小学校5・6年生向け算数の勉強法!苦手な人が多い問題や無料プリントの活用法も解説
「小学校5、6年生はどうやって算数を勉強すれば良い?」
「苦手になりやすい問題の種類があるなら事前に知りたい!」
そう思っている方は多いのではないでしょうか?
小学校の算数は、5年生くらいから難しくなると言われています。
小学校の勉強は中学生の数学の土台でもありますから、つまずいたままにしていると挽回が難しいですよね。できるだけ早く対処することが望ましいです。
そこでこの記事では小学校5、6年生の算数の勉強法をはじめ、どのような問題につまずきやすいか、また無料プリントの活用法なども詳しく解説します。
小学校5・6年生向け算数の勉強法についてざっくり説明すると
- 小学校5、6年生の算数は難しい単元が増えるのでつまずく子供が多い
- 分数、速さ、割合など概念がわかりにくい分野は、生活に密着した学習を行うと理解しやすくなる
- 教材は学校のドリルだけでも十分だが、市販の参考書や通信教育もおすすめ
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小学校5・6年生の算数はどんなことを学ぶ?
まずは、小学校5、6年生でどのような算数の勉強をするのかを解説します。
家庭でお子さんの算数の勉強を指導する時には、子供が習っている内容を理解しておくことが必要不可欠ですよね。親御さんもぜひ、これらの内容をしっかり頭に入れた上で教えてあげてください。
小学校5年生の学習内容
小学校5年生の算数で習う単元の内容は、以下のとおりです。
単元名 | 内容 |
---|---|
整数と小数 | 整数と小数の違いや、それぞれの概念を学習します。 |
体積 | 直方体や立方体の体積について学習します。 |
小数×小数・小数÷小数 | 小数どうしの掛け算と割り算です。 |
式と計算 | 四則演算の順番を入れ替えても答えが同じになることを学びます。 |
合同な図形 | 「合同」の概念を学習します。 |
整数 | 偶数、奇数、公倍数など整数について深く学びます。 |
分数 | 通分、約分、簡単な計算方法を学習します。 |
面積 | 三角形や四角形の面積の計算方法です。 |
平均と平均の利用 | 平均の概念、求め方などを習います。 |
単位量あたりの大きさ | 人口密度や、一人あたりの量などを学習します。 |
割合 | 割合の考え方、%の概念などを習います。 |
円と多角形 | 円や多角形の概念を学習します。 |
角柱と円柱 | 柱の名前、底面、側面など、立体の表し方を学びます。 |
変わり方 | 関係する数どうしの増え方の概念を学習します。 |
小学校6年生の学習内容
次に、小学校6年生の単元についても表にまとめました。小学校6年生の算数で習う単元の内容は、以下のとおりです。
単元名 | 内容 |
---|---|
対称な図形 | 線対称や点対称の概念を学びます。 |
文字と式 | XやYを使った簡単な文字式について勉強します。 |
分数×分数・分数÷分数 | 分数どうしの掛け算、割り算を学習します。 |
円の面積 | 円周率を使った計算方法を学びます。 |
比とその利用 | 割合を元に「比」の概念を学びます。 |
図形の拡大と縮小 | 同じ形のまま拡大や縮小をする方法を学習します。 |
速さ | 時間、道のり、速さの計算方法を学習します。 |
比例と反比例 | 比例と反比例の概念、式などを学びます。 |
立体の体積 | 角柱や円柱の体積を計算します。 |
およその形と大きさ | 複雑な形の面積を概算する方法を学びます。 |
資料の調べ方 | 資料を見ながら表にまとめる学習です。 |
場合を順序よく整理して | 物事の並べ方が何種類できるかなどを学びます。 |
量の単位 | 距離、体積、面積などの単位を学習します。 |
小学校高学年はどこでつまずく?
上記でご紹介した内容のうち、5年生、6年生、それぞれでつまずきやすいのは以下の分野です。
<5年生>
- 割合
<6年生>
- 比例・反比例
- 分数の掛け算・割り算
- 場合の数
- 速さ・単位の変換
特に5年生の「割合」については、「比べられる量」の概念につまずく子供が非常に多いです。また6年生の「反比例」についても、グラフの形が複雑であること、計算の概念がわかりにいくいことなどから、悩む子供が多いようです。
5年生の算数の単元ごとの考え方・克服法
ここからは、小学校5、6年生の算数について、単元ごとに克服法をご紹介します。
まずは5年生の内容です。
割合の定義と考え方
小学校5年生で習う「割合」とは、「比べられる量÷元の量=割合」の式で表される計算方法について学習します。
”元の量”は100%の量を示すものですので、「全体の量」と考えるとわかりやすいです。もしくは「全体の量を1とする」という考え方でも良いでしょう。
「比べられる量」は言葉のニュアンスが難しいですが、「割合」と「全体の量」がどれかがわかれば、残りのひとつが「比べられる量」であることがわかります。
割合の概念が難しい
「割合」は、「全体の量は比べられる量の何倍か」を考えていく単元です。
「何倍」の部分が「1倍」「2倍」ではなく1以下の小数で表されることも多いため、子供にとっては難しく感じられることが多いです。
例えば、「10は5の何倍か」と言われればすぐに答えられますが、数を逆にして「5は10の何倍か」と言われると、大人でも一瞬迷いますよね。(答えは0.5倍です。)
小数の概念をしっかり理解していれば、スムーズに学習が進む場合が多いです。割合でつまずいている子供には、小数の復習から初めてもらうと良いかもしれません。
百分率・パーセントの計算
割合の概念をさらに発展させたのが、百分率(パーセント)の計算です。ここでもつまずく子供が非常に多いです。
図にして説明するのも良いのですが、パーセントの概念は日常生活でよく使うものですよね。買い物などに一緒に出掛けて、値引きの計算などを子供と一緒にやってみるとわかりやすいでしょう。
学校の勉強の多くは、子供にとって「なぜこんなことを勉強するのかわからない」ものだったりします。実生活に使える内容だとわかれば、学習意欲も高まることは間違いありません。
6年生の算数の単元ごとの考え方・克服法
6年生では算数の内容もさらに難しくなります。苦手分野ができてしまったら、以下のような方法でフォローしてあげてください。
比例・反比例のグラフを理解
比例と反比例の概念は、小学校6年生で学ぶ内容の中でも特に重要な内容です。式とグラフを関連付けながら学びますので、5年生までの内容よりも複合的な考え方が必要になります。
まずは、穴あきの表を使って比例や反比例にどのような法則があるかを子供に考えてもらいましょう。わからないようでしたら、少しずつヒントを出していくと良いです。
比例であれば、数が何倍になっていくかに着目することを教えてあげると、すぐに法則に気付く子供は多いです。法則さえわかればその先はスラスラと表を埋められることでしょう。
反比例についても同様に、法則とグラフの関係を一緒に考えてあげてください。
分数のかけ算・わり算の計算
分数の計算は、まず掛け算の概念をしっかり覚えてもらってください。その上で「分母と分子をひっくり返す」という割り算の方法を教えると、比較的スムーズに関係性が把握できることが多いです。
計算方法さえわかるようになれば、あとは文章題から式を作ったり、計算ミスをしないように練習していけば大丈夫です。
文章題が難しいと考える子供もいるかもしれませんが、言葉を整理しながら読んでいけば決して難しい内容ではありません。
落ち着いて問題文を読むことを心がけ、練習していくことで、必ず自分で式を作ることができるようになるでしょう。
約分についてつまずく子供はそこまで多くないですが、もし約分が難しい子供には九九の復習をさせると良いです。
場合の数
場合の数は、全ての対象を漏れなく数えることが重要です。その上で、どのように場合分けするかという能力も必要でしょう。
最初は樹形図などを使い、ビジュアル的に確認できる形で学習していきます。これを繰り返していけば徐々に感覚が掴めてきますので、ある程度できるようになったら自力で考えてもらうようにしてください。
特につまずきやすいのは、「何人か選ぶ場合」と「順番に並べる場合」の違いです。ただ、一度理解してしまえばその後は間違えにくいでしょう。
速さ・単位の変換
「速さ」は大人にとってはさほど難しい概念ではありませんが、子供にとってはほとんど初めて触れる考え方です。
つまずく子供がかなり多いですので、苦手そうにしていたらしっかりフォローしてあげてください。
まずはわかりやすく図で説明し、できれば実際に動きながら「速さ」の概念を知ってもらいましょう。その後で公式を教えてあげてください。
公式を丸暗記するのも良いのですが、表面的にではなく本質を理解しないと、応用が利かなくなります。はじめは公式ではなく概念の解釈から入るようにしましょう。
単位の変換もつまずきやすい
m、km、haといった、単位の変換もつまずきやすいポイントです。
こちらは暗記である程度対応できますが、色々な問題を解きながら慣れていくようにすると良いです。
可能であれば、ものさしやメジャーなどを使って、それぞれの関係を触りながら教えてあげると理解しやすいでしょう。
小学5・6年生で算数嫌いにならないために
小学5、6年生の算数につまずくことがきっかけで、算数を嫌いになってしまう子供もいます。
算数嫌いになるのを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。
割合は実際の食べ物などを使う
勉強は教科書を読むだけでなく、実物を使って考えることも非常に重要です。
例えば「割合」については、ケーキなどの食べ物を使って考えれば楽しく学ぶことができるでしょう。食べ物を使うことに抵抗がある場合は、方眼紙を切ってケーキに見立てるなどでも十分です。
1/4は1/8が2個入る大きさ、というようなことを目で見て知ることができれば、頭の中で色々なイメージが湧くようになります。
算数は朝勉強する習慣もおすすめ
算数を勉強する時間帯は、できれば朝がおすすめです。起床してしばらくした時間帯が一番頭がすっきりしていますので、少し難しい勉強も頭に入りやすいです。
算数の場合は他の科目と違い暗記科目ではありません。頭が疲れていない時のほうが効率良く学習することができます。
夜に勉強したい場合は、寝る前に勉強すると良いでしょう。学校から帰ってすぐ、もしくは夕食を食べた直後は、疲れていたりなどして眠くなることも多いです。少し時間が経った就寝前のほうが勉強が進みやすいです。
疲れるまで勉強しない
苦手な単元があると、つい詰め込みで勉強させたくなってしまうかもしれません。
しかし苦手な単元があるということは、勉強に対してマイナスの感情を持ち始めているということです。ここでさらに疲れてしまうと、一気に「嫌い」になってしまいます。
苦手な単元が出てきたら、まずは少し前の単元から一緒に復習していってください。できる単元から初めて、ポジティブな気持ちになってもらうと良いです。
勉強時間は、学校の宿題と合わせて1日30分程度で十分です。「わかった」という自信がついたところでその日の学習は終わりにしましょう。
算数は生活にも密接!
小学校5、6年生で習う算数の内容は、普段の生活に深くかかわっているものも多いです。ここで算数嫌いになってしまうと、生活に悪影響が出てしまう可能性もあります。
これを防ぐためには、できるだけ普段の生活の中で算数の内容が習得できるようにすると良いでしょう。例えば時間と時刻の関係については、勉強を意識させないような形で子供に聞いてみたりすると、自然に身に付く場合が多いです。
割り算についても、お菓子などを家族4人で分ける、というようなことを子供にやってもらうことで、スムーズに理解が進む可能性が高いです。
算数がわからないと生活にも影響が出るから……と躍起になって教科書どおりの勉強をさせることは、あまりおすすめしません。図で見るよりも、実生活の中で知る物事のほうがはるかに楽しいからです。
普段の生活でどれだけ役に立つ知識なのかを教えるほうが、子供の意欲や関心も高まることでしょう。
データなどを理解する力に
算数の勉強は多くの数字が目に入ってきます。そのため苦手意識を持つ小学生も多いでしょう。
数字に苦手意識があると情報収集能力が落ちますし、人に物事を正しく伝える力がつきづらくなります。相手の主張を正しく理解できないことにもつながりますので、小学生のうちに算数が苦手になるのは避けたいものです。
いきなり高度な”数学”に触れる必要はありません。小学生のうちから当たり前のように数字を扱えるようにするのが、小学校の算数の目的です。
文章題は読解も大事
小学生の算数では、問題文を読解する能力も必要です。
書かれている日本語を正確に理解し、解答欄に何を書けば良いかを把握する能力は、算数だけでなく他の分野においても重要ですよね。
高学年の算数では文章の内容も少し難しくなってきますので、お子さんの勉強を見る時は読解力がついているかどうかもしっかり見てあげてください。
割合は文章読解力が特に重要
特に読解力が必要になるのが「割合」です。割合は文章題が非常に多いので、日本語力がないとなかなか解けない分野です。
「割合」を聞かれているのか、もしくは「比べられる量」「元の量」を聞かれているのか、そういった判別をするためには、それぞれの言葉の意味からしっかり理解しておく必要があります。
言葉の意味が分かれば、「割合=比べられる量÷元の量」という式に当てはめていくだけです。まずは言葉の概念から考えるようにさせると良いでしょう。
小学5・6年生向けおすすめ教材と勉強法
最後に、小学5、6年生におすすめの教材と勉強法をご紹介します。
テキスト・参考書の利用
小学生の場合は、問題集となる「ドリル」が学校で配られます。ドリルを何回も解けば、学力は十分につくでしょう。
もし追加で参考書が欲しい場合は、こちらがおすすめです。
- 「 小学高学年 自由自在 算数: 小学生向け参考書/基礎から難関中学受験まで (小学自由自在) 」 増進堂・受験研究社 3,080円
こちらの参考書は、単元ごとにカラーで詳しい説明が掲載されています。苦手分野だけピックアップして学習すると良いでしょう。
小学生の算数でつまずきやすい分野もわかりやすく解説されていますので、子供の勉強内容を理解したい親御さんにもおすすめです。
小6なら応用問題に取り組むことも大事
小学6年生で算数の全範囲を学び終わったら、応用問題に取り組むことも大事です。応用問題では、公式などの基礎的な知識だけでなく、解法を導くための論理的な思考力が必要となります。
中学生になったら算数から数学になり、より難解な内容を理解した上で問題を解く必要があるため、小学生の終盤の時期から少しレベルが高めの問題にも取り組んで思考力を養いましょう。
特に、中学受験においては、こういった能力を求められる問題の出題が多いため、単元ごとに応用問題に取り組むことがほぼ必須となります。
ただし、基礎的な内容理解が不十分なまま応用問題に取り組んでも意味がないので、まずはベースとなる知識を完璧にしましょう。
また、いきなり最難関中学受験レベルの応用問題に取り組むことも効果が薄いので、段階的にレベルがあがるように取り組みましょう。
通信教育で予復習も完璧
市販の参考書では物足りない方には、通信教育がおすすめです。
通信教育は、子供がつまずきやすい分数や割り算についても、図や絵を使って非常にわかりやすく解説されています。予習にもしっかり活用できるでしょう。
1日あたりの勉強時間も30分~1時間程度で済むように構成されています。子供一人で勉強を進めることができるのも強みです。
また最近の通信教育は、テキストだけでなく動画での授業も提供されています。わかりにくい単元を図や絵を描きながら解説してくれますので、より理解が進むでしょう。
学期末には全ての分野の復習ができる教材もついてきますので、復習も完璧に行うことができます。
また、「算数の苦手を克服したい」「算数を得意科目にしたい」とお考えの場合は算数に特化した通信教育を活用するのが良いでしょう。
小学生におすすめの通信教育はこちらの記事で解説しています。
5年生・6年生向けのネット教材・無料プリント
小学5年生・6年生向けのネット教材も、調べると無料で利用できるものをたくさん見つけることができます。
こういった無料で利用できるプリントを活用することもおすすめです。
無料教材は基礎学習に特におすすめ
ネットの無料学習教材は、基礎的な内容をわかりやすく紹介してくれているものが多いです。そのため、学校の教科書でわかりにくいと感じた場合に、基本を再度学び直すことで特に大きな効果があると言えます。
教科書の代わりのように、初学の段階で使うのはあまりおすすめしません。やはり教科書よりは情報の信頼性が劣るため、誤った理解をしかねないからです。
特徴を把握し、適材適所で利用するようにしましょう。
無料プリントは単元で攻める
上記のようにWeb上には、小学生向けの無料プリントを配布しているサイトが数多くあります。こうしたサイトを利用するのも良いでしょう。
無料プリントも、全ての単元をやる必要はありません。苦手分野に絞って、効率良く学習してください。
ちなみに無料プリントは、復習をするために使うのは良いのですが、説明が少ないため予習にはあまり向いていません。どうしても予習の必要がある場合は、先ほどご紹介した参考書のように、正しい説明がしっかり載っているものを活用しましょう。
小学校5・6年生向け算数の勉強法まとめ
小学校5・6年生向け算数の勉強法まとめ
- 小学校5、6年生の算数は割合や速さなど、つまずきやすい単元が多い
- 家で親が教える場合は、生活に関係のある内容から教えると理解しやすい
- 勉強するのは、頭がすっきりしている朝、もしくは就寝前がおすすめ
- 市販の参考書や通信教育などを利用して効率良く勉強していこう
小学生の算数は、数学の土台ともなります。苦手分野は小学生のうちに克服しておきたいものですよね。しかし算数を嫌いになっては意味がありませんので、できるだけ楽しく勉強していきましょう。
親御さんが指導してあげるのに限界を感じた場合は、通信教育を利用するなどして、ポジティブな気持ちで勉強できる環境を整えてあげてください。