小学校3・4年生の算数の勉強法は?単元別の難点やおすすめ問題の探し方も紹介!

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「小学3・4年生の算数はどのように勉強させるべき?」

「単元別の難点は?教材はどのように探すべき?」

などと疑問をお持ちの方もいるでしょう。

割り算や□を用いた計算、時間と時刻など、小学3・4年生の算数で扱う単元にはつまずきやすいものが多いです。そのため、算数が苦手な場合は勉強法を工夫する必要があります

今回は小学3・4年生の算数の勉強法について、単元別の難点やおすすめの問題の探し方などを含めて解説します。

これを読んで、小学生のお子さんに算数を学ばせる上での参考にしてください。

小学3・4年生の算数の勉強法についてざっくり説明すると

  • 日常的な具体例を用いて説明してあげる
  • 勉強時間は短く効率的に
  • 通信教育を活用するのもおすすめ

小学校3・4年生の算数はどんなことを学ぶ?

寝転ぶ子供

まずは小学3・4年生の算数の学習内容をそれぞれ確認し、続いてつまずく分野を見ていきましょう。

小学校3年生の学習内容

小学3年生では以下のような内容を学びます。

単元 内容
九九の表とかけ算 九九の表の空欄を埋める・1〜10までを使った2数のかけ算に取り組む
わり算 九九に対応したわり算の問題を解く・文章題に挑戦する
円と球 直径や半径など円に関する基本事項を学ぶ・身の回りにあるものから球を見つける
たし算・ひき算の筆算 3桁や4桁のたし算・ひき算に挑戦する
たし算・ひき算の暗算 「19+67」「91ー27」など2桁のたし算・ひき算を暗算で計算する
一億までの数 万の単位(十万・百万・千万)や一億を学ぶ・大きな数の大小を比べる
時間と長さ 時刻が何時かを考える・長さの合計を求める
あまりのあるわり算 「16÷3」など割り切れないわり算を学ぶ・あまりが出る文章題にも挑戦する
三角形 二等辺三角形と正三角形を学ぶ・角の大きさを比べる
計算のじゅんじょ かけ算の場合は計算の順序を入れ替えても結果が変わらないことを学ぶ・順序立てて計算する必要がある文章題に挑戦
計算のきまり(べつべつに・いっしょに) 別々に掛け算をしてから足す・初めに足し算をして一緒にしてから掛ける
1けたをかけるかけ算の筆算 「26×2」などの計算を筆算で行う
2けたをかけるかけ算の筆算 「26×23」などの計算を筆算で行う
重さ g・kg・tなどの重さの単位を学ぶ
分数 分数の大小を比べる・分数のたし算やひき算を行う
表とグラフ 表の結果をぼうグラフで表す・文章題に挑戦する
小数 小数点を含む数字のたし算やひき算の筆算を行う
□を用いた式 文章題の答えを□として「□=27ー13」などと立式して答えを求める

小学校4年生の学習内容

一方で小学4年生の学習内容は以下の通りです。

単元 内容
角とその大きさ 分度器で角を大きさを測る・指定された角の大きさを作図する
1けたでわるわり算の筆算 「87÷4」や「222÷5」などの答えを筆算で求める
2けたでわるわり算 「266÷34」などの商が1けたになる筆算や「6666÷35」などの商が2けたになる筆算を学ぶ
一億をこえる数 億や兆の単位・大きな数の仕組みを学ぶ
折れ線グラフ 表のデータを折れ線グラフで表す
垂直・平行と四角形 垂直や平行の定義を学ぶ・台形や平行四辺形など四角形の種類を知る
小数 小数を使ったかさや長さの表し方を学ぶ・小数点を含む数字のたし算・ひき算の答えを求める
式と計算の順じょ ()の中は先に計算することや「+・ー」と「×・÷」では後者を優先させることなどを学ぶ
面積 長方形や正方形の面積を求める・面積の単位を学ぶ
がい数とその計算 四捨五入や以上・以下・未満などを学ぶ
小数×整数・小数÷整数 「0.6×2」や「0.6÷3」などの計算を学ぶ
直方体と立方体 直方体と立方体の定義を学ぶ・見取り図やてん開図を描く

つまずく分野はどこがある?

小学3・4年生の算数でつまずきやすい分野を確認しておきましょう。

<小学3年生でつまずきやすい分野>

  • 割り算の計算
  • 図形問題
  • □を用いた計算
  • 時間と時刻の違い

<小学4年生でつまずきやすい分野>

  • 図形の面積
  • 異分母分数のたし算・ひき算
  • 割り算の筆算

小学3年生からは、小学生が最もつまずきやす分野の一つと言っても過言ではない図形問題が始まります。

また小学校中学年に入ると計算も複雑になるため、算数が苦手な場合はきちんと練習しなければいけません。以下ではそれぞれの対処法を解説します。

3年生の算数の単元別対処法は?

勉強する子供の手

ここからは小学3年生がつまずきやすい単元の対処法を解説します。

割り算の計算

割り算の基本は掛け算です。九九が頭の中ですぐに計算できるようにしておけば、割り算での計算ミスを減らすことができるでしょう。

また割り算の根本的な考え方について理解できていないようなら、図を書いて説明してあげるのもおすすめです。

しかし、割り算の原理に関しては小学校でもりんごの図などを用いて丁寧に教えられるため、それが理解できていないケースはあまりありません。

ただし、図をベースに理解している子供は、「5÷7」など割られる数が割る数よりも小さくなる問題で分からなくなることが多いので、そこを丁寧に解説してあげるべきです。

図形問題もスタート

3年生からは多くの小学生がつまずく図形問題も始まります。図形問題に苦手意識がある場合は、まずは身の回りの図形を探してみることから始めるのが良いでしょう。

小学3年生では正三角形と二等辺三角形の分類や円と球しか扱いませんが、余裕があるなら小学4年生で扱う四角形や立体図形なども見つけるのがおすすめです。

さらに鋭角三角形や鈍角三角形などの分類にも挑戦してみましょう。ただし、これに関しては中学校以降の内容なので、小学生のうちに無理して覚える必要はありません。

図形に慣れたら演習

身の回りの図形を観察することで図形の性質を理解してきたら、簡単な問題に挑戦してみましょう。

問題文と図がセットになっている場合が多いですが、図がない場合は自分で描く習慣をつけさせておくのもおすすめです。高学年になって図形問題のレベルが上がった時に役立ちます。

発展的な内容にはなりますが、三角形の内角の和は180度、四角形の場合は360度などの基本事項を教えてあげるのも良いでしょう。

□のある計算

□を用いる計算では、中学受験での頻出単元に通ずる考え方を学ぶことができます。つるかめ算や旅人算などはその応用で解けるので、中学受験を目指す場合はぜひマスターしておきましょう。

算数が苦手な子供は、□を使う意味やどの要素を□にすれば良いかを理解できていない可能性があります。そのため、最初は図やイラストを用いて丁寧に説明してあげるのが良いでしょう。

□の見当が付くと良い

□に当てはまる数字の大きさに関する大まかな見当が付くのなら、かなり算数ができる証拠です。

そうした優秀な子供は、例えば「18-6」なら答えが10以上であることが何となく分かるので、10以上の数字を順番に試していくでしょう。

このような素振りを子供が見せれば、□のある計算に関しては心配ありません。

時間と時刻の違い

時間と時刻を混同してしまうのも、小学3年生にありがちなミスです。

時間の問題には文章題と一緒に表や図が書かれていることがありますが、その数値を時刻と勘違いして分からなくなってしまう子供が一定数存在します。

また時刻を尋ねられている問題なら、例えば「6時20分の10分後」の「10分後」の意味を取り違えて「6時10分」と考えてしまう子供も多いです。

時間と時刻は非常に身近な単元なので、日々の生活の中で時計を読む練習などをするのが良いでしょう。実生活で慣れていけば次第に理解できるようになるはずです。

4年生の算数の単元別対処法は?

上をみる少女

続いて小学4年生がつまずきやすい単元について、その対処法を解説します。

図形の面積

図形の面積の問題では、図形と公式の関係をよく理解させる必要があります。ただ公式を丸暗記するのではなく、どうしてその公式で面積を求めらるのかも教えてあげましょう

きちんと原理的な理解をしておく方が公式が覚えやすいですし、万が一忘れてしまってもすぐに思い出せるようになります。

また面積の問題に関しては、ある程度演習の量をこなすことも重要です。子供の理解を確認しながら、計算問題をやらせてみましょう。

文章だけの問題に関しては、図形を自分で書かせるようにするとケアレスミスが防げます。なお、面積の問題を本格的に扱うようになるのは小学5年生以降なので、4年生のうちはじっくり学ばせると良いでしょう。

異分母分数の計算

分母が異なる分数の足し算・引き算も、多くの小学生が苦労する単元です。初見ではわかりにくいことが多いので、やはり図などを用いて丁寧に説明してあげましょう。

実はそれほど難しくないということをきちんと子供に分からせることができたら、大きくつまずくことはないはずです。

また計算問題なので、ある程度の演習量をこなせば機械的に解けるようになるでしょう。

わり算の筆算

割り算の筆算は手順がやや複雑なので、戸惑ってしまう小学生は多いです。「掛け算をして、引き算をして、桁を下ろして」など、工程が多いので途中で分からなくなってしまう子供もいます。

最初は桁を揃えて丁寧に計算する方が良いので、方眼紙を使うのが良いでしょう。まずは親が見本を見せて、次に子供にやらせてみます。

時々解説も挟みながら、何度も数をこなせばこちらも機械的にできるようになるはずです。

小学3・4年生で算数を好きになるためには?

喜ぶ子供達

小学3・4年生の子供に算数を好きになってもらいたいという場合は、以下の内容を参考にしてください。

日常でも使えることに気づく

3・4年生の算数で扱う単元は実生活と関わりの深いものが多いです。そのため、きちんと理解できないと実生活で困るというデメリットがある一方、具体的な説明がしやすいというメリットもあります。

例えば、時刻や時間の違いを理解させるには、日々の生活で時刻や時間を子供に尋ねてみるのがおすすめです。また割り算はお菓子を家族4人で分けるなどの例を用いて教えてあげると良いでしょう。

数字の苦手克服は生きる上で必須

実生活では極めて多くの事象が数字と関連しています。そのため、数字に苦手意識があれば、社会生活を営む上で様々な不便があるでしょう。

例えば、情報収集が疎かになったり、人に物事を正確に伝達できない可能性があります。また相手の主張が正しく理解できないこともあるでしょう。

そのため、算数に苦手意識がある場合は、小学生のうちに克服しておくべきです。高度な問題が解けるようになる必要はありませんが、少なくとも当たり前のように数字を使いこなせるようにはさせておきましょう

勉強時間は短く集中する

小学生の勉強時間は一日30分程度で十分です。苦手な単元がある場合でも勉強時間を増やす必要はありません。

算数が苦手な子供は勉強に対してネガティブな印象を持っている可能性があるので、むしろ勉強は短く効率的に行うことを意識するべきです。

また一人での勉強は心細いものなので、特に苦手な単元はつまずいた箇所の少し前から一緒におさらいしていくのが良いでしょう。

基本的な内容を一つずつ理解させていくことで、子供に「わかった」という自信を付けさせることが大切です。

算数は冴えている時間にやる

学校から帰ってすぐや夕食後などは、疲労や血糖値の関係で眠くなってしまうことが多いので、少し休憩して頭が冴えるようになってから取り組むのが良いでしょう。

特に算数は暗記科目ではないため、頭がすっきりしている時間にやるべきです。

放課後にそうした時間が作りにくいのであれば、少し早起きして朝早い時間に取り組むというのもおすすめできます。

算数は早朝と夕方にやるのがおすすめ

人間はもともと狩猟民族だったので、空腹の時間帯に一番脳のパフォーマンスが良くなるようになっているそうです。

ただし、お腹が空いているといつでも頭が冴えるわけではなく、起床後の2時間(6時から8時頃)と夕食前の2時間(16時から18時頃)に脳のパフォーマンスはピークを迎えると言われています。

そのため、算数の勉強は早朝と夕方にやるのがおすすめです。早起きをする習慣を付けて、朝に10〜15分程度算数を学ばせると良いでしょう。

また友達と遊ぶ予定などがないなら、夕方は勉強の時間にして、夕食後に自由時間を設けるのがおすすめです。

文章題をしっかり理解する習慣

算数では数字を適切に処理する能力だけでなく、問題文の内容を的確に把握する読解力や筋道を立てて解答の仕方を考える思考力なども求められます。

特に小学校中学年の算数では文章題の理解が重要です。先述した時間や時刻の問題をはじめ、何が聞かれているかを正確に読み解かなければいけません。

そのため、子供の算数の勉強を見る時は、文章題の内容を正確に理解できているかをよく確認しましょう。理解できていなければ、一緒に問題文を読み、文意をきちんと把握する練習を行うのもおすすめです。

中学年に最適な教材は?

本を読む少年

小学校中学年の算数学習には以下のような教材を用いると良いでしょう。

無料プリントで問題を入手

苦手な単元を克服させたい場合は、ネットで無料のプリントをダウンロードするのがおすすめです。

単元ごとの基本事項から学習することができるので、苦手な単元をピンポイントで復習するにはとても良い教材だと言えます。学校の教材にプラスして演習量を増やすのも良いでしょう。

ただし、無料のプリントは学習するべき内容が網羅的に収録されていない可能性があるため、学校の予習を行うには使い勝手が悪いこともあるでしょう。

参考書を使ってみる

基本的には小学校の教科書やドリルをきちんとこなしていれば十分です。演習量が足りないという場合は何度も繰り返し解くと良いでしょう。

ただし、どうしてもそれだけでは物足りないという場合は、市販の参考書やドリルを購入するという選択肢もあります。

例えば「小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本」などがおすすめです。この本では単元ごとに要点がまとめられているため、苦手な単元をピンポイントで特訓することができます。

また保護者向けに教える時のポイントなども解説されているので、親の参考書として購入するのも良いでしょう。

【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本
1100円
【改訂版】小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本
1100円

通信教育は予習で授業をリード

通信教育のテキストやタブレット教材なら、分数や割り算などの説明しにくい単元についても、イラストやアニメーションで分かりやすく解説してもらえます

また一回の分量が少なく、1日数十分で勉強が完結するように設計されているため、算数が苦手な子供でも続けやすいでしょう。

さらに通信教育の教材は小学生一人でも勉強が進められるようになっているので、直接勉強のサポートをしてあげられない場合にもおすすめです。

学期末には各学期の総復習を行う教材も届くので、知識を確実に定着させながら勉強を続けることができます。

通信教育なら受講費用も比較的リーズナブルなので、塾に通うことを考えると、手軽に始められる教材と言えるでしょう。

小学生向けの通信教育では基本的に算数以外にも国語や英語といった主要科目も一緒に学ぶことになりますが、一部算数に特化した対策ができる通信教育もあります

タブレットを使って算数の勉強ができるので、子ども一人でも遊び感覚でどんどん勉強を進めることができるでしょう。

小学生におすすめの通信教育については以下の記事で解説しています。

小学3・4年生の算数の勉強法まとめ

小学3・4年生の算数の勉強法まとめ

  • 頭が冴えている早朝などに勉強するのがおすすめ
  • 文章題の内容を正確に理解することが重要
  • 学校の予習・復習には通信教育が最適

小学3・4年生の算数の勉強法について解説しました。

小学3・4年生の算数で扱う単元には実生活との関わりが深いものが多いので、具体例を出しながら説明してあげるのがおすすめです。

また中学年の算数では文章題が多いため、問題文の内容を正確に理解できているかどうかに気を配りましょう。

勉強時間は短くても構いませんが、頭が冴えている時間にやるべきです。時間帯としては早朝や夕食前をおすすめします。

さらに通信教育ならイラストやアニメーションで分かりやすい解説が受けられるため、特に算数が苦手な場合には活用すると良いでしょう。

以上を参考に小学生のお子さんにぴったりの勉強法を見つけてください。