仮面浪人は裏切り行為?仮面浪人中の友達付き合いや大学生活まで経験者が体験談を紹介
「仮面浪人は裏切り行為なの?」
「仮面浪人中の友達付き合いはどうすれば良い?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
結論を先に言うなら、仮面浪人は裏切り行為ではありません。しかし、進学先の友達などに対して罪悪感を持ってしまうという仮面浪人生が多いことも事実です。
今回は仮面浪人は裏切り行為なのかについて、仮面浪人中の友達付き合いや大学生活の仕方と共に解説します。
筆者は実際に仮面浪人を経験した当事者なので、参考にしていただけると幸いです。
仮面浪人は裏切り行為なのかについてざっくり説明すると
- 決して裏切り行為ではない
- 本当の友達ならきっと応援してくれる
- 前提として仮面浪人中は勉強に専念すべき
仮面浪人は本当に裏切り行為なのか?
この記事では、仮面浪人を体験し国立医学部に合格した筆者が実際に仮面浪人をしながら感じたことについて書いていきます。
そもそも仮面浪人とは
辞書では仮面浪人は以下のように定義されています。
大学に進学しながら、本来の志望校への入学のため受験勉強を行っている、実質的な浪人生。大学生の仮面を被っている受験浪人。 weblio国語辞典より
また仮面浪人にも、大学に通いながら受験勉強をするタイプと、序盤で大学を休学して予備校などに通うタイプの2種類があります。
前者の場合は、大学で友達を作ったり、息抜きをすることができます。後者の場合は、不合格になっても通う大学があるということ以外は、一般的な浪人生と変わりません。
仮面浪人を裏切りだと思う人の声
仮面浪人をする人の中には、友達が第一志望として進学した大学を「仮の住まい」とすることで、その友達に嫌な思いをさせるのではないかと心配する人もいます。
また大学でできた友達から「この友人関係も仮面浪人と同じく仮初の付き合いなのだろう」「落ちた時の保険として打算的な付き合いをしているのだろう」などと思われるのではないかと不安になる人も多いです。
さらに志望校に合格すれば、一度入学させてもらった大学をやめなければならないこと自体に罪悪感を感じるという人もいるでしょう。
他にも仮面としての大学合格を祝福してくれた先生や、大学で良くしてくれた先輩などに申し訳ないと感じる人もいます。
こうした人たちは総じて「仮面浪人=裏切り」と思ったり、それに似たネガティブなイメージを持っていると言えるでしょう。
仮面浪人は裏切りではない
結論を言うなら、仮面浪人は決して裏切り行為ではありません。
仮面浪人はあまり成功率が高くないので、行為としておすすめできるかというのは別として、仮面浪人をする人は毎年一定数いるので特に問題はないでしょう。
進学先の大学にはきちんと学費を納めるわけですし、特別秩序を乱すような行為さえしなければ、大学にも学生にも罪悪感を抱く必要はありません。
大学を辞めることをなんとなく悪いように思う気持ちは理解できますが、将来のことを考えて「中退」という選択肢を取る人は、仮面浪人生以外にもいるため、そこは自分の希望・未来を優先させるのが良いでしょう。
本当の友達なら応援してくれる
進学先の大学の悪口を言うなど、特別悪いことをしない限り、仮面浪人をしてまで行きたい大学があるという事情や思いは、本当の友達ならきっと理解してくれるはずです。
また仮面浪人を打ち明けて距離を置かれるような友人関係なら、そもそも良い関係とは言えないでしょう。そのような友達とは、たとえその大学にそのまま残ったとしても、決して良い交友関係は結べないはずです。
なお、仮面浪人をして一時進学する大学でも友達が欲しいというなら、その友達が通う大学のことも自分の志望大学と同じように尊重する姿勢が大切になるでしょう。
もし仮の進学先を軽視するような考えを持っていたとしたら、知らず知らずのうちに何気ない発言などで周囲に不快感を与えてしまう可能性があります。
加えて罪悪感があるとの理由で仮面浪人を諦めようと思うなら、その決断によって一生後悔することになるかもしれないということを覚悟しておくべきです。
仮面浪人先の大学で良い人間関係を形成するには
仮面浪人先の大学で良い人間関係を築きたいというのは高望みとも言えますが、数人の親友を作ることは不可能ではありません。
ただし、仮面浪人生は大学生である前に受験生であるため、その本分は何よりも勉強です。そのため、勉強とは関係のないところで欲望や悩みを持つべきではないでしょう。
よって「気の合う友達ができたらラッキー」という程度に考えておき、基本は受験勉強に集中するというのがおすすめです。
友達に対する罪悪感をなくすには
仮面浪人は非常に大変なので、友達付き合いにまで気を配る余裕がないというのもごく自然なことです。
そうした状態の中でも友人付き合いをうまくやっていきたいというなら、きつい状況の中でも周囲に配慮する姿勢が必要になります。
友達を多く作りすぎない
仮面浪人を周囲に打ち明けたいなら、広く浅く友達を作るよりも、信頼できる数人との深い関係を大切にするのが良いでしょう。
またたくさん友達を作りすぎると、大学の居心地が良くなりすぎてしまい、受験へのモチベーションが低下してしまう恐れもあります。
正直に仮面浪人していることを打ち明ける
仮面浪人は案外バレやすいので、信頼できる人には隠さずに打ち明けるのが良いでしょう。本当のことを言わずに付き合いを続けていると、嘘をついているようなものなので、それこそ罪悪感の原因になってしまいます。
もちろん応援してくれない場合もありますが、それならその人との関係もそれまでと割り切るのが良いでしょう。
先述した通り、仮面浪人がわかったことで距離を置かれるような人とは、たとえその大学に通い続けるとしても良好な関係は築けません。
逆に事情を理解し、応援してくれるような場合には非常に心強い支えとなるでしょう。
在籍している大学の悪口を絶対に言わない
仮面浪人の際に通う大学は、もしかしたら自分の母校となるかもしれない大学なので、そこの悪口を言うべきではありません。自分の将来を否定するような発言になってしまう可能性もあるからです。
また何よりもその大学に通う友達を馬鹿にすることにもなってしまうので、悪口を言わない方が良いというのは明らかでしょう。
友達はその大学に通い続ける可能性が高いわけですし、たとえ自分はその大学が嫌いでも、友達にとってはものすごく愛着のある大学という可能性もあるわけです。
もちろんどうしてもその大学のことを好きになれないということはあるでしょうが、そうした気持ちは心の奥にしまっておくのが良いでしょう。
さらに言えば、そうしたネガティブなイメージを持たないようにすることも大切だと言えます。先述した通り、心で思っていることが行動に表れて周囲に不快感を与えてしまうこともあるからです。
受験勉強に集中する
そもそも仮面浪人は勉強時間の確保という点においては非常に非効率な選択なので、勉強以外のことを気にしている暇などありません。
よって人間関係に悩むくらいなら、いっそのことその関係は諦めて受験勉強に集中するのが良いでしょう。
仮面浪人をすることが受験勉強にプラスになるからあえて大学に進学するわけであって、その大学での人間関係が勉強に悪影響を与えるのであれば本末転倒です。
受験勉強に集中できないのであれば、仮面浪人をすることの意義が失われてしまうので、受験勉強を本分とするということだけは絶対におざなりにするべきではありません。
受験中から受験後までの友達付き合い
先述した通り、仮面浪人は決して裏切り行為ではありません。そのため、受験勉強に集中するという前提が守れるのであれば、気兼ねなく友達を作って良いでしょう。
以下では筆者の体験談を中心に、仮面浪人をする場合の友達付き合いについて解説します。
受験中の関係性について
幸いにも筆者の場合は、仮面浪人中に仲の良い友人を何人か作ることができました。彼らは心の底から自分を応援してくれたので、彼らとは現在も交流が続いています。
センター試験や二次試験の前日には、彼らから激励のメールや電話が届き、それが筆者にとっては大きな励みとなりました。それがなければ合格できなかった可能性もあるでしょう。
もしこうした建設的な関係が作れるなら、それは受験を成功させるための大きなプラス要因となります。
もちろん人間関係は水物なので、そうした関係を作れるかどうかは運にもよりますが、一つ言えるのは仮面浪人中でも積極的に友達を作って良いということです。
ただし、うまくいかなかった場合にはあっさり諦めるという心算も持っておかなくてはなりません。
仮面先の大学での交友関係は一生もの
筆者の場合、仮面浪人をしてから3年が経ちましたが、前の大学の友達とは現在も良好な付き合いが続いています。ご飯を食べに行ったり、遊びに出かけることもしばしばです。
大学も学部も違う彼らとの会話はとても新鮮で、普段にはない楽しさがあります。
また同級生とは言え、現在では友達の方が一学年上なので、友達が先に経験することに対して色々と相談ができるということはメリットだと言えるでしょう。
出会った場所にかかわらず、気の合う友達は一生ものであるというのが、仮面浪人から筆者が得た答えです。
仮面浪人経験者が語る仮面浪人を成功させる秘訣や、気になるお金の話に興味がある方は、以下の記事を参考にしてください。
仮面浪人の成功率は10%程度
仮面浪人の成功率は10%程度だと言われています。志望大学に合格できるのは10人に1人なので、確率としてはかなり低いと言えるでしょう。
仮面浪人が難しい理由
以下では仮面浪人が難しい理由をいくつか紹介します。
相対的に勉強時間が少ない
仮面浪人では大学に通うわけですから、予備校に通う浪人生や宅浪生に比べると相対的に勉強時間は少なくなってしまいます。
大学の講義にも出席し、必修科目くらいは取っておこうというつもりなら、勉強時間はかなり削られるでしょう。
よって勉強時間が潤沢にある他の浪人生よりも、不利な状況に立たされることになるのを理解しておくべきです。
そもそも浪人生が現役生よりも明らかに有利であると言える点は、勉強時間が多いことくらいしかありません。浪人の成功率を考えても、それ以外は全て現役生の方に分があると言っても良いでしょう。
仮面浪人はそんな浪人生唯一の長所を自ら壊すようなものなので、ある種トリッキーな選択肢であると言えます。
周りに誘惑が多い
仮面浪人生は大学生の仮面を被った受験生ですが、周りは正真正銘の大学生なわけなので、大学生らしく自由を謳歌することでしょう。
勉強そっちのけでサークル活動を楽しんだり、稼げるバイトを見つけて贅沢を極める者もいるはずです。
仮面浪人生はそうしたある種の極楽を実に身近に感じながら、自分だけは受験勉強をしなければいけません。それはある種の「地獄」とも言えるでしょう。
またその地獄に苦しみながらも勉強を続けられればまだ良いですが、誘惑に耐え切れず途中で諦めてしまうということも十分に考えられます。地獄から極楽に行くのは実に簡単なので、むしろその方が自然です。
よって仮面浪人は総じてモチベーションを維持するのが難しい勉強スタイルだと言えるでしょう。誘惑が少ないという点では、予備校通いや宅浪の方がよっぽどマシです。
10%という数字はどう捉えるのが正解か
仮面浪人の成功率が10%と聞くと、仮面浪人に対してネガティブなイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、それは一面においては正しいですが、他面においては間違いだと言えます。
つまり「仮面浪人の成功率が10%」という現実をポジティブに捉えることもできるのです。
その真意は、浪人生全体の第一志望合格率も10%程度であるという事実にあります。つまり仮面浪人だけが特別に難しいというわけではないのです。
もちろん正確な統計を取れば仮面浪人の方が確率が低い可能性は大いにあるでしょう。けれども、予備校に通ったところで、宅浪を選んだところで合格しにくいということには変わりありません。
それなら仮面浪人のメリット次第では、成功率10%という数字を好意的に受け入れることもできるでしょう。
仮面浪人のメリットは失敗できること
仮面浪人をする一番のメリットは、浪人を失敗できることにあると言えるでしょう。落ちても行く大学があるわけですから、全落ちなら就職の可能性すらある予備校生とは状況がまるで違います。
誤解を恐れず言うなら、仮面浪人はある種の消極主義です。失敗する可能性を予め多分に織り込んでいるからこそ、大学に通いながら受験勉強をするという不自然なスタイルを選ぶのでしょう。
仮面浪人なら落ちても、途中で諦めても良いわけです。その上成功できる確率も10%あるわけですから、できれば行きたい大学があるというなら仮面浪人をする価値は十分にあると言えるでしょう。
応援者に恵まれる可能性もある
筆者のように大学生の友達が応援してくれるという幸運な状況を手に入れられるのは仮面浪人生だけです。
予備校なら周囲と励まし合うこともできますが、彼らはあくまでライバルなので、純粋に応援する気持ちとはまた違うでしょう。
また宅浪なら先に進学した友達が応援してくれる場合もありますが、彼らは受験に成功した元ライバルなので、仮面浪人のように同じ大学に通う友達が心から応援してくれるという状況とは異なります。
フレキシブルに学べる通信教育がおすすめ
仮面浪人の期間中は、大学の授業や友達との交流など様々なイベントに見舞われます。
そのため基本的には好きな時間に好きなように学べる通信教育を利用するのがおすすめです。
通信教育であれば予備校に通う場合と比べて費用を大きく抑えられますし、自分の対策したい科目だけを受講することもできるので、経済面や学習効率の面から見ても最適と言えるでしょう。
なお、完全に独学で仮面浪人をするのは学習方針を見失う可能性が高く、適切な対策ができない場合も多いので避けるべきでしょう。
通信教育の詳しい情報は下記の記事で詳しくまとめていますので、こちらも併せてご覧ください。
仮面浪人は裏切り行為なのかまとめ
仮面浪人は裏切り行為なのかまとめ
- 罪悪感を持つ必要は一切ない
- 進学先の悪口を言わないように気をつける
- 受験勉強には進研ゼミなどを活用するのがおすすめ
仮面浪人は裏切り行為なのかについて解説しました。
仮面浪人は決して裏切り行為ではありません。大学にはきちんと授業料を払っているわけですし、本当の友人なら応援してくれるでしょう。
ただし、仮面浪人生の本分は受験勉強なので、友達付き合いにはあまり期待するべきではありません。良い友達ができたらラッキーというくらいに思っておきましょう。
また仮面浪人を周囲に打ち明け、応援して欲しいなら、彼らが通う大学の悪口を言うことは絶対にしてはいけません。
以上を参考に、仮面浪人をするかどうか検討してみてください。