高校の勉強についていけない原因は?英数の対策法や授業の使い方まで解説!
「せっかく憧れの高校生になったのに、授業に追いつかない」
「予想よりも進度が早すぎて遅れを取り戻せない」
入学してからしばらくすると、こんな悩みを抱えた高校生も出始めるのではないでしょうか?
この記事では「高校の勉強についていけない原因や対策法」について解説しています。
ついていけない自覚や焦りがあるうちは、まだ対処法があります。この記事を読んで、ぜひ成績や順位アップを狙いましょう!
「高校の勉強についていけない原因や対策」についてざっくり説明すると
- 高校の勉強についていけないのは、授業の速さや学習内容が多いことが原因
- 英語や数学は特につまずきやすい教科なので予習復習は必須
- 学校のテストなどと合わせて、外部のシステムを取り入れた学習方法がオススメ
高校生が勉強についていけない原因は?
高校生になると授業のスピードが急速に上がったり、学習内容の難易度も上がったりするため授業についていけない人が続々と出てきます。さらに、中学校までと違い「赤点」という制度もありますから、焦りは大きくなるばかりかもしれません。
しかし、悩んでいても前には進めませんから授業についていく方法や普段の学習ポイントについてご案内します。まずは、「なぜ勉強についていけなくなるのか」という原因の分析から行いましょう。
授業が速く追いつけない
高校生になってまず驚くのが、授業のスピードが非常に早いことでしょう。地域のトップクラスの進学校になると1~2年の間に3年間分の学習内容を詰め込み、3年生では受験対策の授業にシフトする学校も多いです。
そのため、一日に数ページ分の学習をするなど一度の授業で進む分量も多くなり、中学校までの学習感覚で授業に臨むと理解が追いつかない事態になるのです。
中学校まではある程度先生が生徒の理解度に合わせて授業を行ってくれるケースもありました。しかし高校生になると、生徒の理解が追いつかないままでも授業が進められることもあります。
高校の内容は中学より難しい
高校生の学習内容は中学校よりも格段に難易度が上がるのですが、特にそれが顕著なのが英語と数学です。
英語について
英語については、大学受験まで見据えた場合、英単語は授業で扱わない単語も含めて自主的に語彙数を増やさなければなりません。
長文の題材も、中学校までは日常会話やエッセイのような内容の長文も多かったのに対し、高校の題材は社会科学の題材や思想を問うようなかっちりした題材も多く取り上げられます。
数学について
中学校までの数学も苦手意識を持つ人が多いですが、高校数学では「三角関数」や「複素数」「微分・積分」など、抽象的な内容が増えます。問題の本質的な意味が捉えられないと解法すら思い浮かばず、結果的に授業に追いつかないのです。
英語や数学は積み上げ教科ですから、最初につまずくとその後の単元も理解できなくなります。
生徒間の実力差が小さく思ったような成績が取れない
中学校までの公立学校では学区ごとに進学先が割り振られることが多いでしょう。しかし高校からは、入試後に同じくらいの学力を持つ生徒が集まります。
そのため生徒同士での実力差が小さく、中学校までは上位成績者の常連だった生徒でも、高校生になると上位をキープし続けるのが難しいこともあります。
順位が上がりにくいだけではなく、周りも「勉強するのが当然」という雰囲気があるため、特に必死に頑張らなくても上位にいることに慣れていた生徒がここで自信を失ってしまい、勉強に力が入らなくなるケースもあるのです。
悪い勉強法を続けている
「悪い法勉強法」というのは、単純作業だけで勉強した気分に浸るような学習法です。
例えば、ひたすら計算問題を解き続けるような学習方法はおすすめできません。高校の学習では最低限の学力があることが条件であり、その上で自分の弱点の把握やその克服に何が必要なのかを意識し続けた効率の良い学習方法が求められます。
学習範囲も広がり、教科書中心の学習だけでなく大学入試も意識した学習をしなければならないため、無駄の少ない学習方法を心がけなければなりませんが、完璧主義な人ほど、全てをカバーしようとして失敗するケースが非常に多いです。
部活などで忙しい
中学校の部活動は、遅くても6時位には終わる学校が多いのですが、高校生になると部活動の活動時間が長くなる傾向が見られます。当然帰宅時間も遅くなり疲れ切って帰ってくるので、それから学習に集中するのは難しいと感じる生徒も多いでしょう。
週末に勉強をしようと考えていても、頻繁に練習試合が入ったり遠方の学校で行われたりすると、移動だけで時間を取られてしまいがちです。週末でも半日以上部活動で拘束される場合がよくあるので、自由時間は想像よりも少ないと感じることも多いでしょう。
英語・数学はなぜ必要?
「英語が苦手だから、入試に英語がない学校を選べないのかな?」「文系志望なのに数学をやる意味が分からない」
そう感じる人もいるかもしれませんね。ですが大学入学後に英語や数学を使う場面は、案外多いものです。
大学入学後も英語は必須
どの大学であっても、必ずと言っていいほど1・2年の履修科目の中には「外国語」が含まれています。多くの場合、「英語」を第1外国語、第2外国語としてその他の外国語を選択できるようになっていて、第1外国語の英語は必修科目であることがほとんどです。
つまり、英語ができないと大学に入ってから進級できないことがあるのです。
大学院への進学を目指す場合には、外国語の論文を読む力も求められます。その場合はやはり英語の論文に触れる機会が増えますから、長文読解能力を磨いておかないと大学院への進学は厳しいでしょう。
数学の役割が「ツール」へと変化する
中学校までの数学は「計算」が中心でした。ですが、高校数学からは論理的思考ができるかどうかを試される分野が登場します。
例えば、「論理と集合」は良い例でしょう。数式もあまり出てこないので、「これのどこが数学なんだろう?」と感じる人もいるかもしれませんが、ロジカルシンキングの能力を高めるためにはうってつけの教材です。
数学について本格的に学ぶ機会は少なくても、授業の中で数学的手法をツールとして使う授業は非常に多いでしょう。高校の数学は、大学で使うツールの予備学習という側面もあるのです。
苦手意識のある人が多い英語の対策は?
ここからは、特につまずきやすい英語と数学の学習方法のポイントについてご案内しましょう。まずは、英語からです。
英単語は高校英語の基礎
大学入試に向けて覚えなければならないとされている英単語は、高校入試よりも格段に増えます。
センター試験(共通テスト)で5000語前後、私立難関校で6000~7000語くらいと言われています。したがって、ある程度の英単語を覚えないと問題の英文の大意をつかむことすらできません。
市販の英単語集は、単語の収録数をタイトルに組み込んでいるものも多いです。自分が目指すランクに合わせた単語集を選び、「1日あたり50語などまとまった数を覚える」+「何度も繰り返して使用し知識を定着させる」ことを意識して語彙数を増やしましょう。
英文法を覚える
英単語を覚えたら、次は文法を覚えましょう。
文法のバリエーションも中学校までよりも格段に増え、基本の5文型をしっかり捉えられるようにした上で時制や仮定法など様々な知識を組み合わせながら長文を読み進めなければなりません。
英文法はどれだけ覚えたのかが明確に見えにくいので、覚えた気になりやすい分野ですが、文の書き換え問題などの実戦問題が解けないのは文法に対する知識や演習があやふやだからです。
逆に言えば単語と文法がきっちり押さえられれば英語の長文を読む基礎力が身につくということです。英語に苦手意識がある大半の人は単語や文法の学習が追いついていないことが原因なので、この2つをクリアすることで苦手意識が少なくなるでしょう。
長文読解力は授業をうまく利用する
学校の授業では教科書の内容に沿った授業が意識されるため、長文読解が中心の授業が多いでしょう。授業を受ける前に予習するのは当然としても、その際に新出単語調べや和訳をするだけで終わっていませんか?
単語と文法の力がある程度ついたなら、授業の予習に本文構造の分析を組み込んでみることをおすすめします。
授業中は予習の段階で分からなかった文法や単語を確認するのに集中できるので、「授業に追いつかない」と感じる回数はぐっと減ります。
日常的にこのような予習を繰り返していると長文を構造化して読む習慣が身につきます。初めて見る長文でもパニックにならずに対応でき、テストの際には大きなアドバンテージとなるでしょう。
特につまずきやすい数学の対策は?
中学校の数学は比較的日常生活でも利用する事例を中心とした学習だったのに対して、先述したように高校の数学は抽象的な分野が増えるので問題の本質を捉えづらくなります。
中学校までの学習方法で対応しきれなくなった方は、一度今までの学習方法へのこだわりを捨てて、以下の方法をお試しください。
教科書レベルを確実に
学校の授業に追いつかないと感じていたら、市販に出回っている参考書を頼る前にまずは教科書レベルを固めるのが先決です。数学は特に積み上げ要素の強い科目であり、基礎知識が不足していると先の領域には進めません。
例えば二次関数の場合、「平方完成が正しく理解できているか」「最大値・最小値と値域の関係性を正しく理解しているか」などをチェックしてみます。ここが怪しいと感じるのであれば、因数分解や二次関数の知識を中学校レベルまで振り返ってみるのも大切です。
基礎固めは教科書をマスターすれば十分なので、その後はすぐに参考書や問題集を利用して、応用問題ではどのように知識を活用するか学んでいきましょう。
先取り学習で理解度アップ
高校の数学は授業の進み方が非常に早く、1回の授業で数ページ分進む場合も珍しくありません。そのため、先取り学習をして自分の弱点を浮き彫りにしてから授業に臨まないと学習内容や先生の意図がわかりにくく、授業についていけなくなります。
予習するべきポイントとしては
- 例題の読み込み
- 新しい公式の導き方や利用法の確認
- 既存学習領域との関連性のチェック
などが挙げられるでしょう。
ここまでチェックを入れておくと、授業時間は重要事項の確認や問題演習の時間に充てられるので、落ち着いて授業が受けられます。
すぐに答えを見ない
教科書の問題には解答がない場合が多いので、それだけでは予習で問題を問いても答え合わせが授業まで持ち越されます。地元の書店では学校別の教科書ガイドを置いている書店も多いので、これらの教科書ガイドも併用してみましょう。
教科書ガイド使用時の注意点
教科書ガイドを手にするとつい解答ページをめくりたくなるかもしれませんが、まずは自分で解法を考えることが大切です。答えが目に入るとそれだけを注視しがちですが、利用している公式の意図や解法プロセスまで理解できないと応用力は高まりません。
時々「数学は解法パターンを覚えておけばOK」というキャッチフレーズを見かけますが、基礎力が身につかないうちに真似をすると、応用力が伸びないばかりか自分の弱点が見えづらいでしょう。
また、解法パターンは数学全体でかなりのボリュームになるため、結局は定着しないまま解法の知識が抜けてしまいがちです。
基礎力に不安がある人は、計算力はもちろんですが数学的な思考力を高めることに力を入れましょう。
苦手な数学を克服するための勉強法や、実際の問題の解き方まで解説した記事は、以下を参照してください。
難しい高校の勉強のおすすめ勉強法は?
ここまでつまずく原因や学習上の注意点について解説してきました。では実際にはどうやって成績アップに結びつけるのか、具体的な方法についてお伝えします。
予習復習で先取りと定着を徹底する
高校では授業スピードが早く、一度つまずくと遅れを取り戻しにくくなることは既に述べました。少なくとも、予習をして自分がわからない点を明確にしてから、授業中にそれを確認・解消するのは最低ラインだと言えます。
授業を受けてからその日のうちに演習問題などで復習すると知識が定着しやすくなるので、「授業内容の復習」+「次の授業分の予習」をワンセットにして、毎日の学習習慣の中に組み込みましょう。
余裕があれば、授業の進度を気にしないでできるところまで先取り学習を進めておくのもおすすめです。
学校の小テストで良い成績を目指す
定期テストとは別に、「小テスト」を頻繁に実施している学校も多いでしょう。一般入試狙いの生徒には「かったるい」と感じて軽く見る生徒もいるかもしれません。
ですが、出題する先生側の意図としては「ここを覚えてほしい」という重要ポイントを中心に出題するので、結果的に受験勉強の対策にもつながります。
また小テストをペースメーカーとして設定すると、点数を取れれば実力がついて達成感も得られるので、勉強の励みにもなります。学習目標が見えにくくなったら、まずは学校の小テストで良い成績を取ることから始めましょう。
塾を利用する
学校の先生の中には、あまり教え方が上手とは言えない先生もいるのは事実です。生徒とのやり取りに気を取られすぎてカリキュラムを終えるのが遅くなってしまったり、受験対策は生徒の自主性に任せてしまったりする先生もいるでしょう。
一方塾では、長年の経験から生徒が引っかかりやすいポイントを押さえているので、それに合わせた分かりやすい解説をしてくれる塾も多いです。そもそも勉強が苦手な生徒の指導法のノウハウもあるため、長期的観点からもプラスの効果が期待できます。
通信教育がおすすめ
塾のデメリットは、主に以下の2点が挙げられます。
-
高額な費用がかかる
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時間上の制約がある
特に強豪や活動が熱心な部活に参加している生徒は、学校生活が部活動中心の生活になるために非常に忙しく、塾の授業に出られないことも多くなります。
ですがそのような状況を口にすると、「それは言い訳」ときっぱり言われてしまうこともありますよね。そこでおすすめなのは通信教育の活用です。
多くの通信教育は「資料請求」を用意していて、コースの選び方のアドバイスやテキストのサンプルなどを用意してくれることもあります。まずは気軽に問い合わせてみましょう。
以下の記事では、通信教育各社の特徴について詳しく解説しているので、こちらも併せてご覧ください。
「高校の勉強についていけない原因や対策の仕方について」についてまとめ
「高校の勉強についていけない原因や対策の仕方について」についてまとめ
- 高校の学習内容の難易度はやスピードは中学校までと格段に違う
- 苦手教科は正しい予習や復習を徹底することで成績の向上につながる
- 外部のシステムの利用で忙しい人でも効率よく学習する方法がある
高校に進学後思うような成績が取れなかったり、友達と比較して「自分は何でこんなにダメなんだろう」と落ち込んだりする生徒は多いものです。
ですが、最大のライバルは「弱気な自分」です。正しい学習方法を継続していれば必ず成果が出てきますから、まずは受験への第一歩として日頃の学習方法から見直してみましょう!