中学生のスマホ所持率はどれくらい?平均利用時間やスマホ利用の際のルールについて紹介!
更新
「どのくらいの中学生がスマホを所持しているの?」
「平均利用時間は?どんなルールを決めるべき?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
昨今は多くの中学生が自分のスマホを所有しています。しかし、スマホを所有することでトラブルに巻き込まれたり、成績が低下してしまうこともあるので、お子さんにスマホを持たせる際は十分な検討が必要です。
今回は中学生のスマホ所持率について、中学生のスマホの平均利用時間やスマホ利用のルール決めなども含めて解説します。
以下を参考に、お子さんのスマホ所有について考えてみてください。
中学生のスマホ所持率についてざっくり説明すると
- 中1・中2は60%、中3は73%
- 関東や近畿は特に所持率が高い
- 中学生のスマホの平均利用時間は2時間以上
中学生のスマホの所持率
スマホを持ち始める年齢はどんどん下がってきており、最近では中学生になる段階でスマホを持つようになるのが一般的です。
中学生のスマホの所持率はどれくらい?
内閣府主導のある検討会が発表した「小中学生ICT利用調査2019」によると、小学6年生及び中学生のスマホ所持率は以下の通りです。
学年 | スマホ所持率 |
---|---|
小学6年 | 27% |
中学1年 | 60% |
中学2年 | 60% |
中学3年 | 73% |
上記より、小学校から中学校に上がるタイミングでスマホを持つようになる生徒が多いということがわかります。
また中学生のスマホ所持率はどの学年でも6割以上です。
地域間でスマホの所持率には差がある
続いてはモバイル社会研究所の2019年9月の調査を元に、中学生のスマホ所持率を地域ごとに見ていきましょう。
地域 | スマホ所持率 |
---|---|
北海道 | 53% |
関東 | 81% |
中部・東海 | 55% |
近畿 | 68% |
中国・四国・九州 | 50% |
上記より、中学生のスマホ所持率は地域によって大きく異なり、関東や近畿では所持率が高くなるということがわかります。
都市圏の所持率が高い理由としては、人口が多い分犯罪に巻き込まれるリスクも高くなるため、安全確保のために子供にスマホを持たせる家庭が多いということが考えられます。
また公共交通機関やデジタル化が発展しているため、電車の時刻や学校の連絡を確認するためにスマホが必要になるという実用的な理由もあるでしょう。
一方で北海道や中国・四国・九州のスマホ所持率は、都市圏に比べると少し低めです。しかし、それでも半数以上の中学生はスマホを所持しているため、やはり中学生には全国的に広くスマホが普及していると言えるでしょう。
子どもがスマホを持つ時期として適切なのはいつ?
果たして子供にはいつからスマホを持たせるのが適切なのでしょうか。以下では小学校・中学校・高校のそれぞれでスマホを持たせる理由を考察し、スマホ所持の妥当性を検証していきます。
小学校のとき
先ほどの「小中学生ICT利用調査2019」によると、小学生のスマホ所持率は3〜27%です。小学生のうちからスマホを持たせる理由としては、以下のような事柄が挙げられます。
- 防犯目的や連絡手段
- 周りの友達がスマホを購入したから
- 共働きのため、帰宅後の子供の様子が気になるから
上記より、小学生の段階では子供の様子を見守るためにスマホを持たせるというケースが多いようです。
中学校のとき
先述した通り、中学生のスマホ所持率は60〜73%です。スマホ所持の理由には以下のようなものがあります。
- 周りがみんな持っているから
- LINEなどのコミュニケーションツールを活用するため
- 部活などの連絡手段で必要だから
- 緊急時の連絡ツールとして
中学生はどの地域でも半数以上が自分のスマホを持っているため、友達がみんな持っているからつられて買うということも十分に考えられるでしょう。
また多くがスマホを持っていることから、部活などの連絡にスマホが用いられることもあり、小学生の段階より必要性自体も高いと言えます。
高校のとき
高校生のスマホ所持率は80%を超えています(日本インフォメーション(株)調べ)。高校生からスマホを持ち始める理由は、以下の通りです。
- 学校や部活の連絡ツールとしてないと不便だから
- 年齢的にネットリテラシーが身についたと考えられるから
高校生は大多数がスマホを所有しているため、クラスや部活の連絡手段として当たり前のようにスマホが活用されます。そのため、スマホがないことによる不便も出てくるでしょう。
また中学生のうちはスマホによるトラブルの危険性が十分に理解できていない生徒も多いが、高校生になればそれが理解できるだけの分別もついているだろうということで、スマホ所持を許可する家庭も多いです。
中学生がスマホを持つメリット・デメリット
ここからは中学生がスマホを持つことのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
中学生がスマホを所有するメリット
中学生のスマホ所有には以下のようなメリットがあると考えられます。
スマホが勉強道具となる
最近はスタディサプリやDMM英会話など、スマホを使った人気の学習サービスも多いです。またスマホがあればネット上の膨大な情報を手軽に入手できるため、学習上の疑問点を解消するのに役立ちます。
さらに政治や経済のニュースをチェックし社会情勢を学ぶことも可能です。
以上のようにスマホには勉強道具としても側面もあります。
安全確認のためのツールとなる
中学校は小学校よりも授業時間が長いので、帰宅時間もその分遅くなります。また部活に入ったり、塾に通う生徒が多くなるため、帰る時間が不規則になることもしばしばです。
さらに部活の遠征や塾の模擬試験などもあるので、行動範囲も広がります。
よって親によっては子供の様子が把握しにくくなりますし、予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性も小学校時代よりは高くなるでしょう。
スマホを持っておけばいつでも連絡が取れますし、緊急時にはGPSを位置確認をすることなどもできるので、安全確認のためのツールとしては非常に便利です。
友達との連絡手段となる
中学生になると多くの生徒がスマホを持つようになるため、LINEなどのSNSを通じた新たなコミュニティも生まれます。
スマホを持っていれば、そのコミュニティに参加して情報を共有することができるようになるため、友達の輪に入りやすくなるでしょう。
また学校や部活のお知らせがホームページなどに掲載されることも多いので、最新の情報を収集するという意味でもスマホは便利です。
中学生がスマホを所有するデメリット
一方で中学生がスマホを持つことには以下のようなデメリットもあります。
SNSに関連した事件やトラブルに巻き込まれる危険性がある
スマホ利用は以下のような危険性を孕んでいます。
- 何気なくゲームに課金していると、何十万円の請求が来る
- SNSやオンラインゲームで知らない人と知り合い、事件やトラブルに巻き込まれてしまう
- 知らず知らずのうちに著作権侵害などの違法行為をはたらいてしまう
このようにスマホを利用したことがきっかけで、大きな事件やトラブルの被害者もしくは加害者となってしまう可能性があるため、十分なリテラシーなしにインターネットやSNSを利用するのは非常に危険です。
成績が下がる可能性がある
スマホを見る時間が長くなれば、その分勉強する時間は減ってしまうわけなので、スマホの使い過ぎが成績の低下を招く可能性もあります。
実際、東北大学と仙台市教育委員会のアンケート調査では、スマホの長時間利用と成績低下の相関を示す結果が出ています。詳細は以下の通りです。
- 自宅学習時間が2時間以上であり、スマホを4時間以上使っている人のテストの平均点は58点
- 自宅学習時間が2時間以上であり、スマホは1時間も使わないという人の平均点は75点
- 自宅では30分も勉強しないが、スマホを一切利用しないという人の平均点は63点
上記より、スマホの利用時間と成績とは反比例の関係にあることがわかります。
またスマホの利用時間が長すぎると、いくらたくさん勉強したとしても十分な学習効果は得られないようです。
視力低下
スマホ画面を長時間見続けると目を酷使することになるので、急激な視力低下に繋がる恐れがあります。また近くにピントを合わせることに目が慣れてしまい、遠くのものが見にくくなることも多いです。
さらにスマホから発せられるブルーライトも目の負担になります。
スマホ依存症
中学生のスマホ利用に関する深刻なデメリットと言えるのが、スマホ依存症です。
スマホ依存になると、普段からスマホを過剰に意識したり、多くの時間をスマホいじりに費やすことで、日常生活に支障をきたすようになります。
以下のような特徴が見られる場合は、スマホ依存症を疑った方が良いでしょう。
- スマホがないと落ち着いていられない
- スマホを買ってから学力が大きく低下した
- スマホに関することがいつも頭から離れない
- スマホゲームなどに必要以上に課金してしまう
なお、Mobile marketing data laboの調査では、男女合わせて約74%がスマホ依存を自覚しているという結果も出ているので、非常に由々しき事態であると言えます。
睡眠不足・睡眠の質の低下
スマホいじりが夜遅くまで続けば、睡眠不足が常態化し、発育や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
またスマホのブルーライトを浴びると、眠りを促すメラトニンという物質が減少するため、夜更かしをしなくても就寝直前までスマホを見ていると眠りが浅くなってしまう恐れもあるため注意しましょう。
睡眠の質が低下すれば、疲れが十分に取れなかったり、学習した記憶の定着が不完全になることもあるので、中学生にとっては健康面と学習面の両方でデメリットが大きいです。
さらに太陽光にも含まれるブルーライトを夜に浴びることで概日リズムが狂ってしまい、朝起きられなくなるなどの弊害が出る可能性もあります。
スマホとガラケーはどっちがいいの?
中学生のガラケー所持率は4〜10%程度なので、スマホに比べればガラケーを持つ中学生はかなり少ないことがわかります。
ちなみにスマホではなくガラケーを持つことのメリットは、機能が限られているため、スマホ利用によるデメリットの影響を受けにくいということです。
ガラケーならスマホに比べてネットやSNSを使う上では不便なので、トラブルに巻き込まれることも少ないでしょう。よってスマホを持つ目的によっては、ガラケーを買うというのも有意義です。
例えば、親と連絡を取るためだけにスマホを買うのであれば、より安全なガラケーを選んだ方が良いでしょう。
一方でLINEやネット検索をすることが念頭になるなら、やはりガラケーでは不便です。
中学生にスマホを持たせる際の注意点
以下では中学生にスマホを持たせる際に注意すべきことをいくつか解説します。
スマホ依存症にならないようにルール決めをする
先述した通り、お子さんにスマホを持たせるなら、スマホ依存症にならないように細心の注意を払わなければなりません。よってスマホを使い過ぎないように、家族内でルールを決めておくのが良いでしょう。
例えば、以下のルールを決めるのがおすすめです。
- スマホ利用の時間制限を設定する
- アプリをインストールする際は親に報告する
- スマホを触って良いのはリビングだけ(自室ではいじらない)
スマホ依存症を防ぐためには、スマホの利用時間を制限するということが非常に有効です。口約束では守られない可能性もあるので、アプリを使って制限するのが良いでしょう。
またアプリ経由でトラブルや事件に巻き込まれることも多いので、アプリをインストールする際は親に報告するというルールを作るのもおすすめです。
アプリのインストール時にパスワード入力を義務付ける設定もできるので、その設定をして親がパスワードを管理するというのも良いでしょう。
さらに親の目がなければいつまでもスマホいじりをしてしまうという中学生は多いため、スマホの利用場所をリビングなどに限定するというのも有意義です。
中学生のスマホの平均利用時間
以下では内閣府の発表を元に、中学生のスマホの平均利用時間を紹介します。スマホ利用のルールを決める上での参考にしてください。
年度 | スマホ平均利用時間 |
---|---|
2014年 | 123.4分 |
2015年 | 118.3分 |
2016年 | 124.2分 |
2017年 | 127.5分 |
上記より、中学生は平均して1日2時間以上スマホを利用していることがわかります。また最近はコロナウイルスの影響で在宅時間が長くなっているので、さらに利用時間は伸びているでしょう。
1日2時間以上というのはかなり長いと言えるので、ルールを設けて平日は30分、休日は1時間程度にとどめるのが理想的です。
スマホを触るのは夜10時までにするのが理想的
先述した通り、就寝前のスマホいじりは睡眠の質の低下を招くので良くありません。そのため、少なくとも就寝1時間前からブルーライトを遮断するのが良いでしょう。
よってスマホの利用時間を制限するなら、夜の上限は10時前後を目安に定めるべきです。
なお、ブルーライトによる視力低下や睡眠の質の低下を防ぐために、ブルーライトカットのメガネをかけさせたり、保護フィルムを貼るなどの工夫をすることもおすすめできます。
家族でルールを決めることの正当性
中学生のお子さんなら、スマホ利用のルールを決めることに反発する場合もあるでしょう。しかし、スマホ利用のルールを決めることには十分な正当性があります。
というのは、一般的に中学生が利用するスマホを契約し、月額料金を支払っているのは親だからです。
よってルール作りに反発されることが予想される場合は、親が契約して所有するスマホを子供に貸与するという前提を予め明確にしておくと良いでしょう。
中にはそうしたことをはっきりさせるために、スマホ利用に関する契約書を作る家庭もあります。
ただし、親が勝手に決めたルールを一方的に子供に押し付けるというのは、子供にとっても良い気はしないはずなので、ルールは家族で話し合ってわだかまりが残らないように決めるのがおすすめです。
その際はお子さんの自立を促すためにも、お子さんが出した意見や提案をある程度は受け入れてあげるのが良いでしょう。
中学生のスマホルールの作り方のアドバイスや依存症にならないための方法に関して知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
コミュニケーションを大切に
スマホいじりに没頭していると無口になってしまうので、スマホいじりの時間が増えると家族や友達とのコミュニケーションは希薄になってしまう恐れがあります。
しかし、コミュニケーションは青少年の健全な発育にとって非常に重要です。子供は親や友達とのコミュニケーションから多くのことを吸収して成長していきます。
そのため、スマホ利用に関するルールには、コミュニケーションの機会を守るような内容を含めるのが良いでしょう。例えば、以下のようなものがおすすめです。
- 家族で夕食を取る時はスマホをいじらず、会話を楽しむ
- スマホをいじりながら人と会話してはいけない
中学生のスマホ所持率まとめ
中学生のスマホ所持率まとめ
- どの学年でも6割以上がスマホを所持
- 部活などの連絡で必要になる場合もある
- スマホ依存症にならないように要注意
- ルールで利用時間を制限するのがおすすめ
中学生のスマホ所持率について解説しました。
中学生のスマホ所持率はどの学年でも6割を超えています。小学6年生の段階では3割に満たないので、中学校に上がるタイミングでスマホを所持するようになるケースが多いようです。
なお、スマホはコミュニケーションツールや勉強の道具などとしては非常に便利ですが、スマホ依存症を含め、スマホ利用による弊害もたくさんあります。
よって家族で話し合い、スマホ利用に関するルールを決めるのが良いでしょう。利用時間を制限したり、コミュケーションを大切にするための決まりを作るのがおすすめです。
以上を参考に、お子さんのスマホ所持について改めて考えてみてください。