大学の浪人率ってどれくらい?浪人生の多い大学や東大・慶應の浪人割合まで紹介!

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「大学の浪人率ってどのくらい?」

「東大や慶応を受験した人の浪人の割合も知りたい!」

このようにお考えの方は多いのではないでしょうか?

大学浪人は本人の問題ですが、日本全体で見た浪人の割合も気になりますよね。特に偏差値の高い大学の浪人率を知りたい方は多いのではないかと思います

そこでこの記事では大学の浪人率をはじめ、特に浪人生の多い大学についても解説していきます。

これから大学受験をする方だけでなく、今浪人生として頑張っている方にも役立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

大学の浪人率についてざっくり説明すると

  • 大学受験の浪人率は、全国平均で約20%
  • 東大や京大など偏差値の高い大学は、学部によって4割近い浪人生がいることもある
  • 浪人したからと言って必ず志望校に合格できるわけではない
  • 浪人する時は期限を決めておくのがおすすめ

大学受験における浪人率は約20%

ディスカッションする学生

大学受験は高校受験よりも難易度が高く、受けた大学全てに落ちてしまうこともありえます。そのため、大学受験の際はどうしても「浪人するかしないか」を考えてしまいますよね。

実際、大学受験で浪人する人は多いです。進学校では、高校生活は思い切り楽しんだ上で、卒業後に浪人して大学受験に挑戦するのも選択肢の一つになっていることもあります。

そこで気になるのが浪人生の割合です。日本全国で見た時に、どのくらいの人が大学浪人を経験しているのでしょうか。

まずは大学合格者全体から見る浪人生の割合を見ていきましょう

浪人の割合は減少傾向にある

文部科学省が発行している「学校基本調査」によれば、令和元年度の大学入学者数は631,273人でした。

その中で18歳での入学者数は489,984人、19歳以上の入学者数は141,289人ですこの「19歳以上」の部分が浪人生ということになります

上記から現役生の割合を求めると「77.6%」となりました。対して浪人生は「22.4%」です2割強の合格者が1年以上の浪人生活を経た上で大学に入学している計算になります

実は、1960年代は大学受験における浪人生は30〜40%程度いることが当たり前とされていました。これが年を追うごとに減少していき、近年は2割程度で推移しています。

浪人生が減った理由は?

浪人生が減少傾向にある理由としては、不況の影響が大きいと考えられています。経済的な余裕がない家庭が増えたことで、浪人するための費用が捻出できず、結果として大学進学を諦めている学生も多いようです

また、少子化により大学の倍率が下がっていることも背景にあります。大学の数も増えているため、浪人するよりもランクを落として入学してしまったほうが良いとする考え方もあるのでしょう。

男女別の浪人割合

先ほどと同じく文部科学省の「学校基本調査」をもとに、令和元年度における男女別の現役生、浪人生の割合を表にまとめてみました。

令和元年度・男女別の現役生と浪人生の割合

性別 合格者数 18歳の合格者数 現役進学率 浪人率
男性 340,347人 251,463人 73.9% 26.1%
女性 290,926人 238,521人 82.0% 18.0%

この表を見ると、男性のほうが女性と比べて浪人率が高いことがわかります

多浪生の割合はどれくらい?

多浪生に関しては、正式な統計データがあるわけではありません。ただ、年齢別の大学入学者数はわかっていますので、それを元に19歳以上の大学入学者の割合を算出しました。

令和元年度・19歳以上の大学入学者数と年齢別の割合

年齢 人数 割合
19歳(一浪) 107,611人 76.1%
20歳(二浪) 18,959人 13.4%
21歳(三浪) 6,013人 4.3%
22歳(四浪) 2,955人 2.1%
23歳(五浪) 1,645人 1.1%
合計 141,289人

浪人生の中ではやはり一浪が最も多く二浪以上になると極端に数が減っていることがわかります

次に、現役生も含めた割合についても表にしてみました。

令和元年度・現役生も含めた大学合格者数の割合

現役・浪人の区分 割合
現役 77.6%
一浪 17.0%
二浪 3.0%
三浪 0.95%
四浪 0.47%
五浪 0.26%

合格者全体で見ると、現役生が8割近くにのぼり、浪人生の割合は2割程度であることがわかります

なお、全体の合格者数は631,273人でした。

大学別の浪人率と浪人生の割合

これから走り出す人

ここまでは全ての大学を総合した浪人生のデータを見てきました。

実は、浪人生の割合は大学によってかなり差があります。一般的なイメージとしても、医学部や東大、京大など偏差値が高い大学(学部)ほど浪人生が多そうですよね。実際のところはどうなのでしょうか。

ここでは、大学別の浪人率を見ていきます。

浪人生の多い大学はどこ?

浪人生がいるということは、その大学は「浪人してでも行きたい」と思われているということです。

つまり偏差値が高く「難関大学」と呼ばれる大学ほど、浪人生が多い傾向があります

実際に、国内の大学でトップクラスである東大、京大、早慶などの合格者には、全国平均と比べてもかなり多くの浪人生がいます

トップ大学には浪人しないと入れない?

東大や京大などの浪人率が高いのは事実ですが、浪人したくないからと言って第一志望にすることを諦める必要はありません。

東大や京大でも、現役で合格している人は多くいます。しっかり準備しておけば、現役生でも対等に戦うことは十分可能でしょう。滑り止めをしっかり用意した上で、確実に学力をつけて挑んでください。

東大の浪人率はどれくらい?

ここからは上位大学の浪人率を見ていきましょう。

まずは東京大学について、合格者における浪人生の割合を表にまとめました。なお、データは2020年度のものです。

東京大学の浪人生の割合(2020年度)>

合格者数 現役合格者数 浪人での合格者数 浪人率
文科一類 407 309 98 24.1%
文科二類 361 239 122 33.8%
文科三類 470 292 178 37.9%
理科一類 1,125 788 338 30.0%
理科二類 550 327 223 40.5%
理科三類 97 67 30 30.9%

こちらの表を見ると、東大合格者は浪人生の割合が24%~40%強であることがわかります。全国的な平均値は22.4%ですから、約1.5倍もの割合で浪人生がいることになります

京都大学の浪人率はどれくらい?

次に、京都大学の浪人率も見てみましょう。東大と同じように2020年度のデータをまとめましたのでご覧ください。

京都大学の浪人生の割合(2020年度)>

学部 合格者数 現役合格者数 浪人での合格者数 浪人率
総合人間学部 117 72 45 39.5%
文学部 213 120 93 43.7%
教育学部 55 35 20 36.4%
法学部 310 185 125 40.3%
経済学部 221 132 89 40.3%
理学部 314 205 109 34.7%
医学部・医学科 106 71 35 33.0%
医学部・人間健康科学科 78 43 35 44.9%
薬学部 80 60 20 25.0%
工学部 933 598 335 35.9%
農学部 292 189 103 35.3%

京都大学も、東京大学と同じく浪人生の割合が30%を超える学部が非常に多いです一般的なイメージどおり、浪人率が高いことがわかります

慶應大学の浪人率はどれくらい?

次は慶應大学の、2020年の合格者数や浪人率などを見ていきましょう。

慶應大学の浪人生の割合(2020年度)>

学部 合格者数 現役合格者数 浪人での合格者数 浪人率
文学部 1,022 650 372 36.3%
経済学部(A方式) 970 601 369 38.0%
経済学部(B方式) 406 278 128 31.5%
法学部・法律学科 342 236 106 31.0%
法学部・政治学科 295 215 80 27.1%
商学部(A方式) 1,319 789 530 40.2%
商学部(B方式) 317 209 108 34.1%
医学部 166 106 60 36.1%
理工学部 2,444 1,408 1036 42.4%
総合政策学部 356 216 140 39.3%
環境情報学部 282 182 100 35.5%
看護学部 158 128 30 19.0%
薬学部・薬学科 282 180 102 36.2%
薬学部・薬科学科 231 139 92 39.8%

慶應大学は、一部で浪人率が2割を切る学部もありますが、ほとんどの学部で3割~4割強の浪人率となっています。全国平均である22.4%と比べると1.3~1.5倍程度の浪人率です。

早稲田大学の浪人率はどれくらい?

私立大学で慶應に次ぐ人気を誇る早稲田大学の浪人率も見ておきましょう。

早稲田大学の浪人生の割合(2020年度)>

学部 合格者数 現役合格者数 浪人での合格者数 浪人率
政治経済学部 640 446 194 31.3%
法学部 786 552 324 29.8%
文化構想学部(一般入試) 825 636 189 22.9%
文化構想学部(英語4技能テスト利用型) 230 191 39 17.0%
文学部・(一般入試) 870 639 231 26.6%
文学部・(英語4技能テスト利用型) 246 203 43 17.5%
教育学部 1,909 1,318 591 30.9%
商学部 1,154 793 361 31.3%
基幹理工学部 937 603 334 35.6%
創造理工学部 744 440 304 40.8%
先進理工学部 1,066 648 418 39.2%
社会科学部 807 569 238 29.5%
人間科学部 713 378 335 47.0%
スポーツ科学部 174 102 72 41.4%
国際教養学部 426 351 75 17.6%

早稲田大学においては、浪人率が高い学部と現役の割合が高い学部の差がかなり大きいです。例えば、人間科学部では浪人率が半数近くになるのに対し、文化構想学部では2割にも満たない浪人率になっています。

それでも概ね、どの学部も浪人率は高いと言えます

浪人生の生活と合格率

積み重なった本

ここまでは、合格者数の中の浪人率を見てきました。

しかし浪人したからと言って必ず合格できるわけではありません。浪人生になると、日々いろいろな不安と戦うことになります。

この段落では、浪人生の一日はどのようなものなのかをご紹介していきます

浪人生の一日

浪人生となった場合、多くの人が予備校に通って受験勉強をします

この場合は、普通の高校生活とあまり変わりません。朝家を出て予備校に向かい、講義を受講します。授業終了後には予習や復習を行い、土日などの休日には模擬試験を受けに行きます。

高校生活と異なるのは、文化祭や体育祭などのイベントがない点です。受験勉強をすることを前提に生活の全てが組み立てられていきますので、勉強漬けの毎日になります

浪人生にかかる授業料

浪人生が予備校に通う場合、予備校代は年間で70万~100万円程度かかるパターンが多いです

家庭の経済事情によっては、浪人生の予備校代を捻出できないこともあるかもしれません。高額の出費に耐えられるかどうかが、浪人生活を送れるかどうかのポイントとなります

浪人生の合格率

次に、浪人生の合格率について見ていきましょう。

先ほどご紹介したように、浪人生の中には二浪以上頑張っている人も24%程度います。単純に計算すると、4人に1人は一浪で合格することができず、二浪、三浪と年数を重ねていくことになります

つまり、浪人したからといって必ず大学受験に合格できるわけではありません。中には何浪もする中で諦めていく人もいるので、厳しい選択をしなくてはならない可能性も考えておく必要があります。

浪人のメリット・デメリット

浪人生になることには、メリットとデメリットの両方があります。

メリット

浪人生になるメリットとしては、以下のようなものがあります。

  • 忍耐力が養われる
  • 予備校同期というコミュニティができる
  • 一日を通して徹底した受験指導を受けられる

そもそも大学受験自体、かなり忍耐を必要とします。浪人生になると高校3年の受験生と同じような緊張感がずっと続くわけですから、かなりの忍耐力が養われることは間違いないでしょう。

こうした緊張感を共有する仲間として、予備校の同期との出会いが将来に渡って財産になる可能性もあります。また、予備校で朝から晩まで徹底した受験指導を受けられるのも、現役生にはないメリットと言えます。

デメリット

浪人生になることには、デメリットもあります。

  • 金銭的な負担が大きい
  • メンタル的に追い込まれる可能性がある
  • 現役合格した人にコンプレックスを抱きやすい

浪人生が予備校に通うと、年間で100万円近い授業料がかかります。100万円という金額はそう簡単に出せるものではありません。裕福な家庭でないと、家計へのダメージは相当大きなものになります。

また、浪人したからといって合格できるわけではないのは、浪人生のほとんどが意識していることでしょう。不安の中で勉強し続けることで、メンタル的に追い込まれる人も多いと言われています

いざ大学に合格した後、現役合格者にコンプレックスを抱きやすい点もデメリットとして挙げられます。浪人生になった時点で「年下の同級生」ができるのは確実ですから、しっかり心に留めておく必要があるでしょう。

浪人に向いている人・向いていない人

浪人生になるのにも、向いている人とそうでない人がいます。

浪人生に向いている人は、1年間集中して勉強すればある程度の成績の伸びが期待できます。しかし、そうでない人は浪人しても無駄になってしまうかもしれません。

浪人して成績が伸びるタイプ

浪人して成績が伸びる学生は、以下のような特徴があると言われています。

  • 現役の時に数点差で落ちたという人
  • どうしても行きたい大学がある人
  • 自分の弱点を把握している人

上記のような学生は課題意識をすでに持っていますので、予備校に通って集中的に勉強することで成績を伸ばせる可能性が高いです。したがって、浪人生活に向いていると言えるでしょう。

浪人しても成績が伸びにくいタイプ

以下のような人は、浪人しても成績が上がる見込みは薄いかもしれません。

  • 浪人すれば受かると思っている人
  • 友達と会うのが目的で予備校に行く人

繰り返しになりますが、浪人したからと言って大学受験に受かるとは限りません。自分のレベルよりも遥かに高い偏差値の大学を目指す場合は、何浪しても合格できない可能性すらあります

浪人すれば必ず受かると思っている、予備校の友達と楽しむことを優先させてしまう人は、浪人には向いていないと言えるでしょう。

一浪東大生が解説する浪人時代の一日の生活や勉強時間について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

浪人はしたほうが良いの?

考える女性

最後に、浪人をすべきか、すべきではないか迷った時の考え方についてご紹介します。もし悩んだ時は参考にしてください。

将来のことをしっかり考えよう

浪人を考える際、第一志望の大学に合格できなかった、受験した大学に全て落ちてしまったなど、事情はそれぞれ異なると思います。

まず考えるべきは、大学は決して人生のゴールではないということです。大学を卒業して社会に出れば、業界によっては学歴がそこまで重要視されることはないかもしれません

単なる見栄になっていないか?

浪人するかどうか決める時、「なぜその大学にこだわるのか」を考えてみてください。

どうしても特定の大学や学部でしか学べないことをやりたいという人は、浪人生活も頑張れると思います。

しかし、単に「自慢できるから」「周りよりも良い大学に行きたいから」といった理由だと、壁にぶつかった時に挫折しやすいです。

良い大学を出ないと良い会社への就職ができないと思っている人も多いですし、その実態は否定しません。ただ、自分の能力が目標に見合っているのかは、冷静に考える必要があります

経済的な面も見て決めるべし

先ほども触れましたが、浪人生として予備校に通うと非常にお金がかかります

年間の予備校代である「およそ100万円」という額は、文系の私立大学の1年分の授業料に相当する額です

大学受験を目指す子供がいる家庭なら、予備校代はこれまでの貯金から捻出できるかもしれません。しかしその分、大学に入った後の学費が足りなくなるおそれがあります。

ぜひご両親と話し合って、今後の授業料や学費がどうなるのかを知っておいてください

浪人するなら期限を決めよう

熟考の末、どうしても大学合格を目指して浪人する決意をしたら、浪人する期限は明確に決めておくことをおすすめします

浪人生活が長くなると、当然ながら年齢もそれだけ上がっていきます。仮に五浪すれば23歳ですので、現役生が卒業する年齢になってから大学1年生として入学することになります。

多くの学生は、二浪以上は年間で伸びる学力がかなり落ちます。一浪で合格できなかった場合は一度諦めて、別の道を選択することも検討したほうが良いかもしれません

予備校での浪人費用についての知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

大学の浪人率まとめ

大学の浪人率まとめ

  • 大学受験の浪人率は全国平均では約20%だが、偏差値が高い大学では40%前後にもなることがある
  • 浪人したからと言って必ず合格できるわけではないことを念頭に置いて勉強すべし
  • 浪人生活が長くなるとそれだけ年齢も上がるので、浪人する期限を決めておくようにしよう。

浪人生活を送っている最中は、精神的な重圧を感じる場面も多いと思います。

まずは、1年だけ頑張ってみてください。一浪までは現役生と大差ありません。1年間はとにかく勉強に集中して、自分の伸び率を見ましょう。

それ以上頑張るかどうかは、1年間どれだけ頑張れたかで決めてください

最良の結果が出ることを祈っています!