政治経済の勉強法は?参考書・問題集の選び方からセンターと共通テストの違いまで解説
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「政治経済はどうやって勉強すべき?」
「参考書の選び方は?共通テストの難易度は高い?」
などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。
政治経済は暗記科目でありながら、計算問題が出題されるなど、世界史や日本史などとは一線を画します。
今回はそんな政治経済の勉強法について、参考書や問題集の選び方も含めて解説します。
共通テストとセンター試験の違いにも言及するので参考にしてください。
政治経済の勉強法についてざっくり説明すると
- まずは教科書の読み込みから
- 因果関係を意識して社会現象を見るべき
- 新聞で時事を勉強することも大切
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政治経済の勉強法
社会は点差がつきにくいですが、武器と言えるほどまで仕上げておけば、ライバルに差をつけることも可能です。
また政治経済を早く仕上げておけば、試験直前期は苦手科目により多くの時間を割くこともできます。
以上より政治経済の効果的な勉強法を理解することは、あらゆる受験生に必要です。そのため、以下の内容は政治経済の対策をなるべく短期間で済ませたい理系の学生にも有用だと言えます。
先に簡潔にまとめておくと以下のようになります。
- 教科書を読み込む
- 流れをしっかりと意識する
- 社会現象を因果関係の連鎖と考える
- 新聞を読む
- 知識がついたら問題演習をする
- 優先順位の高いところからやる
- 満点・90以上取ろうとしてはダメ
- 先生と同じスピードで板書を書き留める
- 受験勉強は10月からで大丈夫
- 数英を理社で補えると思わない
- 苦手単元を作らない
それぞれ以下の見出しで詳しくみていくことにしましょう。
教科書を読み込む
共通テストの問題は学校の教科書をベースに作成されます。そのため、まずは教科書の内容を十分に押さえることが重要です。
教科書を繰り返し読み込み、内容を大方理解すれば、共通テストでどのような問題が出題されても、60、70点は手堅く取れるようになるでしょう。
また細部までしっかり覚えれば、教科書を使った勉強だけで90点以上を取ることも不可能ではありません。
流れをしっかりと意識する
教科書に書かれている内容を覚える際は、大きな流れをしっかり捉えることを意識すべきです。
例えば、どのようにして民主政治が発展していったかや、社会主義誕生の背景には資本主義のどのような負の側面があったのかなどをきちんと理解しておきましょう。
初めに核となる部分を十分に把握しておけば、そこから細かいことを覚えていくのは容易です。
社会現象を因果関係の連鎖と考える
様々な社会現象が起こる背景には、それぞれの原因となった事柄が必ずあります。
そのため、政治経済で扱われる社会現象は原因・結果の連鎖として捉えることが可能です。
そうすれば各事象の理解も捗りますし、知識も効率的に暗記できるようになるので、学習の際には因果関係に注目してみてください。
因果関係を意識すれば、普段の学習から論理的に考えることができるので、試験の点数も伸びやすくなるはずです。
新聞を読む
政治経済は比較的最近の社会現象を扱うことが多く、時事問題も出題されるので、新聞を読む習慣をつけることが有意義です。
新聞を読んで、目下起こっている国内や世界のニュースを知っておけば、時事問題への対応力は上がります。
また政治経済では人間科学的な理論を色々習いますが、そうした理論は抽象的です。そのため、新聞で具体的な事柄を知れば、そうした理論の理解をより深めることができます。
知識がついたら問題演習する
教科書を読み込んで、大方の知識をインプットしたら、問題集を活用してアウトプットを行いましょう。
問題演習をして、覚えた知識を使うことで知識を定着させることが可能です。なお、一度知識を完璧に覚えることはできないので、問題は3回程度繰り返し解くのが良いでしょう。
また共通テストは選択式ですが、より正確な知識が欲しい場合は記述式の問題に挑戦するのもおすすめです。
優先順位の高いところからやる
政治経済に限らず、試験勉強をする際は試験に出そうな事柄を中心に学習すべきです。
頻出範囲を重点的に学習し、それ以外の部分はある程度で構いません。
なお、出題傾向を把握するには過去問を解くのが一番です。また該当試験の対策本を購入するのも良いでしょう。
時事問題に関しては新聞などの情報を参考にするのがおすすめです。
満点・90点以上取ろうとしてはだめ
最初から満点を狙うと、「完璧に覚えなければ」という意識から、細かいことに気を取られがちです。
しかし、まずは大枠を覚えてから細部の暗記に進んだ方が効率的なので、とりあえずは80点くらいを目指すのがおすすめです。
80点を狙って勉強し、90点や満点が取れれば理想的ですし、80点が取れるようになったら、細部も覚えて90点や満点を目指すと良いでしょう。
先生と同じスピードで板書を書き留める
板書を取るスピードと理解度には相関関係があります。
先生が書くのに合わせて板書を取るには、話の内容がきちんと理解できていなければなりません。
先生が一通り書き終わって、次の話題に移った時に慌てて板書をする生徒もいますが、この生徒はおそらくあまり授業を聞いていない(もしくは理解できていない)でしょう。
そのため、授業中は先生と同じスピードで板書を書き写すように意識してみてください。
受験勉強は10月からで大丈夫
政治経済の受験対策を本格的に行うのは、高校3年生の10月からで十分間に合います。それまでは学校の授業をしっかり理解することを意識しておきましょう。
授業が理解できているということは、教科書内容がある程度わかっているということなので、後は知識の穴穴を埋めつつ問題演習をしていけば、効率的に得点力を磨けます。
数英を理社で補えると思わない
数学や英語が苦手な受験生は、得意な理科や社会でそれらの不足を補おうと考えがちですが、それはおすすめしません。
理科・社会で高得点を取る受験生は多いので、数学や英語の失点をカバーするのは難しいです。
また苦手科目があれば、得意科目を潰してしまうことになるので、レベルの大学は目指せなくなります。
そのため、政治経済の勉強と並行して、数学や英語の勉強も十分にしておくべきです。
苦手単元を作らない
得意な単元ばかりを勉強し、本番では苦手単元に足元をすくわれて大失敗してしまうというケースも多いです。
そのため、勉強は基本的に苦手な単元を中心に行うのが良いでしょう。
まずは苦手な原因を究明し、それを克服するための対策を考えるべきです。苦手な単元を学習すれば、得点力は大きく向上するので、気乗りしないかもしれませんが頑張りましょう。
失敗する政治経済の受験勉強法は?
以下では間違った受験勉強の具体例をいくつか紹介します。
よくわからなかった単元を後回しにしてしまう
先述した通り、受験勉強では苦手な単元の克服を優先するべきです。
「直前期に追い込めば大丈夫」だと油断しがちですが、直前期だと間に合わない可能性がありますし、他の科目の追い込みが疎かになってしまう恐れもあります。
そのため、なるべく早い段階で、本格的に特訓し、わからない単元はなくしておくのが良いでしょう。
知識の確認だけ行う
教科書を読んだりして知識を確認するだけでは、試験で知識を使える(問題が解ける)状態にはなりません。
問題が解けるようになるには、インプットよりもアウトプットも方が重要なので、問題演習も十分に行うべきです。
問題演習をしっかり行ってこそ、得点力が磨かれるので、試験で結果を出したいなら、積極的に問題を解きましょう。
難しい経済の分野を暗記でごまかす
経済分野では、システムを理解できていなければ問題が解けないような内容もあるので、理解した上で覚えることを意識すべきです。
特に国際経済の分野は難しいので、勉強時間を十分に確保し、じっくり勉強するのが良いでしょう。
先述した通り、選択式の共通テストでも引っ掛け問題が出題されるので、単に丸暗記しただけでは高得点を取るのは難しいです。
政経で高得点を狙うためのステップ
ここからは政治経済で高得点を取るために理解しておくべき事柄を紹介していきます。
政治経済は暗記が命
政治経済は暗記科目です。暗記量が得点の大部分を決めると言っても過言ではありません。
そのため、まずは教科書やそれに準ずる参考書を1冊丸ごと覚えてしまうのが良いでしょう。
ちなみに筆者は学生時代にセンター試験の政治経済で安定して満点や90点台後半を取っていましたが、教科書を使った暗記学習以外はほぼ何もしなかった記憶があります。
計算問題が出ることがある
政治経済ならではの特徴としては、社会科なのに計算問題が出題されるということです。
しかし、政治経済の計算問題は簡単なので、過去問などを解いて解き方に慣れておけば、問題なく攻略することができます。
特に共通テストレベルの問題なら、センター試験の過去問を解いて解説を読み込むだけでも対応できるはずです。
難関私大の入試で政治経済を選択する場合は、必要に応じて計算問題の対策本を購入するのも良いでしょう。
センター政治経済のポイントは?
センター試験(2021年からは共通テスト)においては、政治分野と経済分野でそれぞれ以下のようなことが求められます。
- 政治分野:大きな流れの把握と用語の暗記
- 経済分野:経済システムの理解とグラフの読解
配点・設問構成
センター試験の政治経済は、4、5問の大問で構成され、設問数は全部で36問程度、配点は1問2、3点です。
試験時間は60分なので、時間的にはかなり余裕があります。選択式の問題を1問解くのに1分半以上かけられる計算になるので、じっくり考えることが可能です。
難易度
センター試験・政治経済の平均点は、60点を下回ることが多いです。日本史や世界史は概ね60点を超えるので、比較的難易度が高い科目だと言えるでしょう。
そのため、後述で紹介する参考書も活用しつつ、しっかりと対策する必要があります。
センター政治経済対策のポイント
センター試験(2021年以後は共通テスト)の政治経済は、完全な暗記科目である世界史や日本史に比べると、やや難しいと言えます。
選択肢に普通の学生では知らないような内容が含まれていることもあり、グラフの読解問題・推測問題も出題されます。
そのため、90点台や満点を取るハードルは高いです。90点台や満点を狙うなら、しっかり努力しなければなりません。
一方で80点台を取るのはそれほど難しくありません。よって手堅く80点台を取りたい人にはおすすめです。
センター政治経済の勉強方法
暗記量が多いのは政治分野なので、まずはそちらから勉強を始めるのが良いでしょう。
自分の言葉で簡潔に説明できるようになるくらいまで、それぞれの用語をしっかり覚えるべきです。
なお、教科書の読み込みも大事ですが、テストで使える知識を身に付けるには、問題演習もしっかり行わなければなりません。
またセンター模試の解答解説を読み込むのもおすすめです。センター試験仕様の問題に関する具体的な解き方(知識の整理の仕方や考え方など)がわかるので、かなり実践的な勉強ができます。
時事問題の対処法
政治経済で点差がつきやすいのは時事問題ですが、どのように対策したら良いかがわからない人も多いはずです。
ちなみによく勘違いしている人もいますが、時事問題では最新のニュースに関する固有名詞が直接的に問われるわけではありません。
最近起きたイベントを切り口として、より一般的な知識を聞いてくるような問題が大半です。
例えば、トランプ大統領が就任した時分には、その話題から世界の選挙制度や権力分立などに関する出題がなされました。
一方で「新しく就任したアメリカの大統領は誰か」というような問題は出題されていません。
そのため、時事問題を対策する際には最近起こった出来事に関心を向けることも大切ですが、それに関連する政治経済的な分野をしっかり学習することの方が重要です。
注意するべき出題形式や出題傾向
以下では頻出の出題形式に関する注意点をいくつか紹介します。
並べ替え形式
共通テストでも並べ替え問題は出題されるでしょうが、センター試験の傾向が踏襲されるなら、数年単位の並べ替えを要求される可能性は低いです。
もう少し大きなスケールの問題が出題されるはずなので、大まかな年代を覚えておけば、問題なく対処できるでしょう。
グラフ読み取り形式
グラフの読解問題に関しては慣れが必要です。十分に問題演習を積んで、問題に適した思考力を鍛えましょう。
また頻出のグラフや表の形式を覚えるのも有意義です。参考書で解説されている「よく出る形トップ3」などは、しっかり覚えておきましょう。
他国との比較形式
教科書や問題集に載っているグラフや表に登場する国名に関しては、上位の国を中心に暗記しておきましょう。
またこの形式も問題をたくさん解くこともおすすめです。知識がなければ最初は間違うでしょうが、解答解説を読み込んで知識の穴を埋めていけば、次第に解けるようになるでしょう。
試験中の注意点
センター試験及び共通テストには、引っ掛け問題も出題されます。理解度をより正確に測るという目的で、選択肢の中にはややこしいものが含まれていることが多いです。
そのため、一見正解のように見える選択肢を誤って選んでしまうことを防ぐために、本番では消去法で解いていくことをおすすめします。
なお、「不適切なものを選べ」という問題も出されるので、問題文もきちんと読みましょう。
定期テストにおける政経の勉強方法
さて、共通テスト対策ではなく、定期テストに向けて政治経済を勉強したいという方もいるでしょう。
以下ではそうした方におすすめの勉強法を解説します。
教科書を読み込む
定期テストは授業内容をベースに作成されますが、授業は教科書に沿って行われるので、やはり教科書を読むことは大切です。
試験範囲に該当する部分を読み込み、まずは覚えるべき知識の全体像を掴みましょう。
なお、教科書を読んでわからない部分がある場合は、先生に質問するなどして疑問を解消すべきです。
用語をしっかり覚える
教科書で全体的なイメージを捉えたら、次は細部を暗記していきましょう。
引き続き教科書をよく読み込むというのでも良いですが、一問一答形式の問題集を活用するのもおすすめです。
なお、政治経済の用語には難しい漢字が含まれるものもあるので、必要に応じて書く練習もしておきましょう。穴埋め形式の問題を解くのも有意義です。
暗記の際の工夫点
効率よく暗記するコツは、何度も何度も繰り返し学習することです。一回で完璧に覚えようとする人もいるでしょうが、人間の記憶はそこまで精度がよくないので、よほどの天才以外はすぐに忘れてしまいます。
そのため、丁寧な暗記学習を一回行うよりも、大雑把な仕方で反復学習をする方がおすすめです。
教科書なら繰り返し読む、問題集なら何周も解くということを意識しましょう。
丸暗記ではなく理解を深める学習を
日本史や世界史ほどではありませんが、政治経済でも受験に向けて覚えるべきことを膨大にあるので、理論や出来事などを全て丸暗記しようとするのは得策ではありません。
単調な暗記学習では、次第に飽きてしまい、勉強に身が入らなくなることも多いです。
そのため、知的好奇心を持って学習することを心がけ、理解や納得の伴った暗記をしていくのが良いでしょう。
各社会科目との暗記比重の対比
暗記量という観点から、受験の社会科目を比較してみましょう。
受験における世界史
世界史は、受験の社会科目の中で最も暗記量が多い科目です。膨大な知識を記憶しなければなりません。
なお、効率的に暗記するには、歴史における縦の流れと横の流れを意識するのがおすすめです。
先述した通り、大枠を覚えておけば細部の暗記は楽になるので、縦横の流れをしっかり押さえておけば、単純暗記の負担を減らすことができます。
受験における日本史
日本史も暗記量が多い科目です。世界史ほどは多くありませんが、世界史に比べて学習範囲が狭まる分、より深い理解が求められます。
受験においては、広く浅く覚えるのが世界史で、狭く深く覚えるのが日本史と言っても良いでしょう。
十分な内容理解も求められるので、用語をバラバラに暗記するのではなく、出来事同士の原因・結果の関係も把握しておかなくてはなりません。
受験における地理
理系の学生に人気の地理は、社会科目の中で最も暗記量の少ない科目です。
ほぼ全て現代的なことを扱うので、一般常識でわかることも多いので、世界史や日本史に比べると、暗記学習の負担はかなり低いと言えます。
ただし、暗記量が少ないということは覚えさえすれば解ける問題も少ないということなので、90点以上などの高得点を狙う難易度は高い科目です。
受験における政治経済
政治経済の試験は、暗記すれば解ける問題と少々の計算問題で構成されます。
この科目の大きな特徴は、単元同士の繋がりが希薄であることです。例えば、「近世(〜江戸時代)」と「近代(明治時代)」という2つの単元は密接に連関しています。
一方で政治経済における「民主政治」と「日本国憲法」の単元は、関連性はあれども互いに独立的です。
そのため、順番を考えず、単元ごとにバラバラに勉強しやすいという特徴もあります。
受験における倫理
倫理では主に「思想」を扱います。そのため、より理解が重要な科目であると言え、暗記だけでは十分に得点することはできません。
西洋思想や仏教思想に関する短文を読んで、それらの正誤を判断するような問題もあるので、きちんとそれぞれの事柄を理解できいる必要があります。
また他の社会科目に比べると、読解力も重要です。
政治経済を取ることの利点・欠点
以下では政治経済を選択することのメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
政経を選択するメリット
政治経済を選択する一番のメリットは、他の科目よりも短期間で対策ができるということです。
日本史や世界史に比べて暗記量が少ないため、高校3年生からの1年間でも教科書内容を網羅することができます。
そのため、数学や英語をはじめとする他教科の勉強により多くの時間を割きながらでも、高得点を狙うことが可能です。
政経を選択するデネリット
政治経済を選択するデメリットは、歴史科目とは少し毛色が違うので、対策に苦労する可能性があるということです。
刻々と変動する世界情勢や国内の法律などに対応しなければなりませんし、計算問題も出題されるので公式の暗記も必要になります。
また私大の独自試験や国公立の二次試験で政治経済という科目がない大学・学部もあり、その場合は共通テストでしか勉強した知識を使えません。
共通テストの政治経済
ここからは2021年から始まる共通テストの政治経済について解説していきます。
共通テストに向けた助言
共通テストは教科書レベルの知識で解ける問題がほとんどなので、まずは基本的な知識に漏れや誤りがないかを点検しましょう。
また共通テストでは、センター試験よりも思考力や判断力を要する問題が出題されるようになるため、共通テスト仕様の問題で演習を十分に行うことも大切です。
試行調査の問題や共通テストの対策本を活用するのが良いでしょう。
センター試験と変わらない点
配点や試験時間(60分)、解答方法(マークシート方式)、大問の数など、試験の大枠はセンター試験と変わりません。
そのため、センター試験の過去問も対策にはある程度有用でしょう。なお、過去問演習には60分以内の制限時間を儲けて取り組むのがおすすめです。
共通テスト本番と同じような状況でシミュレーションを行い、試験を受けることに慣れておけば、落ち着いて本番に臨むことができるでしょう。
センター試験と異なる点
大学入試センターが発表している問題作成方針によると、共通テストでは資料やデータを読解・考察される問題が増加するようです。
センター試験でもデータの読み取り問題は出題されていましたが、共通テストではその割合が多くなります。
また資料の数や問題文の分量も増加すると言われているため、若干難易度が高くなると心づもりしておくのが良いでしょう。
共通テスト対策のオススメ参考書
以下では政治経済の共通テスト対策におすすめの参考書を2冊紹介します。
大学入学共通テスト 畠山のスッキリわかる 倫理、政治・経済 完成講義
共通テストに向けた基本知識のインプットにはこのテキストを使うのが良いでしょう。
図版やグラフも用いながら、重要な用語をわかりやすく解説してくれるので、初学者にもおすすめです。
以下の問題集とセットで用いれば、効率的な学習ができるでしょう。
大学入学共通テスト 畠山のスッキリ解ける 倫理、政治・経済 完成問題集
上記のテキストに対応する問題集です。そのテキストで基本知識をインプットした後には、本書で十分にアウトプットを行いましょう。
テーマごとに28の章立てがなされており、各章には9、10問の問題が収録されています。政治経済に関しては詳しい解説も載っているのでおすすめです。
政治経済の参考書の選び方
政治経済を勉強するなら、教科書と資料集、一問一答形式の問題集、用語集を揃えるのがおすすめです。
以下ではそれらを選ぶ際に注意すべきポイントについて解説します。
最新の参考書を選ぶ
参考書を選ぶ時は出版年に着目しましょう。政治経済は時事を扱うため、教材の内容が変わりやすい科目だと言えます。
そのため、最新のもので学習するのが最も効率的です。
また2021年からは共通テストも始まるので、共通テストに対応しているかにも気をつけましょう。先述した通り、共通テストとセンター試験では試験内容が異なるので、共通テストに対応した最新版を使うのがおすすめです。
グラフや図解が理解しやすいものを選ぶ
政治経済の試験では、グラフや表の空欄に用語などを入れる問題がよく出題されます。
そのため、グラフや表がわかりやすいかどうかを着目して教材を選ぶのもおすすめです。グラフや表を見て、各国の特徴をしっかり掴めるようなテキストであれば、効果的な試験対策ができるでしょう。
なお、おすすめなのは東進ブックスの『一目でわかる新政経ハンドブック』です。
どこが重要か明確なものを選ぶ
勉強は重要な部分を中心にメリハリをつけて行えるのが理想なので、パッと見ただけで重要箇所がわかるような参考書を選ぶのが良いでしょう。
具体的にはキーワードとなる用語や数字が、わかりやすく強調されているようなものがおすすめです。
また覚えるべき事柄を赤シートで隠せるものも役に立ちます。スキマ時間の暗記学習でも使いやすいので、効率的に知識を定着させられるでしょう。
重要度の優先順位が明確なものを選ぶ
重要な箇所がわかりやすいだけでなく、各部の優先順位が明確化されているという点も重要です。
優先順位が分かれば、よりメリハリのついた勉強ができるようになるので、効率よく得点力を磨けます。
特に一問一答の問題集を選ぶ際は、この基準に着目するのが良いでしょう。
オススメ:東進ブックスの一問一答の使い方
一問一答の問題集としては、こちらも東進ブックスの『政治・経済一問一答 完全版』がおすすめです。このテキストをより効果的に使いたい方は、三色の付箋を用意してください。
テキストでは重要度が星の数によって3段階に表されているので、それぞれでわからなかった問題に対して、☆☆☆ならピンク、☆☆なら黄色、☆なら青というように色分けをしましょう。
この場合、ピンクの付箋がついた問題は、重要度が高いのにわからなかった問題ということになるので、最優先で学習すべきです。
このように優先順位の高いものから勉強していけるような工夫をすると、学習は捗ります。
時系列が理解しやすいものを選ぶ
条約や宣言、事件などは、それらが起こった順番を覚えることが大切です。センター試験では並べ替え問題が頻出でしたし、時系列が理解しやすい参考書の方が得点には結びつきやすいです。
また政治的な事象と経済的な事象をリンクさせるような問題も出題されるので、やはり時系列を理解しておくことは重要だと言えます。
同時代に複数の重要イベントが起こっている年代もあるので、表などで時系列を簡単に把握できるような教材の方が良いでしょう。
オススメ政治経済参考書とその勉強法
ここからは政治経済の学習におすすめの参考書とそれらを使った勉強法を紹介していきます。
基礎事項を網羅的に学習する
センター試験の政治経済では、全範囲から満遍なく出題がなされていたので、苦手な分野を作るべきではありません。
全ての基礎事項を網羅的に学習できるような参考書でしっかり学習すべきです。
なお、ここでのポイントは、基礎事項を学ぶ参考書は一冊に絞るということです。色々な本に手を出すのではなく、1冊の本を何度も読み返すことによって確かな知識が身につきます。
参考書は自分に合ったものを使うべきなので、書店で実際に手に取って複数を見比べてみるのも良いでしょう。
センター試験政治経済集中講義
共通テストに向けて、政治経済の必修テーマと重要事項を学べる参考書です。出題頻度と重要度が明示されているので、効率的な学習ができます。
また一問一答形式の問題集も付いており、アウトプットも十分に行えるので有意義です。
センター試験 政治経済の点数が面白いほどとれる本
政治経済の平易な言葉を使って的確に解説した参考書です。抽象的な原理もわかりやすく説明されています。
また時事問題やセンターの過去問も数多く掲載されているので、こちらも十分なアウトプットを行うことが可能です。
蔭山のセンター政治・経済 パワーアップ版
講義形式のわかりやすい参考書です。これから勉強を始めるという方や政治経済が苦手な方などでもスラスラ読めるでしょう。
独学が難しい時事問題もカバーしており、最新版は共通テストにも対応しているので魅力的です。
よくわかる政治・経済: 【新旧両課程対応版】 (MY BEST)
教科書と資料集、用語集がセットになったテキストです。政治経済の基礎知識が丁寧にわかりやすく解説されています。
一問一答形式の問題も収録されているので、理解度をチェックしながら勉強できて効率的です。
一問一答や問題集で問題演習する
参考書で基礎事項をある程度インプットしたら、続いては問題演習で知識を定着させていきましょう。
なお、問題演習でわからなかった問題や解説を読んでも理解が不十分だと感じた部分に関しては、再度参考書に立ち返って、よく復習するべきです。
また一問一答の問題は、文章の正誤を判定する能力を磨くのに活用しましょう。
スピードマスター政治経済問題集―20日完成
政治経済の学習テーマを分類した20項目と、入試の頻出事項を独自の視点からまとめた6項目の計26項目の問題が収録された問題集です。
問題は全て空欄穴埋め形式で、20日という短期間で政治経済の得点力を仕上げられるようになっています。
センター試験 倫理・政治経済の点数が面白いほどとれる一問一答
センターレベルの倫理と政治経済の基礎知識を効率的に習得できる一問一答式の問題集です。
文章の正誤を判定するという他にはない性格の一問一答が収録されており、正誤問題が出題される共通テストの対策には良いでしょう。
過去問演習で苦手単元を理解する
基礎知識がある程度身についたら、過去問演習にもチャレンジしてみましょう。
過去問では知らない内容が出てくることもあるはずですが、その際は消去法を活用して解答してみてください。
なお、過去問演習の後は見直し・解き直しをするべきですが、直しに時間がかかりすぎる場合は、まだ基礎知識が十分に身についていない可能性があります。
もしくは覚える必要のない知識まで深追いしてしまっているということもあるでしょう。
後者の場合は、程々にして効率的な学習を意識するべきです。
苦手単元を問題集で演習する
過去問演習で苦手分野が明確になったら、以下の問題集を活用してその分野を重点的に演習しましょう。
ベストセレクションセンター試験政治・経済重要問題集 2018入試
センター試験に頻出の正誤問題が豊富に収録された問題集です。解説は別冊になっており、正誤判定のポイントが詳しく説明されています。
また必須事項をおさらいできる「Check&Answer」も収録されているので、基礎内容の復習にも役立ちます。
センター試験への道 政治・経済 問題と解説(第2版)
センター試験の過去問を、教科書の構成に沿って再編した問題集です。苦手な単元をピンポイントで特訓するのに良いでしょう。
解説では間違えがちな点が丁寧に説明されているので、復習によってもかなり得点力が磨けるはずです。
マーク形式の問題集のおすすめ
基礎知識を習得し、苦手分野の演習も済んだら、過去問やマーク式の問題集で本格的に得点力を磨いていくのが良いでしょう。
マーク式総合問題集政治経済 2017 (河合塾シリーズ)
センター試験の過去問2回分と、河合塾全統マーク模試5回分が収録された問題集です。
共通テストに向けて実践的な演習をたくさんこなしたいという方には良いでしょう。試験時間を設定して解けば、本番の良いシミュレーションになるはずです。
大学入試センター試験実戦問題集政治経済 2017 (大学入試完全対策シリーズ)
駿台模試の過去問から厳選されたセンター試験の予想問題5回分が収録された問題集です。
解説が非常に詳しく、各テーマの背景や解答に関連する重要な知識などが説明されているので、しっかり復習すれば効果的に得点力を磨けるでしょう。
MARCHや早慶に向けた参考書
MARCHや早慶の独自試験で政治経済を選択する方は、以下の参考書を活用するのが良いでしょう。
私大攻略の政治・経済
私大入試を攻略するための重要事項を学び、過去問で構成された演習問題を解くことで、あらゆる入試問題に対応できるような力をつけられます。
なお、参考書的な解説も載っていますが、簡易的なものなので、問題集として活用するのが良いでしょう。
実力をつける政治・経済80題
早稲田大学の入試で出題されるようなハイレベルな問題が解けるようになりたい人におすすめの問題集です。
なお、早稲田の入試では、かなりマニアックな知識が求められ、非常に難しい計算問題も出題されます。そのため、私大対応総合型や論述型の問題が収録されている本書で、入念に対策をするのが良いでしょう。
政治経済の学年別勉強スケジュール
政治経済は勉強量が少ないから短期間の勉強でもなんとかなると思い込み、後回しにして失敗するケースは多いです。
そのため、早めに教科書や参考書を通読し、各単元の難易度を確認しておくのが良いでしょう。
また他の科目により多くの時間を使いたいのであれば、政治経済を早期に完成させ、それから他教科に没頭するという選択肢もあります。
以下で学年別の政治経済の勉強法や勉強計画の立て方について解説していきます。
高1・高2の受験勉強の始め方や開始時期
政治経済に関しては、高1・高2から受験勉強をする必要は基本的にありませんが、志望大学によっては早期から勉強をすべきケースもあります。
志望大学に合格できるレベル(理想)と現状の学力(現実)の差を正しく認識し、そのギャップを埋めるために適切なスケジュールを立てるべきです。
また部活をやっている人は、スキマ時間で教科書を読むなど、部活と勉強をどう両立させていくかを考えることも重要になります。
高校3年生・受験生として大事なことは?
大学入試を控えた受験生であるという自覚を持ち、より良いスタートを切ることが大切です。
志望大学の合格に向けてやるべき勉強を考え、計画的に実行していきましょう。
先述した通り、政治経済の本格的な対策は10月以降でも間に合いますが、それまでにも授業内容を中心によく勉強しておくのがおすすめです。
自分に合ったやり方をみつけよう
ここまで政治経済の勉強法について、大まかな流れや共通テストの対策法、定期テストの勉強法、学習計画の立て方などを様々な解説してきました。
しかし、今回紹介したやり方はあくまで一例であり、ご自身に適した方法が他にも存在する可能性は十分にあります。
そのため、勉強をする中でより良いやり方を見つけた場合は、それを用いても構いません。ただし、間違ったやり方である可能性もあるので、その方法が合格に直結するのかを十分に検討しましょう。
正しいやり方で十分に努力すれば、成績は確実に上がっていくので、自分に合ったやり方を見つけて、その方法でしっかり頑張ってください。
ふさわしいやり方がわからない場合は、まずは上記で紹介したやり方で勉強を始めてみましょう。
政治経済の勉強法についてまとめ
政治経済の勉強法についてまとめ
- 知的好奇心を持って理解した上で覚える
- 苦手な単元を後回しにしない
- 問題演習を十分に行う
政治経済の勉強法について解説しました。
共通テストも定期テストも、問題は教科書内容から作成されるので、まずは教科書の読み込みから始めましょう。
また得点力を磨くには、アウトプットが重要なので、ある程度知識が頭に入ったら、問題演習を十分にこなすべきです。
さらに得意な単元ばかりを勉強するのでなく、まずは苦手単元から学習するのが良いでしょう。
以上を参考に、自分にあったやり方で政治経済を勉強してみてください。