勉強する時間帯は朝と夜どちらが効率がいい?暗記に最適な学習時間やタイミングを徹底比較
「勉強効率が良いのは朝と夜のどっち?」
「暗記の勉強に最適なタイミングは朝?それとも夜?」
勉強をする時間を朝か夜のどちらがいいのか疑問を持っている人は多いのではないでしょうか?どちらもまとまった時間を作れるので勉強をするのに最適です。
もし、どちらかが勉強をするのに優れているのならそちらに優先させたいと考えている人もいるでしょう。そこでこの記事では勉強効率がいい時間帯はどちらなのかを詳しく解説していきます。
また科目によっては「朝がいい」「夜の方が向いている」というものもあるので、それらについても紹介していきます。
勉強する時間帯は朝と夜どちらが効率がいいかについてざっくり説明すると
- 勉強する時間帯は朝・夜それぞれにメリット・デメリットがある
- 勉強のタイミングによって脳の活動に違いがある
- 運動は勉強効率をアップさせるのに最適
夜に勉強するメリット・デメリット
勉強をするのに最も一般的な時間帯が「夜」です。 食事やお風呂などを終えてまとまった時間帯に勉強をしている人は多いでしょう。
何気なく夜に勉強をしている人が多いと思いますが、実はメリットとデメリットがあるので具体的に説明していきます。
記憶が整理されやすい
夜に勉強をするメリットの1つが記憶が定着しやすいので勉強の効率がいいことです。 実は暗記したものが記憶として定着されるのは睡眠中です。
睡眠すると頭の中は整理されてさまざまな記憶を忘れにくくなります。夜に勉強をするとすぐに睡眠をとるので記憶が定着させやすく効率がいいのです。
もちろん、記憶の定着がスムーズなので暗記学習はおすすめです。暗記が必要な科目を効率的に進めていきたい人は「夜」の時間帯を選ぶのが最もいいでしょう。
外などの周囲が静かで集中しやすい
夜に勉強をするもう1つのメリットは、日中と比べて外が静かなので集中しやすいことです。 例えば子どもが遊ぶ声や車が行きかう音、工事などの騒音などは静まります。
特に夜が深くなれば深くなるほどこの傾向は強くなります。集中して勉強がしやすくなるので勉強効率はグッと高まるはずです。
また、夜は「勉強をするから」と部屋に入ってしまえば家族などに話しかけられることも少なくなります。
さらに学校に行くなどの用事がないので何かに気を取られることもありません。
見たいテレビを予約したりスマホの音を消音したり工夫をすれば勉強の邪魔となるものをシャットアウトできます。
そういう意味でも夜の勉強は優れた時間帯といえるのです。
自分の睡眠時間が減ってしまう
夜の勉強は効率がいいですがデメリットも存在します。その1つが自分の睡眠時間が減ってしまうことです。
勉強のためのまとまった時間を少しでも長く作ろうとすればするほど就寝時間は遅くなるので睡眠時間は必然的に短くなるのです。
例えば今まで10時を就寝の時間と決めていた人の場合、夜に勉強のためのまとまった時間を作るとなるとなかなか10時には寝つけなくなります。
また集中して勉強していると脳が覚醒するので、いざ寝ようと思ってもすぐには眠れないことも考えられます。
このように「睡眠時間は必ず〇時間は欲しい」という人には夜の勉強はデメリットです。
疲労が溜まりやすい
もう1つのデメリットは疲れが溜まりやすいことです。 夜は基本的に1日使い切った身体や脳を休める時間帯ですので、ここからさらに勉強をするにはかなりの負担がかかります。
つまり、疲れ切って休もうとしている脳を勉強のために使うので、脳の効率という意味では非効率です。
下手をすると眠気がある状態で無理やり勉強をするので頭に何も入ってこなくなります。その上、眠りの時間が減るので疲れを明日に持ち越してしまい、勉強の環境をさらに悪化させる可能性すらあるのです。
そのため、無理やり勉強をするのではなく、朝や昼の時間帯に勉強をする方が結果的に効率がいい場合もあります。
この辺りは自分の体調や環境、習慣などを考慮して決めていくようにしましょう。
朝勉強するメリット・デメリット
人によっては「朝」に勉強をするイメージがないかもしれませんが、朝は夜と同様に勉強に適した時間帯です。
今までは夜に勉強をするメリットとデメリットを紹介してきましたが、ここでは朝に勉強をした場合のメリットとデメリットについて解説していきます。
睡眠の直後で頭が整理されている
「朝起きた直後は勉強効率がいい」あるいは「朝は頭が冴えているので勉強がはかどる」こんなことを見聞きしたり経験したりした人は多いのではないでしょうか。
実際朝は勉強効率がいいです。 その理由は睡眠から起きた直後は脳の疲労が抜けていてかなりリラックスした状態であるからです。
また睡眠で情報が整理された直後で無駄なものが一切入っていないので、スッと勉強した内容が頭に入ってきやすいことも挙げられます。
このような状態で勉強をすればお昼や夜に勉強をするよりも容易に記憶を脳に定着させられるのです。
勉強の妨げになるものが少ない
夜と同じような条件になりますが、朝も勉強の妨げになるようなものが少ないことがメリットとして挙げられます。
例えば、4~5時くらいの早朝はほとんどの人はまだまだ活動を始めていない時間帯です。そのため、騒音がほとんどない状態で勉強ができます。
また、テレビやラジオではバラエティー番組など集中の妨げとなるようなものが少ないこともメリットとしてあります。
さらに友達が寝ていることも大きなメリットです。電話やラインなどで連絡が入ることもない時間帯なので突然の着信音で集中が途切れることもありません。
つまり朝は勉強をするためだけの時間帯を作り出しやすいのです。
空腹状態で集中力アップ
「腹が減っては戦ができぬ」と聞いたことがある人は多いと思いますが、実は空腹状態の方が集中して勉強ができるのです。
その理由は空腹時に分泌される 「グレリン」 というホルモンにあります。グレリンは神経細胞を活性化する働きがあるので分泌量が増えれば脳の働きを良くしてくれます。
朝起きた直後は何時間も食事から遠ざかっていて空腹の状態ですので集中して勉強するには最適な時間帯です。
動物をみてみても空腹時は飢餓状態を抜け出すために集中して狩りをしなければなりません。動物である人間も同様で細胞レベルで空腹状態は集中できるようにできているのです。
そのため空腹時である朝に勉強をした方が集中して勉強しやすいのです。
ちなみに夜ご飯を食べた後はどうかというと、この反対です。
満腹になるとセロトニンというリラックスホルモンが分泌されたり消化器官に血液が集中して脳への供給が減ったりして、勉強するための条件としては最悪といえます。
つまり、朝の方が集中して勉強がしやすいのです。
1日の終わりに復習できる
朝に勉強をするメリットは朝に学習したことの復習がその日のうちにしやすいというものもあります。
夜に勉強をした場合はその分の復習は翌日以降になります。場合によってはほとんど忘れてしまった数日後という場合もあるでしょう。そうなるとかなり勉強効率が悪くなってしまうのです。
時間経過に伴う記憶の変化を研究したエビングハウスというドイツの学者によると、人間の記憶は20分後には約42%、1時間後には約56%、そして1日後には約74%も忘れ去られるといわれています。
この研究結果をもとにすれば、復習は学習をしたその日中にはしておきたいのです。
朝起きてすぐに勉強をすれば1日のどこかで復習がしやすいので、記憶の定着が進み効率的に学習ができます。
制限時間を設けて勉強できる
朝の勉強には時間に制限がかかります。実は限られた時間に勉強をすると集中力がアップするのです。
朝早起きして学生なら学校に、浪人なら予備校に行く時間があります。するとその時間までに勉強を終わらせようと思うので自然にメリハリが生まれるのです。
夜は時間に余裕があるのでダラダラとしてしまいがちです。しかし、朝は時間に終わりがあるのでその分集中しやすくなります。
時間に制限があるのはデメリットのようでいて、実はメリハリが生まれて効率の良い学習ができるのです。
中断することで続きが気になる
締め切りがあることで集中できることに加えて、途中で終わってしまった場合は続きが気になるという心理が発生します。
すると勉強のハードルが低くなるので学習を再開しやすくなるのです。このような作用を「ツァイガニクル効果」といい、勉強のやる気を出すのに有効なのです。
切りよく終わるのが理想ではありますが、なかなかそうはいきません。朝はこの効果を意図しようがしまいが、途中で勉強が終わってしまうことが多くなります。
それによって勉強が意外にもスムーズに進められるのです。
ルーティン化すれば毎日の時間を確保できる
朝の勉強は起きることさえできれば、ルーティン化して習慣化できるのもメリットです。
夜は急な予定が入ったりして勉強時間を確保できないことが多々あります。勉強は習慣化することが大切ですので、これは致命的です。
しかし、朝は早起きすれば確実に勉強の時間を作り出せます。つまり、勉強のスケジュールを立てればこれをコントロールしやすくなるのです。
勉強を計画的に進められるかどうかはかなり大切ですので、大きいメリットといえるでしょう。
朝起床できない可能性がある
朝は起きられれば勉強にかなり有効ですが「起きること」がかなり高いハードルとして存在します。
朝はいつでもスッと起きられるという人は少数です。ほとんどの人は朝スムーズには起きられません。
もし早起きして勉強しようと夜の就寝を早めた場合、まったく勉強ができないということにもなりかねないのです。
また夜遅くまで勉強をした場合や疲れなどによるストレスが溜まってくると朝は余計に起きにくくなります。このような悪循環に陥りやすいのもデメリットです。
悪循環に陥るのを防ぐためには「起きたら顔を洗う」「カーテンを開けて太陽の光を浴びる」などのルールを決めるようにしましょう。
そうすれば朝の起床を失敗しにくくなります。
睡眠時間が足らなくなってしまう
朝に勉強をすると決めると睡眠時間が足らなくなってしまう可能性があります。
例えば夜遅くまで勉強をすると朝起きにくくなるので、遅れてしまった分を夜に回してしまうパターンです。
こうするとドンドン朝が起きにくい事態が続くので睡眠時間もそれに応じて減ってしまいます。すると、頭の働きが悪くなるので逆効果です。
朝は「朝に勉強をすること」が大切なのであって、決めた分をできずに次の日に持ち越すことは「悪」ではありません。
予定を持ち越すことを恐れずに睡眠時間を確保するために夜はしっかりと眠ることが大切です。
夜と朝の勉強はどちらが効率が良いのか?
勉強をするのに適しているのは夜か朝なのかで迷っている学生は多いです。しかしここまでに説明してきた通り、どちらの時間帯にもメリットとデメリットが存在しています。
こうしなければならないと勉強をする時間帯にこだわる必要はあまりありません。むしろ、自分が勉強したい科目によって柔軟に使い分ける方が有効です。
例えば、暗記学習は記憶が整理されて定着しやすい夜が適しているので、英語の単語を覚えたり歴史の人物や年号を覚えたりするのが最適です。
一方、朝は頭がスッキリとしているので数学の難しい演習などに取り組むのがいいでしょう。
では、具体的にどのような時間帯にどのような勉強法をすれば勉強のパフォーマンスを最大限に高められるのでしょうか?
以下の見出しで詳しく解説していきます。
時間帯別の脳の働き・勉強法を紹介!
脳は時間帯によって働き方が少しずつ違います。その働きを理解して働きに応じた学習をすれば勉強効率を最大限に高められるのです。
ここでは時間帯による脳の働きと時間帯別のおすすめ勉強法を紹介していきます。
朝から昼にかけての脳の働き・勉強法
朝の脳は1日の中で最も活発に動く時間帯でゴールデンタイムといわれています。
睡眠によって脳は前日の記憶が整理されてクリアな状態で、かつリラックスしている状態です。そのため思考力や集中力がかなり高まりやすい状態といえます。
この特徴を最大限活かしたいのであれば、考えなければ解けないような難解な数学や英語の問題をするのがおすすめです。
ただし、起床後すぐは脳みそが十分に動いていません。脳が覚醒するまでは簡単な計算問題や音読などで徐々にエンジンをかけていくようにするといいでしょう。
昼から夕方にかけての脳の働き・勉強法
お昼以降の脳は起床から時間が経つので少しずつ疲労が見え始めます。また、ご飯を食べた後は血糖値が上昇したり消化のために胃に血液が集中したりする影響で眠たくもなります。
これは生理現象なので仕方がないと諦めて、時間に余裕がある時は昼寝をしてしまうのがおすすめです。その際は深い眠りにならないために15分を目安にすると頭がスッキリとします。
眠気を超えると今度は交感神経やホルモンなどの影響で脳の働きが上昇に転じます。脳に疲れはありますがまだまだ働くので発想力が高まる時間帯です。
このような時間帯は少し難しい問題や国語の論述問題、小論文などがおすすめです。発想力が高まっているので、力を出し切って思っている以上に素晴らしい文章が書ける可能性が高まります。
夜の脳の働き・勉強法
夜の脳みそは1日働いてきたので疲労がかなり蓄積しています。そのため発想力は低下していてクリエイティブな思考は期待できません。
一方で寝る前は記憶を定着させやすい時間帯といわれています。 勉強をするなら英単語や社会科などの暗記系のものがおすすめです。
また、就寝前に勉強したことが翌朝にひらめきやすいともいわれています。そのため寝る少し前に問題に目を通しておくのも有効です。
そうして朝にその問題に取り組むと簡単に解けることがあるのです。
運動は勉強の効率アップにおすすめ?
「勉強が忙しいので運動なんてしている時間がない」と考える受験生は多いでしょう。しかし、実は勉強だけよりも運動を取り入れる方が勉強効率がアップするといわれています。
ここでは運動が脳や勉強効率にどのような作用をもたらすのかを解説していきます。
朝の時間
朝はウォーキングやジョギング、ヨガなどの軽い運動をしながら太陽光を浴びることがおすすめです。
適度な運動と日光によって脳を覚醒させるホルモンであるセロトニンが分泌されるようになります。
また、運動は神経細胞であるニューロンを育てる効果が実証されています。そのため朝の運動は脳の活性化とともに情報処理能力を高めるのに有効といえるのです。
昼の時間
昼に運動をする目的はズバリ眠気対策です。 昼食を食べた後はどうしても脳の働きは低下するので眠たくなります。
適度に昼寝ができればいいですが、できない時は運動をすることで血糖値の上昇を防いで眠気を抑えられるのです。
この時の運動は何も激しいものである必要はありません。15分程度のウォーキングや階段の昇降運動で十分です。
食後は脳の働きを維持するために軽い運動を取り入れるようにしましょう。
勉強に集中するコツや、やる気の上げ方について興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。
暗記の効率アップ法
夜は暗記学習が最適と紹介してきましたが、より効率よく暗記できるようにするにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは暗記効率をアップさせる勉強法を紹介していきます。
睡眠のゴールデンタイムって?
睡眠のゴールデンタイムとは22時から2時の4時間を指す言葉で、最も脳が休息するのに適した時間帯です。
この時間帯に睡眠をとると成長ホルモンが分泌され、脳は記憶の整理をしたり新陳代謝を活発化させたりします。つまり、脳にとってかなり大切な時間です。
もし暗記の勉強をしてからゴールデンタイムに睡眠をとれば暗記の効率を高められます。この時間に睡眠をとりながら勉強時間を維持するなら朝に勉強をするのがおすすめです。
ちなみに、ゴールデンタイムに睡眠をとると脳の疲労もしっかりと回復されます。入試や定期テストは朝に行われるので脳の力を最大限発揮するためにも、この時間帯には寝ておくことが重要です。
十分な睡眠時間を確保する
暗記はもちろん学習を効率的に行うためには睡眠時間をしっかりととるようにしてください。
なぜならば睡眠は脳の疲労を回復するだけでなく学んだことを整理するからです。つまり、睡眠時間が少ないと情報を整理できないので記憶をしっかりと定着させられないのです。
ちなみに、睡眠は90分のサイクルでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。そのため、90分の倍数で起床すると朝の目覚めがスムーズになります。
暗記学習の効率化を図るなら90分を意識して睡眠をとるようにしましょう。
スマホなどの電子機器の使用は控えるべき
睡眠の質を高めて記憶力をアップさせるためには、夜にスマホやパソコンなどの電子機器の使用は控えるようにしてください。
寝る前にスマホなどでゲームや画像などを見るとその情報が暗記学習をした情報をかき消してしまうのです。
また暗記学習の効率を高めるためにはリラックスして睡眠する必要がありますが、スマホの画面などのブルーライトは脳の覚醒を促します。
つまり、寝る前に電子機器を触ることは暗記学習の邪魔をするようなものなのです。
隙間時間の活用
暗記するのに最も大切なことは、繰り返し暗記したいことに触れることです。 たった10分でも構いません。
移動時間などに時間を見つけては何度も暗記学習を繰り返すようにしてください。そうすれば脳に少しずつでも着実に記憶を定着させられます。
もし学校や塾へ向かう移動中にスマホで遊んでいるなら、その時間に少しでも暗記学習をするようにしましょう。
覚えたいことに軽くでも目を通して触れておくことで効率的に暗記学習を進められます。
睡眠と勉強時間の関係性についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
勉強する時間帯は朝と夜どちらが効率がいいかについてのまとめ
勉強する時間帯は朝と夜どちらが効率がいいかについてのまとめ
- 夜の勉強は暗記学習に有効
- 朝の時間帯は難しい問題を解くのに適している
- 勉強は科目によって朝と夜を使い分けるのが最も効果的
- 睡眠はゴールデンタイムを含めてしっかりととることが大切
勉強は夜と朝のうち、どちらが適しているか疑問に持つ人が多いですが、結論からいってどちらも有効な時間帯です。
ただし、睡眠によって脳が整理されて記憶が定着していくので暗記学習が向いています。一方、朝は脳の情報が整理されていて、かつ疲労がない状態なので難しい問題を解くのに適しています。
つまり、科目や学習内容に応じて勉強の時間帯を変えるのが最も効率的に学習ができる方法なのです。
勉強は「時間帯」ではなく、まずは「科目」「勉強内容」に着目して時間帯を選ぶようにしましょう。
なお、睡眠時間はゴールデンタイムを含めてしっかりととるようにしてください。入試や定期テスト期間中は睡眠を軽視しがちですが、睡眠は脳の疲労回復や情報を整理するのに欠かせません。
学習を効率的にするためにも時間が無駄に感じるかもしれませんが、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。
睡眠をしっかりととりながら科目によって勉強の時間帯を選んでいけば、勉強の効率はグッと高められます。