高校物理は独学できない?難しい理由や効率の良い勉強法を東大生が解説!
「高校の物理って独学で克服できるの?」
「高校の物理には正しい勉強方法ってあるの?」
高校の物理はかなり難しい内容なのでこのように勉強の仕方に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
実際受験のために参考書を読んでいるが独学ではまったく歯が立たないという人もいるでしょう。
しかし、正しい勉強方法を取り入れれば高校物理に対しての苦手意識をなくして成績をアップさせることは十分に可能です。
この記事では「高校物理の独学は可能なのか」や「独学に失敗する要因・成功する方法」について、実際に物理の苦手を克服して東大に合格した筆者が詳しく解説していきます。
苦手を克服して得意に変えるヒントが詰まっています。高校物理に行き詰まりを感じている人はぜひ読み進めてください。
高校物理は独学可能かどうかについてざっくり説明すると
- 高校物理の独学は可能
- 数学の基礎知識がないと失敗する
- 基礎からみっちりやれば怖くない
高校物理の独学は難しい?
「高校物理って独学でも対策できるの?」
高校物理は難しいので独学はなかなかできないと思っていませんか?確かに物理学は難しい科目の1つです。しかし、決して1人では何もできない科目ではありません。
正しい勉強方法でアプローチすれば独学でも前進することは可能です。ここではどのように勉強していくのがいいのか説明していきます。
独学でも物理対策は可能
高校物理は難しいですが独学で受験に成功することは可能です。 物理に限らず、どの科目であろうとも基本的に独学で身に付けることは可能です。
では、なぜ物理が難しいと感じるのかというと「数式を多用する」からです。数式は見ただけでは理解できないので、「難しい」になるのです。
しかし、「難しい」も基礎からしっかりと足固めをして応用へと進めていくことで意外とできてしまいます。
当たり前のことですが、基礎から応用という勉強の流れを作ることで独学でも勉強ができるのです。
まずは最初のステップで挫折してしまわないようにすることが大切です。基礎をしっかりと理解するために、物足りないくらい簡単で解説がわかりやすい参考書から始めるようにしましょう。
それから勉強を始めることで「いわれているほど難しくない」と抵抗なく勉強を進めていけます。
予備校・通信教育との違いは?
高校物理は予備校や通信教育を利用することがおすすめです。なぜなら最も大切な基礎をプロ講師の力を借りることでスムーズに演習までできる力を身につけられるからです。
予備校の場合は、プロの講師のライブ授業で緊張感を持って学習を進められる点や、わからないポイントを直接質問できる点が魅力的です。
ただ、通う校舎ごとに講師の質が異なるパターンも想定されるため、予備校での学習をご検討されている方は、ぜひ一度体験授業などを受けて指導の品質を確かめてから受講を決めるようにしましょう。
一方、通信教育の場合は複数の講師から自分に最適な講師の授業を受けられる点や、忙しい方でも学習を進めやすい点がメリットです。
ただ、モチベーション面に関しては独学同様自分でしっかり管理する必要があることから、その点は予め注意しておく必要があります。
独学はポイントを押さえてからがおすすめ
物理の独学を成功させるポイントは、基礎をしっかりと理解することです。
物理はある現象がどうして起こっているのかについて理解しなければ先には進められません。
しかし、基礎とはいえ他の科目と比べて理解するのにはかなりの時間がかかってしまい大変です。そのために挫折してしまうのです。
物理は基礎といえども理解にかなりの時間がかかるものと理解して、じっくりと学習を進めていくようにしましょう。
式の立て方や図の書き方などは基礎的な部分であるが、予備校や通信教育なら講師が実際に作成して教えてくれるので覚えやすく十分に理解できます。
基礎中の基礎をどれだけ正しく理解できているかが今後の応用力を左右し得点力を上げられるかに影響してきます。
最初の学習は非常に重要な部分ですので、予備校や通信教育を受けることがおすすめです。
物理は大学受験でも重要
意外かもしれませんが、物理は理系受験生にとって得点源となるので大学受験でかなり重要な科目です。
物理は基礎をしっかりと固めておけば応用が利くので、ある程度のレベルまで到達すれば安定的に点数を上げやすくなります。
ただし、物理は国語や生物などと違い部分点は期待できません。間違えると0点ということもあります。
そのために、間違えやすい部分を理解してミスを犯すリスクを低くすれば受験で高得点を取ることも可能です。
物理に苦手意識を持っている人は多く、思うように得点を重ねられずに落としてしまっています。
仮に点数を上げられるようになればどんな大学にも通用する大きな武器になりますので、ぜひ得意分野にしておきましょう。
高校物理が難しい理由や苦手な人が多い理由を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
独学が失敗する原因は?
「高校物理を独学で失敗する人がいるのはどうして?」
物理で失敗する人は多いので、原因が何なのか気にいなる人もいるのではないでしょうか。
実は物理を得意とできるか苦手にして失敗してしまうかには大きな要因があるのです。
ここでは物理で失敗しないために失敗してしまう原因について紹介していきます。
問題集の丸暗記をする
「問題集では正解できるのに他の問題になった途端にできない」
こんな人は多いのではないでしょうか。この原因として挙げられるのが、問題集を丸暗記してしまっているだけの可能性です。
すでに説明した通り、物理では基礎を理解することが大切で、問題集を解く時は解法を理解できているかが大きなポイントです。
ところが正解にだけこだわって解答を暗記してしまっていると、他の問題に遭遇した時に肝心な部分を理解できていないので解けなくなります。
物理の独学で失敗しないためには式や問題文を丸暗記するのではなく、解法やその現象が起こる原因をしっかりと理解するようにしましょう。
理解できるまで繰り返し問題集を読んで解くことが独学を成功させる秘訣です。
数学の知識がない
物理には数式がたくさん出てくるので数学の知識がないと失敗してしまいます。 三角比や二次関数、微積分などはすべて数学の知識がベースにあります。
例えば、運動量や力積の関係、単振動の問題は微積分の理解があれば公式の理解がスムーズです。二次関数は物体の自由落下運動で放物線を描く時に利用する知識です。
数学の知識がないことで物理の学習が行き詰まるのは時間の無駄になりますので、事前に学習をしておくようにしましょう。それだけでも物理に対する認識を変えられます。
計算力を軽視してしまう
物理では計算力を軽視している人も失敗しやすくなります。 なぜなら、物理の計算式を作り出せても途中の計算でミスしてしまうケースがあるからです。
また、多くの問題はそれぞれがつながっているので最初で計算ミスをしているとすべてを間違う羽目になってしまいます。
つまり、計算力がないことは致命的であり、決して軽視できない力です。計算する力は少しずつでも鍛えていくようにしましょう。
解説の質が低い問題集を使う
解説の質が低い問題集を使っていることも独学を不可能にします。 物理は現象が起こる原因を理解することが大切ですが、解説が粗悪だと理解するまでに至らないケースがあります。
それでは知識を身につけられません。質の悪い問題集の特徴としては以下のものがあります。
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解説を読んでも状況がわからず、どうしてそうなるのか理解できない
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必要がない問題が多数掲載されている
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重要な問題がどれなのかわかりにくい
手元にある問題集の解説が今一つと感じた時は、速やかに他の問題集に移るようにしましょう。質の高い問題集をやった方が理解のスピードも上がり力もついていきます。
分かりにくい参考書・問題集は切り上げる
物理を独学でやるなら、わかりにくい参考書や問題集に当たった時はすぐに他のものに変えるのは鉄則です。
予備校や通信教育などで講師に直接教えを乞うわけにはいきません。手元にある参考書や問題集が先生ですので、その質によってすべてが決まります。
わかりにくいと感じたらその時点で他に移らないと前進は止まってしまいます。
塾などと比べれば参考書などはそれほど高いものではありません。勉強効率をアップさせるためにも「もったいない」と思わずに、1ページ目でもすぐによいものに変えていきましょう。
意味がわからず公式を使っている
物理は問題によっては意味が分からなくても公式を当てはめるだけで解けることがあります。しかし、それでは受験の物理は解けません。
物理では公式の背景に現象の理解があります。つまり、数学以上に公式を理解することが大切なのです。
公式の現象理解ができることでようやく応用問題にも自力で解けるようになっていきます。
例えば、「単振動なら速度が0である単振動の端に物体がある時、かかっている力は最大である」などは感覚と実際の物体の速度とでは異なる点がたくさんあります。
公式ではなく、減少などの基礎的なこと・公式の背景を理解することが物理では何よりも大切なのです。
独学で成功するための勉強法
「物理の勉強を独学で成功させるためにはどんな勉強の仕方があるの?」
こんな疑問を持つ人は多いでしょう。独学では勉強が遠回りしがちにです。ここでは最短ルートの勉強方法を紹介していきます。
実は基礎から学ぶのが最短ルート
物理の勉強法の最短ルートは基礎を徹底的に学んで根本的に理解していくことです。
物理は暗記が少なく計算が多い科目ですが、公式を覚えれば解ける問題だけではありません。それが通用するのは基礎的な問題までです。
根本的な理解がなければ先に進めないので、やり過ぎと思うくらい基礎を学習して「理解」に重きを置くようにしてください。
一見遠回りのようですが、これが最も効率的で最短ルートです。
公式の背景がわかてきた段階で標準レベルにいって、最終的に入試レベルの応用問題を解くようにしていきましょう。
問題集はまず標準レベル1冊を繰り返す
基礎を徹底的に学んだら、次は標準レベルの問題を繰り返し解くようにしてください。参考書や問題集をいくつも買って1回だけやって部屋の隅に積んでしまうのは最もおすすめできません。
なぜなら、それではどこが大事な部分なのかがわからなくなってしまうからです。
実は問題集はどれもだいたい同じような問題が載っています。そのため、1冊を何度もやって仕上げる方がコスパも理解度も上がります。
物理を独学でも得意にする秘訣は、自分に合った問題集1冊をとことんまでやり切ることです。
いろいろなものをやってよくわからなくなるよりも、「これ」と決めた1冊をやって理解力を高めていく方が学習の成功率を高められます。
標準レベルのマスターが偏差値を上げる近道
偏差値を上げるためには、難問に挑戦して解かなければならないと考えてしまいがちです。
しかし、実は標準レベルの問題をマスターすることで偏差値はグッと高められます。そして難関大学の入試問題でも合格点をしっかりと取れるようにもなります。
なぜなら、難易度が高い問題は出題の後半にしか出ない上に、部分点でも十分得点を稼げるからです。
つまり、超難問を解くよりも標準的な問題を繰り返しいくつも解いて、応用力を高める方が得点をアップさせられて偏差値も高められるのです。
応用は基礎の上に存在しているので、基礎・標準レベルを徹底的に学んで理解していくようにしましょう。それが学習の近道になります。
問題は必ず最後まで解き切る
物理の学習を成功させるには、問題を最後まで解き切ることが大切です。行き詰まる人は答えを出す方針を立てたことに満足して次の問題に移ってしまいます。
物理は「正しい答えを間違いなく導く」ことが大切です。途中の計算を面倒と思わず、最後まで計算して解き切るようにしてください。
実は、計算力を鍛えておくと解くスピードが上がるので結果的に点数や偏差値のアップにつながります。もちろん、時間的な余裕も持てるようにもなります。
慣れたら応用に入る
標準レベルの問題集に慣れてきたら応用問題集に挑戦していきましょう。
実は物理の応用問題はそれほど難しいものではありません。むしろ基礎を覚えていく方が大変なのです。
物理の基礎力を高めてきた人なら応用問題も十分に解いていけます。また、物理に関しては応用問題集を解くことで十分に入試レベルにも上がっていけます。
無理をする必要はありませんので、余裕が出てきた段階で応用問題にも進んでください。
スケジュールを組んで学習
物理の勉強は計算問題など面倒な問題が多いので、敬遠しがちになります。そのため「今日は何問解く」などとスケジュールを組んで学習することが大切です。
また、勉強の仕方としては基礎問題は基礎を理解するためにもわからなければすぐに解答を見ても構いません。
しかし、標準問題や応用問題は時間が許す限り、先生に聞いたりじっくりと考えたりして解くことがおすすめです。
基礎レベルはある種暗記学習の部分があります。しかし、過去問や入試レベルの問題では考え方を理解する必要があります。
こうすることで自力で解き切る練習ができ、物理への理解力も高められるのです。
独学におすすめな問題演習の仕方・参考書は?
「独学に使える問題集の仕方は?」
独学なら問題集や参考書の仕方が大切な要素です。また、どの参考書を使うかも見逃せません。
そこでここでは問題集や参考書の使い方やおすすめのものを紹介していきます。
まずは基礎的な参考書を使う
物理の参考書は基本的なものから使うのが鉄則です。簡単なものから始めて「物理は難しそう」などの悪いイメージを払拭していきます。そのためには簡単なものから始めるのが一番です。
おすすめは教科書レベルの問題や傍用問題集で得た理解をさらに補えるようなものです。ここでは2つ紹介します。
- 大学入試 漆原晃の 物理基礎・物理[力学・熱力学編]が面白いほどわかる本 単行本
著者は代々木ゼミナールの物理講師である漆原晃氏で、知識がゼロからでも読めるように構成されている参考書です。
ページは320ページとボリュームがあるが、イラストによる対話形式で進められるので読みやすいのが特徴です。
評判は高いですが値段は1,430円と他の参考書とほとんど変わらないので、コスパに優れた参考書といえます。
- 宇宙一わかりやすい高校物理 力学・波動 単行本
学研から出版されている評判の高い参考書です。左ページは解説、右ページはイラストによる図解という初学者でも読みやすい構成になっています。
ゆるいキャラクターが描かれているので「物理の参考書」としての抵抗感をなくしてくれます。しかし、重要な要素は詰まっているので読むだけでも価値がある参考書です。
ページ数は508ページとしっかりと内容があり、値段は1,628円とお手頃です。
学校の教材でも対策できる
高校物理は学校の授業がわかりやすく配布物などできちんと基礎を固められているなら、それだけでも十分対応できます。
しかし、少しでもわかりにくい箇所が出てきて理解できなければ、すぐに参考書を買って理解することが必要です。
基礎の基礎は案外軽視しがちですが、物理ではここが何よりも大切ですので油断せずに学習してください。
慣れたら標準・応用問題集へ
知識が定着してきたと感じたら次は標準・応用問題集です。 質がいい問題集は全国の難関大学レベルの問題が載っているので、かなりのレベルアップが期待できます。
ここでは質がいい問題集を2つ紹介していきます。
- 2020 実戦 物理重要問題集 物理基礎・物理
数研出版から出版されている問題集で、ページが320とボリュームがあるのが特徴です。
標準問題が中心の構成になっていますが応用問題も出題されているので、基礎から難問までしっかりと取り組めます。解説は洗練されていると評判はいいので、おすすめです。
- 名問の森物理
河合出版から出版されている問題集で、ページ数は224です。
この問題集の特徴はさまざまな視点から出題されているので、今までにない問題に挑戦できます。考える力がつくので、最後の問題集としておすすめといえます。
ただし、応用問題が中心ですのである程度レベルがアップしてから解くのがいいでしょう。
過去問を確認する
物理の勉強は基礎からしっかりとやることが必要ですが、勉強だけでなく志望校の過去問から出題傾向を分析することも必要です。
どのような出題や単元が多いのかがわかれば、勉強の仕方も工夫できます。
基礎固めはもちろん演習もだいぶ終わっているなら、時間を測って実際に過去問を解いてみるのもいいでしょう。
今の自分ならどれくらいできるのか、また合格には何が足りないのかがわかります。さらに、計算スピードや問題の理解力などを知る手掛かりにもなります。
試験までに必ず過去問を解いておくようにしてください。
通信教育や予備校で基礎から学ぶ
物理の学習をするなら通信教育や予備校がおすすめです。
予備校の場合は、基礎を理解できるまで講師が親身になって指導をしてくれますし、緊張感を保って学習を進められます。
通信教育なら通学時間等も必要ありませんし、映像講義を通して基礎からしっかりとわかりやすく説明を受けられます。
両社とも、基礎だけでなく応用の学習も対応してくれるので、基礎固めだけでなくその先の学習にも活用可能です。
以下では、通信教育各社の情報や予備校や通信教育の違いについて詳細に解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
高校物理は独学可能かどうかまとめ
高校物理は独学可能かまとめ
- 高校物理は基礎にしっかりと時間をかけるのが学習の近道
- 基礎ができれば標準レベルの問題集を繰り返し行うとよい
- 質のよい問題集・参考書を手元に置くことも大切
- 独学で確実に成果を上げるなら通信教育がおすすめ
高校物理を独学する時のポイントは、基礎を中途半端にせずに時間をかけて理解しきることです。
基礎はいい加減にして先に進みがちですが、ここに時間をかけることが近道になります。
基礎が固まってきたら次は標準レベルの問題集を解いていきます。問題集は「1冊終われば次」と買いたくなりますが、同じ問題集を繰り返し解くのがポイントです。
同じ問題でも繰り返し解くことで理解を深められます。なお、問題集は質のよいものを選んでください。この記事ではおすすめのものを紹介していますので、その中から選べば間違いありません。
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