センター試験廃止で浪人できない?大学入試の変更点や浪人すべきかを徹底解説!

「センター試験が廃止されるとどんな影響があるの?」

「浪人生は大学入学共通テストにどんな対策をとればいいの?」

これから大学入試を控えている人はこのような疑問・悩みを抱えているのではないでしょうか?今までセンター試験対策をしてきた人にとっては深刻な問題です。

この記事では、センター試験が廃止されて大学入学共通テストに変わったことによる影響や変更点、さらに共通テストの対策について詳しく解説していきます。

また今後大学入試では志望校のために浪人すべきかどか、その場合不利になってしまうのかについても説明します。

一生に影響を与える分岐点で失敗しないように、この記事を参考にして正しい選択をできるようにしてください。

センター試験廃止による浪人生への影響についてざっくり説明すると

  • 試験問題や時間などが大きく変わる
  • 2024年からの新課程には要注意
  • 共通テストは新しいテストであるが浪人生でも対策は可能

センター試験廃止で浪人生はどうなる?

新聞で情報を集めている画像

「センター試験の対策をしていたのに、急に廃止されたら浪人生はどうしたらいいの?」

急に大学受験の対策の変更を迫られて、不安になっている人は多いのではないでしょうか?

実際2020年度から従来のセンター試験が廃止された後に導入される「大学入学共通テスト」は問題形式や試験時間などが変わることが予定されています。

現役の人は学校で対策ができますが浪人生はそうはいきません。

ここからは具体的にどのような変更・影響があるのか説明していきます。

共通テストとセンター試験の違い

共通テストになると今までとはどんな違いがあるのか、最も気になる部分だと思います。大きな違いは以下の3点です。

  1. 記述式問題が導入される

  2. 試験時間が長くなる

  3. 英語民間試験の活用が検討されている

それぞれについて説明していきます。

記述式が導入される

共通テストに変わることで最も大きな違いは記述式が導入されることです。

今までのセンター試験はすべてが選択問題で構成されていました。しかし共通テストでは記述式が加わるので根本的な変更といえるでしょう。

ただし当初国語には80~120文字の記述、数学には数式の穴埋めなどの出題が予定されていましたが、それらは見送られました。

採点者が確定しなかったり採点ミスのリスクが高かったりしたことが問題視されたためです。

試験時間が長くなる

2020年度の共通テストでは記述式は採用されませんが、今後採用される場合は試験時間が長くなる見通しです。

例えば国語は記述式が導入されていれば20分ほどのプラス。数学に関しては10分程長くなります。

記述式に関しては2020年は見送りが決定しましたが、今後については決して中止が決まったわけではありません。

2021年度以降は記述式が導入されて試験時間が長くなる可能性はかなり高いです。また、2024年度以降は理科や社会についても記述式の導入が予定されています。

よって国語や数学以外の科目も記述式導入に伴って試験時間が長くなる可能性は高いといえるでしょう。

新課程などのタイミングは問題形式も変更しやすく、試験時間も延びやすくなります。引き続き「記述式」の問題には注意が必要です。

民間試験が導入される

文部科学省の当初の予定では共通テストでの英語科目は廃止し、英検やTOEIC、TOEFLなどの民間試験を導入して一本化する予定でした。

しかし東京大学や名古屋大学など名だたる国立大学が利用しないことを表明したことや違う種類のテストをフェアに比較することができるのかどうかなど、クリアにできない問題が出てきました。

それによって2020年度の共通試験では民間試験の導入を見送り、引き続き英語を採用することが決まっています。

英語の試験は2021~2023年度の移行期間を経て、2024年度からは外部試験に一本化される予定です。

記述式と同様にどのように変化してくかはわかりません。

ただし、民間試験に変更される可能性が強く残っているので、もし民間試験採用となれば大きな変化になるといえるでしょう。

共通テストは浪人生に配慮しない

共通テストへの変更は浪人生に大きな影響を与える可能性があります。その理由は公式な見解として共通テストでは浪人生に考慮しない旨が明言されているからです。

現状の浪人生はセンター試験の対策を2回繰り返せば効率的な対策ができました。

しかし、現在の浪人生はセンター試験よりも難易度が高く形式も違う共通テストの対策を独自にしなければなりません。

一方の現役生は学校で組織的な対策が行われます。そのため、時間や経済的に余裕がない浪人生は、共通テストへの対策ができず不利になってしまうのではないかと懸念されています。

センター試験廃止により浪人できない?

結論からいうと、センター試験が廃止されても浪人を恐れる必要はありません。

その理由は市販の対策教材でも十分に対応できるからです。何も特別な教材をそろえたり教育を受けたりしなくても対策がとれるので、浪人でもそれほど問題はないといえるでしょう。

また試行調査の問題は公開されているので受験しなかったことによって不利になることはほとんどありません。

つまり今年がダメなら、来年志望校のために浪人になるという選択肢は「あり」であるといえるでしょう。

今の高3生は大学受験で浪人すべきか

現役の高校3年生は第一志望のために浪人すべきかどうか迷っている人もいるかと思いますが、それほど問題はありません。

ただし、今の高校3年生は浪人になると共通テストの影響をもろに受けます。

例えば、センター試験なら過去問がたくさんありましたが、共通テストは過去問が1年分ない状態になります。

また、まだ出題形式なども定まっていないので数年は形式がぶれたりボーダーが変動したりする可能性があるのです。さらに、1次試験・2次試験における配点など心配な要素はたくさんあります。

しかし、共通テストに関してはセンター試験と同じ形式のマーク式の問題が数多く出題されます。他にも出題範囲は増減がなく比率やボーダーの変化は全受験生で等しいです。

現役の高校3年生が浪人になったからといって何か不利になるようなことはありません。つまり、浪人になっても共通テストの影響に心配することはないのです。

2024年からの新課程に注意

最大の注意点は2024年度からの新課程です。

今までにも2015年度や2016年度のセンター試験では新課程に対応した範囲に変更されています。今回も今までと同様に共通テストでは2024年度から新課程に対応される見込みです。

もし新学習指導要領を履修していない人は2024年度に受験する場合、不利になる可能性があります。

具体的には2022年からプログラミングや情報セキュリティの基礎などの「情報Ⅰ」が必修になりましたので、これを学ぶ必要が出てきます。

これらは試験範囲が変わったレベルではなくまったく新しい分野ですので、2024年度以降に試験を受けるとなるとかなりの対策が必要です。

他にも英語の外部試験や理科や社会の記述式問題などへの対策も必要となってくるので、2024年度の試験を受けることになった場合はかなりの注意が必要となるでしょう。

2020年度の大学入試の傾向

グラフなどが載った画像

「共通テストが導入される2020年度はそれぞれの大学の傾向はどうなりそうなの?」

一般入試を考えている人はもちろん、推薦入試での入学を目指している人も2020年度の大学入試はどんな傾向にあるのか気になるのではないでしょうか。

実は今までとは大学入試の様子が少し変わっている可能性があります。実際に入試の傾向にどのような変化がありそうなのか具体的に説明していきます。

かなり有益な情報をお伝えしていきますので参考にしてください。

浪人生が少ないチャンスの年

2020年度の試験は浪人生が比較的少ないので、現役生にとってはライバルが少なく戦いやすく有利な年です。

その理由としては2019年度は、2020年度からセンター試験が廃止されて共通テストになるということで、テストが変わってしまう前に大学に入学しようと考えた人が多かったのです。

ここまで説明してきた通り、テストの様式が変わってしまうと今までの対策では通用しない可能性がありました。

実際は英語の民間試験は見送りとなり記述式も採用されていません。つまりライバルが少ない上に試験は従来通りなので、かなり戦いやすいのです。

2020年はチャンスの年と考えて一発で合格できるようにしっかりと勉強をして挑んでいきましょう。

私立大学が難化傾向

ただしすべての大学でチャンスが広がったわけではありません。私立大学では難化していく可能性が考えられるのです。

その理由は私立大学で定員の厳格化が進んでいくためです。今までは定員を大きく超えるまで受験生を合格させていました。

しかし文部科学省が定員を大幅に超えた大学へは補助金を交付しないというルールを厳格化したので、定員を順守する必要が出てきたのです。

そのため関東なら日東駒専やMARCH、関西なら関関同立や産近甲龍を中心に都市部の人気大学は難易度が上昇していくことが考えられます。

一発で大学受験を合格するためには都市部だけでなく地方の大学にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

推薦入試枠は拡大しない

国立大学や公立大学の推薦入試枠に関しては増えない可能性があります。 ここ最近は拡充傾向にありましたが国公立大学は定員を削減しなくても補助金を受け取れる状況です。

また推薦入試は一人一人をじっくりと選ぶためにコストがかかるので積極的に拡充しないと考えられるのです。

都市部の私立大学とは少し事情が異なりますが、国公立大学も推薦入試に関しては余裕があるわけではありません。

浪人生のライバルが少なくなるからといって油断することがないようにしてください。

センター試験からあくまで変化は少ない

2020年度の共通テストに関してはセンター試験とそれほど大きな変化はないので、大きく混乱する必要はありません。

当初は記述式のテスト形式や英語の民間試験の導入などが検討されていましたが、結局は目玉の部分の多くが見送りとなりました。

つまり「今までのセンター試験からマイナーチェンジした」程度に受け取ることができます。

ただし、国語は大問4題に変更されたり、数学は何通りかの解法や証明問題の穴埋めなど数学への深い理解が求められたりします。

試験全体では変化は少ないですが科目によってはそれぞれに合わせた変化が必要です。

センター試験から共通テストへの変更に恐れる必要はありませんが、慎重に対応するようにしてください。

浪人生むけの共通テスト対策法

勉強している少女と少年の画像

「浪人生でもそれほど心配はないといっても、共通テストにどのような対策で挑めばいいの?」

テストに大きな変化はないといっても浪人生は現役生と比べて対策ができない可能性があるので不安になるでしょう。

そこでここでは浪人生向けの共通テスト対策法を詳しく解説していきます。

試行調査の問題を繰り返す

浪人生の共通テスト対策としておすすめのものは試行調査の問題を繰り返すことです。

試行調査の問題は共通テストの疑似問題であり、過去問のような存在でもあります。また、大学入試センターが公式に出している問題でもあります。

つまり当日の試験でも似たような問題が出題される可能性がかなり高いのです。共通テストには「どのような傾向があるのか」「出そうな部分はどこなのか」ある程度絞ることもできます。

試験の前には何度も繰り返して問題を解いて対策を練るようにしましょう。

なお、試行調査の問題や解答用紙などは大学入試センターの公式サイトからダウンロードできます。まだ手元にない人はすぐにダウンロードして解いてみるようにしてください。

センター試験の過去問を解きまくる

共通テストはセンター試験とは別物ですが、センター試験の過去問を解くことは有効な対策の1つです。そのため試験の前は繰り返しセンター試験の過去問を解くようにしてください。

試行調査の結果を分析するとセンター試験と共通テストの問題は非常に似ていて、基本的な傾向は同じと予測されます。

英語なら文法問題がなくなるといわれていますが、必要な文法力や語彙力などはセンター試験と変わりません。

つまり問われ方が違うだけで求められる力は同じなのです。そのためセンター試験の過去問で力をつけることは有効な対策といえるのです。

市販の問題集や通信教育・予備校を活用する

今までと変わらない部分ではありますが、市販の問題集や通信教育を活用するのが有効です。

共通テストは試行調査の問題はありますが、あくまで過去問はありません。そのため共通テストの傾向を分析して作られた市販の問題集は有効な教材です。

またプロによる解説を見聞きできる通信教育や予備校はさらにおすすめです。問題へのアプローチ法や効果的な勉強法などを教えてもらえます。

ただし、市販の問題集や通信教育・予備校はどれでもいいわけではありません。テストで力を出し切るには自分に合ったものである必要があります。

いろいろ試してみて自分に合ったものを活用するようにしてください。

通信教育各社の情報については、以下で詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。

センター試験廃止による浪人生への影響についてのまとめ

センター試験廃止による浪人生への影響についてのまとめ

  • 浪人生でもそれほど大きな影響を受けることはない
  • 受験生が例年よりも少ないのでチャンスはある
  • 浪人生は試行調査の問題やセンター試験の過去問を解きまくる
  • 共通テスト向けに作られた市販の問題集や通信教育を活用するとよい

センター試験の廃止によって対策を十分にとれない浪人生は不利になるのではと不安に思っている人は多いです。

しかし、浪人生だからといって不利になることはほとんどありません。 例えば記述式の問題や英語の民間試験導入などは見送りとなりました。

センター試験は廃止されて共通テストに変わったものの、ほとんどがマイナーチェンジに収まったのです。

一方メリットに目を向けると、今年は大学入試がチャンス出もあります。例えば昨年はセンター試験が廃止される前に入学してしまおうと考えた人が多くいました。

つまり、ライバルが少ないので入試が有利なのです。しかし、共通テストは対策が十分にとれないのも事実です。

そのため試行調査の問題やセンター試験の過去問を解きまくって、しっかりと対策をとりましょう。

なお、「対策をとってもどうしても不安が残る」という人は通信教育を考えてみてください。プロの教育を受けられるので現役生並みかそれ以上の対策がとれます。

センター試験廃止は決してピンチではなくチャンスです。最高の結果を出せるためにも、今からしっかりと対策をとっていくようにしましょう。