勉強中の休憩は大切?現役東大生が受験生に休憩方法や休憩時間を伝授!
「勉強中に休憩していいのか?」
「どういう休憩が適切なのか?」
といった疑問のお持ちの方は多いと思います。
休憩は適度にとることが一般的です。また効果的な休憩をとるためには、いくつかの休憩方法の中から選ぶ必要があります。
そのため今回は休憩の必要性から適切な休憩のタイミングや具体的な休憩方法まで解説いたします。
これを読んで勉強の効率を上げていきましょう。
勉強の休憩についてざっくり説明すると
- 集中力持続のためには休憩は必須
- 休憩には適切な時間とタイミングがある
- 勉強の休憩方法は非常に多い
勉強中の上手な休憩の取り方を現役東大生が解説
勉強中「休憩を取りたい」と考える方は非常に多いと思います。
実は、その休憩も適切な時間・方法で取らなければ無意味になってしまいます。
そこで今回は効果的な休憩のタイミングや時間について解説していきます!
90分に1回は最低でも休憩が必要
皆さんは人間の集中力はどれくらい続くものだと考えますか?
精神科医・樺沢紫苑(かぶらさわ しおん)氏の「神・時間術」では「15・45・90の法則」が解説されており、これによると人が深い集中力を持続可能なのは15分程度、子供でも集中力を保てる時間は45分、集中力を保てる最大時間は45分×2の90分であるといわれています。
また、近年の研究によると集中力には波があることが明らかにされており、波に合わせ30分~90分に1回は休憩をはさんで脳を休ませてあげる必要があることが分かっています。
加えて、東京大学薬学部薬品作用学教室教授の池谷裕二によると60分勉強して休憩する子供と15分学習して休憩するのを3セット繰り返す子供では後者の方がパフォーマンスが高かったという結果も知られています。
集中していない状態や眠気と戦っている状態で、勉強をするのはとても非効率なのは上記のことから分かります。
そのため15~90分の中で、自分が集中できる時間を見つけて、休憩をとるようにしましょう。
単純な問題なら時間で、難しい問題なら量で
休憩のとり方としてはここで主に2種類紹介します。
1つめが「〇時▲分まで勉強したら休憩しよう」というような時間ベースの休憩方法です。
2つめが「●ページの問題まで解いたら休憩しよう」といったような問題量ベースの休憩方法です。
筆者としましては、あまり頭の使わなくて済む計算問題や暗記科目の時には、手もしっかりと動かし集中力が持続しやすいので、時間ベースの休憩方法がおすすめです。
反対に、頭を存分に活用し悩みながら試行錯誤を繰り返して解くような難しい問題の場合は、リラックスして問題と向き合うことが必要とされるので「ここまで解き終わったら休憩」といったように問題量ベースの休憩方法がおすすめです。
このようにただ時間ベースの休憩などをとるのではなく、自分が今向き合っている問題の内容に応じて、休憩のとり方を変えることで休憩の効果を存分に発揮することができます。
コンディションに合わせて休憩の時間やタイミングを変える
皆さん勉強している際に、その日その日によって「集中力の継続時間が違うな」と思ったことはありませんか。
それは当たり前のことです。
人間なので集中力の継続時間は体調などの要因によりその日ごとに長かったり短かったり変化していきます。
その中で、「今日はあまり集中できない日だな」などと感じた際にはこまめに休憩をとるなどした注意が必要です。
特に昼食後や夕食後などのタイミングは人間の脳の中で、神経ペプチドの1種であるオレキシンの分泌が抑制されるために眠くなってしまいます。
皆さんもご飯を食べた後に、どうしても眠くなってしまう経験があると思います。
そういったときには無理に勉強せずに休憩することが大事です。
休憩時間やタイミングの例
休憩の時間やタイミングには様々ありますが、今回はその代表例について解説いたします。
まず1つめがポモドーロ法といわれるものです。
これは25分勉強して5分間の休憩をはさむといったもので、非常に有名なのでやったことのない方はぜひ実践してみてください。
ただこちらの休憩タイミングには欠点があります。実際の大学入試などの試験時間は80分や90分と非常に長いものが多いです。もし普段の勉強時間が25分で慣れてしまっていた場合、試験中集中力が持続しないことがあります。そのため高校3年生以外の方におすすめです。
2つめが50分勉強して10分間休憩するというもので、学校の授業時間に合わせた休憩方法となっています。
こちらの方がポモドーロ法よりは勉強時間が長いので集中力を高めたい方などにはおすすめです。
どちらにせよ、自分に合った適切な休憩時間をとると非常に効果的です。
受験期は志望大学に合わせて
ポモドーロ法のところでお話ししたように、大学入試などは試験時間が非常に長いので集中力を長時間持続させる必要があります。
そのため受験期の高校3年生や浪人生などは、自分が受けようと考えている大学の試験時間に合わせて休憩のタイミングを設定するのがおすすめです。
例えば、数学の試験が150分で休憩15分挟んで次に英語の試験なら、150分数学を勉強して15分の休憩をとって英語の勉強に移るといったものです。
これを行うメリットとしては、本番の集中力を鍛える訓練になり、入試本番の試験中に集中力を切らさずに臨むことができ最高のパフォーマンスを発揮することができることです。
自分の受けたい大学の試験時間については、赤本などを参照すれば簡単にわかりますので、ご確認ください。
ツァイガルニク効果
次にご紹介するのが、ある学者が提唱した心理効果です。
説明の前にみなさんの中に、勉強がある程度切りのいいところまで終わらないと休憩に入ってはいけないと考えている方はいませんか?
実はいまから解説する心理効果は、こういった考えを覆したものです。
旧ソ連の心理学者であるブルーマ・ツァイガルニクが提唱した「ツァイガルニク効果」といものがあります。
この「ツァイガルニク効果」というのは、きりの悪かった出来事や未達成のままのタスクは人間の記憶に残りやすいといったものです。
そのため、勉強に関して、きりが悪くても未完のまま休憩に入るほうが「休憩明けから再開しないと」と勉強を再度始めやすいので、自分が決めた分量を終えることができなくても疲れたから休憩することは悪いことではありません。
逆に疲れたり、眠かったりするのに「決めたところまでは終わらせないと」とむきになって勉強をし続けるほうがかえって効率が悪かったりします。
適切なタイミングに休憩をとって勉強の効率を上げていきましょう。
勉強中の上手な休憩方法を現役東大生が解説
上記では休憩の時間やタイミングを中心に説明してきました。
次からは現役東大生の筆者が試してきた具体的な休憩方法を紹介していきます。
いくつか休憩方法を紹介しますので、自身に合う休憩のとり方を見つけてください。
勉強の合間に睡眠をとる
まず最初に「勉強の合間に適度な睡眠をとる」という休憩方法を紹介します。
勉強をしていればどうしても人間の脳は疲れていきます。そこで無理やり勉強し続けるのではなく、疲れた脳をリセットするために15分程度を目安に睡眠をとることをおすすめします。
睡眠をとることは脳を休めるのに最も効果的な方法であり、授業中に寝てしまったことのある人ならば、その気持ちよさや起きた時のすっきり感、なぜか目が覚めた後の授業では高いレベルで集中できてしまったという経験がある人も多いでしょう。
このように疲れた時に適度に睡眠をはさむことで、非常に高いレベルでの集中を持続させていくことができます。
ただ1つの注意点としましては、長時間睡眠はおすすめしません。
休憩後また勉強を再開させたいと考えている場合には、長い時間寝てしまうと起きてから覚醒するまでに非常に長い時間を必要としてしまい、結果的に効率が落ちてしまう可能性があります。
自分に合った適切な睡眠時間を見つけ、勉強の効率アップを図りましょう。
勉強と睡眠時間に関する詳しい内容が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
外で運動をする
次に紹介する休憩方法は「外で運動をする」といったものです。
勉強は基本的に屋内でするもので、疲れてくると気分的に晴れないという経験がある方は多いことでしょう。
そういったときにおすすめしている休憩方法がこの「外での運動」です。
この運動というのは身体を疲れさせるようなつらい運動ではなく、ジョギングやウォーキングなど軽く汗を流すようなものがおすすめです。
軽く汗を流すことで気分転換でき、勉強を再開した時に再び集中することができます。
1時間の中でたった5分程度歩き回ることで副交感神経が優位になり、リラックスできることも研究から明らかになっています。
また有名な哲学者であるカントなども散歩を愛していたことで知られており、思考が煮詰まった時には散歩が効果的であることがよくわかりますね。
疲れて気分が晴れないといったときには、コンビニに買い物に行くなど、ちょっと外に出るだけでも気分転換に効果的ですので、自身にあった運動・散歩の程度を見つけましょう。
勉強の合間に瞑想する
次に紹介する休憩方法は「勉強の合間に瞑想する」というものです。
まず皆さん「瞑想」と聞いてどういったイメージを抱きますか?
もしかしたら宗教チックで、身近なものではないと感じる方がいるかもしれません。
しかし、この「瞑想」には非常に素晴らしい効能があり、脳をリラックスさせてストレスを緩和させることなどが可能です。
Googleでもマインドフルネス瞑想法が取り入れられており、パフォーマンス向上のための方法として実践されています。
またプロのスポーツ選手でも試合が始まる前に精神統一のため取り入れている方が多いことで有名です。
またやり方としては、一番有名なのが目を閉じて丹田に力を込めて吐き出すといった方法ですが、自分に合うオリジナルの方法でも問題はありません。
加えて、長時間瞑想を行う必要はなく毎日数分程度の継続にも価値があると考えられており、自分が続けていける無理のない範囲で実践してみてください。
好きな音楽を聞く
次に紹介する休憩方法が「好きな音楽を聞く」というものです。
勉強の合間の休憩で好きな音楽を聞くことで、疲れた脳をほぐしリラックスすることができます。
この際、好きな曲だけでなくクラシック音楽などリラックスできるBGMなども非常に効果的です。
勉強中に音楽を聞いている方もいますが、効果がある人と逆効果になってしまっている人がいます。
作業用BGMなどを勉強中に聞く分には、勉強に支障はありませんが、自分の好きな曲ばかり聞いているとそちらに気をとられてしまって勉強に集中できなくなってしまうこともあります。
音楽を聞いてリラックスをするときには、音楽を聞くときと聞かないときメリハリをつけ、イヤホンなどをすることで周りに迷惑をかけないといったことがポイントです。
自分が今まで聞かないジャンルの曲で、高い集中力を発揮できることもあるため、自分に合った音楽を見つけてみてはいかがでしょうか。
飲み物を飲んだりお菓子を食べる
次に紹介する休憩方法は「飲み物を飲んだりお菓子を食べること」です。
勉強で脳を酷使すると、脳は水分や甘いものを欲します。
そこで水を飲んだりお菓子で糖分を補給するのは非常に効果的です。
また体の水分量低下は集中力の低下などに大きな影響を及ぼすので、こまめな水分補給は必須です。
ガムなどの口の中がすっきりとするものを食べたり、散歩がてらでコンビニにお菓子や飲み物を買いに行くことはかなりの気分転換になるのでおすすめです。
トイレに行く
次に紹介する休憩方法は「トイレに行く」というものです。
こちらは休憩と断定できるかは微妙ですが、トイレに行くために立ち上がる動作やトイレに行ったついでに顔を洗うなどは気分転換につながります。
また排泄を通して体にたまったものを出してすっきりすることができます。
トイレを我慢して勉強を続けるのは、身体にとって悪影響であることに加えて、勉強にもあまり集中することができないのでおすすめしません。
トイレは好きなタイミングで行くことができるので、非常に手軽な気分転換方法です。
シャワーを浴びる
次に紹介する休憩方法は「シャワーを浴びる」といったものです。
この方法は自宅で勉強している際にはできますが、塾などで勉強している際にはできない方法です。
疲れた時や煮詰まってしまった際に、1度シャワーを浴びることによって気分を切り替えることができます。
また暑い夏などの季節では、行水なども可能で、自分の好きなように試してみてください。
掃除する
次に紹介する休憩方法は「掃除をする」といったものです。
皆さんの中に勉強中に突然掃除をしたくなったという方はいませんか?
ここではその掃除を休憩中に行うといった休憩方法で、部屋を掃除すると気分がすっきりし、気分が晴れるので結果的に勉強がはかどりやすくなることが考えられます。
また勉強に集中することができないのであれば、あえて少し時間をとって部屋の掃除に時間を使うことも問題ありません。
ただ注意していただきたいのが、くれぐれも勉強の合間だということを忘れないでください。
掃除に時間をかけすぎてしまい、結果的に勉強する時間がないといったことがないように気を付ける必要があります。
休憩中のスマホや漫画・テレビはやめよう
次に紹介するのはやってはいけないNG休憩方法です。
それは「休憩中のスマホや漫画・テレビ」です。
このスマホ・漫画・テレビというは目を酷使するコンテンツです。
ただでさえ勉強で小さい文字を見て目を使ってきたのにこれ以上目を疲れさせるのは避けた方が良いです。
また人間の自制心というのは弱いもので、ただの休憩という名目でこれらを使用していても、やめられなくなる可能性が非常に高いです。
目を疲れさせることもあって百害あって一利なしだと考えられます。
このように休憩といっても、良い休憩と悪い休憩がありますので自分で良い休憩を選んでいけるように普段の休憩から気を付けましょう。
勉強の休憩についてまとめ
勉強の休憩についてまとめ
- 人の集中力の持続時間は短いため休憩は必須
- 自分のコンディションに合わせて休憩時間とタイミングを変えるべき
- 勉強の合間に睡眠や運動など適切な休憩方法を選ぶ必要がある
- 良い休憩と悪い休憩があるので注意すること
今回は適切な休憩の時間から具体的な休憩方法まで解説しました。
休憩を入れるタイミングは人それぞれですが、25分勉強して休憩するのが一般的です。
また具体的な休憩方法としましては、睡眠から運動また瞑想するなど様々な方法がありますので、その中から自分に合う適切なものを選ぶことが大切です。
今回の記事を参考に、適切な休憩を勉強の合間に組み込むことで、普段の勉強をより効率よくしていきましょう。