高校生が夏休みにするべき勉強は?計画表の立て方から学年別の勉強内容まで解説!

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「高校生が夏休みにするべき勉強内容は?」

「計画表はどうやって作る?勉強時間の目安はどのくらい?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

夏休みには通常よりも多くの勉強時間が確保できるので、勉強の仕方を工夫すれば大きく学力を高めることも可能です。

そこで今回は高校生が夏休みにするべき勉強について、計画表の作り方や学年ごとの勉強内容などを解説します。

高校生の方は以下の内容を参考に、大学受験に向けて大きな飛躍を遂げてください。

高校生の夏休みの勉強内容についてざっくり説明すると

  • 宿題を含めた計画表に沿って学習すべき
  • 1学期の復習を最優先で行う
  • 高3は過去問演習よりも基礎学習
  • 通信教育の活用もおすすめ

高校生の夏休みにするべき勉強法

朝方の読書

まずは高校生が夏休みに実践すべき勉強の仕方について解説します。

夏休みを通した学習計画表を作る

大学受験の試験範囲は、中学受験や高校受験のそれに比べて圧倒的に幅広いです。特に国立を受験する場合は、共通テストを含めると科目数がかなり多いので、膨大な範囲・量を学習しなければなりません。

そのため、計画的に学習するということが中学時代よりも一層大切になります。

よって受験勉強全体を見通したような学習計画表を作成し、目の前の勉強に集中しながらも、受験勉強全体を鳥瞰することも忘れないようにしましょう。

また夏休みに関しては、普段よりも勉強時間が多いので、夏休み独自の計画表を立てるのがおすすめです。

夏休みの宿題は計画的に早めに終わらせる

夏休みの宿題を始業の直前まで溜め込み、最終日に焦って一夜漬けて終わらせたり、諦めたりする高校生は実に多いです。

このことから、多くの生徒は計画的に勉強することが苦手だと言えます。

しかし、先述した通り、大学受験には計画性が必要であり、一夜漬けの勉強しかしたことがないような生徒では、志望大学の合格を掴み取ることは難しいです。

よって学習における計画性を養うためにも、夏休みの宿題は計画的かつ早めに終わらせるのが良いでしょう。

具体的にはやるべきことをリストアップし、夏休みが終わる1週間前には全てをこなせるようなスケジュールを立てるのがおすすめです。

1学期の勉強内容の復習は必須

大学受験で扱う膨大な範囲をカバーしなくてはならないので、高校の学習ペースは中学時代よりも明らかに速いです。

そのため、授業についていくのが難しいという方もいるでしょうが、適切な勉強法を実践すれば十分挽回することができるので、あまり心配する必要はありません。

また夏休みはそのような方にとっては、遅れを取り戻すチャンスでもあるので、宿題の消化と1学期の復習にしっかりと取り組むべきです。

2学期以降の予習は必要?

授業のペースが速いことに不安を感じる方は、焦って夏休みに2学期の予習をしようと考えるかもしれませんが、基本的には予習は必要ありません

勉強があまり得意でないという方は、1学期の復習をより重視するべきです。基礎事項がしっかり押さえられていないと2学期以降の内容を理解するのがより難しくなるので、まずは土台をしっかり固めることを優先してください。

一方で1学期の復習がすでに完璧だという場合は、予習を進めるのも良いでしょう。

大学受験に向けての対策は何をするべきか

文系・理系の選択があるなど、大学受験は高校受験と性質が大きく異なります。また大学ごとに試験科目や選抜の方式も違うので、それらに関する情報収集をしておくことは重要です。

夏休みは普段よりも時間があるはずなので、そうした情報収集を行うのも良いでしょう。

具体的には志望大学にはどんな入試方式(一般入試やセンター利用、AO入試、推薦入試など)があるのか、一般入試の試験科目は何かなどを調べてみてください。

一つの大学・学部に複数の試験方式があることも多く、より自分にあった試験方式が見つかる可能性もあり、そうなれば以後の勉強の方針も明確になってくるでしょう。

やる気・集中を持続させるためには

夏休みは勉強に活用するべきですが、受験生でない限り、四六時中勉強しなけらればならないわけではありません。

高校生の夏休みは生涯に3度しか訪れないかけがえのない時間なので、部活に打ち込んだり、友達と遊ぶことも大切だと言えます。

よってメリハリをつけて過ごす(勉強する)ことを心がけましょう

勉強の最中に「遊びたいな」と考えたり、遊んでいる時に「勉強しなけらば」と思うのは有意義な時間の使う方とは言えません。

そのため、勉強する時は勉強する、遊ぶ時は遊びとはっきりとした態度でそれぞれに臨むのがおすすめです。

夏休み中の生活習慣

野外の女性

ここからは夏休み中の生活習慣をどうするべきかということについて解説します。

早寝早起きの起床睡眠時間を心がけるべきか

勉強をするには朝型の方が良いと言われることもありますが、それは大学入試が午前中に実施されるからです。

夏休みは大学入試直前ではないため、夜の方が集中できたり、部活などの予定で夜の方が時間を確保しやすいというのであれば、夜型の生活習慣で勉強するのも良いでしょう。

ただし、入試には朝型のリズムで臨むのが理想的なので、入試の1ヶ月前くらいからは朝型の生活に切り替えるのがおすすめです。

勉強場所は決めておく

勉強場所をどこにするか迷うという方は、毎日迷っているのは時間の無駄なので、予め勉強場所を決めておくのが良いでしょう。

基本的には自分が集中できるならどこでも構いませんが、移動時間があった方が気分転換になるので、自分の家ではない場所がおすすめです。

ただし、家からあまりにも遠いと時間がもったいないので、片道30分以内で行ける場所にしましょう

勉強時間はバランス重視

夏休みの勉強時間は、高1なら3〜4時間、高2なら4〜6時間、高3なら7〜11時間程度を目安としてください。

特に高3は1日中勉強したくなることもあるのでしょうが、頑張りすぎると翌日疲労からモチベーションが低下してしまうこともあるので注意しましょう。

それでは2日間のトータルを考えた時に学習の効率が落ちてしまうので、頑張りすぎは禁物です。バランスを考えて、程よく勉強を積み重ねるのが良いでしょう。

バイト・部活との両立を目指そう

1日ごとの綿密な計画を立てて、勉強に打ち込むというこも有意義ですが、部活やバイトなどと勉強を両立させるということも同じくらい大切です。

そのため、部活やバイトにも精を出しながら、勉強を続けていけるくらいの時間・量を意識するのが良いでしょう。

また頑張りすぎて体調を崩してしまったら元も子もないので、疲れていると感じる時は、思い切って勉強を休むというのもおすすめです。

学年ごとの適した学習

タブレットを見る少女

続いては夏休みにどのような勉強をするべきかということを、学年ごとに解説していきます。

高1が気をつけるべきこと

高校1年生が最も重視するべき科目は英語です。まだ大学受験という気分ではないでしょうが、しっかりと受験に通ずるような勉強をしていきましょう。

ちなみになぜ英語が重要なのかというと、英語は文系・理系を問わず入試で必須の科目だからです。また暗記だけで乗り切れる科目ではなく、基礎を固めるのにある程度時間がかかるという理由も挙げられます。

さらに入試までに学習すべき量が多く、授業の進度も速いので、授業のついていけなくなって時間を無駄にしないためにも、きちんと学習しておくのが良いでしょう。

余力がある人は次に数学をやろう

高1にとって英語の次に重要なのは数学だと言えます。なぜなら高1の夏休み以後に数学でつまずいて文系を選択する人が多いからです。

高1の段階では文理はまだ決まっていないという人が多いでしょうが、選択肢をしっかり残しておくためには、数学への苦手意識を作ってはいけません

また文系であっても、東大・京大などでは二次試験で数学が出題されるので、数学ができなければ文系で成功することも難しくなります

なお、高1の夏休みはたっぷり遊びたいという方も多いでしょうが、大学受験のことを考えると英語・数学は少しでも触れておくのが良いでしょう。

高2が気をつけるべきこと

高2では文理の選択があり、特定の科目に関しては、文系と理系で異なる授業を受けるようになります。

よって文理のどちらかを決めなければならないわけですが、それにはまず志望大学・学部を決定することが必要です。

その上で試験に必要な科目を調べ、文理の選択をするのが良いでしょう。

志望校の傾向・科目もチェック

高2では夏休み中にセンター試験と志望大学の試験の過去問を解いてみて、出題傾向や問題形式をチェックしておきましょう。

また遅くとも高2が終わる頃には、自分が入試で使う科目の全範囲を一通り学び終えておくべきなので、それを踏まえて夏休みの勉強のペースを考えてください。

高2のうちに全範囲の学習を終えておけば、ある程度の受験勉強全体の目処が立つので、高3での勉強もスムーズに進められます。

高3が気をつけるべきこと

高3になると、いよいよ大学受験が現実味を持って迫ってくることになります。

そのため、焦って色々な勉強に手を出したくなることもあるでしょうが、まずは自分の苦手な箇所を克服することから始めましょう。

なぜなら、弱点というのは最も伸び代がある部分であり、それを改善することは大きな得点アップに直結するからです。

なお、高3では模試の結果も気になるところですが、いちいち一喜一憂するのはよくありません。模試の成績は入試には無関係なので、入試本番で成功するという一心で一貫した努力を続けましょう。

過去問は焦って早めに手をつけないように

高3になったからといって、焦って過去問演習を始める必要はありません。

基礎が固まっていないと応用的な過去問を解いても、結局基礎の復習に戻ってこないといけないので、まずは基礎学習に専念する方が効率的です。

そのため、一般的な学生は夏休みは基礎固めに当て、夏休み終わりくらいから過去問演習を始めるのが良いでしょう。

浪人生が気をつけるべきこと

浪人生は大学受験が再び1年後という遠い存在になってしまうので、ついつい怠けてしまいがちです。

実際、春・夏とダラダラと勉強し、その期間に落としてしまった実力を夏休み以降に盛り返そうと必死になるような浪人生は少なくありません。

しかし、それでは現役時よりも大きくレベルアップして受験に臨むのは難しくなります。

そのため、モチベーションが上がらなくても、少なくとも現役時から実力を落とさない程度の勉強(主に復習)はしっかりしておくのが良いでしょう。

なお、浪人生の場合は受験本番の感覚を忘れないためにも、夏休みのうちから基礎学習と並行して過去問演習に取り組むのもおすすめです。

1年間を通して体調管理も怠らずに

浪人生は学校の授業がないため、生活サイクルが一定に保てるように努力しなければなりません

生活リズムの乱れが原因で体調を崩せば、学習の効率を大きく落としてしまうこともあるので、できるだけ就寝時間・起床時間は一様にするのが良いでしょう。

また1年間勉強を頑張り続ければ、疲労が蓄積して受験直前期に免疫が落ちてくることもあるので、直前期は特に体調管理をしっかり行うべきです。

科目ごとの勉強法

勉強する少女

ここからは夏休みに実践すべき各科目の勉強法について解説します。

英語

先述した通り、英語は文理共通の必須科目なので、コンスタントに学習を行うべきです。

順番としてはまず単語と文法の基礎学習から始め、続いて長文読解に移るのが良いでしょう。長文読解に関しては、短い英文から始めて徐々に長さを伸ばしていくのがおすすめです。

また長文読解に移行した後も、単語と文法の知識を忘れないように、それらの学習は継続しましょう。夏休みは時間があるでしょうから、一度じっくり見直すというのも有意義です。

なお、移動時間には英語の音声を聞き、リスニングの練習をするのも良いでしょう。

加えて、どの段階においてもわからなくなったら、焦らず少し前に戻って復習することが大切です。

国語

国語に関しては現代文と古文・漢文で勉強法が異なります。

現代文については、選択式と記述式という2パターンの入試問題があるので、志望大学の形式を確認し、それに合った問題演習を行うのが良いでしょう。

また現代文は特に暗記すべき基礎事項などもないので、高3では夏休みのうちから過去問演習に入るのもおすすめです。

一方で古文と漢文に関しては、単語と文法を押さえれば点数を大きく伸ばすことができるので、苦手な場合は夏休みを利用して、単語と文法をマスターしてしまいましょう。

数学

数学は関数など複数分野の連関が見られるものもありますが、ベクトルや数列、確率など、独立的な分野も多いです。

夏休みは時間が確保しやすいので、苦手な分野の問題演習を徹底的に行い、弱点克服を目指すのが良いでしょう。

特に分野複合的な単元に関しては、普段の勉強ではじっくり復習することができないので、時間の取れる夏休みは良いチャンスです。思う存分勉強して、どうせなら得意分野にしてしまいましょう。

なお、数学が得意で、苦手分野は特にないという高1・高2に関しても、学習したことを忘れないために夏休み中は定期的に復習をするべきです。

理科

理科は、物理と化学を中心に応用力が試される科目だと思われがちですが、実際は基礎力の方が重要だと言えます。

応用とは基礎事項を使いこなすことであって、基礎力がないと応用力も身につかないからです。

基本的な用語や公式、解法をしっかり覚えていないと、応用問題は取り付く島もないので、基礎学習を怠るべきではありません。

よって夏休みは学習した分野の復習に最も力を入れるべきです。

社会

社会に関しては、日本史・世界史を中心に学習範囲が非常に幅広いので、闇雲に学習すると知識にムラができてしまう可能性があります。

よって単元ごとに学習量を決め、計画的に勉強していくのが良いでしょう。

なお、覚えるべきことは実に多いですが、一度に全てを暗記する必要はありません。各単元をバランスよく学習することを意識しながら、何周もして覚えていくのがおすすめです。

数学が苦手な人必見、東大生が教える高校数学を得意になるコツについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

それぞれの勉強法での注意点

指を立てる女性

以下では夏休みの勉強で注意すべき事柄を、学習スタイルごとに紹介していきます。

夏期講習を取るか迷っている人は

ほとんどの予備校では、夏休みに夏期講習が実施されており、予備校に通っていない人にとっては、予備校の雰囲気を知る良い機会だと言えます。

また自分の苦手科目を特訓するために夏期講習を活用するのも良いでしょう。

一方ですでに予備校に通っている人は、当然夏期講習に参加することになるわけですが、夏期講習で自分の苦手分野が扱われるとは限りません

そのため、より自分に適した講習に変更したり、自習で弱点克服に努めるなどの工夫をするべきです。

参考書で独学する場合

参考書を使った独学で大学受験に合格することはもちろん可能です。

ただし、参考書は無数と言えるほどたくさん出版されているため、その中から高い学習効果が得られる良書を見つけ出すのはなかなか大変だと言えます。

また一度選んだ参考書で勉強が捗らないとつい他の参考書に手を出したくなりますが、色々な参考書に中途半端に手を付けるより、一つの参考書をとことん読み込んだ方が実力はつきやすいです。

そのため、参考書を選ぶ際には口コミなども調べながらじっくりと検討を行うのが良いでしょう。

予備校に通う場合

予備校を選ぶ際は、講師の指導力が高いという点ももちろん大切ですが、自習する環境が充実しているかという点にも着目すべきです。

また教室の雰囲気は口コミだけでは計り知れないので、実際に予備校を見学して確かめるのが良いでしょう。

さらに良い予備校を見つけても即決するのではなく、他にも色々見てから決めるのがおすすめです。

家庭教師に教えてもらう場合

家庭教師は当たり外れが激しいので、十分な学力があり、本当に自分のことを思って教えてくれる人なのかどうかをよく見極めることが大切です。

また家庭教師との勉強時間だけで全ての範囲を学習しきるのは時間的に困難なので、家庭教師は苦手分野を教えてもらったり、自習のコツを聞いたりするのに活用するのが良いでしょう。

通信教育での学習もおすすめ

通信教育の活用を検討することもおすすめです。

特に部活動などで学習時間が満足に取れずに忙しい方は、好きな時間で学習を進められるため、おすすめの選択肢となります。

夏休みで苦手を一気に克服できるコースもあるなど、受講生の状況に合わせた多種多様なコースが用意されているため、自分の状況に合った講座を選んでみるとよいでしょう。

以下の記事では、通信教育各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。

高校生の夏休みの勉強内容まとめ

高校生の夏休みの勉強内容まとめ

  • 部活やバイトと両立できる計画表を作るべき
  • 高1が優先するべき科目は英語と数学
  • 集中できるなら夜型でも良いが、体調を崩さないように注意

高校生が夏休みにするべき勉強について解説しました。

高校生が大学受験に向けて学習すべき範囲は膨大なので、夏休み前には学校の宿題も含めた学習計画表を作り、計画的に勉強を進めることが大切です。

また部活やバイトと勉強を両立させることも大切であり、詰め込みすぎて体調を崩しても意味がないので、程よくメリハリのある学習ができるような計画にしましょう。

学習内容としては1学期の復習を中心に行うべきです。高3に関しても焦って過去問演習に走るのではなく、まずは基礎学習を優先させてください。

なお、より効率的に学習したい場合は、夏休みから通信教育を始めるのも良いでしょう。

以上を参考に、充実した良い夏休みを送ってください。