【小・中学生向け】効率の良い漢字の覚え方は?暗記のコツや送り仮名の苦手克服法も解説

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「漢字の勉強はどのようにするのが一番良いの?」

「効率のいい漢字の覚え方があるなら知りたい!」

このようにお考えの方も多いのではないでしょうか?

小学生や中学生にとって、漢字の勉強には得手・不得手があるものです。得意な子供には楽しい分野かもしれませんが、一度苦手意識を持ってしまうとなかなか克服できないですよね。

そこでこの記事では小中学生にとって効率のいい漢字の覚え方について、詳しく解説していきます。暗記のコツや送り仮名の覚え方など、漢字への苦手意識を克服する方法もご紹介します

ぜひ最後まで読んで役立ててください。

効率の良い漢字の覚え方についてざっくり説明すると

  • まずは「読む」ことを心がけると、意味から漢字を頭に入れることができる
  • 練習量は多ければ良いというものでもないので、写し書きは数回でOK
  • 自分でテストを作って解いてみると、記憶に残りやすい

小・中学生向けの漢字を覚える方法

喜ぶ子供

小中学生はどのように漢字を覚えていけば良いのでしょうか。

漢字を覚える方法について、基本的な内容をご紹介します。

まずは読む

小中学生が漢字を覚える方法として、まず「読む」ことが非常に大切です。特に小学生は読めない漢字がかなり多いと思いますので、どのように読むのかをしっかり教えてあげてください

大人でもそうですが、読めない漢字や熟語をそのまま暗記しろと言われても無理ですよね。

もし漢字でイメージできなければ、アラビア語のように日本人にとって馴染みのない言語で想像してみるとわかりやすいです。意味や読み方を知っているのとそうでないのとでは、全く違うと思います

大人も子供も、意味がわかる言葉だからこそ、書けるようになります。まずは読んでみて、どういう意味で、どう発音する漢字なのかを知るところから始めましょう。

書き写す練習は、その後にしてください。

指でなぞり書きする

漢字の読み方がわかったら、書く練習に入ります。

最初から鉛筆を持って書きたくなる方も多いと思いますが、まずは指でなぞり書きをするところから始めましょう。指でなぞり書きをすることで、指先の感覚から脳に刻まれやすくなります。

画数を数えながら、ハネやはらいなども、指で確かめるようにしていきましょう。画数などは口で唱えながらなぞり書きをすると、喋った音声が耳からも入ってくるので、より記憶に残りやすくなります

読み方がわかっている漢字なら「見た」経験もあるということです。目で見たことがある文字を書けないことはないですので、何度か練習していけば漢字をマスターする手前まで行くことができるでしょう

実際に数回だけ写し書き

指でのなぞり書きの後は、鉛筆で「数回だけ」写し書きをして、書く練習をしましょう。

ノートのページを埋めるような数を練習する必要はありません。あくまでも数回の練習としてください。

指でのなぞり書きをすれば、漢字の書き方は大体覚えられています。その状態であまりにも多くの回数を練習してしまうと、ゲシュタルト崩壊を起こしてしまい、漢字を漢字として認識できなくなることがあります。

適当に10回練習するよりは、しっかり丁寧に数回だけ書き写すほうが記憶に残ります

何度も繰り返し練習するのは、テスト前の確認の時だけで十分です。普段の漢字練習で大量に繰り返すことはおすすめしません。

漢字が覚えられない時の暗記のコツ

勉強する子供

どうしても漢字が覚えられない時は、どうすればよいのでしょうか。

漢字を暗記するためのコツをご紹介します。

自分でテストして送り仮名まで確認

漢字を覚える方法として有効なのが「自分で作った問題でテストをすること」です。

まずは、テスト範囲内の漢字を使った例文を考え、ひらがなで文章を書きます。漢字にすべきところには線を引いて、横に答えを書けるスペースを作りましょう

その後、ドリルなどを見ないようにして「テスト」をします。送り仮名も含めて漢字を書き、全て答え終わったら正解を確認して、丸つけをしましょう。この時、止めやハネなどもしっかりチェックしてください。

この方法なら、自分でテストを作る過程で漢字をしっかり確認することになりますし、さらにそれを解くことで確認にもなります。

記憶を定着させるためにはかなり大きな効果を発揮することでしょう。

苦手な漢字を繰り返す

自作のテストを解いてみて、どうしても書けない漢字は、本人にとって「苦手な漢字」です。

こうした漢字はそれだけ抜き出してもう一度テストを作って解いていくと、複数回の練習につながります。先ほどご紹介した内容と同じように、テストを作って解き、答え合わせをしていきましょう。

逆に、最初のテストでしっかり正解できていた漢字は、何度もテストをしなくても良いです。

こうした過程で作ったテストは、学校のテスト本番前にもう一度使うとさらに記憶を定着させられます。何度も使えるようにするためにも、テストは複数枚コピーを取っておくと良いでしょう。

1つの漢字ばかりに集中しないように注意

漢字を覚える方法として重要なのが、「1つの漢字ばかりに集中しないこと」です。

エビングハウスの忘却曲線という話があるのですが、人間は一度覚えたことを時間経過とともに徐々に忘れていきます。そのため、記憶を定着させたい物事は、一定期間を置いてから何度も覚え直すことが重要です。

1つの漢字を一度に何十回も練習しても、その時は強く覚えているかもしれませんが、時間を置けば忘れていってしまいます。

数回練習をして、時間を置いてもう一度まとめて復習していったほうが、漢字を覚える方法として効率が良いと言えるでしょう。本人も勉強していて楽しいと感じられるはずです。

要素ごとの意味を捉えて克服する!

漢字は、「へん」「つくり」「かんむり」などの部位に分かれています

こうした組み立て方のしくみや部首の意味を知っていくと、漢字の本質から理解が進むため、記憶の定着に役立ちます

例えば体に関する漢字は、部首に「にくづき(月)」がつくことが多いです。なぜ「肺」という漢字に「月」がつくのかなどは、こうした部首の意味を知ることで子供自身も納得できることでしょう。

音とつくりは連動している?

漢字は、部首だけでなく「つくり」の部分にも意味があります。

「つくり」の部分は漢字の発音に関係していることが多いです。このことに気付くと、漢字を覚える方法が一気に楽に感じられるでしょう

例えば「注」と「柱」という感じは、訓読みはそれぞれ異なりますが、音読みではどちらも「ちゅう」と読みますよね。

これは、「つくり」の部分が同じことに起因しています。これは他の漢字の多くにも共通しているルールなので、この法則を知っておくことで漢字をスムーズに覚えられます

漢字を効率よく覚えるポイントは?

笑顔の女の子

漢字を覚える方法には、より効率よく覚えるためのポイントがあります。

基本的な覚え方をマスターしたら、こちらの方法も試してみてください。

小学生なら読書で漢字力アップ

先ほど触れたように、小学生が学校で習う漢字は、読めないと覚えにくいものが多いです。逆に言えば、知っている言葉に使われている漢字は覚えやすいですよね

効率よく漢字を覚えるためには、普段から読書をすることを心がけることをおすすめします。小学生向けの本には日常生活でよく使う言葉が多く出てきますので、語彙力を上げるにはもってこいでしょう。

読めない漢字が出てきた時には、読み方を先生や親御さんに質問してくることもあるでしょう。その際、語彙力がつくだけでなく新しい漢字を覚えるきっかけにもなります。

ぜひお子さんが興味を持てる本を探してあげてください。

中学生なら意味を調べる

中学生が習う漢字は、小学生の頃とは違って複雑になり、意味も難しくなってきます。大人でも一瞬わからないと思うレベルの漢字も出てきますので、単に読み方を覚えるだけでは対応しきれないこともあるでしょう

中学生の場合は、「意味を調べる」ことを主体にして漢字を学んでいくことをおすすめします

辞書を引く過程で脳が活性化されて記憶に刻まれやすくなりますし、何度も繰り返し調べることでより強く覚えることができます。

難しい言葉の意味がわかるようになると読解力が上がりますので、国語全体の成績も上がっていくことでしょう。数学や社会など、文章題が多い他の科目にも良い影響が出ることは間違いありません。

漢字を分解するなどして写経作業にしない

小中学生の中には効率よく宿題を終わらせるために、漢字を分解して写経のように書いてしまう子供がいます

例えば、「肺」を「月」と「市」に分けて、最初に「月」だけを10個書き、その後で隣に「市」を10回書いてしまうというような形です。

ノートに「肺」が10個ある状態ですのでで宿題としては完成しているのですが、漢字を覚えるためには全く役に立ちません

外国人が初めて漢字を書こうとすると、正しい書き順で書くことができませんが、ある程度漢字に慣れている日本人なら、初めて見る漢字でも書き順が何となくわかったりするものですよね。

漢字に慣れ親しむためには、学習を始めた段階でいかに正しく書けるかが大切です。手に漢字を馴染ませるためにも、1つずつ、正しい書き順で練習していくようにしましょう。

書き順には拘らなくていい?

ある程度漢字を覚えてきたら、大体の書き順が正しければ問題ありません。書きやすいように書いていきましょう。

とは言え、書き順というのは「書きやすいように」設定されているものです。漢字の書き順がテストで出題される場合もあるので、まずは書き順通りに書いてみましょう

漢字の苦手克服におすすめの教材はある?

一生懸命勉強する子供

どうしても漢字が苦手な子供には、どのような方法で漢字を覚えてもらえば良いのでしょうか。

漢字を覚える方法として有効な教材をご紹介します。

教科書の音読が有効?

先ほども触れたように、語彙力をつけることは漢字を覚える方法としてかなり効果があります。

語彙力をつける方法としておすすめなのは、音読をすることです

音読をすると国語力だけでなく読解力も上がると言われていますし、自然と「漢字を読む」力もついていきます。漢字と言葉の音(発音)の関係性を直感的に理解できるようになるでしょう

学校の教科書はその時に覚えるべき漢字をしっかり含んでいるため、漢字の復習にも効果があります。音読をするなら、まずは国語の教科書から始めると良いでしょう

小学生のうちに教科書をスラスラ読めるようになっておくと、中学以降も教科書を読むことが得意になりますよ。

中学受験しないなら学校の教材で十分

もし中学受験をする場合は、覚えるべき漢字の数が普通の小学生よりも多くなります。

塾に通っている場合は塾で漢字の対策も行ってくれますが、特に漢字を苦手とするお子さんの場合は、受験用の漢字参考書も併用して補填することをおすすめします

受験用の漢字参考書は、普通よりもレベルが高い漢字をたくさん扱っていますし、熟語の学習もできます。受験レベルの国語力をつけたいなら、ぜひ活用したい参考書です

中学受験をしない場合は、学校の教材で十分でしょう。無理に難しい漢字を覚える必要はありません。そのまま学習を続けていけば、中学や高校でも漢字は習いますので大丈夫です。

国語力を総合的につけるための通信教育

漢字のみならず文章読解・作文力強化を行いたいと考えている場合にはそれに特化した通信教育がおすすめです。

漢字を上記のような方法で覚えた後には、作文などで実際に効果を実感したいですよね。

漢字をたくさん覚えるということは自分の表現できる語彙が増えるということでもあります。

国語教育を含めて、小学生におすすめの通信教育についてはこちらの記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

効率の良い漢字の覚え方まとめ

効率の良い漢字の覚え方まとめ

  • 漢字はまず読めるようになることが大切
  • 語彙力をつけるためには読書や音読もおすすめ
  • 写経のようにただ写すのではなく、意味や書き順も考えながら練習しよう

漢字は学校のテストの成績を上げるためにも大切ですが、大人になってから日常生活や仕事でも非常に重要な意味を持ちます。

ぜひ、小中学生のうちにしっかり漢字を覚えて、大人になった時に困らないようにしましょう

どうしても漢字が苦手な人は通信教育を利用するなどして、しっかり克服していってください。