながら解説 |
漢文ゴロゴ (音声&映像講義付き) | 990円 | 共通テストまでに効率よく基本知識が詰め込める |
岡本梨奈の 1冊読むだけで漢文の読み方&解き方が面白いほど身につく本 | 1,540円 | 初心者がつまずきやすいポイントなどについて深く掘り下げて解説 |
大学入学共通テスト 飯塚敏夫 漢文講義の実況中継 | 1,650円 | 漢文だけでなく、その周辺知識も身につく |
三羽邦美の漢文教室 改訂版 | 1,100円 | 易しい題材を積極的に使い、苦手意識がある人でも読みやすい |
ここまで紹介してきたおすすめの参考書や問題集13選を一覧表にしました。書籍名や価格はもちろん、特徴についても掲載しています。
漢文に関する参考書や問題集は数多く出版されています。効率良く対策を行うには、参考書や問題集選びが重要です。自分に合った参考書や問題集を選ぶ際の参考にしてください。
漢文おすすめ勉強法
漢文の基本知識や単語を押さえる
漢文の学習でまず押さえるべきポイントは、基本知識を固めることです。
押韻や対句などの技法用語は暗記しておくと得点につなげやすいだけでなく、文章を読んで理解する上でも必要になります。
一見遠回りで無駄に感じても、大切な知識なのでよく問われる基本用語や知識は本格的に学習に進む前に押さえてしまいましょう。
漢文の文法は最重要
漢文を学習するのに確実に理解しなければならないのは「文法」です。どの言語でも、最低限の文法に従って文章を作らないと意味が通じませんよね。
中でも「返り点」や「再読文字」は「正しい読み方」を問う問題としてよく出題されるので、絶対に理解しなければなりません。
一見無数にあるように見える「句形」も出題傾向が決まっていますので、やはり得点源にするべきです。
「文法を制するものは漢文を制する」といっても良いでしょう。
返り点について
返り点は漢文の文法で真っ先に習う文法事項です。現代文や古文などの日本語の授業にはないルールなので、漢文学習の第一の関門かもしれませんね。
ですが、入試で使われるのはせいぜい「レ点」「一二三点」「上中下点」「甲乙丙点」までです。
それぞれを組み合わせた場合の読み順などは、問題演習などをこなすうちに自然と慣れてきますから、まずは返り点の優先順位を暗記してしまいましょう。
再読文字について
再読文字も漢文を読むための必須事項です。これも日本語の古文にはない文法であり、1文字で2回読む特殊な使い方なので、古典が得意でも戸惑う人がいるかもしれません。
ただし、返り点同様によく出題される再読文字は決まっていて、わずか10個くらいです。読み方と送り仮名をセットで覚えてしまえば、該当する漢字が文中で使用されていた場合に「こう読むんだったな」と当たりをつけやすいので、初めて読む文章でも読みやすくなります。
音読して勉強する
参考書選びの項目でも少し触れましたが、音読をすると文法がリズムとして体感しやすいので、目で文章を追うだけよりも知識が定着しやすくなります。
また、文法を完璧に覚えたとしても、外国語の文法を自然に使いこなすのは難しいものです。
「書き下し文で読む」「白文で読む」の音読を繰り返すと、より文法知識が定着しやすいでしょう。
沢山の漢文の問題を解く
漢文の知識をある程度固めたら、次は多くの問題を解きましょう。
やはり国語の科目の中でも漢文は「外国語」に近い側面があり、現代文や古文と比べて少し異質です。学校の授業でも漢文を独立教科として扱っている学校はまれなので、力をつけるには大量の問題をこなして漢文そのものに対して慣れることが大切です。
知識のインプットが終わり、文法などの問題集では完璧に解けるにも関わらず点数が伸び悩んでいる人は、実戦式の問題集を多く解くなどの工夫をしてみましょう。
現代文の勉強法や、参考書選びについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
漢文の勉強計画立て方
高1は漢文の基礎知識を定着させる
漢文は、高校に入学してから基礎知識を学ぶ人がほとんどでしょう。そのため、「漢文をきちんと勉強しよう」と考えてもどこから手をつけたら良いか分からない人が多いはずです。
まずは、漢文を読み進める上で最低限必要な知識と文法の知識を身につけましょう。このとき、文法などの問題演習だけでなく簡単な文章問題も一緒に解くと、実際の文章でどのように使われているのか感覚がつかみやすくなります。
時間に余裕があれば、故事成語を扱った問題集などに取り組んでみましょう。
文法など漢文を読むための基礎を徹底的に叩き込むことで、後に実戦問題に取り組む際にも効率が上がりやすくなります。
高2は基本レベルの読解問題に挑戦
高2では、ある程度漢文の基礎知識が完璧に身についていることが理想です。そのうえで、センター試験の過去問やマーク式の問題など、ある程度解答パターンが用意されている問題集に取り組むと実戦のイメージがつかみやすくなるでしょう。
この段階では、解答時間はあまり気にしなくても大丈夫です。漢文の実戦問題に慣れることが主要目的ですから、まずは問題を解く感覚をつかんで下さい。
高3は過去問など実践問題を解く
受験期に入ると、本番を意識してつい難しい問題ばかりに手を出したくなるかもしれません。ですが、ここで一度文法知識の確認の総ざらいをしましょう。
実戦問題に取り組んだ経験があれば、文法や句法などの基礎知識がどれだけ大切なのか実感しているはずです。
実戦問題中心の学習スタイルに移行する前に、基礎知識を振り返ることで自分のつまずくポイントを探し克服してから過去問や難問に取り組むと、非常に効率よく学習できるでしょう。
必ず目標を立てる
学習する際には、必ず目標を立てましょう。目標が定まっていないと、学習目的を見失い意欲が薄れてしまいます。
特に、成績が伸びにくい時期は学習意義が見いだせず、楽な進路を選んだり受験そのものを諦めたくなったりするかもしれません。
「漠然とした目標」だけの場合も具体性に乏しくなり結果を出しにくくなります。そこでまずは受験などの「長期目標」と、「◯◯を今週中に終わらせる」「◯◯の問題集を今月中に終わらせる」などの「短期目標」を設定すると、学習しやすくなるでしょう。
漢文の参考書と併せて、古文のおすすめ参考書や勉強法について知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
「漢文のオススメ参考書」についてまとめ
「漢文のオススメ参考書」についてまとめ
- まずは自分自身の実力を把握すること
- 現在の実力や目的に合わせた参考書選びをしよう
- 文法がしっかり身についていないと漢文の学習を進めることはできない
「漢文」は学校の授業で扱う機会が少ないにも関わらず、 共通テストでは必ず出題されるので、何となく苦手意識がありませんか?
国語は他の人と大差をつけにくい科目ですが、 漢文に限って言えば、基本事項の暗記が得点に結びつきやすく、短期間で得点を伸ばしやすい分野です。
自分に合った参考書を選んで、ぜひ合格を勝ち取ってください!